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第132話 武闘試験/凛。

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第132話 武闘試験/凛。


 とりあえずさっきと同じようにブロスターを回復してっと……。修復の方は・・・うん、頑丈のおかげで必要なさそうだな。よし。

 んじゃ最後に「『意識覚醒』」「んぁ……一一」っと、これでよし。

 ……あ、そうだ。ついでに説明するのめんどいから
「『状況理解』」

「ぐあっ!?」

 これでよしっ☆

 ……無理やり理解させられたからか、ブロスターがうずくまって唸っているが別にいいよな☆。


 一一少ししてブロスターの唸りが終わった頃、ブロスターは勢いよく立ち上がり「よっしゃ最後はそっちの狐の嬢ちゃんだけだな! さっさとやろうぜ!」と言って、立ち位置へと戻った。

 ・・・本当にあいつ……いや、もういいわ。うん。……流石につっこむのもめんどくなった。


「……ってことだ。殺さない程度にやってこい。・・・最悪殺しちゃってもなんとかなるから別にいいが後始末が面倒なんでな。」

「うむ、了解した。……それではちと壊さぬ程度に遊んでこようかのぅ。くっくっく。」
 凛はそういうと不気味そうに笑った。

 ・・・こいつ、絶対殺さないまでも何かやるな。
 ってか今思ったけど、こいつ俺と同じようなことできるし、何かあったら後始末はこいつに任せるか。
 つまり自分のケツは自分で拭け。ってことだ。

「うむ。それでは行ってこようかのぅ。」

「おうっ、行き過ぎない程度にがんばー。」

「うむ。」
 凛は軽く返事をすると立ち位置へと向かった。
 ・・・あ、俺達はもちろんいつも通り遠くへ離れる。


 一一そして、急いで避難場所へつくと、前2人の時と同じように校長が1歩前へでて大きな声で合図を出す。

「それでは両者。準備は良いな? ・・・では始めっ!」

 校長の合図により、前2人の時と同じく戦いの火蓋を切って落とした。

◇◆◇◆◇

 先に動きだしたのはいつもの如くブロスターで、またもいつもの如く殴り蹴りの猛攻を繰り出す。

 凛はそのことを分かっていたので、そのブロスターの猛攻を前2人と同じく躱す。……が、凛は他2人と違い、躱すだけではなく躱すと同時に短剣でブロスターの腕を切り付ける。


(一一ふむ。凛は短剣で戦うのか。)

 どうでもいいが、ゼロは凛の戦い方は聞いていなかった。なので、短剣と言う本来メイン武器に使うものではないことにやや驚いていた。
 ……が、それと同時にどんな戦い方をするか、興味がわいていた。

(どんな戦いになるか。楽しみだな。)


 自身の攻撃を躱されたブロスターは、躱された瞬間『またか』という落胆の表情を浮かべていた。
 一一が、躱された直後、自身の腕に痛みに驚き、凛が躱すと同時に攻撃したことに気づいて、今日1番とも言えるとてつもない笑顔を浮かべた。

(・・・戦闘狂め。)

 ブロスターは自身の腕が切りつけられたことをわかった上でさらに攻撃を続けた。

 凛はその攻撃を全て躱した。
 流すわけでも、弾くわけでも、止めるわけでもなく、全てを躱す。
 もちろん躱す度にブロスターの腕や足、体を切りつけていく。

 そして、躱してる時に短剣を持っていない方の手を服のポケットに入れていたり、片眼、たまに両眼を閉じていたり、動くモーションをつけず、まるで短距離を瞬間移動しているように躱していたりしてブロスターをおちょくる。

 ブロスターはいくら攻撃しても当たらないことに若干の戸惑いと喜びを表し、どんどんと攻撃速度を上げていく。

 ……が、どんなにスピードを上げてもそれよりもさらに高速で凛が攻撃を躱し、反撃をする。

 ブロスターは攻撃する度反撃され、どんどんとボロボロになっていき、とうとう限界が近づいていた。
 ブロスターは最後の最後に力を振り絞って凛に攻撃する。……が、凛があっけなく躱し、反撃をされ、ブロスターが倒れた。

「ブロスター戦闘不能により、勝者!凛殿!」

(・・・凛えげつなっ。)

◇◆◇◆◇

 凛は勝利したと気づくと、ものすごく満足そうな笑顔で俺らのところへ戻ってきた。

「皆のもの、勝てたぞ。久しぶりに遊べて妾は満足じゃ。」

「・・・そうか。ところでブロスターは無事なのか?」

「うむ、大丈夫じゃ。痛みや傷跡はそのまま通しておるから体は負傷だらけじゃが、HPは必ず1%残るようにしたからの。」

 ・・・えーと、つまり、HPが絶対減らない状態にして死ぬ事はさせず、傷や痛みがそのまま通る攻撃をスタミナ切れるまで延々としていた、と。
 ・・・なにそれ拷問?

「凛・・・やっぱえげつないな。」

「む、なんじゃお主が言ったんじゃろう。殺さぬなと。」

 いや、まぁ確かに言ったけど……えぇ。

 ……体は死ななくても心が死ぬだろ。普通。
 ・・・あ、でもよく考えたらあの脳筋普通じゃねぇわ。・・・ってこては問題ないな! よし。


「ゼr」

「はーい。校長ーいつものッスねー。わっかりやしたー。」

「・・・うむ。」
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