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第130話 武闘試験/ハクPart2。
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第130話 武闘試験/ハクPart2。
一一校長の合図の後、先に動いたのはブロスターだった。
ブロスターはいつもの如く、ものすごい速さで対戦相手に走りより、殴り掛かろうとした。
対するハクは収納から棒(持ち手部分がやや太い)を取り出した後、防御の体勢をとって、ブロスターの拳を弾いた。
ブロスターは自身の拳が弾かれたことで、すごく驚いた顔をした。が、すぐに元の表情に……いや、元の表情よりさらに笑顔になって攻撃を続けた。
ハクは繰り出されるいくつものブロスターの拳を全て弾き、避けることで無効化していった。
ブロスターは弾かれる度に笑顔になり、さらに攻撃の速度を上げていった。
弾かれ、躱され、攻撃速度をあげる。
一一それが数十、数百回繰り返された頃、ブロスターの顔に少々飽きが見え始めた。
「・・・おいっ! そろそろ反撃したらどうだ!? 避けて弾いてばっかじゃあ試験の結果が出せんっ!!」
(・・・あいつ、真面目な事言ってるけど多分飽きてきてるだけだな。)
「・・・ふむ。そうじゃな。ではそろそろ反撃と行くのじゃ。」
「よっし。そうこなくっちゃ! やっと面白くなる!!」
(あっ。すっごい笑顔になったわ。・・・やっぱ飽きてただけじゃねーか。面白くなるって言ってるし。)
一一そして、次の攻撃からハクの反撃が始まった。
ハクは武器はそのまま棒を使い、刺突攻撃や打撃攻撃を繰り出した。
対するブロスターもハクの攻撃を流し、弾き、避け、反撃をした。
両者共に激しい攻防を繰り返し、決着がつかないまま時間だけが流れていった。
(・・・? なんかおかしいな……。てっきりステータスの差的にハクが圧勝すると思っていたんだが……。
……あっ。もしかして俺みたいになんか縛りでもつけてんのかねぇ?)
一一ゼロがそんなことを疑問に思っていると、突然ブロスターがバタンっと音を立て倒れた。
(ん? なんで急にブロスターが倒れたんだ? ……って普通に考えてみりゃースタミナ切れか。……そりゃあんなに激しく動いてりゃすぐに疲労するわな。
……んー、でもそれにしては早すぎない一一)
「ふむ。ブロスター、戦闘不能! よって、勝者ハク殿!」
一一ゼロが色々と不審な点を考えていると校長が勝負の判決をした。
勝利宣告されたハクがさっきまで戦っていたのが嘘のように、すごい笑顔でこちらに向かってきた。
「主殿ー! 勝ったのじゃー!」
「っと、ああ。ハク、おめっとさん。勝ててよかったな。」
「うむ! じゃが、思ったより時間がかかってしまったのじゃ。」
「ああ、そう。それだ。なんであんなに時間かかったんだ? 多分、もう少し早く……いや、最初の一瞬で勝負つけられたろ?」
俺はハクに疑問に思っていたことを聞いてみた。
「む。ああ、それはの、一瞬で倒してしまってはなんだかつまらないと思ったのじゃ。
じゃからあやつが体力切れになり、勝手に倒れるのを待っとったんじゃが……。あやつ、思ったより体力があってのぅ……。じゃからあの者に攻撃する度、体力を吸い取っていったのじゃ。
……じゃが、調整を間違えたようでのぅ……。思ったより早く倒れてしまったのじゃ。」
「あー、なるほど……。……お前もだいぶ鬼畜になったな。」
「そうかのぅ?」
……にしても、つまらない、か。
・・・なんか俺の性格に少し似てきた気がする。……うーん。やっぱりペットは飼い主に似るもんなのかねぇ?
・・・まぁ別にいいや。どう転んでもハクはハクだ。別に別人になる訳じゃねぇからいいだろ。
・・・まぁ転ぶ原因の俺が言うのもなんだけどな。
◇◆◇◆◇
「んで、ブロスターの方なんですが、倒れちゃってますけど、どうします? あとライムと凛の試験が残っているんですが。」
俺はいまだにぶっ倒れているブロスターを指さしながら言った。
……っていうか、止めなかった俺もなんだけど校長もなぜ止めなかったし。
「ふむ。……どうしようかのぅ。」
校長は少し考えると、俺の方を見て、ハッとした顔になった。
「・・・ふむ。のぅ、ゼロよ。お主、あやつを戦える状態まで回復させること、できるかのぅ?」
「あー、はい。まぁあれくらいなら1発で出来ます。・・・えーと、やりましょうか?」
俺がそういうと校長は笑顔になり、
「うむ。ではお願いする。」
と言った。
・・・俺、今日休日なのに平日より働いてね? 気の所為? ・・・まぁ大体の原因、俺関連だから別にいいけどね!
一一校長の合図の後、先に動いたのはブロスターだった。
ブロスターはいつもの如く、ものすごい速さで対戦相手に走りより、殴り掛かろうとした。
対するハクは収納から棒(持ち手部分がやや太い)を取り出した後、防御の体勢をとって、ブロスターの拳を弾いた。
ブロスターは自身の拳が弾かれたことで、すごく驚いた顔をした。が、すぐに元の表情に……いや、元の表情よりさらに笑顔になって攻撃を続けた。
ハクは繰り出されるいくつものブロスターの拳を全て弾き、避けることで無効化していった。
ブロスターは弾かれる度に笑顔になり、さらに攻撃の速度を上げていった。
弾かれ、躱され、攻撃速度をあげる。
一一それが数十、数百回繰り返された頃、ブロスターの顔に少々飽きが見え始めた。
「・・・おいっ! そろそろ反撃したらどうだ!? 避けて弾いてばっかじゃあ試験の結果が出せんっ!!」
(・・・あいつ、真面目な事言ってるけど多分飽きてきてるだけだな。)
「・・・ふむ。そうじゃな。ではそろそろ反撃と行くのじゃ。」
「よっし。そうこなくっちゃ! やっと面白くなる!!」
(あっ。すっごい笑顔になったわ。・・・やっぱ飽きてただけじゃねーか。面白くなるって言ってるし。)
一一そして、次の攻撃からハクの反撃が始まった。
ハクは武器はそのまま棒を使い、刺突攻撃や打撃攻撃を繰り出した。
対するブロスターもハクの攻撃を流し、弾き、避け、反撃をした。
両者共に激しい攻防を繰り返し、決着がつかないまま時間だけが流れていった。
(・・・? なんかおかしいな……。てっきりステータスの差的にハクが圧勝すると思っていたんだが……。
……あっ。もしかして俺みたいになんか縛りでもつけてんのかねぇ?)
一一ゼロがそんなことを疑問に思っていると、突然ブロスターがバタンっと音を立て倒れた。
(ん? なんで急にブロスターが倒れたんだ? ……って普通に考えてみりゃースタミナ切れか。……そりゃあんなに激しく動いてりゃすぐに疲労するわな。
……んー、でもそれにしては早すぎない一一)
「ふむ。ブロスター、戦闘不能! よって、勝者ハク殿!」
一一ゼロが色々と不審な点を考えていると校長が勝負の判決をした。
勝利宣告されたハクがさっきまで戦っていたのが嘘のように、すごい笑顔でこちらに向かってきた。
「主殿ー! 勝ったのじゃー!」
「っと、ああ。ハク、おめっとさん。勝ててよかったな。」
「うむ! じゃが、思ったより時間がかかってしまったのじゃ。」
「ああ、そう。それだ。なんであんなに時間かかったんだ? 多分、もう少し早く……いや、最初の一瞬で勝負つけられたろ?」
俺はハクに疑問に思っていたことを聞いてみた。
「む。ああ、それはの、一瞬で倒してしまってはなんだかつまらないと思ったのじゃ。
じゃからあやつが体力切れになり、勝手に倒れるのを待っとったんじゃが……。あやつ、思ったより体力があってのぅ……。じゃからあの者に攻撃する度、体力を吸い取っていったのじゃ。
……じゃが、調整を間違えたようでのぅ……。思ったより早く倒れてしまったのじゃ。」
「あー、なるほど……。……お前もだいぶ鬼畜になったな。」
「そうかのぅ?」
……にしても、つまらない、か。
・・・なんか俺の性格に少し似てきた気がする。……うーん。やっぱりペットは飼い主に似るもんなのかねぇ?
・・・まぁ別にいいや。どう転んでもハクはハクだ。別に別人になる訳じゃねぇからいいだろ。
・・・まぁ転ぶ原因の俺が言うのもなんだけどな。
◇◆◇◆◇
「んで、ブロスターの方なんですが、倒れちゃってますけど、どうします? あとライムと凛の試験が残っているんですが。」
俺はいまだにぶっ倒れているブロスターを指さしながら言った。
……っていうか、止めなかった俺もなんだけど校長もなぜ止めなかったし。
「ふむ。……どうしようかのぅ。」
校長は少し考えると、俺の方を見て、ハッとした顔になった。
「・・・ふむ。のぅ、ゼロよ。お主、あやつを戦える状態まで回復させること、できるかのぅ?」
「あー、はい。まぁあれくらいなら1発で出来ます。・・・えーと、やりましょうか?」
俺がそういうと校長は笑顔になり、
「うむ。ではお願いする。」
と言った。
・・・俺、今日休日なのに平日より働いてね? 気の所為? ・・・まぁ大体の原因、俺関連だから別にいいけどね!
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