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第112話 忘れてた。

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第112話 忘れてた。


~数分後~

 一一あの後、リミィの両親と家庭教師の報酬(給金)はいくらかにするか話し合った。

 とりあえず、俺は考えるのがめんどかったんでリミィの両親におまかせした。
 その結果、期待も含めて家庭教師の平均給金の約10倍の額を支払われることになった。

 ・・・両親の期待高すぎじゃね? ・・・まぁ期待されたからには答えてやるがな。よし、とてつもないチートに育ててやらァ。

 …え?どのくらいに育てるかって?

 うーん。とりあえずデコピンでドラゴンを消すくらいに育ててやろうかな☆(ネタがわからなかったら1話から見よう☆)

◇◆◇◆◇

 ~数十分後~

「あ、時間もいい感じだな。んじゃ、そろそろ俺はお暇(いとま)しようかね。」

「えぇー。もう帰っちゃうのー?もうちょっといようよー。」

 えー。……やだ。
「いや、そろそろ外も暗くなってきたし早めに帰りたいんだけど……。」

 正直、早く帰って寝たい。

「えぇー。」

「こら、リミィ。あまりゼロさんを困らせるんじゃありません。」

「むぅ……。」

 いや、しかめっ面されても困るわ。

「!!そうだ!今日ゼロ泊まっていかない?!」

「むっ。」

「は?」

「あらあら。うふふ。」

 ・・・急に何を言っているんだい?この子は。
 ってか、伯爵夫人(リリィ)さん。そこはあらあらうふふで済ませるところではなくない?

「ねっ!いいでしょ!?お父様っ!」

「む、むぅ……。」

 っと、伯爵が返答する前に
「あ、俺は泊まらんぞ。」

 ちゃんと断っとく。

「えぇ!な、なんで!?」

「なんでと言われても……。俺にも帰る家あるし、家で待ってる人もいるし。」

「えぇー!ゼ、ゼロって家持ってるの!?」

 ちょい待てそれどういうことや?

「持ってるぞ?」

「ずっと宿とまりかと思ってた。」

「えぇ……。」

「………まぁリミィよ。そういう事だ。ゼロ君を困らせてもしょうがない。今日のところは諦めなさい。」

 そうそう伯爵の言う通り、今日のところは…って、ちょい待て。今日のところはって何だ。……伯爵も誘うつもりだったのか?

「……うぅ……はぁ。…家があるならしょうがないかぁ。……はぁ。」

 ため息多いな。それほど残念だったか。・・・断ったが、残念がってくれるのは嬉しい限りだな。

「ほら。ため息ばっかついてないで。笑顔でゼロさんを見送りましょう?」

「そうだよ。リミィ。別にこれが最後の別れじゃないんだ。逆に今度から家庭教師とその生徒として沢山会えるんだぞ?いいことじゃないか!
 ほら、バイバイばかりを考えて悲しむんじゃなくて次会うことを楽しみに待とう? な?」
 適当に元気づけようとしてみてるが、出来てるかな?

「………うん。それもそうね!ゼロ!またね!」

 おっ。元気になったな。
「おう!その元気があれば大丈夫だ!またな!」

 一一俺はその後部屋を退出し、執事(いつの間にか居た)に道案内をしてもらい、そのまま帰宅路についた。

◇◆◇◆◇

~帰宅途中~

「ふぅ……。」

 あー、つっかれた!!!

 やっぱり1人だと気が楽でいいわー。

 ……なんか不敬罪はないと分かってもフレンドリーに対応できねぇんだよなぁ。貴族だからかな?

『主殿ー。』

 おっ?ハクか。

『んぁ?ハクかー?どうした?』

『むっ。やっと出たのぅ。』

 やっと?ってことは少し前から念話はかけてたのか?気づかなかったわ。

『あー、ごめん。気づかなかったっぽい。……んで、どうした?』

『いやのぅ、ちょっと主殿が連絡無しで遅かったから心配になってかけただけなのじゃ。』

 え?それだけ?
『俺は無事だが……。……少し遅かったからって念話かける程か?俺たまに連絡なしで遅くなってることないか?』

 別に今日初めて遅くなってるわけじゃないし。

『む。主殿、今日帰ったらなにか話すって言ってたのじゃ。』

『あ。』
 ……ハク達の入学の話、ふっつーに忘れてたわ。

『ごめんごめん。忘れてたわ。もうすぐ帰るからちょっと待ってな。』

『むぅ。わかったのじゃー。』

 とりあえず路地裏に行って転移するか。

◇◆◇◆◇

 よし、この辺りでいいかな。

「一一、一一一!!」

「ん?」
 なんか遠くから声が聞こえる……。

 えーと、「『耳をすま〇ば』」

「にゃー!にゃーー!!」

 ・・・まさかの猫だったわ。なに?さっきの耳をすますやつ繋がり?

「おらっ!」

「に゛ゃっ!!??」

「へへへっ。俺様の蹴りを一一」

 あ、なんか人いた。どうやらさっきの猫虐めてるみたいだな。

 ・・・ん?あの猫どこかで……。あっ!この前の木の上にいた猫!

「おらよっ!」

「に゛っ!!」

 あー。また蹴られた。
 うーん……。見て見ぬふりもできるが、その場合夢見が悪いしな。めんどいが助けてやるか。

「くら「やぁ、こんにちは。」ッッ!?」

 俺が急に現れると、猫をいじめてたやつ(虐待者)はとても驚いた顔をしていた。

 あ、ちなみにさっきまでと違う格好をしてる。

 今の俺の姿を簡単に言うとあれだ。白と黒で半々に分かれてるにっこり笑顔の丸いマスクをつけた黒服だ。

 ・・・え?なんでわざわざこんな格好をしたかって?・・・なんとなく☆


 俺は軽く、猫の方を見て
「君は何をしてたの?」

「……はっ!だっ誰だお前はっ!?」

「おっと、名乗り遅れたね。僕の名前はレイ。君を××しに来たんだよ。」

「……は?何を訳の分からn(スパッ)……へぁ?」

 虐待者が話していると、突然バランスをたもてなくなり、わけもわからずぶっ倒れた。

「は?」

 虐待者が足を見ると、瞬時に理解をした。理解してしまった。自分がなぜ立てなくなったかを。自分の足が消えたことを。

 すると、ダムが崩壊したように現実感と激痛が頭、体、足の切れ目に巡る。

「は、はぁぁぁ!??はっ!へ?!はぁ!?いってぇー!!!痛てぇ!なんで!?うあああ一一」

 レイ(ゼロ)は虐待者の大きな寄声を聞き、少し顔をしかめた。

「煩いねー。僕はうるさいのが嫌いなんだ。
 だからそんな煩い声を発する君の喉……いや、僕に不快さを与えた君は存在がいらないと思うんだ。だからね。」

 ゼロはそう言うと虐待者の首を跳ねた。

「死んで?」
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