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第101話 一応俺だししょうがない。

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第101話 一応俺だししょうがない。


一一ゼロの家

「たでーまー。」

「失礼。」

 ・・・今更だけど、なんかこいつ堅苦しいな。…ま、いつか慣れるか。

「おかえりなさいませ、旦那様。冥龍帝様もようこそいらっしゃいました。」

「うぃっす、ただいま。あ、セバス。わかってると思うけどこいつ冥龍帝ね。今日からここに住まわせるから部屋とか諸々の用意お願いね。」

「はい。既にご用意しております。」

 ・・・いやー、まじでこの執事万能だわ。一家に一台、いや、1部屋に1台は欲しいくらい。
 ……いや、ごめん嘘ついた。やっぱそんなに要らん。一人で十分だ。

◇◆◇

 俺達が部屋に向かい歩いていると……

「む?ゼロよ帰ってきておったのか。」

 凛が近づいてきた。

「ん?凛か。ああ、いまさっき帰ってきた。」

「ッ?ゼロ殿。この者は?なにやらゼロ殿と似たような魔力を感じるが……。」

 あー……。まぁ、確かに元々俺だし似てて当たり前か。
 ……ってか、こいつ顔赤くなってんな。……もしかして惚れたか?

「こいつはー…」

 ……なんだろ?妹?って訳でもないし、分身…でもなくなったわけだし。でも他人とかって訳でもないし、友達って感じでもないよなぁ。

 ……ま、兄妹みたいなもんだし、兄妹でいいか。

「兄妹?みたいなもんだ。」

「ふむ。ゼロ殿の妹君か。吾輩は冥龍帝だ。凛殿。よろしく頼む。」

「うむ。よろしくなのじゃ。冥龍帝殿。」

「ッ!!」

 ……うん。こいつ、絶対に凛に惚れてんな。

 ……まぁさっきも言った通り、凛は元々俺の分身だし、俺が女に惚れられるなら凛はその逆で男に惚れられて普通か。


「一一さて、では妾はそろそろ行くのじゃ。ではまたのぅ。」

「んー。じゃあのー。」

「ぁ……。」

 ……うわぁ。すごい残念そう笑。
 …ってか、これからここに住むんだから何回も会えるだろうに。

「…さて、じゃあ行くぞー。」

「…うむ。」

◇◆◇

「よしっと。冥龍帝。ここがお前の部屋だ。」

「ふむ…。ここが吾輩の住処になる場所か……。」

 いや、住処て…。ま、間違っちゃいねぇか。

「んじゃ、俺は部屋に戻ってるから。なんか用があったら部屋にこい。」

「うむ……あ、ちょっと待ってくれ。」

「んー?」

「ここに鍛錬や戦闘をするところはあるか?」

「あー……。」

 鍛錬とかをする所……まぁ訓練場とかか。
 確かに訓練場って作った覚えも見た覚えもないな……どっかにあったけー?

「セバス。」

「お呼びでしょうか。」

「ッ!?」

 あ、驚いてる。……まぁたしかに急になんにもない所から湧いてでたんだもんなぁ。驚いて当然か。

「ここに訓練場みたいなのってあったっけ?」

「いえ、今現在はございません。」

「あー、やっぱりか。……あ、じゃあ訓練場作るか。セバス、訓練場に良さそうなところある?」

「それでしたら1階の階段の左横にあるお部屋はどうでしょう?広さもまぁまぁあり訓練場にはピッタリかと…。」

 ふむ。1階の横……あぁ、あの部屋か。
 うん。確かに普通の部屋よりは広いし、訓練場には丁度よさそうだな。

「おけ。んじゃそこに作るか。」

 えーと。指パッチン☆

「……よし。多分これで出来たはずだ。」

「……巫山戯ているのか?と言いたいところだが……恐らく本当にできているんだろうな。」

 お?早くも俺に適応した感じ?さっすがー☆

「んじゃ俺は部屋に戻るから。なんかあったり、俺に用がある場合はセバスに俺んとこまで案内してもらって。」

「うむ。了解した。」

 後で俺も訓練場行こーっと。

 ・・・あ、ハクとこいつあわせんの忘れてた。……晩飯の時に紹介すればいいか。
 多分、晩飯のこともセバスなら言っておいてくれるだろうしね。
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