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第100話 勇者死す。

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第100話 勇者死す。


 一一ふむ。かなり色々あったみたいだな。

 ・・・話の流れを整理すると、こいつ、俺が探してた冥龍王ってドラゴンらしい。
 でも、つい最近進化して冥龍帝って種族になったみたい。んで、そんときに“龍人化”ってのを覚えたから早速使ったんだとさ。

 そしたら突然、この勇者の子孫ってやつが出てきて冥龍帝に勝負を挑んだ。
 一応、抵抗はしたみたいだが流石勇者の子孫と言うべきか、なかなかに強く、冥龍帝が押される形となった。

 んで、トドメを刺されそうになった時に俺が登場したってことだ。


 ・・・今話して疑問浮かんだ。この勇者どっから来たし。

 気は乗らないけど、一応こいつにも聞いてみるかぁ。

「あんたの方はなんかあるか?」

「……!……!!!」

 あっ、そっか。今喋れなくしてんのか。
えーと
 「『解除』っと。これで話せるはずだ。で、なんかあるか?」

「なんかあるか?だとっ!?あるにきまってるだろぅ!?この僕に向かってあんな魔法をかけて!!さらには僕の話を聞かずに魔族に耳を傾けるとは!!貴様h「『沈黙』」……!!………!?……!!!」

 よし、こいつに聞いても無意味だな。記憶を見ようか。


 一一あぁ、理解。

 こいつ、ただの自己中の正義感が強い馬鹿だわ。しかも勇者の子孫の中でかなり強い部類に入る。

 それだけならまだいいけど、こいつ人の話を聞かなくて自分勝手だから問題ばっか起こして周りがすごい迷惑してるみたい。

 んで、旅に出すって名目でこいつが住んでた村から追い出されたみたいだ。・・・ちなみに、こいつはそのことに気づいてない。

 一応、こいつが将来的に起こすことを予知で見てみた。結果、魔王とかに喧嘩売って人族を滅亡へと導いてた。

 ・・・よし、こいつ殺すか。生きてても価値がないどころか逆に害があるし。
 ・・・あ、一応こいつ(勇者)は冥龍帝の獲物だし、一応許可とるか。

「なぁ、冥龍帝よ。こいつ、俺が殺してもいいか?」

「……構わん。ここまでやられた仕返ししたい気持ちもあるが、吾輩はそなたの助けがなければ死んでいた。獲物くらいならいくらでも差し出す。」

「そうか…。じゃあさっさと殺すか。」

 ・・・あ、そうだ。権能で殺せるか試してみるか。

「『死亡』」

「………。」

 ?………あ、死んだっぽい。・・・これ使うと一瞬で死ぬから死んだかどうかわかんねぇ。
 せめて苦しんでくれれば死んでるかどうか判断しやすいのに……って考える俺は異常か?

・・・ま、いいや!

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「これでよしっと。」

「………失礼だが、一つ良いか?」

 ?なんだ?

「んー?何?」

「そなたは…一体何者なのだ?たった一言で生物を殺せるとは……。」

 あ、そっかー。そりゃー気になるよねー。
 なんだなんだと聞かれたらー。答えてやるのが世の情けー。ってね。

「俺はSSランク冒険者のゼロってもんだ。今回は依頼でここにいた。えーと、冥龍帝?が居座ってるこの山あるじゃんか?」

「う、うむ?」

「交通とか輸送の邪魔だからここに居座るのをやめてくれってことらしい。」

「・・・うむぅ。………だが……いや、仕方がない。……わかった。そういうことならここを退こう。
 ……また新たな住処を探さなければ……。」

「おぅ。ありがとさん。………あ、そうだ。他に住処がないならうち住むか?」

「む!?いいのか!?」

「ああ。いいぞ。」

「ならば是非頼む!」

「ん。」

 ・・・あ、そういや、流れで誘ったけどこいつをハク《龍神》と合わせたらこいつどんな反応すんだろ?ちょっと見ものだなー。
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