4 / 7
カルコックの神々を尊ぶ善良なる民への書
3.裁かれた神、"歩く男神エルジホスプト"またの名を"不敬なる者フラップス"
しおりを挟む
本来カルコックにおいて、罪人を裁くことは罪人が行うべきであるが、神の世界においてはその通りではない。
"歩く男神エルジホスプト"は自身より高等な神である"起きる男神パラベシュトリ"へ楯突いた罪を"すなわち高貴なる男神ルナスフォンダ"によって清算された。
罰は神である名前の抹消と、"起きる男神パラベシュトリ"が監視する人間へ姿を変えることであった。
穢れた世界へその身を堕とされた彼は、フラップスという名に改め、カルコック領のはるか東南にあるビスケパラという町である家族に拾われた。
雑多な神であれど、神であったその身は既に人へと変わり果て、その名残として肌は美しい白さを露出していた。
裏切られた結末にも関わらず、慈悲深き御方であった"起きる男神パラベシュトリ"は兄の行く末を憂い、有象無象の人間たちよりもフラップスを注視していた。
フラップスは拾われた家族の家で、粗末な暮らしながらも命を落とすことなく過ごしていき、やがて体は丈夫な大人のものへと成長した。
自信が神であったことを忘れ、下賎な人間の暮らしに馴染んだことを哀れに思った"起きる男神パラベシュトリ"は友人である我々の王、フグクスストに事情を説明し、自分が神であることを思い出させようとした。
"起きる男神パラベシュトリ"は聡明であった。
フグクスストにフラップスを粗末に育てあげた人間たちを、私兵を率い殺すよう命じた。
神は不敬でない人間に直接手出しすることが出来ないため、友人の手を借り、間接的に関与することに成功したのだ。
哀れにも人の暮らしに染まってしまったフラップスは、またもや激昂し、あろうことかフグクススト、"起きる男神パラベシュトリ"へ直接的に反抗し対立する意思を申し出た。
彼の振る舞いに大変呆れた"起きる男神パラベシュトリ"は、これ以上彼が、その痴態を晒すことの無いよう、殺害予告から正式に不敬なるものとして認識し、概念的幽体、そしてフグクスストの私兵をフラップスへ差し向けるのであった。
カルコックでは、フラップスを神の施しに対して最上級の不届きを働いたものとして、
"不敬なる者フラップス"
上記の仇名を設けるものとする。
"不敬なる者フラップス"はあろうことか、"起きる男神パラベシュトリ"の監視から逃れ、どこかに隠れ続けていると言う。
"歩く男神エルジホスプト"は自身より高等な神である"起きる男神パラベシュトリ"へ楯突いた罪を"すなわち高貴なる男神ルナスフォンダ"によって清算された。
罰は神である名前の抹消と、"起きる男神パラベシュトリ"が監視する人間へ姿を変えることであった。
穢れた世界へその身を堕とされた彼は、フラップスという名に改め、カルコック領のはるか東南にあるビスケパラという町である家族に拾われた。
雑多な神であれど、神であったその身は既に人へと変わり果て、その名残として肌は美しい白さを露出していた。
裏切られた結末にも関わらず、慈悲深き御方であった"起きる男神パラベシュトリ"は兄の行く末を憂い、有象無象の人間たちよりもフラップスを注視していた。
フラップスは拾われた家族の家で、粗末な暮らしながらも命を落とすことなく過ごしていき、やがて体は丈夫な大人のものへと成長した。
自信が神であったことを忘れ、下賎な人間の暮らしに馴染んだことを哀れに思った"起きる男神パラベシュトリ"は友人である我々の王、フグクスストに事情を説明し、自分が神であることを思い出させようとした。
"起きる男神パラベシュトリ"は聡明であった。
フグクスストにフラップスを粗末に育てあげた人間たちを、私兵を率い殺すよう命じた。
神は不敬でない人間に直接手出しすることが出来ないため、友人の手を借り、間接的に関与することに成功したのだ。
哀れにも人の暮らしに染まってしまったフラップスは、またもや激昂し、あろうことかフグクススト、"起きる男神パラベシュトリ"へ直接的に反抗し対立する意思を申し出た。
彼の振る舞いに大変呆れた"起きる男神パラベシュトリ"は、これ以上彼が、その痴態を晒すことの無いよう、殺害予告から正式に不敬なるものとして認識し、概念的幽体、そしてフグクスストの私兵をフラップスへ差し向けるのであった。
カルコックでは、フラップスを神の施しに対して最上級の不届きを働いたものとして、
"不敬なる者フラップス"
上記の仇名を設けるものとする。
"不敬なる者フラップス"はあろうことか、"起きる男神パラベシュトリ"の監視から逃れ、どこかに隠れ続けていると言う。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
令和欲張りギャグコメディ「しまづの県」
郭隗の馬の骨
ファンタジー
現代っぽい日の本でお菓子製造を営む株式会社しまづの面々と全国の戦国時代にどこかで聞いたような人々があれこれするお話。
随所にアニメや漫画などのパロディーを散りばめて、戦国島津を全く知らない人にも楽しんでもらいつつ、島津の魅力を味わってもらおう、ついでにアニメ化やゲーム化やいろんなタイアップを欲張りに求めていくスタイル!
登場人物は戦国島津、戦国武将、島津ゆかりの風味(ここ大事!)で舞台は現代っぽい感じ。(これも大事!!)
このお話はギャグパロディ小説であり実在の人物や組織、団体などとは一切関係ありません。(ということにしておいてください、お願いします)
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる