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第四章 手紙
第96話 手紙 (下)
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「ふふっ、如月君も青葉も眠ってしまったわね」
「……うん。二人共、最後まで本当に頑張っていたから仕方ないよ」
そう言いながら、当人である金持いずみも、ふぁ~と欠伸を漏らす。
「ふふっ、いずみちゃんも本当にお疲れ様でした。よく全員分の絵を仕上げてくれたわ。結局、30枚近くになってしまったものね。
……どれも、素敵な絵だった。また腕を上げたんじゃない?」
黒木紅葉は本当に感心した様子で、隣にいる親友の労を労った。
四人は今、輝命寺にある客間の一室にいた。この二週間は、時間で閉めなければならない部室ではなく、輝命寺で手紙を書いていたのだ。
事情を知った紅葉と青葉の父でもある住職が、この場所を提供してくれた。
今夜はもう女の子達も帰ってしまい、その客室にはオカルト研究部の四人だけが残っていた。
ユウと青葉は手紙が出来上がるのを見届けると、どちらからともなく机の上に突っ伏して寝入ってしまった。ユウの足元には、丸まって眠るイヌさんの姿もある。
「……うん?どうかな?でも、こんな言い方は本当はいけないと思うんだけど、楽しかった!みんなの気持ちを知って、その気持ちを……どう絵で表現すればいいか一生懸命考えて、その子と私のイメージがピッタリ重なり合った時は、本当に絵を描いていて良かったって思えたの」
この二週間の日々を思い出しているのか、彼女が何とも言えない表情で微笑む。
「本当に、全部素敵な絵だった。ふふっ、でも如月君の感動の仕方が面白かったわ」
「もう―― ユウくんたら、絵が出来上がる度に、すごい!すごい!って泣きながら喜んで、ほんっとうに大げさなんだから……」
「全然、大袈裟なんかじゃない。本当に凄かったもの。幼馴染として、私も鼻が高かったんだから」
照れ笑いをしている、いずみを眩しそうに見つめる紅葉。そして二人同時に、ぷっと吹き出して笑い合った。お互いに泣きながら喜ぶ、彼の姿を思い出したのだ。
それから二人は、机の上に倒れ込む様にして寝てしまった、ユウと青葉に毛布を掛けて回った。
「ユウくんの書いた手紙も、本当に凄かったね。ユウくんって、自分では気付いてないみたいだけど、文章を書く才能、絶対にあるよ」
いずみが、机の上で寝ている彼の寝顔を愛おしそうに見つめている。
「ええ、本当に素敵な手紙だったわね。才能がどうとか私には分からないけれど、貴女も彼も本気だった。――そうでしょう?
本気で彼女達の……そして自分自身の気持ちを伝えようと、全てを出して描いたの。だからきっと、素敵なものになったんだと思う。
誰かに何かを伝える時、上手いとか下手とかそんな事よりも、きっとそのことが大切なんだと思うわ」
紅葉の言葉を恥ずかしそうに聞いていたいずみは、「うん」とだけ言って、はにかんでみせた。
「でも紅葉ちゃんは、本当にそっくりな字が書けるんだね。どうすれば、あんなにそっくりに書けるの?」
「字にはそれぞれ癖があるから、それをじっくり観察すれば誰にでも書けるのよ」
結局、紅葉は二日程で、女の子全員の筆跡が分かる何かしらを集めてきた。それからユウが手紙を書いている間、ただひたすらに、その文章をじっと眺めていた。そして、いざ書き始めると本当に本人そっくりの字を書いて、皆を驚かせたのだ。
「………いや誰にでもは、書けないと思うよ?」
いずみは目の前で微笑む幼馴染みの、底知れない実力を頼もしく感じてた。そしてそれは、スヤスヤと寝息を立てている、もう一人の幼馴染の頑張りに対してもだ。
「……青葉ちゃんも、本当に頑張ってたね。女の子達の話をじっと聴いて、それをあんなに一生懸命にユウくんに伝えてさ」
この二週間、この客間にはユウと青葉の話し合う声がいつも聞こえていた気がする。本当に細かい事柄まで、二人は話し合っていた。お互いの考えのズレが無くなるまで、とことん話し合ったのだ。
女の子の話しを聴くことも、それを自分の言葉に直して彼に伝えることも、会話が苦手な彼女にとっては、とても神経を使う作業だったろう。……いくら彼女が彼に心を許している、といってもだ。
そして話し易い様に、上手に彼女から会話を引き出していたのが彼だった。
意外とこの二人の相性は、良い。それが、この二週間で分かったことだ。何より妹にとって、本当に成長出来た二週間だったことに間違いはない。
……ふふっ、本当にお疲れ様だったわね、青葉?
妹の寝顔を見つめながら、姉として微笑まずにはいられなかった。
「そういえば、おじさんとおばさんにも、お礼を言わなくちゃ……ね?」
紅葉がその話題に触れた途端だ。いずみの表情が、あからさまに引きつった。
「う~…… 別に、お礼なんていいよ。呼んでもいないのに、毎日顔を出してさ」
「心配なのよ。毎晩、帰りが遅くなってしまったから、二人とも心配していたの」
「……そう、なのかな?お父さんもお母さんも、ユウくんに会いたいから来ていただけじゃなぁい?だって来る度に、ユウくん絡んでさ……」
「ふふっ、本当に如月君が気に入っているみたいね、おじさん達……」
「もうっ!恥ずかしくて死にそうだったんだから!ユウくんも忙しいのに、ちゃんと二人の相手をするから、どんどん調子にのって……!」
顔を真っ赤にしながら、いずみがぷるぷると震えている。
「でも本当に助かったわ。父の分まで夕食の支度をして下さって。やっぱり、今度ちゃんとお礼に伺うね」
「……うん。お礼はともかく、紅葉ちゃんと青葉ちゃんが家に来ると二人とも嬉しいみたいだから、遊びに来てくれるのは大歓迎だよ。……特に、お父さんが喜ぶね」
「それは、お互い様よ。うちの父も、いずみちゃんが来るとバカみたいに、はしゃいじゃって見ていられないわ」
それから二人は、お互いに顔を見合わせて笑った。
「……ユメちゃんにも、淋しい想いをさせちゃったかな?ユウくんの帰りが毎日遅かったから、きっと淋しかったよね?」
「……ええ、本当に仲の良い兄妹だから、きっと淋しがっているに違いないわ。
あっという間だったのか、長かったのか分からない二週間だったけれど、……皆に、助けてもらって何とか出来上がったね」
「……うん。伝わると、いいね」
「ええ、相手があることだから、こればっかりは分からない。けれど、私達が出来ることは全てやったわ。……この手紙達はね。大勢の皆さんの力をお借りして、私たち城西高校オカルト研究部の全てと彼女達の全てで書いた手紙なのね」
「…………うん!」
「あとは明日、この手紙を手分けをして届けるだけね」
「ゴメンね。私も一緒に配りたいけど、足手まといになっちゃうから……」
そう言って淋しそうな顔をした彼女の頬に、紅葉はそっと手を添える。
「……ダメよ。その言葉は、言わない約束でしょう?……いずみちゃんの想いは、私達が必ず届ける。だから、信じて待っていて?貴女は私達のホームなの。貴女がいるから、私達は走れるの――」
「―――ッ!うん、待ってる!」
「――ええ。 ……それじゃあ私達も、もう寝ましょう?明日は早いわ」
パッと笑顔の花を咲かせた彼女に優しい微笑みを向けてから、紅葉は小さく頷いた。今夜は輝命寺に皆で泊まって、明日の早朝に皆で手分けをして手紙を配る手筈になっているのだ。
「うん。ユウくん達、起こす?布団で寝た方が、疲れが取れるかな?」
いずみの問いに紅葉は暫し考えを巡らせて、「……どちらにしても、あと二、三時間で起きないといけないから、このまま眠らせてあげましょう」と、言った。
そして頷く彼女と一緒に、この二週間を過ごした部屋を後にした。
「……ユウくん、紅葉ちゃん、青葉ちゃん。
―――みんな本当に、お疲れ様でした」
灯りを消す時、親友が呟いた小さな言葉。
その言葉は、たった今この時―――
かけがえのない瞬間を過ごしている自分達に、掛けられたのだと気が付く。
晴れ渡る七月の―――ある日の朝、市内に住む何軒かの家に封筒が届けられた。
その真っ白な封筒には、家人の名前とその人にとって掛け替えのない人の名前が書いてあった。
慌てて封を開けると、中には自分達に宛てた手紙と一緒に、可愛らしくも美しい手描きの絵が入っていた。
どう見ても、今はいなくなってしまった愛する人の書いた手紙……
どう観ても、私達しか知らない思い出の中の一ページ……
どちらも、この封筒を手にしている人と、いなくなってしまった愛おしい人との間にしか分かり得ない内容で、手にした人の心を一瞬で鷲掴みにした。
それを手に泣き崩れる人……怒りを露わにする人…… 反応は、人それぞれ。
だけれど……ね。
その封筒を手にした人に、共通していたことが一つだけあったの。
それは誰一人として、その封筒を生涯手放さなかったこと。
一人一人に宛てられた、それぞれに違う想いが込められた手紙。
でもその一文は、図らずしも同じ言葉だった。
今ままでも、これからも、いつも一緒……。
「……うん。二人共、最後まで本当に頑張っていたから仕方ないよ」
そう言いながら、当人である金持いずみも、ふぁ~と欠伸を漏らす。
「ふふっ、いずみちゃんも本当にお疲れ様でした。よく全員分の絵を仕上げてくれたわ。結局、30枚近くになってしまったものね。
……どれも、素敵な絵だった。また腕を上げたんじゃない?」
黒木紅葉は本当に感心した様子で、隣にいる親友の労を労った。
四人は今、輝命寺にある客間の一室にいた。この二週間は、時間で閉めなければならない部室ではなく、輝命寺で手紙を書いていたのだ。
事情を知った紅葉と青葉の父でもある住職が、この場所を提供してくれた。
今夜はもう女の子達も帰ってしまい、その客室にはオカルト研究部の四人だけが残っていた。
ユウと青葉は手紙が出来上がるのを見届けると、どちらからともなく机の上に突っ伏して寝入ってしまった。ユウの足元には、丸まって眠るイヌさんの姿もある。
「……うん?どうかな?でも、こんな言い方は本当はいけないと思うんだけど、楽しかった!みんなの気持ちを知って、その気持ちを……どう絵で表現すればいいか一生懸命考えて、その子と私のイメージがピッタリ重なり合った時は、本当に絵を描いていて良かったって思えたの」
この二週間の日々を思い出しているのか、彼女が何とも言えない表情で微笑む。
「本当に、全部素敵な絵だった。ふふっ、でも如月君の感動の仕方が面白かったわ」
「もう―― ユウくんたら、絵が出来上がる度に、すごい!すごい!って泣きながら喜んで、ほんっとうに大げさなんだから……」
「全然、大袈裟なんかじゃない。本当に凄かったもの。幼馴染として、私も鼻が高かったんだから」
照れ笑いをしている、いずみを眩しそうに見つめる紅葉。そして二人同時に、ぷっと吹き出して笑い合った。お互いに泣きながら喜ぶ、彼の姿を思い出したのだ。
それから二人は、机の上に倒れ込む様にして寝てしまった、ユウと青葉に毛布を掛けて回った。
「ユウくんの書いた手紙も、本当に凄かったね。ユウくんって、自分では気付いてないみたいだけど、文章を書く才能、絶対にあるよ」
いずみが、机の上で寝ている彼の寝顔を愛おしそうに見つめている。
「ええ、本当に素敵な手紙だったわね。才能がどうとか私には分からないけれど、貴女も彼も本気だった。――そうでしょう?
本気で彼女達の……そして自分自身の気持ちを伝えようと、全てを出して描いたの。だからきっと、素敵なものになったんだと思う。
誰かに何かを伝える時、上手いとか下手とかそんな事よりも、きっとそのことが大切なんだと思うわ」
紅葉の言葉を恥ずかしそうに聞いていたいずみは、「うん」とだけ言って、はにかんでみせた。
「でも紅葉ちゃんは、本当にそっくりな字が書けるんだね。どうすれば、あんなにそっくりに書けるの?」
「字にはそれぞれ癖があるから、それをじっくり観察すれば誰にでも書けるのよ」
結局、紅葉は二日程で、女の子全員の筆跡が分かる何かしらを集めてきた。それからユウが手紙を書いている間、ただひたすらに、その文章をじっと眺めていた。そして、いざ書き始めると本当に本人そっくりの字を書いて、皆を驚かせたのだ。
「………いや誰にでもは、書けないと思うよ?」
いずみは目の前で微笑む幼馴染みの、底知れない実力を頼もしく感じてた。そしてそれは、スヤスヤと寝息を立てている、もう一人の幼馴染の頑張りに対してもだ。
「……青葉ちゃんも、本当に頑張ってたね。女の子達の話をじっと聴いて、それをあんなに一生懸命にユウくんに伝えてさ」
この二週間、この客間にはユウと青葉の話し合う声がいつも聞こえていた気がする。本当に細かい事柄まで、二人は話し合っていた。お互いの考えのズレが無くなるまで、とことん話し合ったのだ。
女の子の話しを聴くことも、それを自分の言葉に直して彼に伝えることも、会話が苦手な彼女にとっては、とても神経を使う作業だったろう。……いくら彼女が彼に心を許している、といってもだ。
そして話し易い様に、上手に彼女から会話を引き出していたのが彼だった。
意外とこの二人の相性は、良い。それが、この二週間で分かったことだ。何より妹にとって、本当に成長出来た二週間だったことに間違いはない。
……ふふっ、本当にお疲れ様だったわね、青葉?
妹の寝顔を見つめながら、姉として微笑まずにはいられなかった。
「そういえば、おじさんとおばさんにも、お礼を言わなくちゃ……ね?」
紅葉がその話題に触れた途端だ。いずみの表情が、あからさまに引きつった。
「う~…… 別に、お礼なんていいよ。呼んでもいないのに、毎日顔を出してさ」
「心配なのよ。毎晩、帰りが遅くなってしまったから、二人とも心配していたの」
「……そう、なのかな?お父さんもお母さんも、ユウくんに会いたいから来ていただけじゃなぁい?だって来る度に、ユウくん絡んでさ……」
「ふふっ、本当に如月君が気に入っているみたいね、おじさん達……」
「もうっ!恥ずかしくて死にそうだったんだから!ユウくんも忙しいのに、ちゃんと二人の相手をするから、どんどん調子にのって……!」
顔を真っ赤にしながら、いずみがぷるぷると震えている。
「でも本当に助かったわ。父の分まで夕食の支度をして下さって。やっぱり、今度ちゃんとお礼に伺うね」
「……うん。お礼はともかく、紅葉ちゃんと青葉ちゃんが家に来ると二人とも嬉しいみたいだから、遊びに来てくれるのは大歓迎だよ。……特に、お父さんが喜ぶね」
「それは、お互い様よ。うちの父も、いずみちゃんが来るとバカみたいに、はしゃいじゃって見ていられないわ」
それから二人は、お互いに顔を見合わせて笑った。
「……ユメちゃんにも、淋しい想いをさせちゃったかな?ユウくんの帰りが毎日遅かったから、きっと淋しかったよね?」
「……ええ、本当に仲の良い兄妹だから、きっと淋しがっているに違いないわ。
あっという間だったのか、長かったのか分からない二週間だったけれど、……皆に、助けてもらって何とか出来上がったね」
「……うん。伝わると、いいね」
「ええ、相手があることだから、こればっかりは分からない。けれど、私達が出来ることは全てやったわ。……この手紙達はね。大勢の皆さんの力をお借りして、私たち城西高校オカルト研究部の全てと彼女達の全てで書いた手紙なのね」
「…………うん!」
「あとは明日、この手紙を手分けをして届けるだけね」
「ゴメンね。私も一緒に配りたいけど、足手まといになっちゃうから……」
そう言って淋しそうな顔をした彼女の頬に、紅葉はそっと手を添える。
「……ダメよ。その言葉は、言わない約束でしょう?……いずみちゃんの想いは、私達が必ず届ける。だから、信じて待っていて?貴女は私達のホームなの。貴女がいるから、私達は走れるの――」
「―――ッ!うん、待ってる!」
「――ええ。 ……それじゃあ私達も、もう寝ましょう?明日は早いわ」
パッと笑顔の花を咲かせた彼女に優しい微笑みを向けてから、紅葉は小さく頷いた。今夜は輝命寺に皆で泊まって、明日の早朝に皆で手分けをして手紙を配る手筈になっているのだ。
「うん。ユウくん達、起こす?布団で寝た方が、疲れが取れるかな?」
いずみの問いに紅葉は暫し考えを巡らせて、「……どちらにしても、あと二、三時間で起きないといけないから、このまま眠らせてあげましょう」と、言った。
そして頷く彼女と一緒に、この二週間を過ごした部屋を後にした。
「……ユウくん、紅葉ちゃん、青葉ちゃん。
―――みんな本当に、お疲れ様でした」
灯りを消す時、親友が呟いた小さな言葉。
その言葉は、たった今この時―――
かけがえのない瞬間を過ごしている自分達に、掛けられたのだと気が付く。
晴れ渡る七月の―――ある日の朝、市内に住む何軒かの家に封筒が届けられた。
その真っ白な封筒には、家人の名前とその人にとって掛け替えのない人の名前が書いてあった。
慌てて封を開けると、中には自分達に宛てた手紙と一緒に、可愛らしくも美しい手描きの絵が入っていた。
どう見ても、今はいなくなってしまった愛する人の書いた手紙……
どう観ても、私達しか知らない思い出の中の一ページ……
どちらも、この封筒を手にしている人と、いなくなってしまった愛おしい人との間にしか分かり得ない内容で、手にした人の心を一瞬で鷲掴みにした。
それを手に泣き崩れる人……怒りを露わにする人…… 反応は、人それぞれ。
だけれど……ね。
その封筒を手にした人に、共通していたことが一つだけあったの。
それは誰一人として、その封筒を生涯手放さなかったこと。
一人一人に宛てられた、それぞれに違う想いが込められた手紙。
でもその一文は、図らずしも同じ言葉だった。
今ままでも、これからも、いつも一緒……。
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