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第一章 出逢い
第10話 催眠療法
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「・・如月くんのバカ。私には、そう見えてるんだよ」
そう言って恥ずかしそうに顔を赤くした金森が、はにかんでいる。
・・照れ臭すぎて、何も言えない。
いやいやいやいやいや・・・!ちょっと待てって金森っ!? お前、可愛いかよ!?
そんな顔されたら、俺どうしたらいいの?
そんなことを頭の中でぐるぐると考えている内に、無駄に時間だけが過ぎていった。な、何か話さなくっちゃマズい・・と、ユウは今まで使ったことのない脳内細胞をフル回転させ始めた。
「・・・如月くんは、記憶を取り戻したいと思う?」
しかしその永い永い沈黙を止めてくれたのは金森で、そしてその確信を付く質問にユウをドキリとさせられた。
「・・も、もちろん取り戻したい気持ちはある。けど、正直に言うと怖い気持ちもある。だってもし記憶を取り戻したら、今の自分はどうなってしまうのかなって不安もあるからさ」
「それは・・ そうだね」
「でもやっぱり、俺は記憶を取り戻したいんだと思う。気のせいかもしれないけど、何か大切なこと・・ 俺、忘れてる気がする」
「・・う、うん。そうかもしれないね。忘れちゃいけないこと、如月君にはきっとあったんだよね。でも・・ でもさ・・」
その声は段々と聞き取れないくらい小さくなっていったけど、言葉に詰まりながらも金森は話し続けた。
「・・もし、ね。もしも如月くんの記憶が戻ったら、私のこと・・忘れちゃったり・・するのかな?今日二人で一緒に帰ったことも・・お話したことも・・全部無かったことに、なっちゃうのかな?」
「わからない。わからないけど、でも俺は忘れたくない」
「・・うん、私もいやだよ。でもそう言ってくれて、ありがとう」
それから金森は何かを決心したように、ユウを見つめてきた。じっと見つめてくるその瞳が、とてもキレイで・・澄んでいる。
「・・私ね、自分でも少し記憶障害のこと調べてみたんだ。もちろん専門のお医者さんで診てもらっているなら、私から話すことなんて何も無いんだけど」
「いや、特に治療を受けてるって訳じゃないよ。病院で目が覚めてからは、とにかく体の治療を優先してたからさ。専門の医者を紹介してくれるって話もあったけど、体の回復を待とうって話になって今まで何もしてない。特に生活に不便って訳でもないしさ・・」
そして、そう・・と、頷いてから話しはじめた金森の話は、俄かには信じられない内容だった。
「治療の一つにね、催眠療法っていうのがあるんだって」
「催眠、療法?」
「うん。本当は催眠薬を使ったりして、専門のお医者さんと治療していく治療方法なんだけど、催眠術を使って治った事例もあるんだって」
「さ、催眠術・・?」
催眠術と聞いて最初に頭の中に浮かんだのは、眉唾なイメージだ。そんなユウに気付いた金森が、慌てて補足してきた。
「そ、そうだよね!催眠術なんて言われれば、なんだか怪しい感じがするもんね。でも、でもね。実は私、催眠術に助けられたかもしれないって、そんな経験があるの」
意外な言葉に興味が湧いた。催眠術で記憶障害を治さない?なんて言われてもピンとこないし、幾ら金森からの提案だとしても絶対に試してみようなんて気にはならないが、実際に金森自身が経験したという体験談は、是非とも聞いてみたいではないか。
「何だよ、金森の経験って・・」
「うん。さっき小学生の時に、私が事故にあった話をしたじゃない?もう少し具体的に話すと、私は小学4年生の時に如月くんと同じで車に撥ねられたんだ。でも私の場合、その瞬間もちゃんと意識があったの。だから私・・ね。事故の時の記憶を・・ね。もちろん覚えてて・・・」
そこまで話すと、きっと怖い出来事を思い出したのだろう。金森は自分の両腕をギュッと抱きしめた。
「・・それでね。私、車恐怖症になちゃったんだ。車を見るとね、怖くて体が竦んじゃったり過呼吸を起こしたりして、もちろん車にも乗れなくなっちゃたんだよね・・
でも車なんてどこにでもあるでしょう?もう普通の生活が出来なくなって、どうしようって家に、こもりっきりになっちゃたの」
それ・・ マジで辛いな。
話を聞いただけで、当時の金森の過酷さが伝わってきた。車社会のこの世界で、車恐怖症になんかなったら死にたくもなるだろう。
よく、ここまで・・ そう、思った。
彼女の、今の元気で明るい金森になるまでの日々を想う。
「でもね。そんな風に引きこもっている時に、ある人が突然家に遊びにやってきて、ゲームをしようって・・言ったの」
「・・ゲーム?」
「うん。その人はメトロノームを持ってきていてね。この針を見ながら、私の話を聞くだけの簡単な遊びだよって言った」
「メトロノームって、あの音楽で使うやつだろ?」
「うん。細かいことは、あんまり覚えていないんだけど、いくつかの簡単なゲームをした後に、私は段々眠くなったの。そしていつの間にか、眠っちゃってたんだよね。
それで目が覚めると、その人が横にいて背中を優しくさすっていてくれたの。それでその人は、「もう大丈夫だよ」って言った。
そしたら不思議なんだけど・・ その日から私、車が怖くなくなったの。あんなに怖くて仕方がなかったのに・・ もちろんそれから暫くの間は少し怖かった気もするけど、でもそれも段々なくなって、今は前と変わらないくらいに車を見たり乗ったりしても何も感じないんだよね」
「マジか・・」
「うん。今から思うと・・ あの時、あの人は私に催眠術を掛けたんだと思う」
そこまで話すと金森は軽く息を吐いた。・・確かにそれは、すごい体験談だ。その話を聞く限り、確かに金森はその催眠術で命を救われたことになる。つまりその催眠術をかけた人は、金森の命の恩人って訳だ。
「それでね。私、思うんだけど催眠術で記憶を忘れさせることが出来るんだったら、思い出させることも出来るんじゃないかって・・ 確証がある訳じゃないんだけど、試してみる価値、ないかなぁ?」
その話を聞き終えたユウは、考えを纏めようと両手を組みながら、じっと地面を見つめていた。そんなユウを金森は心配そうに見つめている。
「・・もちろん、無理にとは言わないよ。私も今のままの如月くんでいてほしいって思うから。だからね、この話をするか迷ってたの。でも・・もし、もしね。如月くんにその気があるんだったら、私その人を紹介するよ」
そこでユウは、顔を上げる。
「・・今も、その人と付き合いがあるのか?」
「うん。だって同じ高校の先輩だもん」
「!!」
今度こそユウは驚きを隠せなかった。金森の話から、その人は大人だと勝手に思い込んでいたからだ。
「その人って、城西に通っている人なのか?」
「うん。三年生の先輩で、黒木紅葉っていう人なの」
だとすると金森を催眠術で治した時、その先輩はまだ小学生だったことになる。小学生に、そんなことが出来ることが驚きだった。
「かなり不思議な人だけど、信頼出来る人なのは間違いないよ。私は小さい頃からずっとその人と一緒にいるけど、いい加減なことを言ったことなんて一度も無いもの」
・・金森がそこまで言うのなら、きっと悪い人ではないのだろう。だが、自分の目でその人を確かめてみるまでは、何ともいえない。
「・・わかった。金森、手間をかけるけど、今度その人を紹介してくれるか?」
ユウの言葉を聞くと金森は少し複雑な表情をしてから、うんと頷いた。
「・・今から連絡してみるね。少し待っててくれる?」
そう言うと金森はスクールバックからスマホを取り出し、通話をタップした。
そう言って恥ずかしそうに顔を赤くした金森が、はにかんでいる。
・・照れ臭すぎて、何も言えない。
いやいやいやいやいや・・・!ちょっと待てって金森っ!? お前、可愛いかよ!?
そんな顔されたら、俺どうしたらいいの?
そんなことを頭の中でぐるぐると考えている内に、無駄に時間だけが過ぎていった。な、何か話さなくっちゃマズい・・と、ユウは今まで使ったことのない脳内細胞をフル回転させ始めた。
「・・・如月くんは、記憶を取り戻したいと思う?」
しかしその永い永い沈黙を止めてくれたのは金森で、そしてその確信を付く質問にユウをドキリとさせられた。
「・・も、もちろん取り戻したい気持ちはある。けど、正直に言うと怖い気持ちもある。だってもし記憶を取り戻したら、今の自分はどうなってしまうのかなって不安もあるからさ」
「それは・・ そうだね」
「でもやっぱり、俺は記憶を取り戻したいんだと思う。気のせいかもしれないけど、何か大切なこと・・ 俺、忘れてる気がする」
「・・う、うん。そうかもしれないね。忘れちゃいけないこと、如月君にはきっとあったんだよね。でも・・ でもさ・・」
その声は段々と聞き取れないくらい小さくなっていったけど、言葉に詰まりながらも金森は話し続けた。
「・・もし、ね。もしも如月くんの記憶が戻ったら、私のこと・・忘れちゃったり・・するのかな?今日二人で一緒に帰ったことも・・お話したことも・・全部無かったことに、なっちゃうのかな?」
「わからない。わからないけど、でも俺は忘れたくない」
「・・うん、私もいやだよ。でもそう言ってくれて、ありがとう」
それから金森は何かを決心したように、ユウを見つめてきた。じっと見つめてくるその瞳が、とてもキレイで・・澄んでいる。
「・・私ね、自分でも少し記憶障害のこと調べてみたんだ。もちろん専門のお医者さんで診てもらっているなら、私から話すことなんて何も無いんだけど」
「いや、特に治療を受けてるって訳じゃないよ。病院で目が覚めてからは、とにかく体の治療を優先してたからさ。専門の医者を紹介してくれるって話もあったけど、体の回復を待とうって話になって今まで何もしてない。特に生活に不便って訳でもないしさ・・」
そして、そう・・と、頷いてから話しはじめた金森の話は、俄かには信じられない内容だった。
「治療の一つにね、催眠療法っていうのがあるんだって」
「催眠、療法?」
「うん。本当は催眠薬を使ったりして、専門のお医者さんと治療していく治療方法なんだけど、催眠術を使って治った事例もあるんだって」
「さ、催眠術・・?」
催眠術と聞いて最初に頭の中に浮かんだのは、眉唾なイメージだ。そんなユウに気付いた金森が、慌てて補足してきた。
「そ、そうだよね!催眠術なんて言われれば、なんだか怪しい感じがするもんね。でも、でもね。実は私、催眠術に助けられたかもしれないって、そんな経験があるの」
意外な言葉に興味が湧いた。催眠術で記憶障害を治さない?なんて言われてもピンとこないし、幾ら金森からの提案だとしても絶対に試してみようなんて気にはならないが、実際に金森自身が経験したという体験談は、是非とも聞いてみたいではないか。
「何だよ、金森の経験って・・」
「うん。さっき小学生の時に、私が事故にあった話をしたじゃない?もう少し具体的に話すと、私は小学4年生の時に如月くんと同じで車に撥ねられたんだ。でも私の場合、その瞬間もちゃんと意識があったの。だから私・・ね。事故の時の記憶を・・ね。もちろん覚えてて・・・」
そこまで話すと、きっと怖い出来事を思い出したのだろう。金森は自分の両腕をギュッと抱きしめた。
「・・それでね。私、車恐怖症になちゃったんだ。車を見るとね、怖くて体が竦んじゃったり過呼吸を起こしたりして、もちろん車にも乗れなくなっちゃたんだよね・・
でも車なんてどこにでもあるでしょう?もう普通の生活が出来なくなって、どうしようって家に、こもりっきりになっちゃたの」
それ・・ マジで辛いな。
話を聞いただけで、当時の金森の過酷さが伝わってきた。車社会のこの世界で、車恐怖症になんかなったら死にたくもなるだろう。
よく、ここまで・・ そう、思った。
彼女の、今の元気で明るい金森になるまでの日々を想う。
「でもね。そんな風に引きこもっている時に、ある人が突然家に遊びにやってきて、ゲームをしようって・・言ったの」
「・・ゲーム?」
「うん。その人はメトロノームを持ってきていてね。この針を見ながら、私の話を聞くだけの簡単な遊びだよって言った」
「メトロノームって、あの音楽で使うやつだろ?」
「うん。細かいことは、あんまり覚えていないんだけど、いくつかの簡単なゲームをした後に、私は段々眠くなったの。そしていつの間にか、眠っちゃってたんだよね。
それで目が覚めると、その人が横にいて背中を優しくさすっていてくれたの。それでその人は、「もう大丈夫だよ」って言った。
そしたら不思議なんだけど・・ その日から私、車が怖くなくなったの。あんなに怖くて仕方がなかったのに・・ もちろんそれから暫くの間は少し怖かった気もするけど、でもそれも段々なくなって、今は前と変わらないくらいに車を見たり乗ったりしても何も感じないんだよね」
「マジか・・」
「うん。今から思うと・・ あの時、あの人は私に催眠術を掛けたんだと思う」
そこまで話すと金森は軽く息を吐いた。・・確かにそれは、すごい体験談だ。その話を聞く限り、確かに金森はその催眠術で命を救われたことになる。つまりその催眠術をかけた人は、金森の命の恩人って訳だ。
「それでね。私、思うんだけど催眠術で記憶を忘れさせることが出来るんだったら、思い出させることも出来るんじゃないかって・・ 確証がある訳じゃないんだけど、試してみる価値、ないかなぁ?」
その話を聞き終えたユウは、考えを纏めようと両手を組みながら、じっと地面を見つめていた。そんなユウを金森は心配そうに見つめている。
「・・もちろん、無理にとは言わないよ。私も今のままの如月くんでいてほしいって思うから。だからね、この話をするか迷ってたの。でも・・もし、もしね。如月くんにその気があるんだったら、私その人を紹介するよ」
そこでユウは、顔を上げる。
「・・今も、その人と付き合いがあるのか?」
「うん。だって同じ高校の先輩だもん」
「!!」
今度こそユウは驚きを隠せなかった。金森の話から、その人は大人だと勝手に思い込んでいたからだ。
「その人って、城西に通っている人なのか?」
「うん。三年生の先輩で、黒木紅葉っていう人なの」
だとすると金森を催眠術で治した時、その先輩はまだ小学生だったことになる。小学生に、そんなことが出来ることが驚きだった。
「かなり不思議な人だけど、信頼出来る人なのは間違いないよ。私は小さい頃からずっとその人と一緒にいるけど、いい加減なことを言ったことなんて一度も無いもの」
・・金森がそこまで言うのなら、きっと悪い人ではないのだろう。だが、自分の目でその人を確かめてみるまでは、何ともいえない。
「・・わかった。金森、手間をかけるけど、今度その人を紹介してくれるか?」
ユウの言葉を聞くと金森は少し複雑な表情をしてから、うんと頷いた。
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