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第一章 出逢い
第9話 似たもの同士(下)
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美しい花畑や草原、雪原や砂漠の中に佇む少年と動物たち。
空は美しい青空や夕焼けで彩られ、宇宙が描かれている絵もある。
美しすぎる背景とは違い、少年と動物は可愛らしいタッチで描がかれていて、そのギャップが心地よかった。
人は本当に感動すると言葉が出てこないというけれど・・ まさに今のユウの為の言葉といってもいいと思う。
暫く惚けた顔をしながら、絵を眺めていると「はい!もう、おしまい!返して!」と、タブレットを取り上げられてしまった。
「・・その絵さ。金森が描いたの?」
その間の抜けた質問に、真っ赤な顔の金森がコクリと頷く。
「スゲーな、金森。 ・・俺さ、本気で感動したよ」
そしてその言葉に、金森はさらに顔を真っ赤にしてプルプルと震えている。そしてそれを見ているユウの手も、震えている。絵をみただけで体が震えるほど心を揺さぶられるなんてこと、あるなんて思わなかった。
「うそだ・・ 私なんて、まだまだだよ」
「いや、金森がどこまでを目指しているか分からないけどさ。俺はその絵たちが大好きだぞ。それだけは、嘘なんかじゃない」
「・・本当? 本当のこと、言ってよ」
「本当だって!俺は本気で感動してるし、その絵が大好きだ!」
ユウは金森の目をしっかりと見つめながら、感じた気持ちをそのまま伝えた。
「・・うん、そっか。ありがと、うれしい」
するとやっとユウの気持ちが伝わったのか、金森も素直に受け取ってくれたようだ。しかしその様子にほっと胸をなでおろしていたユウの耳に、今度は金森がポツリと漏らした呟きが聞こえる。
「・・だってあの絵の男の子ね。如月くんがモデルなんだもん」
・・は? 俺? あの子が?
いやいや、だってさ金森。あの子・・
そしてその予想外の呟きは、ユウの頭の中を真っ白にするには十分過ぎた。
「・・え? ええっ? ちょっと待て金森。だってあの子、イケメンだぞ?」
「・・如月くんのバカ。私には、そう見えてるんだよ」
そして顔を赤らめながらはにかむ金森いずみの可愛すぎる笑顔が、ユウの思考をもっと白くした。
空は美しい青空や夕焼けで彩られ、宇宙が描かれている絵もある。
美しすぎる背景とは違い、少年と動物は可愛らしいタッチで描がかれていて、そのギャップが心地よかった。
人は本当に感動すると言葉が出てこないというけれど・・ まさに今のユウの為の言葉といってもいいと思う。
暫く惚けた顔をしながら、絵を眺めていると「はい!もう、おしまい!返して!」と、タブレットを取り上げられてしまった。
「・・その絵さ。金森が描いたの?」
その間の抜けた質問に、真っ赤な顔の金森がコクリと頷く。
「スゲーな、金森。 ・・俺さ、本気で感動したよ」
そしてその言葉に、金森はさらに顔を真っ赤にしてプルプルと震えている。そしてそれを見ているユウの手も、震えている。絵をみただけで体が震えるほど心を揺さぶられるなんてこと、あるなんて思わなかった。
「うそだ・・ 私なんて、まだまだだよ」
「いや、金森がどこまでを目指しているか分からないけどさ。俺はその絵たちが大好きだぞ。それだけは、嘘なんかじゃない」
「・・本当? 本当のこと、言ってよ」
「本当だって!俺は本気で感動してるし、その絵が大好きだ!」
ユウは金森の目をしっかりと見つめながら、感じた気持ちをそのまま伝えた。
「・・うん、そっか。ありがと、うれしい」
するとやっとユウの気持ちが伝わったのか、金森も素直に受け取ってくれたようだ。しかしその様子にほっと胸をなでおろしていたユウの耳に、今度は金森がポツリと漏らした呟きが聞こえる。
「・・だってあの絵の男の子ね。如月くんがモデルなんだもん」
・・は? 俺? あの子が?
いやいや、だってさ金森。あの子・・
そしてその予想外の呟きは、ユウの頭の中を真っ白にするには十分過ぎた。
「・・え? ええっ? ちょっと待て金森。だってあの子、イケメンだぞ?」
「・・如月くんのバカ。私には、そう見えてるんだよ」
そして顔を赤らめながらはにかむ金森いずみの可愛すぎる笑顔が、ユウの思考をもっと白くした。
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