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ひとつ学びました。異星人の僕でも文明に感動することがあるそうです。

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気絶したロッテさんを見て、仕方なく翼竜と別れを告げた僕。

アイツの乗り心地はとっても良かったな。
この世界の水平線をゆっくり堪能できたから、今度会ったらお芋さんでも食べさせてやろうと思ったんだけど、まずは土地探しとかいろいろしないと何も出来ませんからね。

なんとなくお目当ての場所が近くなってきた気がしますから、飛ぶのはやめて近づいて見ましょうかね?
丁度近くに森などありましたから、そこに降りまして身支度など整えていきましょうか。
飛んでいって目立ってしまったら、ロッテさんにいろいろ教えてもらえなくなりますからね。

とりあえずジジババから拝借した衣類をきちんと身に着けて、背中にはバックを背負って…ってあーあ、自爆装置作動させてしまったので、持ってこれなかったものが多かったのはとても残念です。
ま、まぁ、こちらのお金ってものがそこそこありますからいいでしょう。そこは割り切りましょう。

ロッテさんは気絶してますが『ハニーちゃんがいっぱい。私幸せ』なんて寝言言ってるので大丈夫でしょう。食べ物を美味しく食べれる人は好感が持てますから、しばらくこのまま幸せな気持ちでいてもらいましょう。

彼女を抱えながら移動すると両手が塞がって大変ですが、まぁこれから彼女からいろいろ学ばなければいけませんし、授業料を払っていると思えば安いものでしょう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇




ふぅ、ようやくつきましたか。



これが街ってものですかぁ。

茶色くて高い壁に覆われて中は見えませんが、古代のお城って奴ですか?それに近い雰囲気があっていいですね!多くの方が並んでいるのは、きっとこの街に入るためでしょうから、私も並んでおきましょうか?って、目の前の鎧姿のおっさんが血相変えてこっちに向かって来てるのは気のせいでしょうか?

『どうした!彼女は重病人か?』

あれっ?てっきり怪しまれると思ったんですけど、そうではないようですね。

彼女気絶してるので、私がここまで連れて来ただけなんですけど、郷に入っては郷に従えって言うじゃないですか。なのできちんと並んで順番を待ちたいと思っているのですが…

『いやぁ…その気持ちはありがたいが、気絶した人間を待たせるほど我々も非道ではないのでな。とりあえず彼女を休ませるために休憩所に案内するからついてきてくれないか?』

ほほぅ。なかなかのジェントルマンですね。 兵士なんて力自慢で野蛮な人種だけだと思っていましたが、なかなか紳士的ですね。私の考えも改めなければなりませんね。

まぁ、彼の配慮に甘えて、今は彼女が起きないうちにとっとと中に入っておきましょうか?

それにしても彼、なかなかやりますね。
さりげなく彼女の首にある冒険者証って奴を確認したり、身分証のない私には出身を聞いてきたりと、的確に、でもこちらの状況にも配慮して動いてくれていますから、きっと有能な方なのでしょうね。本当に良い方に案内していただく事が出来て助かりますよ。

で、そんなバタバタした中で、彼はこう言ったんですよ。

『落ち着きない状態で申し訳ない。ようこそ、我がリャザンの街へ。我々は貴方を歓迎しますよ!』

そういえばロールプレイングゲームというものに没頭していた個体番号2004071101が言ってましたね。
はじめて街に到着した時の感動が楽しくてゲームやってるんだって。自分が見たこともないものを見た感激はなかなか忘れられるもんじゃないって!

あの時はたかがゲームごときにと馬鹿にしてましたが、訂正します。

ゲームではありませんが、私も同じことを感じています。

今、僕は猛烈に感動しています。

ごめんよ!個体番号2004071101!!
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