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すっかり忘れてましたが、僕、女性の扱いに慣れてないようです。

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『ベルタンさん!いつまでも黄昏てないで、さあ行きますよ!』

相変わらず冷たい目を向けてくる彼女の言いなりになるのはどうも癪ですが、最初にこんなところからとっとと出たいって言ったのは僕。お宝を失った悲しさはこれから始まる新たな好奇心で埋めたいと思いますよ。

さて、そろそろ行きますかねぇ。ロッテさん、ここから一番近い街はどこでしょうか?あ、ロッテさんが行きやすい場所でもいいですよ。私の場合、あまり距離とか関係なく移動できますからねぇ。

『では、私のホームタウンでお願いします。私が休みなく飛んでここから一日くらいですからちょっと遠いんですけど、多くの人がいますし、冒険者の活動に役立つものが沢山あるのでとても便利な場所なんですよ。ベルタンさんにも最初に冒険者登録してもらって、身分を証明できるものを作ったほうが良いと思いますよ』

そうですか~。ここからあのふらふら飛行で一日って事は、私だったら30分もあればつくんでしょうか?
まぁいいでしょう。飛行能力と瞬間移動の確認でもしてみましょうかね?さぁ行きますか!

『ひゃっ☆いきなりなんなんですか!私…こういうのはじめてなんですが…お姫様だっこ…ドキドキしちゃうじゃないですか!!!』

あ、何も考えずデリカシーがないことをしてしまってすいません。ただ、この方が早いんで勘弁してくださいね。えっと、方向はあっちの方ですね?では行きますよ!!!!!!!!

『ぎゃー!!!!!!な、なんですかぁぁぁぁぁ!!!!!飛んでる飛んでる飛んでるぅぅぅぅぅ!!!!めっさ早い!!!!!お母さんんんんんん!!!!アタシしんじゃうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!』

あのぅロッテさん。私そんなに速度出してないんですけど、大げさに叫ぶのやめてくれませんか?貴方がきちんと方向を指し示してくれないと本当に困るんですけどね。仕方ないですね。少し速度を緩めますからきちんと案内してくださいね。ん?なんですか?あの緑色の邪魔な存在は?正直とっても目障りなんですが。

ん?何顔を青くしてるんですか?最初の僕の飛行が若干アクロバティックだったのは認めなくはないんですけど、今は通常飛行ですからそんなに気持ち悪くなるようなものではないと思うんですけど。

えっ?なんですって?ほほう~あれってドラゴンって奴なんですね。個体番号1999010201が言ってたファンタジー世界に出てくる代表的なモンスターって奴ですか?でも目の前の緑色はなんでしょう?こう威厳ってものがないですね…

『えっと、あれはまだ名のない若い翼竜だと思いますよ。でも珍しいですね。こんなところで飛んでるの私見た事ないです。知能のない若い竜って本能の赴くままに行動しますから、時々私達が住んでる場所に現れて悪さすることがあるって聞きますけど…あっ!なんかこっち向いてます!!!!向いてますよ!!!!』

なるほど、道理でこっちにガンくれてるって思いましたよ。

貴方の、その、こっちを見下したような目が気に入りませんねぇ。

あ、そっちもやる気まんまんなんですね。

では、

や り ま す か !


・・・・


・・・


・・


あの…ロッテさん起きてください!

起きてくださいってば。

ロッテさんが言ってた街って奴がそろそろ見えてきた気がするんですけど。

僕、街の事わからないんで、見てくださいよ。

『へっ!私死んでない!翼竜に喧嘩売られても生きてる!ベルタンさん!本当にすごいです!すごいです!よく生き残っていられましたね!私のようなお荷物抱えながらどうやって生き残ったんですか?…って、私、なんでベルタンさんから離れた場所にいるんですか?しかもなんだか見た記憶のあるような緑色の物体に乗ってる気もしないでもないんですけど…』

はい、生意気なんでぼっこぼこにしたら言う事聞いてくれたんで、今、彼に乗せてもらってるんですよ。

一度強さを見せるという事を聞いてよく働く子になりますね。自分で飛ぶのもいいんですけど、こうやって何かに乗って飛ぶ旅もなかなかいいものですね~

ってロッテさん!ロッテさん!
白目向いて泡吹かないで下さいよ!
貴女がいないと私何にもわからないんですから、本当に勘弁してくださいよ!
起きて!起きてくださいよ!!!!!!!!!!!!!
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