僕異星人。落ちた世界の神様に迷惑がられています

とうちゃんすらいむ

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すっかり忘れてましたが、僕、無駄な殺生は嫌いなんです。

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う~ん。

僕もこんな場所にずっといたくないんだけど、村長が解凍されないと次に進めないから、とりあえず目の前のおっさんたちにいろいろ聞きださないといけないなって思ったら、後方にいた怪しい杖をもった人がまたブツブツ言い始めたんで『全部凍らすよ』って言ったら黙ってくれた。

うん、素直に話を聞いてくれればいいよ。僕は比較的平和主義なんだからね。僕の邪魔をしなければ生かしといてあげるよ、たぶん、状況次第では。うん。

で、改めて今の状況を聞いておこうと思ったら、おっさんたちが僕の顔を見ながら勝手に状況を話してくれたんだ。

・廃れていく一方のこの村だったが、急に羽振りが良くなり、自衛のために冒険者を雇うようになった。
・おっさんたちは主に村長宅の警護を依頼されていたが、ついでに村に近寄るモンスターも倒して経験値稼ぎをしていたため、実質村の警護も担っていた。
・月単位で契約が結ばれており、もう少しで契約期間が終わるところだった。

かいつまんで言えばこんなところかな?
凶悪な顔してるおっさんたちだったから、てっきりそこら辺のドボローだと思ってたんだけど、しっかりお仕事してたんだね。こんなじじばばだけの村守って偉いじゃん!

『ですが、貴方の様な高レベルの魔導士様がいらっしゃるなら、私達は不要でしたね』

そんな嬉しい事言ってくれるけど、これ科学ですから。あーカガクナンデスカソレ?って顔してるから、深く考えないでいいよ。

だけど困ったなぁ、このおっさんたち、自分の仕事きちんとこなそうとしただけじゃん!顔に似合わず自分の仕事以上の仕事してるのに、このおっさんたちの武器壊しちゃったしどうしよう?話聞いてる限りだと、このぼんくら村長、俺が大事に育ててたお芋さんで一儲けしたみたいだから、きっとどっかに溜め込んでるな。

『このよそ者が!今まで置いてやった恩を忘れたか!』

あっ、村長。丁度いいところで解凍されたね。

置いてやった?そうだね。置いてもらってたんだけど、騙しもしたよね。しかも俺が大事に育てたお芋ちゃんでしっかり儲けたのに俺には何もなかったね。十分恩を返すだけの仕事はしたと思うんだけど、あんたはそれを裏切ったんだよね。もっと丁寧に扱ってくれれば記憶が戻った後でも十分協力したと思うんだけど、あんたはそれをしなかったんだよ、わかってるの?あんたは俺を怒らせたんだよ。とりあえずまずは俺のお芋ちゃんで稼いだ金出せや!どこにあんの?

そんな事をいいながら、村長の目の前に手を向けてビーム発射準備をしてたら、わかったわかったって言いながら金庫のありかを教えてくれたんだ。

はじめから素直に教えてくれればいいのに。馬鹿だなぁ。
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