上 下
3 / 26

すっかり忘れてましたが、僕、分身出来るんです。

しおりを挟む
で、村長さんのうちの前についたら、つるから芋をとって行くんです。

今まではひとつひとつ時間をかけてとってたんだけど、僕たちベルタン星人の能力であっという間に終わっちゃった。

ほらっ、ベルタン星人って自分の研究にいっぱい時間を使いたいから、他の用件を早く済ますために時短に力を入れててね、気が付いたら『瞬間移動』って能力が出来ちゃったらしいんです。おまけに『分身』なんて特典までついちゃって嬉しいったらありゃしない。

せっかちな性格も相まって、作業を早くすることに命をかけてるから、これくらい楽にできちゃう!

『よそものが!!!よそものが10人になっとる!!!!』

後ろから声が聞こえたって思ったら、どーんって音がしたから、きっと誰か倒れたのかな?

う~ん・・・10体に分身か・・・

一時期は20人くらいには分身出来てたと思ったんだけど、まだまだ能力が戻ってないのかな?

あのお薬の副作用でしょうか?本当に困ったものです。



そんな事を思いながら作業をしていると、目の前で村長さんが倒れてるんですよ。

あらあら、せっかくお芋を山ほど持ってきたのに見てくれないと困りますよ!

村長さん!村長さん!って言いながら往復ビンタを見舞ってると、音がなんか変なんです。

『ビタンビタン』

じゃなくて

『ボキンバキン』

・・・あっ!ついつい力が入りすぎちゃったんですね。

本当に僕ってばおっちょこちょいなんですね。てへっ☆

でも、これくらいじゃさすがに死なないでしょうから、そろそろ本気で起きてくださいよ!

『俺を殺さないでくれー』

そんな冗談は良いですから、目の前のお芋さんを見てくださいよ。

今まで収穫して持ってきたお芋の何倍も持ってきたんですから、ご飯は弾んでくれるんでしょうね。

まぁ、これが僕が収穫する最後のお仕事ですから、退職金のひとつや二つはくれるんでしょうか?



いままでよそ者よそ者ってこき使いやがって。

僕が記憶喪失の間、何も覚えてないと思ったら大間違いですよ。

一日一食。あんな粗末な料理じゃ僕は物足りなかったんですよ。

だからお芋さんには本当にお世話になってて、大事に大事に育ててきたんですよ。

お芋の料理もいろいろ考えて教えてあげたけど、そこでも『よそ者の指図は受けん!』なんて言ったのはこの口だよな?

で、僕が手塩にかけて育てたお芋さんが、いつの間にかこの村の特産品の一つになってて、多くの行商人の方が買ってくれてたの見てるんだけど、僕には何もくれてなかったよね?そこんところどうなの?

『助けてくれ!!!!用心棒の皆さん!!!!!』

ふぅ~ん・・・お詫びの一つもないんだね。

『フォッフォッフォッフォッフォッ・・・』

あっ、ついつい本音が・・・

お聞き苦しい発言失礼しました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

もう、いいのです。

千 遊雲
恋愛
婚約者の王子殿下に、好かれていないと分かっていました。 けれど、嫌われていても構わない。そう思い、放置していた私が悪かったのでしょうか?

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

処理中です...