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三章 意外な出来事
3-1 私を殺してくださいませんか?
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「あの…これ、どう言う事なんでしょうか?」
家に帰らず貧民街にお世話になりなってる僕達の元に、多くの人が訪れています。
ううん。訪れるじゃないね。
殺(ヤ)りに来てるんだね…
大義名分があるにせよ、多くの貴族達を敵にしたからには、いつかはこう言う事が起こると思ってたんだけど、本気で殺しに来てる人の目を見るとやっぱり怖いと感じてしまいました。
ただ、怖いとは思うけど安心できるのは、ばあちゃんと親分さん達がそれ以上のやり手なのがわかってるからかなぁ?それともここの人達がそれ以上に逞しいからかなぁ?
最初、ばあちゃんが多くのお客様が来るから、ここではおもてなしが出来ない、仕方がないから親分さんにお世話にならないと…って、困った顔をしてたから、てっきり大きなパーティでもするのかな?って思ったら、あちらこちらからばあちゃんに向かって殺意が襲って来たんだ。
本当に怖くて、ばあちゃんの陰に隠れることしか出来なかった僕が情けなく思ってたらね、
「まごちゃん、あれ、本当の殺し屋さん。あなたが怖く感じるのは当たり前。だから、今はばあちゃんに隠れておきなさい」
なんて言ってくれたんだけど、なんだか情けなくて泣けてきちゃったんだ。
「今はばあちゃんの後ろにいるべきだけど、ばあちゃんや親分さん達の背中はちゃんと見ておきなさい。そして、守るべき人が出来たら、その背中を思い出して全力で守りなさい」
と言うばあちゃんの言葉に泣く暇なんかない!って思ってね、出来ることを手伝おうと思ったんだ。
ただ、最初は僕ら(厳密にはばあちゃんですが)を守ってくれてる、親分さんの子分さんの怪我の手当てをしてたんだけど、途中から屋台の料理番だったり、交通整理に駆り出されたり、迷子の子守り役なんて、いろいろな事をするはめになったんだ。
最初は命を狙われてるって緊迫感があったのに、なんでこうなったのか?って考えてたら、目の前を本当に楽しそうに歩くばあちゃんと親分さんを見かけ思い出しました。
1:命を狙われる→人が来る→適度にやり返して追い返す
2:悔しくて仲間を連れまた来る→ちょっと強めにやり返したあと、一言優しい言葉をかける
3:再度現れる刺客に笑顔で微笑むばあちゃん→土下座して涙する下僕の完成
・・・こんな事を陰で言われているとも知らず、ばあちゃんや親分さんのいう事をキラキラした目で聞く、元刺客の皆様を見て、僕はちょっと心苦しくなっちゃったんだけど、もとはと言えばそんな資格を雇って仕掛けてきたぼんくら貴族様が悪いんだもんね。それをばあちゃん達は救ってあげてるだけなんだもんねと自己完結。
そしてばあちゃん達の話の続きを思い出す僕。
1:刺客が来る→追い返す→再起を図る刺客用に酒場を作っておいて酒などを提供する
2:近々腕試し大会があるとやらせ役のマスターが笑顔で宣伝する→刺客の一部がお小遣い稼ぎに参加
3:思いのほか刺客がほいほい引っかかるから、冒険者ギルドにも腕試し大会の告知を貼る→お祭り騒ぎになり、屋台なども集まり、本当に大会が始まってしまう。
大会の運営は親分さん、賞金はばあちゃんから少しと、賭け事の収益、屋台などの売上金から少しで事足りる、もうエンゲリス様さまさまですよ!とほくほく顔の親分さんと子分さん達の顔を見て、にやぁと何かを企んでるような笑みのばあちゃんを見て、さすが年の功!と褒めたら何故か殴られた・・・とっても納得がいかないよ僕は。
今はそんな大会の真っただ中で、親分さん達が楽しそうに大会の運営をしているんだけど、唯一僕たちの側にいてくれている子分さんが困った顔をして僕たちに相談しに来たんだ。
「エンゲリス様、ぼっちゃん。少し困った事になりましたので、お二人に相談をしたいのですが・・・」
というお二方が連れてきたのは、年は僕くらいなのかな?トンガリ帽子に黒いマントを羽織った小柄な女の子だったんだ。そして、その女の子は、いきなり僕らの前に来るなり土下座してとんでもない事を言い出したんだよ!
「高名な魔女エンゲリス様とお見受けいたします。早速ですが、私を殺してくださいませんか?」と。
家に帰らず貧民街にお世話になりなってる僕達の元に、多くの人が訪れています。
ううん。訪れるじゃないね。
殺(ヤ)りに来てるんだね…
大義名分があるにせよ、多くの貴族達を敵にしたからには、いつかはこう言う事が起こると思ってたんだけど、本気で殺しに来てる人の目を見るとやっぱり怖いと感じてしまいました。
ただ、怖いとは思うけど安心できるのは、ばあちゃんと親分さん達がそれ以上のやり手なのがわかってるからかなぁ?それともここの人達がそれ以上に逞しいからかなぁ?
最初、ばあちゃんが多くのお客様が来るから、ここではおもてなしが出来ない、仕方がないから親分さんにお世話にならないと…って、困った顔をしてたから、てっきり大きなパーティでもするのかな?って思ったら、あちらこちらからばあちゃんに向かって殺意が襲って来たんだ。
本当に怖くて、ばあちゃんの陰に隠れることしか出来なかった僕が情けなく思ってたらね、
「まごちゃん、あれ、本当の殺し屋さん。あなたが怖く感じるのは当たり前。だから、今はばあちゃんに隠れておきなさい」
なんて言ってくれたんだけど、なんだか情けなくて泣けてきちゃったんだ。
「今はばあちゃんの後ろにいるべきだけど、ばあちゃんや親分さん達の背中はちゃんと見ておきなさい。そして、守るべき人が出来たら、その背中を思い出して全力で守りなさい」
と言うばあちゃんの言葉に泣く暇なんかない!って思ってね、出来ることを手伝おうと思ったんだ。
ただ、最初は僕ら(厳密にはばあちゃんですが)を守ってくれてる、親分さんの子分さんの怪我の手当てをしてたんだけど、途中から屋台の料理番だったり、交通整理に駆り出されたり、迷子の子守り役なんて、いろいろな事をするはめになったんだ。
最初は命を狙われてるって緊迫感があったのに、なんでこうなったのか?って考えてたら、目の前を本当に楽しそうに歩くばあちゃんと親分さんを見かけ思い出しました。
1:命を狙われる→人が来る→適度にやり返して追い返す
2:悔しくて仲間を連れまた来る→ちょっと強めにやり返したあと、一言優しい言葉をかける
3:再度現れる刺客に笑顔で微笑むばあちゃん→土下座して涙する下僕の完成
・・・こんな事を陰で言われているとも知らず、ばあちゃんや親分さんのいう事をキラキラした目で聞く、元刺客の皆様を見て、僕はちょっと心苦しくなっちゃったんだけど、もとはと言えばそんな資格を雇って仕掛けてきたぼんくら貴族様が悪いんだもんね。それをばあちゃん達は救ってあげてるだけなんだもんねと自己完結。
そしてばあちゃん達の話の続きを思い出す僕。
1:刺客が来る→追い返す→再起を図る刺客用に酒場を作っておいて酒などを提供する
2:近々腕試し大会があるとやらせ役のマスターが笑顔で宣伝する→刺客の一部がお小遣い稼ぎに参加
3:思いのほか刺客がほいほい引っかかるから、冒険者ギルドにも腕試し大会の告知を貼る→お祭り騒ぎになり、屋台なども集まり、本当に大会が始まってしまう。
大会の運営は親分さん、賞金はばあちゃんから少しと、賭け事の収益、屋台などの売上金から少しで事足りる、もうエンゲリス様さまさまですよ!とほくほく顔の親分さんと子分さん達の顔を見て、にやぁと何かを企んでるような笑みのばあちゃんを見て、さすが年の功!と褒めたら何故か殴られた・・・とっても納得がいかないよ僕は。
今はそんな大会の真っただ中で、親分さん達が楽しそうに大会の運営をしているんだけど、唯一僕たちの側にいてくれている子分さんが困った顔をして僕たちに相談しに来たんだ。
「エンゲリス様、ぼっちゃん。少し困った事になりましたので、お二人に相談をしたいのですが・・・」
というお二方が連れてきたのは、年は僕くらいなのかな?トンガリ帽子に黒いマントを羽織った小柄な女の子だったんだ。そして、その女の子は、いきなり僕らの前に来るなり土下座してとんでもない事を言い出したんだよ!
「高名な魔女エンゲリス様とお見受けいたします。早速ですが、私を殺してくださいませんか?」と。
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