2 / 38
一章 元最凶魔女ぶちキレる
1-2 頑張ったんだけど…
しおりを挟む
数日前まで、僕はこの瓦礫の山の元である、アギデル学園の生徒でした。
この学園は、
「身分の差の無い学舎から、多くの才能を産み出したい!努力とやる気、そして柔軟な発想から産み出される、正しく若さに溢れる力を世に送り出したい!」
と言う、とある高名な魔法使いの言葉に共感した、時の権力者達によって建てられ、多くの指導者とやる気に満ちた生徒が集まった学園からは、多くの優秀な人材が生まれ、一時は全国に名を知られた存在だったらしいんです。
ただ、僕が入学した時は様子が違っていました。
入学式には、少し豪華な椅子に座った貴族の子とそのお付きの列が最前列に並び、その後に力のある商人や政治家の子が並び、最後に僕達平民の子が立って式を迎える、そんな権力に負けちゃってる光景がありました。
「身分の差がなく、努力次第でいくらでも成長出来るから、絶対にあそこの学園にはいりな!」
そう言うばあちゃんに、強く勧められて入った僕は、聞いていた話と大きく違うことに戸惑いながらも、隣にいた子と話してたら、こうなったのは最近らしい事がわかりました。
その子は、お兄さんがこの学園にいたから入ったって言ってたんだけど、最近、校長先生が変わってから急にお金持ちや権力のある子や親を優遇する様になったらしくて、だんだん学園の雰囲気が、実力よりも入ることがステータスみたいになっちゃった見たい。
全寮制の学園だったから、ばあちゃんと離れ離れになるのは心配だったけど、「こっちは心配いらないよ。近所の子達もいるしね。ばあちゃんはあんたが元気でいるのがわかるだけで幸せなんだからね」って、僕の大好物の、ちょっと甘めの牛乳寒天を作って送り出してくれたばあちゃんの顔が浮かんできたんだ。
お父さんお母さんが死んでしまって、何も無くなってしまった僕を引き取ってくれたばあちゃんのため。
厳しくも優しく育ててくれたばあちゃんを悲しませたくないし、いつかはばあちゃんに孝行するために、まずはこの学園で頑張っていかないと!って心に思ったんだ。
だけど…
最初の授業から、なんだかおかしかったんだよね。
貴族や有力商人ばかりの権力者専用クラスと、その他大勢のクラスに分けられて、権力者クラスしか入れない、通れない場所があったり、権力者クラスの腕章がある人達が偉そうにしてるのを、あちらこちらで見たり…
寮も同じで、生活空間も違うし、食事も違う。そんなあからさまな風景を見て、最初はぽかーんとしてた僕ら平民新入生だったんだけど、僕は関わらなければ良いだけだって割りきったんだ。
ばあちゃん孝行したくて、一生懸命勉強したり、ばあちゃんに習ってた魔法をもっと知りたくて魔法の先生にいろいろ聞いたりしていくうちに、すっかり学園生活に慣れて、楽しいって思えるようになったんだ。
ただね、そんな楽しい学園生活も、僕の成績が良くなって、いろいろな先生に目をかけてもらったり、友達が多くなってくるにつれて、嫌な事も増えて来たんだ。
僕の事が目障りなのかな?
権力者クラスの子達が、僕に嫌がらせをするようになったんだ。
親しくなった先生に話を聞きに行っただけで「おべっか使ってる」とか
「点数稼ぎか?平民の分際で!」なんて言われたり、
筆記用具を隠されたり壊されたり、ノートを隠されたり、
教科書を破かれて捨てられたり、
先生のお手伝いで配布物を運んでる途中で足を引っかけられたり…
そんな事が多くなってきて、正直かなりめげそうになったんだけど、ばあちゃんを悲しませたくなかったし、こんな僕にも話してくれる友達がいてくれたからなんとか頑張って、ある日、学園内の一年生で一番の成績を修める事が出来たんだ!
とっても嬉しくて、休みの日に家に帰って話したら、ばあちゃんとっても喜んでくれて、夕食は僕の好きなものばかり作ってくれたんだ。
ばあちゃんには嫌がらせ受けてることは言わなかったけど、ばあちゃんが悲しくなることは言わない方がいいと思ったから、それで良かったって思ってたんだけど…
ある日、僕は、ばあちゃんを悲しませる事をしてしまったんだ。
この学園は、
「身分の差の無い学舎から、多くの才能を産み出したい!努力とやる気、そして柔軟な発想から産み出される、正しく若さに溢れる力を世に送り出したい!」
と言う、とある高名な魔法使いの言葉に共感した、時の権力者達によって建てられ、多くの指導者とやる気に満ちた生徒が集まった学園からは、多くの優秀な人材が生まれ、一時は全国に名を知られた存在だったらしいんです。
ただ、僕が入学した時は様子が違っていました。
入学式には、少し豪華な椅子に座った貴族の子とそのお付きの列が最前列に並び、その後に力のある商人や政治家の子が並び、最後に僕達平民の子が立って式を迎える、そんな権力に負けちゃってる光景がありました。
「身分の差がなく、努力次第でいくらでも成長出来るから、絶対にあそこの学園にはいりな!」
そう言うばあちゃんに、強く勧められて入った僕は、聞いていた話と大きく違うことに戸惑いながらも、隣にいた子と話してたら、こうなったのは最近らしい事がわかりました。
その子は、お兄さんがこの学園にいたから入ったって言ってたんだけど、最近、校長先生が変わってから急にお金持ちや権力のある子や親を優遇する様になったらしくて、だんだん学園の雰囲気が、実力よりも入ることがステータスみたいになっちゃった見たい。
全寮制の学園だったから、ばあちゃんと離れ離れになるのは心配だったけど、「こっちは心配いらないよ。近所の子達もいるしね。ばあちゃんはあんたが元気でいるのがわかるだけで幸せなんだからね」って、僕の大好物の、ちょっと甘めの牛乳寒天を作って送り出してくれたばあちゃんの顔が浮かんできたんだ。
お父さんお母さんが死んでしまって、何も無くなってしまった僕を引き取ってくれたばあちゃんのため。
厳しくも優しく育ててくれたばあちゃんを悲しませたくないし、いつかはばあちゃんに孝行するために、まずはこの学園で頑張っていかないと!って心に思ったんだ。
だけど…
最初の授業から、なんだかおかしかったんだよね。
貴族や有力商人ばかりの権力者専用クラスと、その他大勢のクラスに分けられて、権力者クラスしか入れない、通れない場所があったり、権力者クラスの腕章がある人達が偉そうにしてるのを、あちらこちらで見たり…
寮も同じで、生活空間も違うし、食事も違う。そんなあからさまな風景を見て、最初はぽかーんとしてた僕ら平民新入生だったんだけど、僕は関わらなければ良いだけだって割りきったんだ。
ばあちゃん孝行したくて、一生懸命勉強したり、ばあちゃんに習ってた魔法をもっと知りたくて魔法の先生にいろいろ聞いたりしていくうちに、すっかり学園生活に慣れて、楽しいって思えるようになったんだ。
ただね、そんな楽しい学園生活も、僕の成績が良くなって、いろいろな先生に目をかけてもらったり、友達が多くなってくるにつれて、嫌な事も増えて来たんだ。
僕の事が目障りなのかな?
権力者クラスの子達が、僕に嫌がらせをするようになったんだ。
親しくなった先生に話を聞きに行っただけで「おべっか使ってる」とか
「点数稼ぎか?平民の分際で!」なんて言われたり、
筆記用具を隠されたり壊されたり、ノートを隠されたり、
教科書を破かれて捨てられたり、
先生のお手伝いで配布物を運んでる途中で足を引っかけられたり…
そんな事が多くなってきて、正直かなりめげそうになったんだけど、ばあちゃんを悲しませたくなかったし、こんな僕にも話してくれる友達がいてくれたからなんとか頑張って、ある日、学園内の一年生で一番の成績を修める事が出来たんだ!
とっても嬉しくて、休みの日に家に帰って話したら、ばあちゃんとっても喜んでくれて、夕食は僕の好きなものばかり作ってくれたんだ。
ばあちゃんには嫌がらせ受けてることは言わなかったけど、ばあちゃんが悲しくなることは言わない方がいいと思ったから、それで良かったって思ってたんだけど…
ある日、僕は、ばあちゃんを悲しませる事をしてしまったんだ。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
物語の悪役らしいが自由にします
名無シング
ファンタジー
5歳でギフトとしてスキルを得る世界
スキル付与の儀式の時に前世の記憶を思い出したケヴィン・ペントレーは『吸収』のスキルを与えられ、使い方が分からずにペントレー伯爵家から見放され、勇者に立ちはだかって散る物語の序盤中ボスとして終わる役割を当てられていた。
ーどうせ見放されるなら、好きにしますかー
スキルを授かって数年後、ケヴィンは継承を放棄して従者である男爵令嬢と共に体を鍛えながらスキルを極める形で自由に生きることにした。
※カクヨムにも投稿してます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
追放されし老学園長の若返り再教育譚 ~元学園長ですが一生徒として自分が創立した魔法学園に入学します~
カイシャイン36
ファンタジー
「――というわけで、ニコライ=ヴァンレッド学園長の更迭が決まりました」
平民も貴族も平等に学べる学び舎を目指し魔法学園を運営していたニコライは貴族派の教頭バルザックの策略で学園長の座を追放されてしまう。
「やれやれ、学園長の仕事は君が思う以上に大変だぞ……お手並み拝見といこうかバルザック君」
そんな追放されたニコライの元に魔女オードリーから若返りの薬を開発したと連絡が入る。
「旦那ぁ、この薬を飲んで自分が創立した学校に入学するのもオツなもんですぜ」
「ふむ、生徒の目線で学校を見るのも一つの勉強かもな」
学生として内側からバルザックを牽制しようとしたニコライは試しにその薬を飲んで昏睡してしまう。
目覚めた時には全盛期である十代の体を取り戻していたニコライ。
だがしかし、その代償はあまりに大きく、なんと三年の月日が流れていた。
「すいません、ニコライさんの魔法抵抗力が高すぎて効くまで時間がかかりました」
「何してくれてんのぉオードリーくんっ!?」
「でも全盛期の力は取り戻せたじゃないですかぁ……それに、やっぱりイケメンだったんですねぇ」
「あぁ、ありがとう――じゃない! 取り戻せたとてなのだよ!」
三年の月日が流れ、魔法学園はすっかり貴族偏重になってしまい、バルザックのせいで学園評判はがた落ち。貴族の卒業生は無能で使えないとタブロイド誌で叩かれている始末。
「なんとかせねば……あいつ経営音痴かバルザック君!」
失った信頼を取り戻すべく、急ぎ平民として入学試験を受けるニコライ改め少年ニコは入学試験で活躍し「ニコライ元学園長の再来」と噂になる。
「本人なのだが……まぁ言っても信じてはもらえんか」
高慢な貴族上級生を「わからせ」たり、授業では「素人質問で恐縮ですが」と悪徳教師を知識で「わからせ」、さらにはニコライのファンガールである鬼教官に正体がバレかけたりと大わらわ。
これは悪徳貴族から学園を取り戻すべく、「賢者」と呼ばれし元学園長が一般生徒として生徒に教師に貴族連中に再教育していく物語――
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-
Keitetsu003
恋愛
終わりが失恋だとしても、彼らは愛し続けるだろう。愚かなまでに……。
不良の楽園と呼ばれる町、青島で『不良狩り』と呼ばれる風紀委員がいた。
その名は、藤堂正道。
不良達の起こす理不尽な行動が許せなくて、今日も自分の信念に基づいて不良と真っ向からぶつかっていた。
そんな正道の前に、青島高等学校最大の問題児があらわれる。
予想もしなかった、予測すらできなかった問題児に、正道はどう立ち向かっていくのか。
*この物語は様々な恋愛がテーマとなっています。
第一部……ハーレム
第三部……同性愛
第四部……失恋
番外編……友情
第五部~……家族愛
『アルファポリス』様のサイトで番外編『藤堂正道のおしゃべり』を投稿しています。もし、よろしければ読んでみてください。
『小説家になろう』様『カクヨム』で投稿しています。
尚、『第七部 俺達の家族 -団結編-』の『兄さんなんて大嫌いです! 藤堂正道SIDE』は小説家になろう様のみ投稿していますので、そちらもぜひ寄ってみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる