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私の居場所(イデア視点)

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マサさんとユキさんとゆうくんが、ニコニコしながら手招きをしてきたので、そちらに向かって歩いて行くと、綺麗な部屋に案内されました。

昨日、いろいろバタバタしていて大変そうで、申し訳ないと思ってたのですが、それは私の部屋を作る作業だったんだ…と思ったら、何も手伝えなくてかえって申し訳ない気持ちになりました。

私は、居候の身であるにも関わらず、皆さんに何もお返しが出来ていないのに、それにもかかわらずいつもニコニコ私を見てくれる。

私のこと思ってくれて、私のために色々なことをしてくれる皆さんの温かさを感じながら、私はなんてありがたい環境にいるんだろうと思う。

幸せに慣れてないせいか?
なんでこんなに幸せな空間に居れるのだろうか?なんてことを何度も何度も繰り返し思ってしまう。

もしかしたら、今まで"幸せ"というものを諦めて生きてきた私に対してのご褒美なのかもしれない。

「イデアが持っていた(…私のものになってますが、買ったのはマサさんなんで、マサさんのモノだと思うのですが…)魔法のカバンで整理した部屋だよ。」

「イデアの荷物が多くなってきたから、自分のものを管理できる場所がないといけないからね」

とマサさんは言うけど、私の荷物はかばん一つで収まる程度。

それも、私のものとして買い与えられたものなので、本当に私のモノにして良いのか?こんにいろいろなモノを頂いてしまい、私はどうしたら良いのかと思うと、本当に頭がごちゃごちゃになってしまっています。

部屋に入ると、飾り気が何もない白い壁に、一つの机とタンスが二つ。

本当に飾りっけがない部屋なんだけど、今までマサさんが使ってた部屋ということで、どこか温かみがある気もしました。

ただ、部屋に入り戸を閉めると同時に、何故か?牢屋にいた時の恐怖心が戻ってきてしまい、頭がごちゃごちゃになってしまい、気がついたら泣いていました。

私のそんな様子を見て、お二人はいろいろ考えてくれて、まずは部屋の戸を取ってくれました。

あと、お部屋の入り口には、花がいっぱい書いてある布をつけてくれ、部屋の壁にもお花をイメージするような可愛らしいものを置いてくれました。

「とりあえず、着替える時だけここに来ればいいからね」と言ってくれた家族の皆さんに、胸がいっぱいになり、大声で泣いてしまいました。

その後、みんなで行った料理もまた楽しく、こんな笑顔の中に私がいて本当にいいのか?と思いましたが、最近は少しだけそう言った笑顔の中にいてもいいのかな?とも思えるようになりました。

最近、皆さんの笑顔が作る温かさが、自分の中に入ってきて、私も少しずつ笑顔になれる事が多くなってきた気がします。

このままずっとここにいれれば、私もいつか、皆さんのように笑顔で笑える日が来るのかな?

◇ ◇ ◇ ◇

その日の夜。

私に気を使ってくれた皆さんが、いつもひとつの部屋で四人で布団敷いて寝てるくれてるのですが、気のせいか?私の枕元から声がするのです。

これは夢の中何でしょうか?

「あなたのいる場所はここではありません」

「あなたの幸せの先はここにはありません」

「あなたがここにいるのは何かの間違い、あなたが望むなら新しい場所へお連れします」

そんな言葉が聞こえてくるのです。

その声は、私を封印した、あの白い衣をまとった天使と呼ばれる女の人の声にとても似ていて、私は思わず身をすくめてしまいました。

ただ同時に、この人は私を何だと思っているのかという怒りも心の中から湧き上がってきました。

今までは、私の人生どうなろうと構わない!早く死んでしまいたい!という気持ちしかありませんでしたが、今はマサさん、ユキさん、ゆう君が私の居場所を必死に作ってくるようとしているのを強く感じます。

私もこのままではいけないと、私が将来何になるのかというのを考え始めているところ。

今まで出会った方々皆さんは何か強いものを持っていました。

大きな体格の人たちも、ショッピングモールという大きい場所で働いてる皆さんも、皆さんが皆さん自分が何をしたいということをしっかり持っている方々でした。

私もそういった方々を見習って、色々行動したいと思いかけていただけに、その無慈悲な言葉に、また封印されてしまうのか?またわけがわからないまま体が硬くなり、いつ溶けるかわからない暗闇の中で私は待っていなければいけないのか?と思うと腹立たしくて仕方がありません。

そんな事を思ったら、悔しくて悔しくて…自然と涙が出てしまいました。

声を聞きながら、私は何度も何度も繰り返します。

私はここにいたいです

私は、あの家族の方の近くで、あの温かい笑顔を見ていたいです

いつか、私が本当に笑顔になった時、私はきっと自分の道を歩むことができると思うのです

だからもう少しだけ私に時間をください。

私が自然に笑顔が作れるようになるまで、私が自然に笑顔を出せるようになるまで、私は頑張りますから!

どうかお願いです。

私のしあわせの時間を、もう少しだけ与えてください!

お願いします!

お願いいたします!!

そう強く強く願いながら、私の意識は再び夢の中へ消えていきました…
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