コンビニ行ったら異世界女子が当たりました・・・俺どうしたらいいの?

とうちゃんすらいむ

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お疲れ様でした。

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しばらく抱き合っていたんだけど、恥ずかしくなったのか?急に俺から離れてカミサンに相談しに行くイデアを見ていたら、スタッフ方がイデアを連れて行っちゃったんだよね。

あ、そっか、化粧落ちちゃったか・・・

それは申し訳ないことをしてしまったなって思ったら、ふと自分が撮影を中断させてしまった事に気が付き、その場で謝罪。

取り返しのつかないことをしちゃったな・・・って思ってたらさ、「イデアさんが映らない撮影を終えてしまうので、大丈夫!ただ、ちょっとハードになりますから覚悟してくださいね。頼みますよ!お父さん!」とスタッフさん。

再度すいません!と頭を下げ、俺は俺で出来る事をやっていこうと思ったら、勇気が近くに来て「俺も手伝うよ」なんて言ってくれたんだ。

最近、イデアの事が中心になってしまい、勇気の事が見れてない事があるかもな、と申し訳ない気持ちを持っていただけに、そう言ってくれる息子の言葉が本当に嬉しくて、思わず頭をわしゃわしゃしてしまう。

「や、やめろよな!そういうの!!」って怒ったふりをしながらも、嬉しそうにしている息子を見ながら、まだまだ父親業も頑張らないといけないなと思う俺がいました。

そんな息子と一緒に イデアがいる体で、美味しいものを食べたり、外の風景を見てキャッキャキャッキャ言い合っていたところ、 化粧戻した彼女やかみさんスタッフが戻ってきたので撮影が中断された。

ふぅ~と息を吐いて、カメラの前に入ってきたイデアが、まるで本当の女優さんの様に見え、 思わず息を飲んでしまった俺と息子。

そんな俺らを見て見ぬふりをしているのか?イデアは言われた事を淡々とこなして行く。

さっき見せてくれた涙は本物だったのかな?とちょっと心配になりつつも、今は目の前の仕事の邪魔をしないように離れて見守っていると、心なしかイデアの顔が笑顔に見えたように思えたんだ。

口元も口角の上がり具合も、ココロナシカいつもよりもさらに上がっていて、にっこりしてるようにも見え、目元も少し下がっているように思える。

離れて見ていると分からないが、普段から彼女を見続けていた俺にとっては、彼女がとても楽しい と感じているように思えた。

俺が、彼女と家族になりたいと言う思いは本当だけど、それを彼女に強制するようなことはしたくない。

今は少しずつ彼女と近くなって、彼女が心の底から俺らを求めてくれればそれでいいのかな?と思っている。

ま、 もう今は彼女の顔が見れただけでいいかなと思いながらも、撮影が終わるのをじっと待っている俺が家族。

今できるのは彼女が終わったら、『お疲れ様今日も頑張ったね』と頭を撫でてあげることぐらいだろうか?

少しずつ彼女に近くなれるといいな。


☆ ☆ ☆ ☆


結局彼女の仕事が終わったのは夜の8時頃。

やっと終わった後ほっとしている彼女に対して、スタッフの皆さんが気を使って『これから一緒にお食事でもどうですか』と声をかけてくれたんだけど、彼女があまりに疲れていたもので、お気持ちだけを頂いて早々に帰ることにした。

イデアは本当に疲れてしまったらしく、横になって動けないようだったので、このままここに泊まっていくかい?と話をすると

「できることならおうちに帰りたいです。お家でお布団でゆっくりしたいですぅ」

と、珍しく自分の意見を言ってくれたので、ちょっと恥ずかしいなと思いながらも、イデアを背中に乗せて、おんぶして帰ることにした。

おんぶをしたのは、息子が小学校四年ぐらいの頃が最後だったかもしれない。

それも息子が風邪で病院に行かなければいけなかった時で、立てないくらいの時だったので、仕方ないという気持ちが強かったのだが、息子だから仕方がないという気持ちが強く恥ずかしいという気持ちはなかった。

ただ今回はお年頃の女の子。

しかも俺らに少し心許してくれたぐらいの普通の女の子なんだ。

さすがに俺がおんぶしていいものか?どうかとちょっと悩んだが、そうも言ってられない。

おんぶできるの俺一人だけだから仕方がないよな~と心に聞かせておんぶしながらショッピングモールを歩く。

まだまだ多くの方が買い物を楽しんでいる広い通路を、駐車場に向かってまっすぐ歩いて行くと、やはり目立つのか?少し通りすがりの人が 笑ったりしているのが気になる。

ただ、通りすがりの人たちがこちらを見て、好意的な笑顔で見てくれている気がするので、嬉しいやら恥ずかしいやらで複雑な気持ちになりながら歩く。

ただ、一番嬉しいのは、イデアが俺に身を預け背中でグーグー寝ていることなのかなとも思うんだ。
ちょっとは信用されてるのかな?ってね。

そんな事がありながらも、やっと車に到着して彼女を椅子に寝かせると、俺らも車にぐったり寝そべる。

「疲れた・・・けど、なんか嬉しい気がする・・・」

「疲れたけど・・・いっぱいいろんなことあって楽しい・・・」

「なんか大変なことになった気がするけど、なんとかするさー」

三者三様、ちょっとずつ言葉が違うけど、思いは同じようだ。

自分の子でない人間を迎え入れて、新しい生活を送る。

年頃の女の子を相手に、自分は何が出来るのだろう?

さすがに受け皿を用意して、はいさよならと言うわけには行かないし、そんなことはしないけどね。

そもそも、カミサンに何も相談しないで、どうしよう・・・なんて思っていると、カミサンがぼそっと、

「前にね、お店の人に囲まれた時、自然と「私の娘が怖がってるから辞めて!」なんて出ちゃってね。なに自分勝手な事言ってるんだろう?って思ったんだけど、まーくんも一緒の気持ちだったなんてね、嬉しいよ」との事。

そんなカミサンの言葉をもらって、ほっとしたのも束の間。

イデアが
・異次元から来た=身元不明者であること。
・身元不明者を保護し、養女として向かい入れる。

最初のハードルから高そうなのに、それプラス、彼女が社会に出るにあたってもいろいろなハードルがあるんだよな・・・ま、まぁ、何とかするけどさ。

まぁ、仕事を全うし疲れきって寝てしまったイデアから何も答えを貰っていないから、まだ何もはじまってない気もしないでもないけど、少なくとも、今日、何かのスイッチは押せた気はするから、ま、いっか。

難しいことはあとであとで。

今日はみんなお疲れ様~と言いながら、完全に寝こけてる三人を見て呟く俺がいました。

さて、家につくまでがなんとやらだね。
もう少し頑張るか~
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