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会長さんのお願い
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「わぁ・・・いろいろな料理がありますね。私は王様の晩餐に招待されてしまったのでしょうか? 私など 」
と言うイデアの手をひっぱり、次から次に並ばれてる料理を説明しながら、勇気が料理を取っていく。
こちらのショッピングモールの中にあっても、お値段が高すぎていつも入るのを躊躇ってしまっていた、バイキング形式のお店に俺達はいます。
会長さんと俺ら、そして担当さんと一緒に入って、とりあえず軽く食べれるものをと思ったら、会長さんががっつり料理を持ってきて、もりもり食べ始めたので、それにつられて俺らも遠慮なく食べ始める。
何気に担当さん達もがっつり食べてるんだけど、あとで会長さんに怒られないかな?大丈夫かな?
まぁ~これだけ美味しそうな料理を前にして、いろいろ考えても仕形がないかな?と思いながら食べてると、会長さんが申し訳なさそうな顔で一言。
「実はお客様にお願いがあります」
何となく流れ的に、そんな事言われるんだろうなって思ってたから、驚かなかったんだけど、どんな事言うのか?と気になって話を聞こうと思わず姿勢を正してしまう俺。
「実は、最近、当モールの施設内にある店舗に対しての接客応対について、少々弛みが見えましてな。各店舗に喝を入れたいと考えていたところ、お客様にご迷惑をおかけした事を知りまして、これは早急に手を打たねばならぬと思ったのです」
それを聞いている担当さん二人も、うんうん頷いているんだけど、それって俺らになんの関係があるんだろう?
「で、一度、緊急の会議を行おうと思っていたのですが、ただ周知だけの会議では意味がないので、少々刺激的なものを考えていたのです。」
と言うと、山盛りになっていた料理を食べきり、目の前を片付ける会長さん。
息子とイデアにはゆっくりご飯を食べていてもらい、俺らもそれにならって目の前を片付けると、会長さんが懐から一枚の紙を出し俺らに見せてくれたんだ。
当モールに置いて、最近接客対応に問題のある案件が多数見られる為、接客に重点を置いた、お店の格付けを行う試験的なものを行い、お互いの店舗に接客というものを見直してもらう機会を作る。
今回の対象は『20代の女性の上下をコーディネイト出来る店舗(水着、下着、帽子、靴、アクセサリー等の専門店は除く)』『理由として、当店舗の半数以上が若い女性を意識した店舗であり、女性客を意識した接客の改革は重要であること、これをきっかけに前年齢層に対しての接客意識をしっかり持たせることが狙い』
なんてことが書いてある。
『 』の中は、さっき会長さんが手書きしたのかな?赤ペンで書いてあるんだけど、とても綺麗で見やすい字が走り書きされてる。
俺もいち社会人であり、会社員でもあるので、これだけ大きいモールの企画書(案)を見てワクワクしちゃったんだけど、内容を見て、これに俺らが関係するってことないよなぁ~って思ったらさ、
「この企画にぜひお嬢様の協力をお願いできないかと思いまして」
なんて言ってきたのよ。
会長さんのお話だと、銀髪長身の美人さんだが、まだ少しあどけなさが残る印象を受け、息子さんと遊んでいる姿を見ると、笑顔がとても可愛らしく、無言で立っている時の印象と真逆なのがまた良いとの事。
「この企画中、お嬢様にはちょっとした役者になってもらえないかと思うのです」
そう言いながら、会長さんや担当さんはイデアの方を期待に満ちた目で見る。
そんな俺らの視線を感じたのか?イデアが緊張しながらこちらを見ているので、みんながイデアの事かわいいって言ってたんだよと話すと、急に顔を赤くして「わたし、そんなこと言われたのはじめてです。嬉しいです。」と、尻尾をふりふり!耳をピョコピョコさせて喜んで
って、イデア!変身解けてるよ!やべっ!!
とりあえず誰も見てないかな?部屋の端っこで助かった・・・かな?
あ、あの・・・これはですね・・・う~んと・・・えっと・・・カミサンどうしよう・・・えっ?どうにもならない?・・・えっと・・・会長さん・・・実はですね・・・ん、どうしました?
「すごくかわいい!!しかもイメージぴったり!」
「ご隠居!これ、あの企画にぴったりですよ!」
「ああ、偶然とは言え、まさか女神さまがうちのモールに来てくださるなんて、ありがたや~ありがたや~」
・・・なんか、三人ですごく盛り上がってるよ・・・
ま、まぁ、引かれるよりずっとましかな?なんて思いながら、見ていると、三人が頭を下げて「「「お願いします!もうこれは運命と思いました。このチャンスは二度と起こらないと思うので、是非私たちに力を貸して下さい!!!」」」と涙ながらに訴えられたので、どうしようかと思いイデアを見る。
今更ながら耳を手で隠し、しょんぼりしながらこちらを見て来たので、カミサンと二人で事情を話すと、自分が悪い事をしている訳ではないことがわかってほっとし、
「わたしは女神様ではありません。役者さんとかモデルさんがなんなのかもわかりません。私なんかが何ができるかわからないけど・・・」
と、ちらっと俺とカミサンを見て、
「マサさんユキさんのお役に立ちたいとずっと思っていましたので、わたしで良かったらやります!」
そう言うと、三人とも「ありがとうありがとう」言いながらイデアの手を握ってるのよ。イデア、怖がってるけど我慢してるよ、偉いなぁ。
ようやく落ち着いた若い二人が、すぐに行動したいからと席を立ち、残った会長さんもお店の人に何かを言ったかと思ったら、すぐに戻りますので、お食事をゆっくり楽しんでいって下さいと言い席を立とうとするので、一応自分の連絡先を渡すと、これは失礼しましたと名刺を下さったんだ。
『ショッピングモール ご隠居 三倉正義(みくらまさよし)』
そう書いてある名刺を見て、だからご隠居なんてみんな言ってるんだ・・・なんて思いながらも、ふと、なんで「ご隠居なんだろう?」って思って聞いてみたら、「隠居したいんだけど、皆が私を引き留めるのでずるずる会長やっています、せめてもの抵抗で名刺には「隠居」と書かせてもらってるんですよ」と言われたので、俺はすっかりこの人が好きになってしまったんだ。
そんな会長さんも会釈をし、席を離れたもんだから、しばし俺ら家族だけでの食事。
イデアや勇気にいろいろ巻き込んでしまって申し訳ないと謝ると
「私は皆さんのお役に立てればそれでいいんです。頭を下げないで下さい。旦那様、奥様」
「こんなに美味しいもの食べさせてもらったんだもん、俺も何か手伝うよ!」
と二人。
俺も明日までだったら休みだから、ご隠居さんのお手伝い何か出来たらしたいなぁ~と心に思いながら、ついついデザートに目が行く俺がいました。
今日はおもいっきりたべちゃおっと!
と言うイデアの手をひっぱり、次から次に並ばれてる料理を説明しながら、勇気が料理を取っていく。
こちらのショッピングモールの中にあっても、お値段が高すぎていつも入るのを躊躇ってしまっていた、バイキング形式のお店に俺達はいます。
会長さんと俺ら、そして担当さんと一緒に入って、とりあえず軽く食べれるものをと思ったら、会長さんががっつり料理を持ってきて、もりもり食べ始めたので、それにつられて俺らも遠慮なく食べ始める。
何気に担当さん達もがっつり食べてるんだけど、あとで会長さんに怒られないかな?大丈夫かな?
まぁ~これだけ美味しそうな料理を前にして、いろいろ考えても仕形がないかな?と思いながら食べてると、会長さんが申し訳なさそうな顔で一言。
「実はお客様にお願いがあります」
何となく流れ的に、そんな事言われるんだろうなって思ってたから、驚かなかったんだけど、どんな事言うのか?と気になって話を聞こうと思わず姿勢を正してしまう俺。
「実は、最近、当モールの施設内にある店舗に対しての接客応対について、少々弛みが見えましてな。各店舗に喝を入れたいと考えていたところ、お客様にご迷惑をおかけした事を知りまして、これは早急に手を打たねばならぬと思ったのです」
それを聞いている担当さん二人も、うんうん頷いているんだけど、それって俺らになんの関係があるんだろう?
「で、一度、緊急の会議を行おうと思っていたのですが、ただ周知だけの会議では意味がないので、少々刺激的なものを考えていたのです。」
と言うと、山盛りになっていた料理を食べきり、目の前を片付ける会長さん。
息子とイデアにはゆっくりご飯を食べていてもらい、俺らもそれにならって目の前を片付けると、会長さんが懐から一枚の紙を出し俺らに見せてくれたんだ。
当モールに置いて、最近接客対応に問題のある案件が多数見られる為、接客に重点を置いた、お店の格付けを行う試験的なものを行い、お互いの店舗に接客というものを見直してもらう機会を作る。
今回の対象は『20代の女性の上下をコーディネイト出来る店舗(水着、下着、帽子、靴、アクセサリー等の専門店は除く)』『理由として、当店舗の半数以上が若い女性を意識した店舗であり、女性客を意識した接客の改革は重要であること、これをきっかけに前年齢層に対しての接客意識をしっかり持たせることが狙い』
なんてことが書いてある。
『 』の中は、さっき会長さんが手書きしたのかな?赤ペンで書いてあるんだけど、とても綺麗で見やすい字が走り書きされてる。
俺もいち社会人であり、会社員でもあるので、これだけ大きいモールの企画書(案)を見てワクワクしちゃったんだけど、内容を見て、これに俺らが関係するってことないよなぁ~って思ったらさ、
「この企画にぜひお嬢様の協力をお願いできないかと思いまして」
なんて言ってきたのよ。
会長さんのお話だと、銀髪長身の美人さんだが、まだ少しあどけなさが残る印象を受け、息子さんと遊んでいる姿を見ると、笑顔がとても可愛らしく、無言で立っている時の印象と真逆なのがまた良いとの事。
「この企画中、お嬢様にはちょっとした役者になってもらえないかと思うのです」
そう言いながら、会長さんや担当さんはイデアの方を期待に満ちた目で見る。
そんな俺らの視線を感じたのか?イデアが緊張しながらこちらを見ているので、みんながイデアの事かわいいって言ってたんだよと話すと、急に顔を赤くして「わたし、そんなこと言われたのはじめてです。嬉しいです。」と、尻尾をふりふり!耳をピョコピョコさせて喜んで
って、イデア!変身解けてるよ!やべっ!!
とりあえず誰も見てないかな?部屋の端っこで助かった・・・かな?
あ、あの・・・これはですね・・・う~んと・・・えっと・・・カミサンどうしよう・・・えっ?どうにもならない?・・・えっと・・・会長さん・・・実はですね・・・ん、どうしました?
「すごくかわいい!!しかもイメージぴったり!」
「ご隠居!これ、あの企画にぴったりですよ!」
「ああ、偶然とは言え、まさか女神さまがうちのモールに来てくださるなんて、ありがたや~ありがたや~」
・・・なんか、三人ですごく盛り上がってるよ・・・
ま、まぁ、引かれるよりずっとましかな?なんて思いながら、見ていると、三人が頭を下げて「「「お願いします!もうこれは運命と思いました。このチャンスは二度と起こらないと思うので、是非私たちに力を貸して下さい!!!」」」と涙ながらに訴えられたので、どうしようかと思いイデアを見る。
今更ながら耳を手で隠し、しょんぼりしながらこちらを見て来たので、カミサンと二人で事情を話すと、自分が悪い事をしている訳ではないことがわかってほっとし、
「わたしは女神様ではありません。役者さんとかモデルさんがなんなのかもわかりません。私なんかが何ができるかわからないけど・・・」
と、ちらっと俺とカミサンを見て、
「マサさんユキさんのお役に立ちたいとずっと思っていましたので、わたしで良かったらやります!」
そう言うと、三人とも「ありがとうありがとう」言いながらイデアの手を握ってるのよ。イデア、怖がってるけど我慢してるよ、偉いなぁ。
ようやく落ち着いた若い二人が、すぐに行動したいからと席を立ち、残った会長さんもお店の人に何かを言ったかと思ったら、すぐに戻りますので、お食事をゆっくり楽しんでいって下さいと言い席を立とうとするので、一応自分の連絡先を渡すと、これは失礼しましたと名刺を下さったんだ。
『ショッピングモール ご隠居 三倉正義(みくらまさよし)』
そう書いてある名刺を見て、だからご隠居なんてみんな言ってるんだ・・・なんて思いながらも、ふと、なんで「ご隠居なんだろう?」って思って聞いてみたら、「隠居したいんだけど、皆が私を引き留めるのでずるずる会長やっています、せめてもの抵抗で名刺には「隠居」と書かせてもらってるんですよ」と言われたので、俺はすっかりこの人が好きになってしまったんだ。
そんな会長さんも会釈をし、席を離れたもんだから、しばし俺ら家族だけでの食事。
イデアや勇気にいろいろ巻き込んでしまって申し訳ないと謝ると
「私は皆さんのお役に立てればそれでいいんです。頭を下げないで下さい。旦那様、奥様」
「こんなに美味しいもの食べさせてもらったんだもん、俺も何か手伝うよ!」
と二人。
俺も明日までだったら休みだから、ご隠居さんのお手伝い何か出来たらしたいなぁ~と心に思いながら、ついついデザートに目が行く俺がいました。
今日はおもいっきりたべちゃおっと!
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