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ビックバン
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あの女神様?が空に飛んでいってしまったあと、ぼけーーーっと天井を見上げていたんだけど、首が疲れてしまったんで、みんなその場に座っていろいろやりはじめたんだ。この調子じゃ明日はみんな休みだなって思って本当にだらだらモードに。
勇気と彼氏さんはゲームして暇つぶし、俺とカミサンは気になるネット小説やら漫画やらをむさぼり読んでたんだ。
そんな中、ピンポーンと家のチャイムがなったのでモニターを見てみると、先日お世話になった異世界アルテミスの男性の神様が見えたので慌てて玄関を開けると、「お久しぶりですね」って声をかけてくれたので、慌てて頭を下げ、中に入ってもらうように促すと、では言葉に甘えてと中に入ってくれました。
そんな玄関のやり取りを聞いていたみんなは、あちらこちらに散らかっていた本や食器などを片付けてくれてたみたいで、部屋に案内すると、ちょっと小ぎれいになっていた部屋と、部屋のソファーに座る3人。つーか彼氏さんもお客様みたいなもんなのに、俺らの部屋を一緒に片付けてくれてごめんね。
そんな男性の神様に椅子に座ってもらい、お茶を出すとほっと一息ついてくれたようだ。うちですぐに出せるのはペットボトルの麦茶かお茶くらいしかないから、口に合うかわからないなぁ~って思ってたから内心とってもほっとしたよ。カミサンも同じような事を思っていたみたいでお互い顔を見合わせて笑っちゃった。
「で、こんな夜遅くにどうしたんですか?言ってくだされば事前にいろいろ準備しましたのに」
「いえいえ、なんにせよこちらから一度お礼に伺おうと思っていたので、丁度良かったのです」
そんな神様の発言に「お礼されることってあったっけ?」なんて思ってたんだけど、ふとイデアの事を思い出し、今日からしばらくの間、アルテミスに行くことになったんですよ~なんて話をしたら、そのお礼なんですよーなんて言い出したんだ。
あれっ?俺、この事は神様達には言ってないし、イデアも言うはずないんだけどなぁって思ってたらさ、目の前のアルテミスの神様がにっこり笑って話し始めたのよ。
「えぇ、あのイデアを育てて下さり、そして再びアルテミスの世界へ送り出してくれた。こちらの手間を省いてくださり本当に感謝してもしきれません」
そんなちょっとひっかかる物の言い方に今までの良い印象が消え、俺もカミサンも勇気も緊張しはじめたんだ。
「私達が管理しているアルテミスという世界でありますが、今まで破壊と再生を繰り返し成長してまいりました。それはこちらの世界でも変わらない事と思います。あちらこちらで人が争い不毛な殺戮があちらこちらで繰り広げられるのはどこででも起こりえることですからね」
「ただ、私たちの世界はまだまだ幼子のようなもの。まだまだこの地球のような進歩は望めません。そんな中、ふとした偶然からこちらの神様達とコンタクトが取れ、こちらの熱意が叶って業務提携の話が進んだのはとても良い事でした」
そう言いながら手元のお茶を飲みつつ、ため息をつくんです。
「こんなに美味しいお茶が誰にでも気軽に飲める。そんなこちらの国に、私たちはとても嫉妬いたしました。食糧事情も悪く、流通も文化も何もかも劣っている我が世界が、どうやったらこちらの世界のようになれるのか?私たちは考えに考え、そしてある結論に至ったのです・・・」
「それは・・・大きな破壊。こちらで言うビックバンでしょうか?大きな破壊の後から生まれる新たな世界を期待し、私たち自ら手をつけ、理想の世界へと急成長させようとする計画でありました。そのために必要なのは大きな破壊をもたらす存在。こちらでは核兵器などでございましょうが、そんなものは私達の世界にはありません」
だったらなんなんだ?って思って、ふと勇気が持っていたゲームの画面を見たら、そこに映ってたものは
「魔王か」
「おっしゃる通りです。私たちの管理する世界を余すことなく破壊尽くしてくれる暴力の権化、魔王という存在を復活させ、世界の再生を促す事を私たちは思いついたのです」
そう言うと、目の前の男は手に持ってるお茶を飲み干しふぅと息をつきます。
「それと姉ちゃんとどう関係あるんだよ!」
「ぉお、よくぞ聞いてくれましたご子息様。そう、あの子はそのビックバンになりえる存在なのですよ。幼き頃から日常的に人の闇に接し、暴力を受け、自ら傷付き心を閉ざした存在。こちらの世界に来てあなた方は優しさと言う名の殻をあれにつけてくれましたので、今までの闇はきっとその力を増していることでしょう。より小さくなりながら深く強大な闇に・・・」
「今頃彼女は魔族領に出向いている頃でしょう。そして、腕に書かれた紋章を消された時。あれの中にある大きな闇が解き放たれるのです!綺麗で優しい卵の殻を破り、中から出てくるのは強大な闇、そして破壊。すさまじい暴力に世界は破壊され、新たな世界への第一歩が開かれるのです」
「魔王の子孫である魔族により世界が変わる。暴力と闇の象徴である魔族は今や人と変わらぬ生活を送っている時点でおかしくはありますが、そんな事はもうどうでもよいのです。世界の始めを魔の者がもたらす光景を直接目にすることが出来ないのはとても残念ではありますがね」
そう言うと、指をパチンと鳴らしテレビ画面を付ける男。
そこに映っていたのは・・・
闇に覆われ悲鳴を上げているイデアの姿だったんだ・・・・
勇気と彼氏さんはゲームして暇つぶし、俺とカミサンは気になるネット小説やら漫画やらをむさぼり読んでたんだ。
そんな中、ピンポーンと家のチャイムがなったのでモニターを見てみると、先日お世話になった異世界アルテミスの男性の神様が見えたので慌てて玄関を開けると、「お久しぶりですね」って声をかけてくれたので、慌てて頭を下げ、中に入ってもらうように促すと、では言葉に甘えてと中に入ってくれました。
そんな玄関のやり取りを聞いていたみんなは、あちらこちらに散らかっていた本や食器などを片付けてくれてたみたいで、部屋に案内すると、ちょっと小ぎれいになっていた部屋と、部屋のソファーに座る3人。つーか彼氏さんもお客様みたいなもんなのに、俺らの部屋を一緒に片付けてくれてごめんね。
そんな男性の神様に椅子に座ってもらい、お茶を出すとほっと一息ついてくれたようだ。うちですぐに出せるのはペットボトルの麦茶かお茶くらいしかないから、口に合うかわからないなぁ~って思ってたから内心とってもほっとしたよ。カミサンも同じような事を思っていたみたいでお互い顔を見合わせて笑っちゃった。
「で、こんな夜遅くにどうしたんですか?言ってくだされば事前にいろいろ準備しましたのに」
「いえいえ、なんにせよこちらから一度お礼に伺おうと思っていたので、丁度良かったのです」
そんな神様の発言に「お礼されることってあったっけ?」なんて思ってたんだけど、ふとイデアの事を思い出し、今日からしばらくの間、アルテミスに行くことになったんですよ~なんて話をしたら、そのお礼なんですよーなんて言い出したんだ。
あれっ?俺、この事は神様達には言ってないし、イデアも言うはずないんだけどなぁって思ってたらさ、目の前のアルテミスの神様がにっこり笑って話し始めたのよ。
「えぇ、あのイデアを育てて下さり、そして再びアルテミスの世界へ送り出してくれた。こちらの手間を省いてくださり本当に感謝してもしきれません」
そんなちょっとひっかかる物の言い方に今までの良い印象が消え、俺もカミサンも勇気も緊張しはじめたんだ。
「私達が管理しているアルテミスという世界でありますが、今まで破壊と再生を繰り返し成長してまいりました。それはこちらの世界でも変わらない事と思います。あちらこちらで人が争い不毛な殺戮があちらこちらで繰り広げられるのはどこででも起こりえることですからね」
「ただ、私たちの世界はまだまだ幼子のようなもの。まだまだこの地球のような進歩は望めません。そんな中、ふとした偶然からこちらの神様達とコンタクトが取れ、こちらの熱意が叶って業務提携の話が進んだのはとても良い事でした」
そう言いながら手元のお茶を飲みつつ、ため息をつくんです。
「こんなに美味しいお茶が誰にでも気軽に飲める。そんなこちらの国に、私たちはとても嫉妬いたしました。食糧事情も悪く、流通も文化も何もかも劣っている我が世界が、どうやったらこちらの世界のようになれるのか?私たちは考えに考え、そしてある結論に至ったのです・・・」
「それは・・・大きな破壊。こちらで言うビックバンでしょうか?大きな破壊の後から生まれる新たな世界を期待し、私たち自ら手をつけ、理想の世界へと急成長させようとする計画でありました。そのために必要なのは大きな破壊をもたらす存在。こちらでは核兵器などでございましょうが、そんなものは私達の世界にはありません」
だったらなんなんだ?って思って、ふと勇気が持っていたゲームの画面を見たら、そこに映ってたものは
「魔王か」
「おっしゃる通りです。私たちの管理する世界を余すことなく破壊尽くしてくれる暴力の権化、魔王という存在を復活させ、世界の再生を促す事を私たちは思いついたのです」
そう言うと、目の前の男は手に持ってるお茶を飲み干しふぅと息をつきます。
「それと姉ちゃんとどう関係あるんだよ!」
「ぉお、よくぞ聞いてくれましたご子息様。そう、あの子はそのビックバンになりえる存在なのですよ。幼き頃から日常的に人の闇に接し、暴力を受け、自ら傷付き心を閉ざした存在。こちらの世界に来てあなた方は優しさと言う名の殻をあれにつけてくれましたので、今までの闇はきっとその力を増していることでしょう。より小さくなりながら深く強大な闇に・・・」
「今頃彼女は魔族領に出向いている頃でしょう。そして、腕に書かれた紋章を消された時。あれの中にある大きな闇が解き放たれるのです!綺麗で優しい卵の殻を破り、中から出てくるのは強大な闇、そして破壊。すさまじい暴力に世界は破壊され、新たな世界への第一歩が開かれるのです」
「魔王の子孫である魔族により世界が変わる。暴力と闇の象徴である魔族は今や人と変わらぬ生活を送っている時点でおかしくはありますが、そんな事はもうどうでもよいのです。世界の始めを魔の者がもたらす光景を直接目にすることが出来ないのはとても残念ではありますがね」
そう言うと、指をパチンと鳴らしテレビ画面を付ける男。
そこに映っていたのは・・・
闇に覆われ悲鳴を上げているイデアの姿だったんだ・・・・
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