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えっ!(イデア目線)
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「お兄ちゃん?!本当に?」
「おうよ!まさかお前だとは思ってなかったけど、今日会ってわかったよ」
そんな笑顔を見て、改めて昔の事を思い出しました。
あの暗い洞窟でいつも痛く辛い日々の中、私にとって一人だけ笑顔でいてくれた男の子。
私の目の前ではいつも強がって笑顔でいてくれた、そんな強い男の子がいます。
当たり前だけど姿は立派な青年になっているんだけど、目の前の笑顔を見ているとあの頃のお兄ちゃんが目の前に来てくれた気がして嬉しく思う反面・・・
「お兄ちゃん。今まで私、お兄ちゃんの事忘れてしまっていました。本当にごめんなさい」
そう頭を下げると、面倒臭そうに頭をかきながら私の側に来て、お兄ちゃんは言ったんです。
「イデア!お前もいろいろあったんだろ?俺もいろいろあった。だけどこうやって会えてるだけで儲けもんじゃねぇか!元気で笑顔が見れただけで俺は嬉しいぜ!今はそれだけでいいじゃんかよ!なぁぉぃ!」
「でも・・・」
「でもも、かももないわ!いいんだよ!俺がいいって言ってるんだからいいんだよ!」
そう言いながらワハハと笑うお兄ちゃんの笑顔に、また救われた私はもう何も言えませんでした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「そうか、今まで大変だったなぁ。イデア」
「ううん、お兄ちゃんに比べたら恵まれてるよ私。でも本当に良かったって思ってる」
今までの罪悪感からいろいろな事に遠慮している私の様子を見て、周りの人達が軽食や紅茶などを用意してくれました。王様や王妃様。そして周りの皆さんも円卓に座りみんなで目の前のお菓子などをつまんでいると、自然と話が弾み、皆さんがお話する中で、私も今までの事を話すことが出来ました。
私は神様と呼ばれる人によって封印されてから、今までの事。
お兄ちゃんは私と別れてからの話をかいつまんで。
成長して私と離れ離れになったお兄ちゃんは、戦闘奴隷として害獣の駆除など第一線で戦っていたところ、たまたま同じ戦闘奴隷として連れてこられた魔族の男性に、自分が王子という事を知らされ、その男性や周りの人達の協力もあって、隙を見て脱出したそうなんです。
王様や王妃様も、幼い頃突然消えてしまった王子の事を諦めきれず探し続けていたので、逃亡の末たどり着いた二人の魔族を見た二人は感動のあまりその場で大声で泣いてしまったですって。その様子を笑顔で言う王様と王妃様に親しみを覚えました。そして、改めて、今私がここにいられるのも王子様のおかげですとお礼を言う私。
「息子も貴女のおかげで、守るべきものが出来たからここにいれるんだって言ったんです。ある意味、貴女も息子を救ってくれたんですよ。本当にありがとう」
そう言い、私の方に頭を下げる王妃様に、慌てて頭を下げる私を見て笑う王様とお兄ちゃん。
私もお兄ちゃんも家族と一緒に笑い合える生活を送れて本当に良かったって思っていたら、ふと、お兄ちゃんが私の腕についている紋章らしきものを見て「これ、もういらないよな」だって。
元々、お妃候補としてつけられた紋章だもんね。
お兄ちゃんと会えた時点でもう不要なものだものだしねって言うと、首を横に振るお兄ちゃん。
「あ、いや・・・なんつーかよ。その・・・うんと・・・ほらっ、お前がお妃候補ってのはなしでよ。出来ればよ、できれば・・・んとな・・・」
「なんだその煮え切らないのは!戦闘訓練で部下をしごきまくってるお前とは雲泥の差だな!」
「貴方もそんなところがあるのね。ふふふ」
なんかそんなお兄ちゃんや、楽しそうにしている王様と王妃様を見て、やっぱり家族っていいものだなぁって思った私。ふとお父さんやお母さんたちを思い出して、なんとかく暖かい気持ちになっていたら、そんな私を見てお兄ちゃんが言ったんです。
「あのさ、せっかくこうやって会えたからさ、これからお前ともっと話したいし、いろいろな事もしたいんだよ!だから候補とかそういうのじゃなくてさ、昔から知ってる友達って感じでちょこちょこ会えないかな?正直もっともっといろいろ話したいんだよ。俺は!」
そんな事を真っ赤な顔をして言うお兄ちゃんに、私で良かったらって言ったら「お前だからいいんじゃねぇか!」って怒られちゃった。そう言うところ成長しても変わらないなぁ~って思ってたら、とにかく紋章は消すからなって言って、何やら口の中で呪文を呟いたんです。
すると、今まで腕についていた紋章らしきあざが、徐々に消えていきます。
そんな様子を見て、正直、この腕のあざ本当に困ってたから助かったってほっとしたんだ。
暑い時期のお弁当作りの時なんか、周りの人の目を気にして紋章の上から肌色のテープ貼ってたし、モデルの仕事してる時は、バンダナとか巻いたり小道具でごまかしたりして周りの人に迷惑をかけてしまってたから、消えてよかった・・・って思ってたらね、何か新しい紋章が出て来たの。
えっ!って思ってお兄ちゃんに紋章を見せたらね「えっ?これ俺じゃねぇぞ」って慌ててるの。
そして、その紋章を確認した王様や王妃様が何か言おうとして瞬間。
私の腕の紋章から、何か黒いものがあふれ出てきて私を包みこんできたんです。
まるで暴風のように力強い流れが私を囲み、私の意識は徐々に薄れていきました・・・・
「おうよ!まさかお前だとは思ってなかったけど、今日会ってわかったよ」
そんな笑顔を見て、改めて昔の事を思い出しました。
あの暗い洞窟でいつも痛く辛い日々の中、私にとって一人だけ笑顔でいてくれた男の子。
私の目の前ではいつも強がって笑顔でいてくれた、そんな強い男の子がいます。
当たり前だけど姿は立派な青年になっているんだけど、目の前の笑顔を見ているとあの頃のお兄ちゃんが目の前に来てくれた気がして嬉しく思う反面・・・
「お兄ちゃん。今まで私、お兄ちゃんの事忘れてしまっていました。本当にごめんなさい」
そう頭を下げると、面倒臭そうに頭をかきながら私の側に来て、お兄ちゃんは言ったんです。
「イデア!お前もいろいろあったんだろ?俺もいろいろあった。だけどこうやって会えてるだけで儲けもんじゃねぇか!元気で笑顔が見れただけで俺は嬉しいぜ!今はそれだけでいいじゃんかよ!なぁぉぃ!」
「でも・・・」
「でもも、かももないわ!いいんだよ!俺がいいって言ってるんだからいいんだよ!」
そう言いながらワハハと笑うお兄ちゃんの笑顔に、また救われた私はもう何も言えませんでした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「そうか、今まで大変だったなぁ。イデア」
「ううん、お兄ちゃんに比べたら恵まれてるよ私。でも本当に良かったって思ってる」
今までの罪悪感からいろいろな事に遠慮している私の様子を見て、周りの人達が軽食や紅茶などを用意してくれました。王様や王妃様。そして周りの皆さんも円卓に座りみんなで目の前のお菓子などをつまんでいると、自然と話が弾み、皆さんがお話する中で、私も今までの事を話すことが出来ました。
私は神様と呼ばれる人によって封印されてから、今までの事。
お兄ちゃんは私と別れてからの話をかいつまんで。
成長して私と離れ離れになったお兄ちゃんは、戦闘奴隷として害獣の駆除など第一線で戦っていたところ、たまたま同じ戦闘奴隷として連れてこられた魔族の男性に、自分が王子という事を知らされ、その男性や周りの人達の協力もあって、隙を見て脱出したそうなんです。
王様や王妃様も、幼い頃突然消えてしまった王子の事を諦めきれず探し続けていたので、逃亡の末たどり着いた二人の魔族を見た二人は感動のあまりその場で大声で泣いてしまったですって。その様子を笑顔で言う王様と王妃様に親しみを覚えました。そして、改めて、今私がここにいられるのも王子様のおかげですとお礼を言う私。
「息子も貴女のおかげで、守るべきものが出来たからここにいれるんだって言ったんです。ある意味、貴女も息子を救ってくれたんですよ。本当にありがとう」
そう言い、私の方に頭を下げる王妃様に、慌てて頭を下げる私を見て笑う王様とお兄ちゃん。
私もお兄ちゃんも家族と一緒に笑い合える生活を送れて本当に良かったって思っていたら、ふと、お兄ちゃんが私の腕についている紋章らしきものを見て「これ、もういらないよな」だって。
元々、お妃候補としてつけられた紋章だもんね。
お兄ちゃんと会えた時点でもう不要なものだものだしねって言うと、首を横に振るお兄ちゃん。
「あ、いや・・・なんつーかよ。その・・・うんと・・・ほらっ、お前がお妃候補ってのはなしでよ。出来ればよ、できれば・・・んとな・・・」
「なんだその煮え切らないのは!戦闘訓練で部下をしごきまくってるお前とは雲泥の差だな!」
「貴方もそんなところがあるのね。ふふふ」
なんかそんなお兄ちゃんや、楽しそうにしている王様と王妃様を見て、やっぱり家族っていいものだなぁって思った私。ふとお父さんやお母さんたちを思い出して、なんとかく暖かい気持ちになっていたら、そんな私を見てお兄ちゃんが言ったんです。
「あのさ、せっかくこうやって会えたからさ、これからお前ともっと話したいし、いろいろな事もしたいんだよ!だから候補とかそういうのじゃなくてさ、昔から知ってる友達って感じでちょこちょこ会えないかな?正直もっともっといろいろ話したいんだよ。俺は!」
そんな事を真っ赤な顔をして言うお兄ちゃんに、私で良かったらって言ったら「お前だからいいんじゃねぇか!」って怒られちゃった。そう言うところ成長しても変わらないなぁ~って思ってたら、とにかく紋章は消すからなって言って、何やら口の中で呪文を呟いたんです。
すると、今まで腕についていた紋章らしきあざが、徐々に消えていきます。
そんな様子を見て、正直、この腕のあざ本当に困ってたから助かったってほっとしたんだ。
暑い時期のお弁当作りの時なんか、周りの人の目を気にして紋章の上から肌色のテープ貼ってたし、モデルの仕事してる時は、バンダナとか巻いたり小道具でごまかしたりして周りの人に迷惑をかけてしまってたから、消えてよかった・・・って思ってたらね、何か新しい紋章が出て来たの。
えっ!って思ってお兄ちゃんに紋章を見せたらね「えっ?これ俺じゃねぇぞ」って慌ててるの。
そして、その紋章を確認した王様や王妃様が何か言おうとして瞬間。
私の腕の紋章から、何か黒いものがあふれ出てきて私を包みこんできたんです。
まるで暴風のように力強い流れが私を囲み、私の意識は徐々に薄れていきました・・・・
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