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冒険の書 その4

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そんなこんなで塔の頂上まで登ってきた俺らなんだけど、なんか遠くからでもわかるくらい3人で談笑してるのがわかるんだよね。笑いのエフェクトが見えて、わはははとかぐはははとか声が聞こえてくるんだけど、ま、まぁ~来てくれと言われて来た訳だから、そのまま行っちゃったんだよね。

そんな俺らが来たことにようやく気がついた塔のボス達は、ようやく談笑をやめて俺らを待ち構えるかのような戦闘ポーズをとり始めたんだけど、さっきまで笑ってるのが見えてただけになんか俺おかしくなっちゃって、ついつい笑っちゃったんだ。

すると、

「せっかく真面目にヤロウとしてるのに貴様は!!!!」
「久しぶりのボス戦で緊張してたんですから、少しは真面目にやってくださいよ!たのんますよ!」
「数時間前からワクワクしてたボスの純情な心を返して欲しいでヤンス!」

なんて、ボスと脇役ABに怒られちゃって俺しょんぼり。
ま、まぁ~確かにやる気を折っちゃったのは悪いと思ったんで、すいませんでしたと言うと、反省の色がない!とかお前だけもう一度ログインし直して一からゲームというものを学び直せ!とか、遊び人だからって調子に乗るなよ!このやろうとか言いたい放題言われちゃったのよ!

で、俺も悔しくなっちゃったからさ、思わず言ったのよ!

「つべこべうるさいわ!イデア!カミサン!やっておしまい!!!」

ってね。

そしたら、急に戦闘音楽が流れて、イデアとカミサン、そして目の前のボス達3人が戦闘を開始したのよ。
アップテンポの曲をBGMに、イデアがカミサンのフォローをもらいながら、ボス相手に善戦を繰り広げていてね、俺と勇気はそんな様子を外側からテレビ画面を見ているかのような感じで応援することになったんだ。

でもよ、どうしても納得できないのは俺と勇気。
一応パーティ組んでたはずなのに、いざ戦闘になったら部外者扱いになっちゃってさ、なんか納得できないなぁなんて言ってたんだけど、イデアとカミサンの戦闘っぷり見てたら、遊び人の俺らが入っても何もできないなって思ってね。気がついたら勇気とそこらへんのモンスター捕まえて、どっちが笑わすことができるかの競争なんかはじめちゃったりしたのよ。

モノボケ、ものまね、おやじギャクなんてまだまだ低レベルな笑いしか出来ない俺らだったんだけど、やっていくうちになんだろう?笑いのレベルが上がった気がして、勇気を見ると「もしかしてレベル上がったのかな?俺ら?」なんて言ってるの。

なんとなく、ゲームだからって言って自分の数字のステータスを見たくないと思ってた俺らは、ちょっと試したいことを思いついて、近くのモンスターたちに集まってもらったんだよね。これもなんとかの種の影響なのかわからないんだけど、ちょっとした高台のまわりにモンスター達がうまい具合に集まってくれてね、俺らはその前にたってネタをひとつ披露したんだ・・・

--------------------------------------------------------
ども~ゆうきんまさきんです!!!!!

さてさて、今日お集まり頂きまして本当にありがとうございます!!って・・・「お前らのスキルで呼び集められた」いやいやお客さん!そんなつまらないこと言わないでくださいよ!そんなに俺らが可愛いからって照れないでいいですよ!

あっ!イタイ!そこのスライムさんや、俺ら芸人だからってそのツッコミちょっとイタイですよ!コンビを組んだ芸人同士でならいざ知らず、それは暴力ですからね。ボウリョク!すまんで済んだら警察はいらないって話しですよ!

あ、警察ないって?こりゃまた失礼!

あそこで戦闘を繰り広げているあなた方のリーダーや、美少女剣士、魔法使いの方々を違って我々はとーーーーーってもか弱いんですから、もう少しいたわっておくんなまし。

で、まさきんとうさん。ここで何をするつもりでやんすか?

おうおうゆうきん。そうそう忘れてたぞ!俺らは最近、とあるモンスターの方々を見ていて合体することに成功したではないか!今からその成果を見ていただこうと、今回この場を作ったわけなのだよ!

ぉっ!まさきんとうさん!あれをやるんですね。あれをやると、微妙にヒットポイント削られるから嫌だって言ってたのに、何があったんですかねぇ?まぁ~やると言ったからにはやりますけど、いいんでやんすね。

いいから用意しておくんなまし!
そうそう私らはスライムにぃさんから、合体というとても貴重な技を教えてもらったんですよ。
そこにお集まりのスライムの皆さまは、8体が力を合わせると、とてもお強いモンスターになることができるんですよね?今から我々もそれに挑戦してみたいと思うわけですよ。

さぁ!準備が整いましたよ!
では、行きますよ~!!!!!ふらっしゅ!!!!!!!!
(ここで、ぴかっと無駄に眩しい光が出て、一瞬モンスターたちの視界が悪くなる)

で、お待たせしました。
なになに?体が大きくなったって?そりゃそうですよ!ふたり分ですもの。後ろでゆらゆら蠢いているのは、そうわが息子ゆうきんの塊でございまして、今、同化を心見えているわけですよ。ぇっ?ただ単にその半天に隠れてるだけですって?何をおっしゃいますうさぎさん!これは我々の同化!変身なわけですよ!バカにしないで下さい!

で、それが証拠に、今目の前に用意された、このアツアツおでんを食べたいと思うわけですよ。

我々は同化したものの、まだ体がうまく動かせなくてね・・・同化したら食事も満足にとれないのか!って、ゆうきんに怒られちゃったんで、今日は皆様の助言を頂きながら、このアツアツおでんに挑戦したいわけですよ。私はおはなしできますが、腕がいうことを聞いてくれませんので全く困ったもんですよ。

ん?そろそろ飯を食えって?はいはい分かりましたよ!
まずはこのアツアツのこんにゃくから行きましょうかね?
このアツアツのこんにゃく・・・いや、それちくわですから、全くこの手はいうことを聞かないものですね・・・

おっ!今度はうまく行ってくれそうな…そうそうもう少し右の・・・そう、それですよ!それをうまくこのキュートなお口に入れて欲しいわけですよ!ってアッ!!!あっつぅ!!!それは俺の鼻!

上に上がりすぎですから!!!そうそうもう少し下・・・って、今度はそれアゴ!

鼻 アゴ デコ
鼻 アゴ デコ
鼻 アゴ ………デコにこんのかーーい!

-----------------------------------------------------------

そんな二人羽織を含めたお客様いじりをしていたらね、気がついたら戦闘が終わったみたいで、ボスと部下3人がお尻を突き出して倒れてるのよ。

で、俺らの様子を見たイデアの白い目が俺に刺さり・・・

カミサンが放った風の魔法が俺らの二人羽織を剥がして・・・

俺の顔面に喜々としてアツアツおでんをつけまくっていた勇気が羽織から出てしまった時点で、あーあというため息とともに会場からモンスターが散り始めました。

それを見た俺ら。

まぁ~そんなわけで人はモンスターになれないことがわかりましたね。
ただ、一つ言えることは、今から俺らが目の前の鬼に痛い目に遭うということがわかっているということでございます。くれぐれも皆さま、お身内のオニを発生させないように、家庭円満でお帰りくださいませ~

そう言いながらお辞儀をする俺らにおひねりをくださるモンスターに感謝しながら、これから怒られにいくゆうきんまさきん。

ホント・・・俺ら何しにきたんだっけ?
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