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過去の記憶 その2
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俺が寝てる間、いろいろ遊んできたようで、イデアも勇気もすっきりしたような顔をしててね、親としては本当に嬉しい限りだよ。
カミサンも途中から温泉のほうにいってゆっくりしてたみたいだし、イデアの事があってきたけど、それを抜きにしても、息抜きには丁度良かったのかな?丁度良いタイミングで来れたのかな?
で、遊びまくったあとにバイキング形式のお店でご飯を食べていた時にね、改めてイデアにお礼を言われたのよ。
いろいろ考えすぎてしまっていて、どんどん悪いほう悪いほうに考えが行っちゃってたから、もう自分でもどうしたら良いかわからなくなってたから、こうやって楽しいことがいっぱいできて本当に良かった。って言われて、思わず涙腺が緩んじゃったのよ。
で、ひとつ嬉しい事もあってね。
イデアがひとつだけ、良い思い出を思い出してくれたんだよ。
勇気に手を引っ張られてあちらこちらに連れまわされた時にね、ふと、小さいときの事を思い出したんだって。
小さい洞穴で足をくじいて泣いてた時、自分の服をちぎって足に巻いてくれて、私を背負って洞窟から出してくれた、ちょっと年上のお兄ちゃんって呼んでた男の子の事。
色黒な肌に私と同じ銀色の髪の毛。背負ってもらった時に見えたけど、頭には小さい突起のようなものがあったような気もする。今思えば、おにいちゃんは魔族だったのかもしれない。先日見せてもらった魔族の王子様がその男の子になんとなく雰囲気が似ているような気もするけどどうなのかな?とも言ってたね。
だけど、そんな話をしながらしょんぼりするイデア。
そのお兄ちゃんとはよく作業場で会い、お腹が空いていた自分に隠し持ってたパンのかけらをくれたり、洞窟で見つけたって言ってた小さな綺麗な石をくれたり、何かにつけて面倒を見てくれて、私が辛いとき良くいろいろ助けてくれた。大事な人だと思ってたのになんで今まで忘れてしまっていたんだろう・・・なんてしょげてるの。
そりゃ・・・自分に余裕がなかったからだよ。
今まで悪い事ばかり思っていたのは、本当に自分が切羽詰まってたからだと思うからね。
今、少しでも余裕があるのは、イデアが楽しいと思えることを少しだけ経験して、少しだけ余裕が出来たからだと思うよ!もし、今のイデアをそのお兄ちゃんが見たらきっと喜ぶと思うから、もっといろんな楽しい事して自分に自信を持てるようになれば、そのお兄ちゃんもきっと喜んでくれると思うよ。だから、今は自分が楽しいことを一杯やって、ひとつでも自分に自信を持てるようにしなっきゃね!とカミサン。
じゃーとりあえず、デザートでもとってきますかーと言って、ルンルン気分で食い気100%になってるカミサンを見て、改めて惚れ直した俺がいましたよ。
そんなお兄ちゃんとは、ある日突然会えなくなってしまったという事だから、もしかしたらどこかで会えるかもしれないねと言いながら、食事をし、遊び疲れもあったのか?家族そろって早々に寝てしまいました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お母さん、起きてる?」
そう声をかけてきたイデアちゃんの声に、ふと目が覚めました。
涎をたらしながら爆睡していた私でしたが、子供の声に反応出来てほっとしていたら、ここでは聞かれたくない話をしたいらく、女同士ゆっくり出来るかも?と、一緒にお風呂に入りに行くことにしました。
浴衣から裸になり、お風呂に行く度に思い出すのですが、最初に会ったときはボロボロの衣服にガリガリに痩せた体で、この子はほっといたら死んでしまうと心配したものですが、今は三食のごはんをしっかり食べて適度に運動もしているので、見ていて羨ましい体つきになっててほっとしてます。
最近、やっと自分の事は自分で決められるようになり、いろいろな場所に行き、自分のやりたいことを探しているので、すっかり安心していましたが、こんな時間に二人だけでなんだろう?と思ったら
「私、死んじゃうのかも・・・」
急にイデアがとんでもない事を言ってきたの!
あまりに唐突だったから、驚く暇もなかったんだけど、そんな私の言葉を待たないままイデアは話を続けてきました。
「最近、下の方から血が出て止まらない事があったの。なんとか抑えようとしても止まらなくて、お腹が痛くてトイレに行ってもどうにもならなくて・・・少し前に収まったけど、また出て来たらどうしよう・・・どうしたら良いかわからなくて・・・血がなくなっちゃったら、私・・・」
そう言いながら泣いてしまった子を見て、思わず笑ってしまいそうになった私がいました。
どうして相談してくれなかったの?って聞きたかったけど、考えてみたらイデアはまだまだ私たちに遠慮しているところが多いし、今までそういう事を教えてくれる人もいなかったのだろうと思うと、とても責められるものではないと思ったから、泣き止むまで頭をなでていました。
「お母さん、私死んじゃうのかな?」
再度聞いてくるイデアに、私は女の子の体の仕組みを教えていきました。
人間基準ならかなり遅いから、もしかしたら亜人と呼ばれる子の体の仕組みは少し違うのかも知れないけど、成長する女の子にはとても大事な事だから、これからそういう事があったり、身体の具合が悪かったら必ず言ってね!一人で抱え込んじゃだめだよ!と言うと「ごめんなさい」と私に寄り添うイデア。
私たちのところに来た時は、本当に美人さんでしっかりしてて、でも何処か危ないところがある子だなぁって思ってたんだけど、そんな彼女の事を見ていたつもりでまだまだ知らない事は多かったんだな・・・と反省する私。
これから大人になっていく彼女と一緒に私もお母さんになっていこう。
喧嘩することもあるかもしれないけど、彼女が将来自分の道を歩んでいく手伝いが少しでも出来るといいなぁ~と思いながら、ふと安心しきって寝ていたイデアを見ていたら、まさきのほうに足を投げ出して寝てました。
寝相は誰譲り?かな?
まぁ、成長はゆっくりでもいいので、健康に育ってほしいものです。
カミサンも途中から温泉のほうにいってゆっくりしてたみたいだし、イデアの事があってきたけど、それを抜きにしても、息抜きには丁度良かったのかな?丁度良いタイミングで来れたのかな?
で、遊びまくったあとにバイキング形式のお店でご飯を食べていた時にね、改めてイデアにお礼を言われたのよ。
いろいろ考えすぎてしまっていて、どんどん悪いほう悪いほうに考えが行っちゃってたから、もう自分でもどうしたら良いかわからなくなってたから、こうやって楽しいことがいっぱいできて本当に良かった。って言われて、思わず涙腺が緩んじゃったのよ。
で、ひとつ嬉しい事もあってね。
イデアがひとつだけ、良い思い出を思い出してくれたんだよ。
勇気に手を引っ張られてあちらこちらに連れまわされた時にね、ふと、小さいときの事を思い出したんだって。
小さい洞穴で足をくじいて泣いてた時、自分の服をちぎって足に巻いてくれて、私を背負って洞窟から出してくれた、ちょっと年上のお兄ちゃんって呼んでた男の子の事。
色黒な肌に私と同じ銀色の髪の毛。背負ってもらった時に見えたけど、頭には小さい突起のようなものがあったような気もする。今思えば、おにいちゃんは魔族だったのかもしれない。先日見せてもらった魔族の王子様がその男の子になんとなく雰囲気が似ているような気もするけどどうなのかな?とも言ってたね。
だけど、そんな話をしながらしょんぼりするイデア。
そのお兄ちゃんとはよく作業場で会い、お腹が空いていた自分に隠し持ってたパンのかけらをくれたり、洞窟で見つけたって言ってた小さな綺麗な石をくれたり、何かにつけて面倒を見てくれて、私が辛いとき良くいろいろ助けてくれた。大事な人だと思ってたのになんで今まで忘れてしまっていたんだろう・・・なんてしょげてるの。
そりゃ・・・自分に余裕がなかったからだよ。
今まで悪い事ばかり思っていたのは、本当に自分が切羽詰まってたからだと思うからね。
今、少しでも余裕があるのは、イデアが楽しいと思えることを少しだけ経験して、少しだけ余裕が出来たからだと思うよ!もし、今のイデアをそのお兄ちゃんが見たらきっと喜ぶと思うから、もっといろんな楽しい事して自分に自信を持てるようになれば、そのお兄ちゃんもきっと喜んでくれると思うよ。だから、今は自分が楽しいことを一杯やって、ひとつでも自分に自信を持てるようにしなっきゃね!とカミサン。
じゃーとりあえず、デザートでもとってきますかーと言って、ルンルン気分で食い気100%になってるカミサンを見て、改めて惚れ直した俺がいましたよ。
そんなお兄ちゃんとは、ある日突然会えなくなってしまったという事だから、もしかしたらどこかで会えるかもしれないねと言いながら、食事をし、遊び疲れもあったのか?家族そろって早々に寝てしまいました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お母さん、起きてる?」
そう声をかけてきたイデアちゃんの声に、ふと目が覚めました。
涎をたらしながら爆睡していた私でしたが、子供の声に反応出来てほっとしていたら、ここでは聞かれたくない話をしたいらく、女同士ゆっくり出来るかも?と、一緒にお風呂に入りに行くことにしました。
浴衣から裸になり、お風呂に行く度に思い出すのですが、最初に会ったときはボロボロの衣服にガリガリに痩せた体で、この子はほっといたら死んでしまうと心配したものですが、今は三食のごはんをしっかり食べて適度に運動もしているので、見ていて羨ましい体つきになっててほっとしてます。
最近、やっと自分の事は自分で決められるようになり、いろいろな場所に行き、自分のやりたいことを探しているので、すっかり安心していましたが、こんな時間に二人だけでなんだろう?と思ったら
「私、死んじゃうのかも・・・」
急にイデアがとんでもない事を言ってきたの!
あまりに唐突だったから、驚く暇もなかったんだけど、そんな私の言葉を待たないままイデアは話を続けてきました。
「最近、下の方から血が出て止まらない事があったの。なんとか抑えようとしても止まらなくて、お腹が痛くてトイレに行ってもどうにもならなくて・・・少し前に収まったけど、また出て来たらどうしよう・・・どうしたら良いかわからなくて・・・血がなくなっちゃったら、私・・・」
そう言いながら泣いてしまった子を見て、思わず笑ってしまいそうになった私がいました。
どうして相談してくれなかったの?って聞きたかったけど、考えてみたらイデアはまだまだ私たちに遠慮しているところが多いし、今までそういう事を教えてくれる人もいなかったのだろうと思うと、とても責められるものではないと思ったから、泣き止むまで頭をなでていました。
「お母さん、私死んじゃうのかな?」
再度聞いてくるイデアに、私は女の子の体の仕組みを教えていきました。
人間基準ならかなり遅いから、もしかしたら亜人と呼ばれる子の体の仕組みは少し違うのかも知れないけど、成長する女の子にはとても大事な事だから、これからそういう事があったり、身体の具合が悪かったら必ず言ってね!一人で抱え込んじゃだめだよ!と言うと「ごめんなさい」と私に寄り添うイデア。
私たちのところに来た時は、本当に美人さんでしっかりしてて、でも何処か危ないところがある子だなぁって思ってたんだけど、そんな彼女の事を見ていたつもりでまだまだ知らない事は多かったんだな・・・と反省する私。
これから大人になっていく彼女と一緒に私もお母さんになっていこう。
喧嘩することもあるかもしれないけど、彼女が将来自分の道を歩んでいく手伝いが少しでも出来るといいなぁ~と思いながら、ふと安心しきって寝ていたイデアを見ていたら、まさきのほうに足を投げ出して寝てました。
寝相は誰譲り?かな?
まぁ、成長はゆっくりでもいいので、健康に育ってほしいものです。
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