『創造神始めました』ご注文をどうぞ。魔王軍で異世界侵略と若干狂気持ち彼女ですね?5番にオーダー入りまーす!

隣のカキ

文字の大きさ
上 下
33 / 41

第33話 時空間歪曲領域発生型超光速推進航法

しおりを挟む
 俺が反応する間もなく、全員が光の柱に呑み込まれてしまった。

 惚けている場合じゃない!


(みんな無事か!?)

(大丈夫ですよ。広域殲滅魔法を撃つ際は、影響を抑える為に必ずアンチマテリアルフィールドを張っていますので、それで防げています。)


 光に呑み込まれてしまった全員が無傷でディスプレイに映り込む。


(良く考えてみれば全員強いんだから食らっても案外大した事なかったかもな。)

(いえ…先程のエネルギー照射をまともに浴びれば死ぬことはありませんが、全員無傷では済みません。)

(マジか…)

(マジです。ダイくんはちょっぴり痛いで済みますが、その他は日焼け後にお風呂入ってしみちゃった…くらいには痛いと思います。)


 思った程大した事ないじゃん。

 いや…日焼け後のお風呂は結構痛いな。大した事だった。


(神様! 1時の方向より空飛ぶ戦艦と思わしき物体多数出現! これは……300隻以上の大艦隊です!!)


 出現した艦隊は綺麗に陣形を組み、こちらへ船首を向けている。


 サリリってSFのノリも分かってるよな…。まるでオペレーターみたいだ。驚き方とかサマになってんじゃん。

 なんかスゲー楽しいんですけど。


(続々とワープアウトしてきます! 更に10時の方向より100隻の艦隊の出現を確認!)


 え?


(更に5時、8時の方向よりそれぞれ100隻の艦隊出現!!)


 ちょっ!!


(更に上空より200隻の艦隊出現! ダメです!! 完全に囲まれています!)


 ちょ待てよ!

 サリリの示した方向には多数の艦隊が出現していた。

 もの凄い数に囲まれている。これ本当に大丈夫か!?


(転移魔法起動……)


 そうそれだよ。囲まれてんだから転移しちゃば良いじゃん。

 それ程焦る必要なかったな。


(…次元の異常を感知。空間に干渉する魔法が何らかの手段で封じられています!)


 サリリの表情には明らかな焦りが見える。


「これって本当にピンチなんじゃない?!」

「まずいかも……」


(全敵艦より高エネルギー反応! エネルギー波来ます!)


 先程の比ではない程の光に全員が一瞬にして呑み込まれる。


(アンチマテリアルフィールド10%の減衰を確認。)


 どうやら無事だったようだ。


(元素固定魔法起動。周囲の炭素原子から直径10㎝のダイヤを500個生成。)


「ダイヤモンド生成!」


 大量のダイヤが空中に浮かんでいる。


「ダイ君!さっきみたいにこれを敵に投げて!」

「任せてくれっ!」


 ダイは先程同様、連続でダイヤを敵艦にぶつけていく。

 都市を瓦礫に変えてしまう程の威力だ。敵艦は次々と爆発し沈んでいる。

 何とか巻き返せそうだ。そうして俺は一息つく。


 だが安心したのも束の間、全方位より連続で轟音が響き渡りダイやサリリ達の居る場所が爆炎に包まれる。


(敵はエネルギー波の効きが悪いと見るや、実体弾に切り替えたようです!このままではアンチマテリアルフィールドが持ちません!! 神様! 指示を!)


 ちょっ、指示ったって…ヤバイ、どうしよう! ヤバイって。

 そうだ!


(空間魔法で外界と切り離したらどうだ!?)

(空間魔法は転移同様封じられています!)


 考えている間にも、次々と爆炎が巻き起こりフィールドが削られていく。このペースで攻撃され続けるのがマズい事だと俺にも分かる。


(それなら、俺が一旦全員をこちらに召喚する!)

(っ!?お願いします!)


「魔神軍と獣神全員をここに召喚!」


 俺の声に応え指輪が輝きだす。

 早く! まだか?!


(ダメ!! フィールドが……神様…)


 マズい!


「間に合えー!!」


 全員が俺の目の前に召喚される。

 ディスプレイを見れば、サリリの張ったアンチマテリアルフィールドが消失していた。

 ギリギリのところで間に合ったようだ。


「間に合って良かったよ!」


 久満子ちゃんがみんなに声を掛けている。

 今回ばかりは本当に危なかった。


「申し訳ありません。神様。」


 サリリがシュンとしている。珍しいものを見た。


「仕方ないって。敵が思った以上に強かった。」


 みんなウンウンと頷いている。


「そうだよ。サリリちゃんの魔法が無かったら危なかったさ!」


 ダイは落ち込んでいるサリリを慰めた。


「何か作戦を考えないとな。ちなみにさっきの攻撃は何発なら耐えられる?」


 そう聞かれたサリリは不思議そうに首を傾けていた。

 俺、変な事言った? もしかして一発も耐えられない程強い攻撃だったのか?


「? 何発でも耐えられますけど…?」

「え? さっき危なかったじゃないか。」

「はい。危うく全身が痒くなるところでした。」


 何言ってんの?

 みんなぽかーんと口を開いている。


「どういう事?」

「先程の実体弾くらいの威力だと、食らったら痒くなっちゃいますよ。全方位から攻撃されていましたので、全身が痒くなりますね。」

「え? じゃあさっきの攻撃は効かないって事?」

「神様ってば…私言ったじゃないですか。全身が痒くなっちゃうんですよ? 十分効くじゃないですかぁ。」




 ……。

 心配して損した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ウォーキング・オブ・ザ・ヒーロー!ウォークゲーマーの僕は今日もゲーム(スキル)の為に異世界を歩く

まったりー
ファンタジー
主人公はウォークゲームを楽しむ高校生、ある時学校の教室で異世界召喚され、クラス全員が異世界に行ってしまいます。 国王様が魔王を倒してくれと頼んできてステータスを確認しますが、主人公はウォーク人という良く分からない職業で、スキルもウォークスキルと記され国王は分からず、いらないと判定します、何が出来るのかと聞かれた主人公は、ポイントで交換できるアイテムを出そうとしますが、交換しようとしたのがパンだった為、またまた要らないと言われてしまい、今度は城からも追い出されます。 主人公は気にせず、ウォークスキルをゲームと同列だと考え異世界で旅をします。

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。

九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。 異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。 人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。 もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。 「わたくし、魔王ですのよ」 そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。 元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。 「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」 果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。 無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。 これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。 ※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

おじさんが異世界転移してしまった。

明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...