『創造神始めました』ご注文をどうぞ。魔王軍で異世界侵略と若干狂気持ち彼女ですね?5番にオーダー入りまーす!

隣のカキ

文字の大きさ
上 下
19 / 41

第19話 魔王軍お貸しします

しおりを挟む
 先にやるべき事をやっておこう。


「10万上げる君をダイとサリリに半分ずつ使用。」


 ダイとサリリがビスケットを20個ずつ一心不乱に頬張っている。

 無言で食べ続ける二人を見ていると、ある種の狂気を感じてしまう。

 今までゲームキャラに対して、一度に複数個の強化アイテムを使ったりした事もあったが、いざ現実で使用するとこんな感じなのかもしれない。


【10万上げる君を魔王ダイと外道使いサリリへ使用し、存在強度を2,000,000ずつ強化しました。】


 後は、シロクマの餌が必要だし現代パックだけ購入しておくか。


「地球現代パック購入。」

【50,000WPを消費し、地球現代パックを購入しました。】


「ステータス」

<仮想世界システム>
 創造神ああああ:ランク49
 WP:2,667,320P
 同盟者 彼女お貸しします

 購入
 売却
 環境設定
 生命の存在強度
 世界へ介入
 履歴
 対戦モード

 生命体の数:752,474,635

強者リスト 一位 魔王種始祖吸血鬼ダイ:存在強度6,171,722
      二位 魔王種魔法少女㈵外道使いサリリ:存在強度6,021,637
      三位 始祖吸血鬼ジャンヌ:存在強度3,015,320
       四位 シロクマ:存在強度330,520
       五位 シロクマ:存在強度330,511
       六位 シロクマ:存在強度330,503
       七位 シロクマ:存在強度330,482
       八位 シロクマ:存在強度330,455
       九位 シロクマ:存在強度330,454
       十位 メガロドン:存在強度140

          以下省略


 俺は目を疑った。

 メガロドンは360万年前に絶滅したとされる巨大なサメだ。現代パックに含まれていたという事は、今なおメガロドンは地球のどこかで生きているという証拠になる。

 ちょっとワクワクするじゃねえか。

 これ程の数の生物が一気に購入できるのであれば、初回ボーナスが使えなかったとしてもかなり得だ。

 生き物パック恐るべし。


 久満子ちゃんはメガロドンに思う事はないのか、ニコニコしながら俺の行動を見ている。

 女の子的にはメガロドンとかどうでもいいもんな。


「ねえねえ。良かったらこの家に一緒に住もうよ。」


 唐突な提案を受ける。


「こうして私の家からでもゲーム出来るみたいだしさ、一緒に行動した方が色々便利じゃない?」


 確かに色々(意味深)と便利だ。

 いつでも素晴らしいおっぱ…じゃなくて、いつでも一緒に作戦を考えたり協力出来るのは良いかもしれない。


「そうだね。一緒に住もう。」

「やったね!」


 わーい、と喜んでいる彼女を見るとほっこりする。

 俺は何でこんなに良い子と別れてしまったのだろう…。











 その時は確かにそう思っていた。

 あんな事になるとも知らずに……。



「それじゃあ、せっかく同盟組んだ事だし、久満子ちゃんに助っ人送るからランク差50の相手と対戦してみようか!」

「オッケー!えーと、ランク189と対戦します。」


【ランク189の相手と対戦モードに移行しました。
 接続中…………。
 スイカ婆との対戦が受理されました。侵略ゲートの場所を指定して下さい。】


 夏になると良く食べてたな…。スイカの皮に見立てた緑色の部分が特に好きだった。


「獣王シロクマのところにして。」


 獣王の近くに侵略ゲートが召喚される。


「それじゃあ助っ人送るけど、どうやれば良い?」

「誰をどこへ助っ人で送るのかを言えば大丈夫だよ!」

「魔王軍全員を獣王の所へ助っ人送れ。」


【彼女お貸ししますへ助っ人を送りました。】


「わっ!来てる来てる。ありがとう!」

「おっと、今回は獣王シロクマと協力して敵を倒せと魔王軍へメッセージ送信。」


【30WPを消費し、魔王軍の三体へメッセージを送信しました。】



 ゲートを超えた魔王軍と獣王の面々は辺りを探索するが、弱い魔物が時々襲ってくるだけで強者からの襲撃は今のところ無い。

 今回の相手は慎重派なのだろうか?


「相手、全然挑んでこないね。」

「う~ん。」


 その後も暫らくは、代わり映えのない森を進んでいく俺達の混成軍を眺めていたが、少し気になる事がある。


「ちょっとずつ魔物が強くなってるな……。」


 散発的に襲い掛かてくる魔物。それらの死体に表示される存在強度の値が段々と大きくなっていってるのだ。


「言われてみれば確かに…。」


 その後も襲い来る魔物を屠っていく我らが混成軍。


「戦力の逐次投入は愚策だ。それとも何か狙いがあるのか?」

「狙いって?」

「そこまでは分からないかな。」


 段々と襲撃の頻度が増していき、獣王が疲れてきている。

 魔物達の死体を見れば、既に存在強度1,000,000の奴が混じり始めていた。


「消耗させる作戦なのか?」

「え?でも1,000,000を捨て駒にするの?」

「そこが疑問なんだよ。いくらランク189だとしても、あのレベルが捨て駒ってのは不自然だ。」

「そうだよね。」

「うん。だが、消耗させるんじゃなければ、この襲撃の意味が分からない。」


 戦闘はより激しくなっていく。

 魔王軍はまだまだ余裕があるのか、敵を冷静に捌いて撃破する。

 だが、獣王は徐々にダメージを貰うようになっていた。


「このままじゃマズい。」

「獣王を守れ。魔王軍にメッセージ送信。」

【30WPを消費して魔王軍三体へメッセージを送信しました。】



 そして襲撃してくる魔物は存在強度2,000,000に到達する。

 獣王は既に戦えず魔王軍に守られ、とうとうジャンヌにも疲れが見え始めていた。


「絶対におかしい。」

「……。うん。」


 泣きそうな顔で返事をする久満子ちゃん。

 獣王が心配なのだろう。


「ねえ…大五郎君。何か変だよ…。」

「ああ…。あんなにポンと、しかも数を揃えて用意できるレベルの魔物じゃない。」

「あっ。」

「どうかした?」

「さっきから出てくる強い魔物達って同じ見た目してない?」


 確かに…。

 何か仕掛けがあるとは思っていたが、そこにヒントがあるのかもしれない。







 そして……。


 敵の存在強度はとうとう3,000,000にまで達し…。

 既にジャンヌさえも…体を朱色に染めていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生してモンスター診療所を始めました。

十本スイ
ファンタジー
 日本で普通の高校生として日常を送っていた三月倫斗だったが、ある日、車に引かれそうになっていた子犬を助けたことで命を落としてしまう。  気づけばそこは地球ではない異世界――【エテルナ】。  モンスターや魔術などが普通に存在するファンタジーな世界だった。  倫斗は転生してリント・ミツキとして第二の人生を歩むことに。しかし転生してすぐに親に捨てられてしまい、早くもバッドエンディングを迎えてしまいそうになる。  そこへ現れたのは銀の羽毛に覆われた巨大な鳥。  名を――キンカ。彼女にリントは育てられることになるのだ。  そうして時が経ち、リントは人よりもモンスターを愛するようになり、彼らのために何かできないかと考え、世界でも数少ないモンスター専門の医者である〝モンスター医〟になる。  人とのしがらみを嫌い、街ではなく小高い丘に診療所を用意し腕を揮っていた。傍には助手のニュウという獣人を置き、二人で閑古鳥が鳴く診療所を切り盛りする。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。

九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。 異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。 人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。 もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。 「わたくし、魔王ですのよ」 そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。 元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。 「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」 果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。 無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。 これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。 ※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

ユニークスキル【テキパキ】は最適解!イージーモードで教える冒険者講師

まったりー
ファンタジー
レベルアップも新たなスキルが覚えられず、ユニークスキルの【テキパキ】しか取り柄の無かった主人公【ベルトロン】は、冒険者を続ける事に壁を感じて引退した。 他の職も見つからず悩んでいると、酒場で若い冒険者が良からぬ奴らに絡まれていて、それを助けた事で生きがいを見つけ、彼らを一人前の冒険者にする新たな人生を送る事になりました。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

処理中です...