『創造神始めました』ご注文をどうぞ。魔王軍で異世界侵略と若干狂気持ち彼女ですね?5番にオーダー入りまーす!

隣のカキ

文字の大きさ
上 下
13 / 41

第13話 サリリのパーフェクトパワーレベリング教室

しおりを挟む

 気を取り直して、次にいってみよう。





「対戦モード。ランク指定は84。」









【ランク84の相手と対戦モードに移行しました。

 接続中…………。

 セニョリータとの対戦が受理されました。侵略ゲートの場所を指定して下さい。】





 三回抱いて欲しそうな名前だな。





 前回はサリリが活躍し過ぎたので、なるべくは全員に強くなって欲しい。



 いつも通りに魔王軍が進軍しようとしたところ、遠方に出現する門が見えた。それを見た彼らは守勢に回るようだ。



 門の中からは30人程の人間が現れ、全員が頭上に勇者と表示されている。勇者軍か…。士気が高いようで、うおおおと叫びながら全員突撃してくる。



 原種吸血鬼たちが先頭に立って迎えうつが、原種吸血鬼1以外は簡単に吹き飛ばされダメージを受けていた。そして後方に陣取るダイとサリリへ勇者軍が殺到する。





(エアカッター起動。敵対生物30体全てを対象、それぞれ5㎥の空気を圧縮、刃の薄さを1㎚で定義し魔力でコーティング、手足のみを切断。)





「お願い。彼らの動きを封じて…。



 エアカッター!そーれぃ!」





 サリリが魔法を発動させると、勇者たちは両手足を見えない風の刃によって切り落とされ、その場に転がされてしまう。辺り一面血の臭いに覆われ、彼らの悲鳴やら怨嗟の声やらが聞こえてくる。



 彼女にとって相手の動きを封じるとは、痺れさせるでも気絶させるでも、ましてや拘束する事でもなく、手足を切り飛ばしてしまう行為を指すらしい。







「今回は原種吸血鬼さんたちが強くなる為に、トドメをお願いね!」



 と可憐な笑顔を浮かべる彼女。















 ドン引きだよ…。





 原種吸血鬼たちは無抵抗の相手に対し、全く躊躇せずに次々とトドメを指していく。



 勇者たちの死体を調べると、存在強度の平均が800,000程であった。







【セニョリータが降参しました。勝利報酬として500,000WPが与えられます。

 あなたは創造神ランクが39になりました。おめでとうございます。】







「ステータス」





<仮想世界システム>

 創造神ああああ:ランク39

 WP:1,717,340P



 購入

 売却

 環境設定

 生命の存在強度

 世界へ介入

 履歴

 対戦モード



 生命体の数:6



強者リスト 一位 魔王種始祖吸血鬼ダイ:存在強度4,171,722

      二位 魔王種魔法少女㈵外道使いサリリ:存在強度4,021,637

      三位 原種吸血鬼1 :存在強度1,382,053

      四位 原種吸血鬼86:存在強度837,451

      五位 原種吸血鬼33:存在強度795,172

      六位 原種吸血鬼3 :存在強度754,475









 強者リスト四位以下の彼女等にとって勇者軍は格上だったようで、存在強度の上がり幅がいつも以上に大きい。今回は戦闘での戦力アップは期待出来ないかと思ったが、良い意味で予想を裏切ってくれた。



 これからはサリリの魔法で相手を無力化し、格上は原種吸血鬼たちが、その他はダイとサリリがトドメを差す形で戦闘を行って貰えば効率よく存在強度の強化が出来る。



 この結果は今後の戦略を見直す良いきっかけになってくれた。





 いよいよ次はランク差100の相手、つまりランク139に挑むのだ。失敗しても三回巻き戻しが出来る程度にはWPを稼げた。こちらがやられても、そうなる前に時間を戻せば魔王軍は見事に復活だ。これで何の心配もなく挑める。



 先ずはサリリへ協力をお願いしよう。



「今後は魔法で敵を無力化し、格上を原種吸血鬼、その他をお前とダイでトドメを差せ、とサリリへメッセージを送れ。」





【10WPを消費して外道使いサリリへメッセージを送信しました。】





 ディスプレイを見ると、サリリは頑張るわと腕にちからこぶを作るような仕草を見せ、笑顔になった。





【サリリが音声通話を申請してきました。承諾しますか?】



 え?通話?そんな事出来たの?



 まあ今考えても仕方ない。





「承諾する。」





【サリリとの通話を開始します。】





「こんにちは!」



「はい、こんにちは。」



「私に良い提案があるのですが…。」





 天才的な頭脳を持つ彼女からの提案だ。ちょっと嫌な予感がしないでもないが気になる。





「何だ?」



「先ずはたくさんの人間を生み出し、ダイ君に原種吸血鬼にしてもらいます。」





 ふむふむ…。





「それで?」



「その後に、そいつらを既存のメンバーで滅ぼせば、簡単に強くなれます!」









 え?何言ってんのこの娘?



 外道過ぎるだろ。



 嫌だよ。俺の感覚だと味方を殺させるのは倫理的に無理。





「それは出来ない。」



「そうですか…。それなら!

今いる原種吸血鬼たちを合成して、一体の始祖吸血鬼にしましょう。一気に戦力アップですよ!」









 そんな事出来るの?









 てかさ…それぞれの個性とかあるじゃん!そんなゲームみたいに合成なんてしたらダメだろ。いや確かにゲームなんだけどさ。





「その場合それぞれの人格はどうなる?」



「永続コントロールで既に各々の人格は消去しています、合成後は一個の自我を確立しますので何の問題ありません。」







 ……。



 問題だらけだろ!?



 なんで問題ないと思っちゃったんだよ!



 え?あいつらって操られているだけじゃなくて人格消されてたの!?



 それって生きながらに死んでるみたいなものじゃん!





「人格を元に戻してあげたりとかは…」



「申し訳ございません。必要ないかと思いバックアップはしていませんでした。」





 ……。



 なんてことだ…。



 しかし考えようによって、これからも人形のように生きていくよりは、合成して一個人として生きていった方が良いの…か?





「わかった。合成を許可する。しかし今後は味方に永続コントロールは使用しないように。」



「かしこまりました。それでは早速取り掛かりたいと思います。」





 サリリは一度咳払いをし





「私の頑張りを見ててね~!」





 と言って通話を終えた。







【サリリとの通話を終了しました。】

















 やっぱ外道だな。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。

九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。 異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。 人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。 もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。 「わたくし、魔王ですのよ」 そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。 元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。 「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」 果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。 無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。 これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。 ※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

おじさんが異世界転移してしまった。

明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

処理中です...