9 / 41
第9話 魔法の国からやってきた、ちょっとあざとい女の子
しおりを挟むまぁ、気にしても仕方がないので早速特殊個体ってのを拝ませてもらいますか。
「魔法少女の特殊個体購入。」
<仮想世界システム>
魔法少女㈵:2,500WP
【購入しますか?】
「購入だ。」
【世界で最初の魔法少女が現れました。100WPを獲得しました。
ボーナスとして初めの魔法少女㈵は存在強度が5倍に強化されます。
特殊個体として生み出された為、存在強度が20倍に強化されます。
世界で初めて魔法の概念が生み出されました。100WPを獲得しました。
ボーナスとして初めの魔法少女㈵は存在強度が10倍に強化されます。
条件を満たした為、魔法少女㈵は魔王種になりました。
ボーナスとして魔王種魔法少女㈵は存在強度が5倍に強化されます。】
【魔王種魔法少女㈵の個体名を設定して下さい。】
「サリリで。」
魔法少女と言えばサリリだろ。理由?それを聞いてはいけない。
「ステータス」
<仮想世界システム>
創造神ああああ:ランク28
WP:717,240P
購入
売却
環境設定
生命の存在強度
世界へ介入
履歴
対戦モード
生命体の数:6
強者リスト 一位 魔王種始祖吸血鬼ダイ:存在強度4,171,722
二位 魔王種魔法少女㈵サリリ:存在強度3,600,000
三位 原種吸血鬼1 :存在強度1,382,053
四位 原種吸血鬼86:存在強度467,541
五位 原種吸血鬼33:存在強度433,145
六位 原種吸血鬼3 :存在強度409,982
1,000,000くらいを三体欲しいと思っていたが、想像以上に強いのが出来た。やはり初回ボーナスのコンボは大切だ。今後も慎重に使っていくことにしよう。
魔法少女を確認してみようと映像を見てみると、高校生くらいの巨乳でスタイルの良い可愛らしい女の子がいかにも魔法少女な恰好でいかにも魔法のステッキっぽい物を持って立っていた。
確かに可愛い。
ダイなんて早速話しかけている。
二人の会話を聞いてみよう。
「こんな所でどうしました?お嬢さん。」
「私、急にここへ連れて来られて…。これからどうしたら良いのか分からないの。」
と、ウルウル上目遣いでダイに助けを求めるような雰囲気のサリリ。
あざとい。
「それは大変だったね、お嬢さん。僕の名前はダイ。これでも魔王をやっている。良ければ僕の魔王軍に入りませんか?アットホームで和気あいあいとした職場が売りですよ。魔王軍に入れば、きっと君の助けになるよ。君のやりたい事も見つかるかもしれないし。」
と爽やかな笑みで魔王軍に勧誘するダイ。流石元勇者。勇者歴は一瞬だったけど。
そして、そのアットホームな職場はつい先刻、新入社員96名の殉職者が出てるけどね。あと、その誘い方ブラック企業っぽいからやめて。
「私、サリリって言います。ありがとう。ダイ君って優しいね。」
と少女は花が咲いたような笑顔を見せる。
「私、決めた!魔王軍に入ってダイ君を助けるわ。魔法なら得意だから任せてね!あっ。勝手にダイ君なんて呼んじゃってごめんなさい。私ったら…。」
顔を手で隠し、私恥ずかしいですアピールをするサリリ。
あざと過ぎる、が男は余裕で引っかかるだろうな。
だって見てくれよ。
ダイの鼻の下があんなに伸びてやがるんだぜ?そして目線はお胸。
魔王の威厳どこいった?
「お待ち下さい魔王様!」
原種吸血鬼1が待ったを掛ける。
彼女はなかなかの美人さんだ。
「その者が何者であるかも確かめず、魔王軍に入れるだなんて。」
そうよそうよ、と他の原種吸血鬼達も彼女に追従する。彼女等もまぁまぁ美人である。
「サリリちゃんは自己紹介してたじゃないか。」
おまっ。いきなりちゃん呼びかよ。毒され過ぎだろ。
ほら見ろ。原種吸血鬼達が苦虫を噛み潰したような顔に歪んでるじゃないか。
ボソッと「ちっ。私達の魔王様に近づきやがって毒婦が…。」と嫉妬まる出しのセリフまで吐いている奴もいる。
このディスプレイは高性能でほんの小さな呟きまで音声を拾ってくれるのだ。
それを聞きとがめたサリリは、一瞬だけニヤッと笑い「永続コントロール、対象小うるさい雌共。」と囁く。
すると、やいのやいのとサリリが加入する事にうるさく反対していた彼女等は急に静かになり…。
「良く考えてみれば、しっかり挨拶も出来て魔法も使えるなら文句ありませんね。しかもこんなに可愛い!」
と一人が言うやいなや、そうね、確かにそうだわ。と先程までの態度は本当になんだったのかと思うくらい、彼女等は180度意見を反転させてしまった。そして彼女等の視線は何やら怪しく、定まっていない。
明らかに操られている。
ダイはそうだろう、そうだろう。と笑顔で操られた皆を見ている。サリリの異常さに気付いた様子は全くない。
俺はその光景に絶句する。
これが魔法少女…。
なんと恐ろしい…。ヘルプの説明が何故あんなだったのか、嫌でも理解してしまった。
なにはともあれ、これなら上手くやっていける…のか?
まぁ、健全な人間関係ではないが。
「サリリ…か。これじゃあ、魔法使いじゃなくて外道使いだな。」
ポソっと俺は呟いた。
その瞬間。
【個体名:魔王種魔法少女㈵サリリに外道使いの称号を与えました。
外道な行いをする際、存在強度に1.2倍の補正が付きます。
100WPを獲得しました。】
外道使いサリリになってしまった…。
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説

転生してモンスター診療所を始めました。
十本スイ
ファンタジー
日本で普通の高校生として日常を送っていた三月倫斗だったが、ある日、車に引かれそうになっていた子犬を助けたことで命を落としてしまう。
気づけばそこは地球ではない異世界――【エテルナ】。
モンスターや魔術などが普通に存在するファンタジーな世界だった。
倫斗は転生してリント・ミツキとして第二の人生を歩むことに。しかし転生してすぐに親に捨てられてしまい、早くもバッドエンディングを迎えてしまいそうになる。
そこへ現れたのは銀の羽毛に覆われた巨大な鳥。
名を――キンカ。彼女にリントは育てられることになるのだ。
そうして時が経ち、リントは人よりもモンスターを愛するようになり、彼らのために何かできないかと考え、世界でも数少ないモンスター専門の医者である〝モンスター医〟になる。
人とのしがらみを嫌い、街ではなく小高い丘に診療所を用意し腕を揮っていた。傍には助手のニュウという獣人を置き、二人で閑古鳥が鳴く診療所を切り盛りする。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。
九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。
異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。
人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。
もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。
「わたくし、魔王ですのよ」
そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。
元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。
「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」
果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。
無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。
これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる