32 / 37
第32話 恋愛? 興味深々です。
しおりを挟む「それじゃあ…ん?仕事が入った。開始は十分後だ。5分ごとに送りつける。準備しておけ!」
リオンが自分勝手な言葉を残して転移した。
「……」
皆、少ない情報の中での早い展開に呆然としていた。
(これは…)
サイカはリオンが転移した後に何かの紙が落ちているのを見つけた。近づいて確認すると、それは指示がメモされた紙切れであった。
(『十分後』って、まさかコレやるってこと?)
「みんな、来てください!」
サイカはすぐに人を集めた。
メモのの内容は箇条書きで7つ書かれていた。
・5分ごとにモンスターを送る。旗を立ててある。
・送りつけるモンスターはお前らではやれない。罠に嵌めてアイテムで攻撃しろ
・家は安全
・周りは崖、落ちるな
・外付け倉庫に必要なものはだいたい入れてある
・トイレは玄関入って左に進め
・危なくなったら球を割れ
の以上である。
「旗?」
カイトが疑問に思って呟く。
「あそこだと思うよ」
リュートが答える。そこには、きの棒に白い布を括り付けただけの見窄らしい旗があった。
「アレか…」
「私はこっちの方が気になるのだけどアイテム?この魔道具のことかしら?」
サリアがリオンが残した武器を指して言った。
「ん、多分そう、しかも、機械タイプのお高いヤツ」
アヤメが答える。
「ちょっと!あなた達、そんなに集まったら他の人が見れなくなります!離れてください!」
サイカはギュウギュウに詰めてメモを見るリュート達を引き剥がした。
「そう言われてもな~、見ながら試したいし…」
カイトが名残惜しそうにメモを覗く。
「じゃあ、こうしよう!」
そこで、リュートがある提案をした。
ーーーーーーーー
「はーい、注目!」
『触媒魔法』で形成されたホワイトボード前でリュートが呼びかける。
「これから、メモの内容について話していこうと思います。リオンさんの話では十分後に訓練が始まるとのことです」
リュートは『闇魔法』で作られたチョークでメモの内容はをボードに書き連ねた。
「まず一つ目、見ての通りだね、シンプルだ。旗はあそこにある。トウカ先生の助言通りにラウド先生を嗾けよう」
説明を終えると文を射線で消した。
「二つ目、パワーレベリングです。今年は大変な年になりそうです」
リュートが線を引こうとした時、リョウカ質問をした。
「えっと、どう言うことなのです?」
申し訳なさそうに聞く。
「パワーレベリングの特徴は分かる?」
「それは分かるのです!」
この世界でのパワーレベリングとは遥か格上の相手を実力関係なしに倒す行為である。大量のマナを一気に吸収するため大幅な成長を可能にする。
しかし、一見やり得にも思えるパワーレベリングだが欠点がある。人が吸収できるマナの総量には限界があり、それは地道な訓練でしか増やすことが出来ない。
「そういう事だね」
「どう言う事です!?サイカっちは分かるのです?」
「…今は目の前のことを考えてください」
サイカが目を逸らして答える。
「何なのです!?意味わからなくて怖いです!」
「フフ…知らない方が良いものとは結構ございますよ」
ニナがリョウカの耳元で囁く。
「…ッ!いっそ教えるのです。覚悟できれば多少マシになるのです!」
(うぁー…)
サイカはニナの黒い本性を垣間見た。
「三つ目はそのままの意味だと思う。いないと思うけど戦いたく無い人は中に避難すればいい」
(?いないと思う?私、訓練で命掛けたく無いのです。皆んな分かってるのです?)
リョウカは一人理解できずに混乱する。
「アヤメーー!」
リュートが家の前に立つアヤメに声をかけた。
「ふんっ!」
アヤメが玄関の柱を殴る。
「この通り」
リュートが前を向く。
(どの通りなのです!?意味がわからないのです!意味がわからなすぎて…意味がわからないのです!)
リョウカの思考は混沌を極めた。
「四つ目、カリスに軽く調べてもらったところ、円形に出っぱった台地みたいになってる。安全装置みたいなの多分無いから」
リュートが線を引く。
(あっ、これは理解できたのです!)
「五つ目、倉庫はあそこ。魔道具のコアはおそらくそこにある」
「有ったわよー!」
サリアがコアを片手に手を振る。
(これも余裕なのです!)
リョウカに活力が戻る。
「六つ目はいいとして七つ目、球は使ってないサリアたちの班のを使えってことだと思う。ここで一つ問題がある。」
リュートが線を引き、真剣な表情で言う。
「何なのです?」
リョウカが声に出して聞く。
「時間がない、40秒で支度しろ!」
リュートが叫んだ。
(絶対終わらないのです!)
ーーーーーー
クラスメイト全員が魔道具を装備して旗を囲んでいる。
装備は多種多様であり大きく分けての近接、援護、遠距離の三種類がある。コアの構成は皆、機動と防御に特化させて攻撃を魔道具に頼る形となっている。
旗から近い順に近接部隊、援護部隊、遠距離部隊に分かれた。近接、援護の部隊は適当に、遠距離部隊はピクシーが担当した。
部隊の手前には申し訳程度の壁と家の前まで通じる塹壕が引かれている。
(ほ、本当に終わったのです。皆んな速いのです…)
皆が息を呑み標的を待つ。
5、4、3、2、1
旗の真上に丸々と太った齧歯動物が現れた。
(来たっ!)
リュート達はモンスターに一斉に襲い掛かる。
「え……」
カイトは呆気ない結果に思わず声を漏らした。
遠距離部隊の放った攻撃がモンスターの脳天を貫通したのである。
リオンが自分勝手な言葉を残して転移した。
「……」
皆、少ない情報の中での早い展開に呆然としていた。
(これは…)
サイカはリオンが転移した後に何かの紙が落ちているのを見つけた。近づいて確認すると、それは指示がメモされた紙切れであった。
(『十分後』って、まさかコレやるってこと?)
「みんな、来てください!」
サイカはすぐに人を集めた。
メモのの内容は箇条書きで7つ書かれていた。
・5分ごとにモンスターを送る。旗を立ててある。
・送りつけるモンスターはお前らではやれない。罠に嵌めてアイテムで攻撃しろ
・家は安全
・周りは崖、落ちるな
・外付け倉庫に必要なものはだいたい入れてある
・トイレは玄関入って左に進め
・危なくなったら球を割れ
の以上である。
「旗?」
カイトが疑問に思って呟く。
「あそこだと思うよ」
リュートが答える。そこには、きの棒に白い布を括り付けただけの見窄らしい旗があった。
「アレか…」
「私はこっちの方が気になるのだけどアイテム?この魔道具のことかしら?」
サリアがリオンが残した武器を指して言った。
「ん、多分そう、しかも、機械タイプのお高いヤツ」
アヤメが答える。
「ちょっと!あなた達、そんなに集まったら他の人が見れなくなります!離れてください!」
サイカはギュウギュウに詰めてメモを見るリュート達を引き剥がした。
「そう言われてもな~、見ながら試したいし…」
カイトが名残惜しそうにメモを覗く。
「じゃあ、こうしよう!」
そこで、リュートがある提案をした。
ーーーーーーーー
「はーい、注目!」
『触媒魔法』で形成されたホワイトボード前でリュートが呼びかける。
「これから、メモの内容について話していこうと思います。リオンさんの話では十分後に訓練が始まるとのことです」
リュートは『闇魔法』で作られたチョークでメモの内容はをボードに書き連ねた。
「まず一つ目、見ての通りだね、シンプルだ。旗はあそこにある。トウカ先生の助言通りにラウド先生を嗾けよう」
説明を終えると文を射線で消した。
「二つ目、パワーレベリングです。今年は大変な年になりそうです」
リュートが線を引こうとした時、リョウカ質問をした。
「えっと、どう言うことなのです?」
申し訳なさそうに聞く。
「パワーレベリングの特徴は分かる?」
「それは分かるのです!」
この世界でのパワーレベリングとは遥か格上の相手を実力関係なしに倒す行為である。大量のマナを一気に吸収するため大幅な成長を可能にする。
しかし、一見やり得にも思えるパワーレベリングだが欠点がある。人が吸収できるマナの総量には限界があり、それは地道な訓練でしか増やすことが出来ない。
「そういう事だね」
「どう言う事です!?サイカっちは分かるのです?」
「…今は目の前のことを考えてください」
サイカが目を逸らして答える。
「何なのです!?意味わからなくて怖いです!」
「フフ…知らない方が良いものとは結構ございますよ」
ニナがリョウカの耳元で囁く。
「…ッ!いっそ教えるのです。覚悟できれば多少マシになるのです!」
(うぁー…)
サイカはニナの黒い本性を垣間見た。
「三つ目はそのままの意味だと思う。いないと思うけど戦いたく無い人は中に避難すればいい」
(?いないと思う?私、訓練で命掛けたく無いのです。皆んな分かってるのです?)
リョウカは一人理解できずに混乱する。
「アヤメーー!」
リュートが家の前に立つアヤメに声をかけた。
「ふんっ!」
アヤメが玄関の柱を殴る。
「この通り」
リュートが前を向く。
(どの通りなのです!?意味がわからないのです!意味がわからなすぎて…意味がわからないのです!)
リョウカの思考は混沌を極めた。
「四つ目、カリスに軽く調べてもらったところ、円形に出っぱった台地みたいになってる。安全装置みたいなの多分無いから」
リュートが線を引く。
(あっ、これは理解できたのです!)
「五つ目、倉庫はあそこ。魔道具のコアはおそらくそこにある」
「有ったわよー!」
サリアがコアを片手に手を振る。
(これも余裕なのです!)
リョウカに活力が戻る。
「六つ目はいいとして七つ目、球は使ってないサリアたちの班のを使えってことだと思う。ここで一つ問題がある。」
リュートが線を引き、真剣な表情で言う。
「何なのです?」
リョウカが声に出して聞く。
「時間がない、40秒で支度しろ!」
リュートが叫んだ。
(絶対終わらないのです!)
ーーーーーー
クラスメイト全員が魔道具を装備して旗を囲んでいる。
装備は多種多様であり大きく分けての近接、援護、遠距離の三種類がある。コアの構成は皆、機動と防御に特化させて攻撃を魔道具に頼る形となっている。
旗から近い順に近接部隊、援護部隊、遠距離部隊に分かれた。近接、援護の部隊は適当に、遠距離部隊はピクシーが担当した。
部隊の手前には申し訳程度の壁と家の前まで通じる塹壕が引かれている。
(ほ、本当に終わったのです。皆んな速いのです…)
皆が息を呑み標的を待つ。
5、4、3、2、1
旗の真上に丸々と太った齧歯動物が現れた。
(来たっ!)
リュート達はモンスターに一斉に襲い掛かる。
「え……」
カイトは呆気ない結果に思わず声を漏らした。
遠距離部隊の放った攻撃がモンスターの脳天を貫通したのである。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。


【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
君の声を聴かせて~声フェチの人には聞かせたくないんですけどっ!~
如月 そら
恋愛
通称SV、スーパーバイザーとしてコールセンターに勤める高槻結衣は、お客様にも好評な社員だ。
それがある日事故対応した、高級外車に乗るいけ好かない人物と後日、食事に行った先で出会ってしまう。それはとてつもなく整った顔立ちの甘い声の持ち主だけれど。
「約款を読むだけでいいから」声を聞かせてと結衣に迫ってくるのは!?
──この人、声フェチ!?
通話のプロであるSVと、声フェチなエリート税理士の恋はどうなる?
※11/16にタイトルを変更させて頂きました。
※表紙イラストは紺野遥さんに描いて頂いています。無断転載複写は禁止ですー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

先生と私。
狭山雪菜
恋愛
茂木結菜(もぎ ゆいな)は、高校3年生。1年の時から化学の教師林田信太郎(はやしだ しんたろう)に恋をしている。なんとか彼に自分を見てもらおうと、学級委員になったり、苦手な化学の授業を選択していた。
3年生になった時に、彼が担任の先生になった事で嬉しくて、勢い余って告白したのだが…
全編甘々を予定しております。
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる