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第26話 恋愛? 第三者に揶揄われるってあるよね。
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「やっぱり右京さんだったんだ。」
「予想してたの?」
右京さんは驚いた表情でミイちゃんに話しかけた。
「まぁね。バレるとしたら右京さんかなって思ってた。」
「ミイちゃん動じてなさ過ぎじゃない?」
「むっくんが慌て過ぎなの。右京さんはバラしたりするような人じゃないって。」
いや、まぁ。言われてみれば確かに。
前ここに来た時だって、ギャルJKを引き連れていた俺をクソ野郎だって言いふらさないつもりだったらしいし。
「一応校外なので、私もミイちゃんって呼ぶし、タメ口で話すから。」
「おけおけ。右京さんとは気が合いそうだからそうして欲しいな。私もうっちょんって呼ぶから。」
う、うっちょん?
「了解。それじゃ、ミイちゃんも座って座って。」
「ほいほーい。」
楽し気に俺の横に座るミイちゃんを見たら、今まで張りつめていた気が抜けてしまった。
「念のためにこれ持ってきたよ。」
ミイちゃんは学校指定の鞄から厚めの封筒を取り出し、右京さんの目の前にポンと差し出した。
「これは?」
「口止め料だよ。うっちょんは言いふらさないと思うけど、黙っててもらうのに何も無しじゃ悪いじゃん?」
「口止め料って……え? ちょっと待って。なにこの厚さ……。」
「山吹色のお菓子でございます。」
にっしっしと悪い笑顔で笑うミイちゃんの顔は、権力者に賄賂を贈る悪徳商人のようだった。
この人、俺と思考回路が一緒だな。
「あ、あぁ……そっか。お菓子なのね? ビックリした。聞いた事ないお菓子だけど、どこのお菓子? 封筒型の包装なんて珍しい……。」
山吹色のお菓子の意味を知らないであろう右京さんは、安心した様子で良かった良かったと言って封筒から中身を取り出す。
「もう! 一瞬札束かと思って焦っちゃったじゃ……。」
そして自らの手に収まる分厚い札束を見て、彼女の体はビシリと固まってしまった。
「どしたん、うっちょん?」
どうしたじゃねーよ。
普通の学生がそんな大金見たらビビるに決まっとるわ!
「い……。」
「い?」
「ひっ……ひぃぃぃぃ!」
札束にマジビビりしながら封筒に素早く大金をしまい、ミイちゃんに突き返す右京さん。
「いいいい、いらない! こんなのいらないから!」
「よーく考えよう? お金は大事だよ?」
「いいらない! ほ、本当にいらないの!」
手でバッテンを作り、ひたすら首を横に振り続ける彼女の姿を見ていると、逆に俺が落ち着いてしまった。
俺も大金が飛び出て来た時には驚いたが、人がビビっている様子を見て反って冷静になれたのだ。
「女の子はお金がかかるでしょ?」
「かからない! ぜぜん、からかないから!」
右京さんの発言は既に日本語の体を成していない。
「ミイちゃん、学生はそんな大金目にする事はないからやめてくれ。」
「そう? 今時の子は転売とか株とか動画投稿とかで結構儲けてるでしょ?」
「中にはそんな人もいるかもしれないけど、絶対に少数派だから。」
「分かった。」
どうやら分かってくれたようだ。
「やっぱり直接手渡しは良くないね。口座番号教えてくれれば振り込んでおくよ?」
「いらない!」
まだ分かってなかったか。
「あっそうだよね? こんな額を一括で振込まれると税務署に突っ込まれて親の扶養から外れちゃうか。」
気にするとこそこかよ!?
いや、それも大事だけどさ。
「ミイちゃん。右京さんはお金そのものがいらないんだよ。自分の分は自分で稼ぐような事、前に言ってたじゃん。」
「そだった。めんごめんご。」
学生に大金をチラつかせるなんて、とんでもねぇ教師だ……。
「ふぅ落ち着いた。とにかく、私は受け取らないからね?」
「ま、仕方ないか。」
暫くして落ち着きを取り戻した右京さんは、毅然とした態度で改めてお金の受け取りを拒否した。
「おかしいなぁ。本当はビクビクする二人を見て『バラさないよー! ドッキリでした』って揶揄ってやろうくらいに思ってたのに、私がビビらされるなんて……。」
揶揄う程度で済ましてくれるなんて、この人はやはり良い娘だ。
「一応聞くけど、二人は付き合ってるの?」
「付き合ってはいな……」
「付き合ってるよ!」
人の言葉を遮るんじゃない。
「あ、そうなんだ。恋梨君が恋愛に興味ないみたいな態度って、実はカモフラだった?」
「いや、ちが……」
「そうそう! 毎日教壇に立って先生面してる担任を実は組み敷いて体力が続く限り犯してます、なんて照れ屋のむっくんは言えないじゃん?」
おいぃぃぃぃぃ!
言い方ぁぁぁぁぁぁぁ!
あと、そんな事してないだろが!
「あ……と、そっか。だ、だよね?」
「だからそうじゃ……」
「毎日ハードで体が火照って仕方ないって事は内緒だよ? 私だってちょい恥ずいんだから。」
右京さん? なんで興味津々な目で見てくるの?
もしかして、ハードな感じが好きだったりするの?
「恋梨君って凄いんだぁ……。」
「右京さんが想像してる事、全部勘違いだから。」
顔を赤らめて俺を見るんじゃない。
「勘違いは酷いじゃん。むっくんってば、この前私が気付いてるのにも構わずスカートの中身ガン見してたの忘れたん?」
それとこれは別だろぉぉぉぉぉぉ! 余計な事バラすんじゃないよ!
どうして右京さんが色々バラすんじゃなく、ミイちゃんが俺の事バラしてんだよ!
状況的におかしいだろが! しかも微妙に事実とは異なるし。
「恋梨君って見かけによらず、ドSだったんだ。」
「お、おれの爽やかなイメージが……。」
「むっくんは別に爽やかじゃないよ? すぐに人の胸とかお尻見てくるし。」
「あっ! 確かに! 最近はそうでもないけど、隣の席になってすぐの頃はめっちゃ見てきたよね?」
え? え?
「むっくん? あんまりジロジロ見るのは良くないよ?」
「恋梨君ってあまりにも堂々とガン見するから、その頃から潔すぎてちょっと興味湧いてたんだよ。」
なんか知らんけど、めっちゃ仲良くなっとる……。
「予想してたの?」
右京さんは驚いた表情でミイちゃんに話しかけた。
「まぁね。バレるとしたら右京さんかなって思ってた。」
「ミイちゃん動じてなさ過ぎじゃない?」
「むっくんが慌て過ぎなの。右京さんはバラしたりするような人じゃないって。」
いや、まぁ。言われてみれば確かに。
前ここに来た時だって、ギャルJKを引き連れていた俺をクソ野郎だって言いふらさないつもりだったらしいし。
「一応校外なので、私もミイちゃんって呼ぶし、タメ口で話すから。」
「おけおけ。右京さんとは気が合いそうだからそうして欲しいな。私もうっちょんって呼ぶから。」
う、うっちょん?
「了解。それじゃ、ミイちゃんも座って座って。」
「ほいほーい。」
楽し気に俺の横に座るミイちゃんを見たら、今まで張りつめていた気が抜けてしまった。
「念のためにこれ持ってきたよ。」
ミイちゃんは学校指定の鞄から厚めの封筒を取り出し、右京さんの目の前にポンと差し出した。
「これは?」
「口止め料だよ。うっちょんは言いふらさないと思うけど、黙っててもらうのに何も無しじゃ悪いじゃん?」
「口止め料って……え? ちょっと待って。なにこの厚さ……。」
「山吹色のお菓子でございます。」
にっしっしと悪い笑顔で笑うミイちゃんの顔は、権力者に賄賂を贈る悪徳商人のようだった。
この人、俺と思考回路が一緒だな。
「あ、あぁ……そっか。お菓子なのね? ビックリした。聞いた事ないお菓子だけど、どこのお菓子? 封筒型の包装なんて珍しい……。」
山吹色のお菓子の意味を知らないであろう右京さんは、安心した様子で良かった良かったと言って封筒から中身を取り出す。
「もう! 一瞬札束かと思って焦っちゃったじゃ……。」
そして自らの手に収まる分厚い札束を見て、彼女の体はビシリと固まってしまった。
「どしたん、うっちょん?」
どうしたじゃねーよ。
普通の学生がそんな大金見たらビビるに決まっとるわ!
「い……。」
「い?」
「ひっ……ひぃぃぃぃ!」
札束にマジビビりしながら封筒に素早く大金をしまい、ミイちゃんに突き返す右京さん。
「いいいい、いらない! こんなのいらないから!」
「よーく考えよう? お金は大事だよ?」
「いいらない! ほ、本当にいらないの!」
手でバッテンを作り、ひたすら首を横に振り続ける彼女の姿を見ていると、逆に俺が落ち着いてしまった。
俺も大金が飛び出て来た時には驚いたが、人がビビっている様子を見て反って冷静になれたのだ。
「女の子はお金がかかるでしょ?」
「かからない! ぜぜん、からかないから!」
右京さんの発言は既に日本語の体を成していない。
「ミイちゃん、学生はそんな大金目にする事はないからやめてくれ。」
「そう? 今時の子は転売とか株とか動画投稿とかで結構儲けてるでしょ?」
「中にはそんな人もいるかもしれないけど、絶対に少数派だから。」
「分かった。」
どうやら分かってくれたようだ。
「やっぱり直接手渡しは良くないね。口座番号教えてくれれば振り込んでおくよ?」
「いらない!」
まだ分かってなかったか。
「あっそうだよね? こんな額を一括で振込まれると税務署に突っ込まれて親の扶養から外れちゃうか。」
気にするとこそこかよ!?
いや、それも大事だけどさ。
「ミイちゃん。右京さんはお金そのものがいらないんだよ。自分の分は自分で稼ぐような事、前に言ってたじゃん。」
「そだった。めんごめんご。」
学生に大金をチラつかせるなんて、とんでもねぇ教師だ……。
「ふぅ落ち着いた。とにかく、私は受け取らないからね?」
「ま、仕方ないか。」
暫くして落ち着きを取り戻した右京さんは、毅然とした態度で改めてお金の受け取りを拒否した。
「おかしいなぁ。本当はビクビクする二人を見て『バラさないよー! ドッキリでした』って揶揄ってやろうくらいに思ってたのに、私がビビらされるなんて……。」
揶揄う程度で済ましてくれるなんて、この人はやはり良い娘だ。
「一応聞くけど、二人は付き合ってるの?」
「付き合ってはいな……」
「付き合ってるよ!」
人の言葉を遮るんじゃない。
「あ、そうなんだ。恋梨君が恋愛に興味ないみたいな態度って、実はカモフラだった?」
「いや、ちが……」
「そうそう! 毎日教壇に立って先生面してる担任を実は組み敷いて体力が続く限り犯してます、なんて照れ屋のむっくんは言えないじゃん?」
おいぃぃぃぃぃ!
言い方ぁぁぁぁぁぁぁ!
あと、そんな事してないだろが!
「あ……と、そっか。だ、だよね?」
「だからそうじゃ……」
「毎日ハードで体が火照って仕方ないって事は内緒だよ? 私だってちょい恥ずいんだから。」
右京さん? なんで興味津々な目で見てくるの?
もしかして、ハードな感じが好きだったりするの?
「恋梨君って凄いんだぁ……。」
「右京さんが想像してる事、全部勘違いだから。」
顔を赤らめて俺を見るんじゃない。
「勘違いは酷いじゃん。むっくんってば、この前私が気付いてるのにも構わずスカートの中身ガン見してたの忘れたん?」
それとこれは別だろぉぉぉぉぉぉ! 余計な事バラすんじゃないよ!
どうして右京さんが色々バラすんじゃなく、ミイちゃんが俺の事バラしてんだよ!
状況的におかしいだろが! しかも微妙に事実とは異なるし。
「恋梨君って見かけによらず、ドSだったんだ。」
「お、おれの爽やかなイメージが……。」
「むっくんは別に爽やかじゃないよ? すぐに人の胸とかお尻見てくるし。」
「あっ! 確かに! 最近はそうでもないけど、隣の席になってすぐの頃はめっちゃ見てきたよね?」
え? え?
「むっくん? あんまりジロジロ見るのは良くないよ?」
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