14 / 37
第14話 恋愛? 友達の妹って難しいよね。(白目)
しおりを挟む
「どういう事だ?」
「妹に恋梨武太の人生を語ってやったら『武太さんとは私が付き合うしかないわ。悲しい程恋愛経験がない者同士、傷を舐め合うしかないよ。もうこれは付き合っていると言っても過言ではない程似た者同士だし。』って言ってたぞ。」
「勝手に俺の人生を語るな。」
にしても、妹の口真似か? 驚くほどキモイな。
あと、お前の妹ってちょっと病んでない?
「俺という兄がいるせいで妹には悲しい思いばかりさせていたんだ。ここで一肌脱がなくては兄ではない!」
こいつ、自分のせいで妹が誰とも付き合えない自覚はあったんだな……。
俺に押し付けるのはやめて頂きたいが。
「俺の妹は最高だぞ? 顔は可愛いしおっぱいは張りがあって柔らかいしな。」
「……何で柔らかいとか知ってんだよ。」
「寝ている時に度々揉ませてもらっている。」
キモっ!
こいつマジでキモっ!!
「妹はそれ知ってんのか?」
「知る筈ないだろう。もし知られたら手をへし折られる。」
お前の手なんかへし折られちまえ。
「そういう事するのはやめてやれよ。普通に犯罪だぞ。」
「勿論だ。これから妹は恋梨と付き合っていくわけだしな。」
「付き合わねぇって。」
「もう遅いぞ?」
何を言って……。
「お兄ちゃん? こちらの人が武太先輩なの?」
「おう、そうだぞ。莉々伊の彼氏となる恋梨武太だ。」
「やっぱり。初めまして、斎藤莉々伊です。キモ過ぎる兄と友達になってくれてありがとうございます。」
いつの間に現れたのか、突然錬蔵の背後から顔を覗かせた人物が俺に挨拶をしてきた。
錬蔵の妹とは思えない程礼儀正しい。
そして確かに美少女だ。
「あ、あぁ……よろしく?」
「ふつつか者ですが、どうぞ末永くよろしくお願い致します。」
「え?」
「流石は莉々伊だな。ちゃんと挨拶出来て偉いぞ!」
「結婚するんだからこのくらいは当然でしょ。」
結婚しねぇよ。
付き合うって段階をすっ飛ばしてんじゃん。
「というわけだ。俺は零子ちゃんと結婚するから恋梨には妹を是非任せたい。」
「お前が零子ちゃんと結婚するのは勝手だが、俺の相手をお前が決めるなよ。」
「武太先輩、私では不満ですか?」
涙を滲ませ、俺を見上げてくる美少女。
非常に断りにくい。
「不満って言うか……。」
俺が悪い事してるみたいな気になるから、先ずはその表情をやめて頂きたい。
「分かりました。お兄ちゃんが邪魔なんですね? 待ってて下さい。今処分してきますから。」
そう言って莉々伊ちゃんは錬蔵の首を掴んでズルズルと引き摺ると、あろうことか教室に備え付けてある机に無理矢理押し込め始めた。
「いだだだだぁぁぁ!!」
「我慢して。お兄ちゃんが邪魔だからしまっておかないと。」
「やめでぐれぇぇ! 入んない! そんなとこ絶対入んないから!」
彼女は兄の悲鳴などお構いなしに、机に頭を無理矢理グイグイと押し込もうと頑張っている。
「あっ、ちょっと入った。」
え?
「ぎゃぁぁぁぁ!」
「お兄ちゃん静かにして。」
ドン引きだよ。
錬蔵の妹、怖すぎるだろう。
「あの、もうやめてあげた方が良い気がするんだけど……。」
いくら錬蔵がキモいとは言え、見ていて可哀想になってしまった俺は思わず声を掛けていた。
「そうですか? もう少し頑張ればもっと入りそうなんですけど。」
やめろよ。机に人間が入るわけねぇだろ。それでも押し込めようとするその発想が怖いわ。
しかももう少しで入りそうって、強引にやった為に机が広がって入りそうになっているのか錬蔵が変形して入りそうなのか聞いてみた……くはないな。うん。
「可哀想だからやめてくれ。」
「分かりました。」
そう言って兄への虐待をやめる莉々伊ちゃん。
「良かったねお兄ちゃん。武太先輩優しい人だからお兄ちゃんが存在していても良いんだって。」
「あ、ありがどうございまず。」
流石に錬蔵の存在を消去して欲しいとは思ってもねぇよ。
とんでもない妹だ。
成る程。突然こんな事を仕出かす人物ならば、寝ている莉々伊ちゃんの胸を兄が揉んでいる事など知ってしまえば、手をへし折られるのは間違いないだろう。
むしろ、手をへし折られるだけで済むかどうかさえも怪しい。
俺にも慈悲の心はある。
錬蔵が寝ている莉々伊ちゃんの胸を度々揉んでいる事は内緒にしておこう。
「恋梨、ありがとう。お前のお蔭で俺は助かったぞ。」
「……どういたしまして。」
えらい目にあったという雰囲気で礼を言う彼は、やはり懐が深い人物であるのだと思った。
「お兄ちゃんってば大袈裟だよ。多少頭の形が変形しそうになったからって大声出してさ。」
「莉々伊ちゃん、お兄ちゃん死んじゃうかもしれなかったんだけど?」
「ちゃんとお葬式出すから大丈夫だよ。安心して良いよ?」
何一つ安心出来る要素がない。
待って? 処分ってマジで消すつもりだったの?
「お兄ちゃんがいると私が恋愛出来ないんだから、こうなるのも仕方ないよね?」
「莉々伊ちゃんってば冗談キツイんだから。」
あれ程の暴力を受けた錬蔵は朗らかに笑っているが、冗談には全く見えなかった。
錬蔵……ある意味良かったな。
お前の妹が恋愛出来ないのはお前だけが原因じゃないみたいだぞ?
「と言う事で、莉々伊ちゃんをよろしく頼む。ちょっとお転婆だが可愛い妹なんだ。」
さっきのアレをお転婆で済ますなよ。
「スマンが無理だ。」
「え? やっぱりお兄ちゃんが邪魔だからですか?」
莉々伊ちゃんは再び錬蔵の首を鷲掴みにして引き摺ろうとする。
「いや、そうじゃなくて。」
「そうじゃなくて?」
「俺自身が今は誰とも付き合う気が無いんだ。」
「妹に恋梨武太の人生を語ってやったら『武太さんとは私が付き合うしかないわ。悲しい程恋愛経験がない者同士、傷を舐め合うしかないよ。もうこれは付き合っていると言っても過言ではない程似た者同士だし。』って言ってたぞ。」
「勝手に俺の人生を語るな。」
にしても、妹の口真似か? 驚くほどキモイな。
あと、お前の妹ってちょっと病んでない?
「俺という兄がいるせいで妹には悲しい思いばかりさせていたんだ。ここで一肌脱がなくては兄ではない!」
こいつ、自分のせいで妹が誰とも付き合えない自覚はあったんだな……。
俺に押し付けるのはやめて頂きたいが。
「俺の妹は最高だぞ? 顔は可愛いしおっぱいは張りがあって柔らかいしな。」
「……何で柔らかいとか知ってんだよ。」
「寝ている時に度々揉ませてもらっている。」
キモっ!
こいつマジでキモっ!!
「妹はそれ知ってんのか?」
「知る筈ないだろう。もし知られたら手をへし折られる。」
お前の手なんかへし折られちまえ。
「そういう事するのはやめてやれよ。普通に犯罪だぞ。」
「勿論だ。これから妹は恋梨と付き合っていくわけだしな。」
「付き合わねぇって。」
「もう遅いぞ?」
何を言って……。
「お兄ちゃん? こちらの人が武太先輩なの?」
「おう、そうだぞ。莉々伊の彼氏となる恋梨武太だ。」
「やっぱり。初めまして、斎藤莉々伊です。キモ過ぎる兄と友達になってくれてありがとうございます。」
いつの間に現れたのか、突然錬蔵の背後から顔を覗かせた人物が俺に挨拶をしてきた。
錬蔵の妹とは思えない程礼儀正しい。
そして確かに美少女だ。
「あ、あぁ……よろしく?」
「ふつつか者ですが、どうぞ末永くよろしくお願い致します。」
「え?」
「流石は莉々伊だな。ちゃんと挨拶出来て偉いぞ!」
「結婚するんだからこのくらいは当然でしょ。」
結婚しねぇよ。
付き合うって段階をすっ飛ばしてんじゃん。
「というわけだ。俺は零子ちゃんと結婚するから恋梨には妹を是非任せたい。」
「お前が零子ちゃんと結婚するのは勝手だが、俺の相手をお前が決めるなよ。」
「武太先輩、私では不満ですか?」
涙を滲ませ、俺を見上げてくる美少女。
非常に断りにくい。
「不満って言うか……。」
俺が悪い事してるみたいな気になるから、先ずはその表情をやめて頂きたい。
「分かりました。お兄ちゃんが邪魔なんですね? 待ってて下さい。今処分してきますから。」
そう言って莉々伊ちゃんは錬蔵の首を掴んでズルズルと引き摺ると、あろうことか教室に備え付けてある机に無理矢理押し込め始めた。
「いだだだだぁぁぁ!!」
「我慢して。お兄ちゃんが邪魔だからしまっておかないと。」
「やめでぐれぇぇ! 入んない! そんなとこ絶対入んないから!」
彼女は兄の悲鳴などお構いなしに、机に頭を無理矢理グイグイと押し込もうと頑張っている。
「あっ、ちょっと入った。」
え?
「ぎゃぁぁぁぁ!」
「お兄ちゃん静かにして。」
ドン引きだよ。
錬蔵の妹、怖すぎるだろう。
「あの、もうやめてあげた方が良い気がするんだけど……。」
いくら錬蔵がキモいとは言え、見ていて可哀想になってしまった俺は思わず声を掛けていた。
「そうですか? もう少し頑張ればもっと入りそうなんですけど。」
やめろよ。机に人間が入るわけねぇだろ。それでも押し込めようとするその発想が怖いわ。
しかももう少しで入りそうって、強引にやった為に机が広がって入りそうになっているのか錬蔵が変形して入りそうなのか聞いてみた……くはないな。うん。
「可哀想だからやめてくれ。」
「分かりました。」
そう言って兄への虐待をやめる莉々伊ちゃん。
「良かったねお兄ちゃん。武太先輩優しい人だからお兄ちゃんが存在していても良いんだって。」
「あ、ありがどうございまず。」
流石に錬蔵の存在を消去して欲しいとは思ってもねぇよ。
とんでもない妹だ。
成る程。突然こんな事を仕出かす人物ならば、寝ている莉々伊ちゃんの胸を兄が揉んでいる事など知ってしまえば、手をへし折られるのは間違いないだろう。
むしろ、手をへし折られるだけで済むかどうかさえも怪しい。
俺にも慈悲の心はある。
錬蔵が寝ている莉々伊ちゃんの胸を度々揉んでいる事は内緒にしておこう。
「恋梨、ありがとう。お前のお蔭で俺は助かったぞ。」
「……どういたしまして。」
えらい目にあったという雰囲気で礼を言う彼は、やはり懐が深い人物であるのだと思った。
「お兄ちゃんってば大袈裟だよ。多少頭の形が変形しそうになったからって大声出してさ。」
「莉々伊ちゃん、お兄ちゃん死んじゃうかもしれなかったんだけど?」
「ちゃんとお葬式出すから大丈夫だよ。安心して良いよ?」
何一つ安心出来る要素がない。
待って? 処分ってマジで消すつもりだったの?
「お兄ちゃんがいると私が恋愛出来ないんだから、こうなるのも仕方ないよね?」
「莉々伊ちゃんってば冗談キツイんだから。」
あれ程の暴力を受けた錬蔵は朗らかに笑っているが、冗談には全く見えなかった。
錬蔵……ある意味良かったな。
お前の妹が恋愛出来ないのはお前だけが原因じゃないみたいだぞ?
「と言う事で、莉々伊ちゃんをよろしく頼む。ちょっとお転婆だが可愛い妹なんだ。」
さっきのアレをお転婆で済ますなよ。
「スマンが無理だ。」
「え? やっぱりお兄ちゃんが邪魔だからですか?」
莉々伊ちゃんは再び錬蔵の首を鷲掴みにして引き摺ろうとする。
「いや、そうじゃなくて。」
「そうじゃなくて?」
「俺自身が今は誰とも付き合う気が無いんだ。」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる