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第4話 恋愛? そんな事よりカラオケしようぜ。
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こうして自己紹介も終えた雷人率いるパーティは、カラオケにあるソンノウジョウイサウンドという採点機種を打倒する為、学校を後にした。
高得点を出す事で江戸幕府を倒すというストーリー性のあるカラオケ機種だ。
これが若者の間で人気を博し、最近では尊王攘夷派の学生が増えているらしい。
幕府はもう150年くらい前に無くなってるけどな。
「これがソンノウジョウイサウンドなんだぁ……。」
「もしかして右京さんは初めて?」
「うん。」
出た。うん製造機。
「この機種は高得点を出すと派手に光ってストーリーが進むんだよ。」
「へぇー。恋梨君は倒幕した事あるの?」
「俺は85点までしか出せないから、大政奉還させるのが関の山だったよ。」
「私は15代将軍徳川慶喜に現代人が憑依の上タイムスリップして、1600年代に産業革命を起こすストーリーを見た!」
零子ちゃんすごっ!!
「それって95点以上を連続で取らないとダメなやつ!」
智世さんも知ってるんだ。幕府を倒す理由がなくなるというレアなストーリー。
「俺は……倒幕出来なかった。」
そう言えば、雷人は歌が得意じゃないもんな。イケメンの雷人らしからぬ唯一の弱点だ。
「今日はたくさんのメンバーで歌うから大丈夫! 皆で幕府を倒そう!」
「「「「おー!!」」」」
俺達は戦った。幕府を倒す為にあらん限りの力を尽くし、歌いぬいた。
もしかしたら、宇宙人が攻めてきても歌の力で平和を勝ち取る事が出来るかもしれない程に……。
「武太君さ。今私フリーなんだ。」
零子ちゃんがフリー?
という事は……。
「別れたの?」
「うん。いちいち幼馴染と比べるような態度が気に入らないってフラれちゃった。そんなつもりは無かったんだけどね。」
おっと、それは良くない。幼馴染って俺の事だろ? 俺以外の人が聞いたら普通に嫌な女認定されるから気を付けて?
「でね……」
「恋梨君! 私もフリーだよ!」
おぉ……このタイミングで割って入るとは、右京さんも結構悪い女だ。
下手すると友達無くすから気を付けて?
零子ちゃんの頬がヒクヒクと動いている。
これは……LoveTriangle。俗に言う三角関係という奴なのかもしれない。まさか俺の身にこのような出来事が起ころうとは。
「えっと、あまり人の話を遮るのは良くないんじゃないかな。」
零子ちゃんが怒っている。初めて見たな。
「え? ごめん、大事な話だった?」
右京さん、表情に出てる。絶対ワザとでしょ。
「結構大事な話だったから、少しだけ遠慮して欲しいな。」
「私にも関係ありそうな感じがしたから、加えて欲しいな。」
俺にとっては別に大事じゃないな。
告白とかされると気まずいから、いっそ2人で永久に阻止し合って欲しい。
「武太君はどうかな?」
「恋梨君はどう思う?」
そこで俺に聞いちゃうの?
「俺は……特に恋愛には興味ないかなぁ。楽しければ良いって感じ。」
「格好良い……。」
「クールだ……。」
2人ともオカシイんじゃない? 今のセリフなんて第三者から見ればスカした嫌な奴だろうに。
「誰とも付き合わないって事?」
「そんな感じ。」
「でもでも、男子ってさ……そういう欲求は強いよね? 年中発情期、みたいな。」
右京さん、今日は随分ブッこんでくるね。ギャルだから?
「勿論それはあるけど、好きじゃない人と付き合ってそういう事をするのも相手に失礼でしょ。」
というか年中発情期は言い過ぎ。
「武太君は、どうするの? 恋愛に興味ないなら……そういう事出来ないよ?」
零子ちゃんも大胆な事聞くなぁ。もしかして発情期なの?
「大丈夫だって。大人になったらお金払ってそういうお店に行くから。」
「ダメよ!」
「ダメっ!」
何故だ? 何で皆否定ばかりするんだ? 変に拗らせるよりも、お金払って解消する方が健全じゃん。
お金勿体ないから?
「でもなぁ。そういう事はしたいし。」
「私と付き合ったらタダだよ!」
タダって……言い方っ! 右京さんはビッチなの?
「私も! 付き合ってくれたら……。」
えぇ? 零子ちゃんまで? 幼馴染がビッチだと複雑な気持ちになるんだが。
あーあ……。零子ちゃんや右京さん相手に肉体関係ありきの爛れた恋愛はしたくないしなぁ。友達だし。
「2人共さ、良い娘だから雑にはしたくないよ。」
難しいな。どうしたら良いんだ?
「話は聞かせてもらった!」
おぉ。勇者雷人の登場か?
「恋梨。何で恋愛に興味がないんだ? 前は彼女欲しいって言ってただろうが。」
それ聞いちゃいます?
すっげぇ下らない事だから恥ずかしいんだけど。
「うん。まぁ色々と思う事があってな。恋愛を諦めたら解決したって感じだ。」
「は? 彼女欲しいって気持ちが、何で諦めたら解決すんの?」
「諦めたら彼女いらなくなった。」
嘘だろコイツ……って顔するのやめてくれない?
「いやいやいや! そうはならねーって!」
「そうだよ! 女子だって大抵は彼氏欲しいって思うのに、男子が彼女いらないはあり得ないでしょ!」
智世さん? それは偏見が過ぎませんかねぇ?
「マジで?」
「マジで。」
「それは……女子への興味を取り戻した方が良いって!」
先生に続いて余計なお世話リターンズなんだけど。
「心配してくれるのはありがたいんだけど、これで俺の悩みは解決したからなぁ。皆にもコツを教えようか? もしかしたら心が楽になるかもしれない。」
「いらねーよ!」
「いらない!」
「やだ!」
「イヤよ!」
何でだよ。こんなにも心が解放されるってのに。
後でやっぱり教えてって言っても、教えてやらんからな。
「良いから言えって。本当は何かあるんだろ?」
「わかったわかった。話すよ。」
結局根掘り葉掘り聞かれ事情を話してしまった。
零子ちゃんと右京さんが協力を申し出てくれたけど、しっかり断りを入れる。そうしないと先生との事がバレちゃいそうだし。
楽しいカラオケから一変して、俺のしょうもない恋愛話にシフトしてしまったのは失敗。
仕方ないので門限があるからと言って、ある程度のところで解散させた。
俺と零子ちゃんは家も近い。という事で、カラオケの後一緒に帰っている。
「実はね、彼氏と付き合い始めて最初は良かったの。でも、付き合っていくうちに何かが違うって思った。」
何かってなんだよ。あやふや過ぎて分からん。
「武太君ならこんな事しない、とか武太君はこんな事言わないのに、とか事あるごとに思ったり……なんならそれを口に出した事まであるの。」
恋人に言われて傷つくセリフ集に載ってそうだね。
元カレとの比較って絶対やっちゃダメな奴じゃん。この場合は幼馴染だけど。
「そうして別れちゃったんだけど、気付けば武太君との距離が出来ちゃって自分からは話しかけ辛くなってさ。」
零子ちゃんは別の男と付き合ってから幼馴染の良さに気付いたらしい。
幼馴染である俺が自分で言うとアホみたいだが。
しかしそんな事言われてもなぁ……当時は俺も幼馴染としか思ってなかった上に、零子ちゃんに彼氏が出来たから遠慮したのだ。
もっと早く言ってくれたら喜んで付き合ったかもしれんが、今の俺は恋愛に興味ないしなぁ。
「あんまり興味がないって顔してるね。」
何故バレた?
流石は幼馴染といったところか。
「どうしてそんな風になったの?」
「さっき説明した通りなんだけど。」
「異性への興味ってそんな簡単に無くなるものじゃないじゃん。」
「俺に悟りを得る才能があったんじゃない?」
悟りともちょっと違う気はするが。
「でも、そういう欲求はあるんでしょ?」
「そうだね。元々体に備わっている機能だからこればっかりは無くならない。まぁお金で解決出来るんだから良い世の中だよね。」
俺が笑ってそう言うと彼女は呆れていた。
「笑いごとじゃないよ……。結婚とかどうするの?」
「結婚はしなくて良いんじゃない? 未婚の人だって今の世の中たくさんいるよ。」
「どうしてもダメなら私が結婚してあげる。」
お気持ちは嬉しいけど、上から目線な発言はいただけない。
照れ隠しみたいなものだって分かるけどさ。
「15年後とかにお願いしようかな。」
「長過ぎっ! 絶対恋愛に興味を持たせてみせるから!」
零子ちゃんって、昔は別に俺の事好きって感じはなかったんだけどな……なんならあの人が格好良いとか、○○先輩素敵、とか頻繁に言ってたし。
俺が鈍感系なだけだったのか?
いや、違うか。零子ちゃん本人も自覚なかったみたいだし。
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これが若者の間で人気を博し、最近では尊王攘夷派の学生が増えているらしい。
幕府はもう150年くらい前に無くなってるけどな。
「これがソンノウジョウイサウンドなんだぁ……。」
「もしかして右京さんは初めて?」
「うん。」
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「この機種は高得点を出すと派手に光ってストーリーが進むんだよ。」
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「それって95点以上を連続で取らないとダメなやつ!」
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「俺は……倒幕出来なかった。」
そう言えば、雷人は歌が得意じゃないもんな。イケメンの雷人らしからぬ唯一の弱点だ。
「今日はたくさんのメンバーで歌うから大丈夫! 皆で幕府を倒そう!」
「「「「おー!!」」」」
俺達は戦った。幕府を倒す為にあらん限りの力を尽くし、歌いぬいた。
もしかしたら、宇宙人が攻めてきても歌の力で平和を勝ち取る事が出来るかもしれない程に……。
「武太君さ。今私フリーなんだ。」
零子ちゃんがフリー?
という事は……。
「別れたの?」
「うん。いちいち幼馴染と比べるような態度が気に入らないってフラれちゃった。そんなつもりは無かったんだけどね。」
おっと、それは良くない。幼馴染って俺の事だろ? 俺以外の人が聞いたら普通に嫌な女認定されるから気を付けて?
「でね……」
「恋梨君! 私もフリーだよ!」
おぉ……このタイミングで割って入るとは、右京さんも結構悪い女だ。
下手すると友達無くすから気を付けて?
零子ちゃんの頬がヒクヒクと動いている。
これは……LoveTriangle。俗に言う三角関係という奴なのかもしれない。まさか俺の身にこのような出来事が起ころうとは。
「えっと、あまり人の話を遮るのは良くないんじゃないかな。」
零子ちゃんが怒っている。初めて見たな。
「え? ごめん、大事な話だった?」
右京さん、表情に出てる。絶対ワザとでしょ。
「結構大事な話だったから、少しだけ遠慮して欲しいな。」
「私にも関係ありそうな感じがしたから、加えて欲しいな。」
俺にとっては別に大事じゃないな。
告白とかされると気まずいから、いっそ2人で永久に阻止し合って欲しい。
「武太君はどうかな?」
「恋梨君はどう思う?」
そこで俺に聞いちゃうの?
「俺は……特に恋愛には興味ないかなぁ。楽しければ良いって感じ。」
「格好良い……。」
「クールだ……。」
2人ともオカシイんじゃない? 今のセリフなんて第三者から見ればスカした嫌な奴だろうに。
「誰とも付き合わないって事?」
「そんな感じ。」
「でもでも、男子ってさ……そういう欲求は強いよね? 年中発情期、みたいな。」
右京さん、今日は随分ブッこんでくるね。ギャルだから?
「勿論それはあるけど、好きじゃない人と付き合ってそういう事をするのも相手に失礼でしょ。」
というか年中発情期は言い過ぎ。
「武太君は、どうするの? 恋愛に興味ないなら……そういう事出来ないよ?」
零子ちゃんも大胆な事聞くなぁ。もしかして発情期なの?
「大丈夫だって。大人になったらお金払ってそういうお店に行くから。」
「ダメよ!」
「ダメっ!」
何故だ? 何で皆否定ばかりするんだ? 変に拗らせるよりも、お金払って解消する方が健全じゃん。
お金勿体ないから?
「でもなぁ。そういう事はしたいし。」
「私と付き合ったらタダだよ!」
タダって……言い方っ! 右京さんはビッチなの?
「私も! 付き合ってくれたら……。」
えぇ? 零子ちゃんまで? 幼馴染がビッチだと複雑な気持ちになるんだが。
あーあ……。零子ちゃんや右京さん相手に肉体関係ありきの爛れた恋愛はしたくないしなぁ。友達だし。
「2人共さ、良い娘だから雑にはしたくないよ。」
難しいな。どうしたら良いんだ?
「話は聞かせてもらった!」
おぉ。勇者雷人の登場か?
「恋梨。何で恋愛に興味がないんだ? 前は彼女欲しいって言ってただろうが。」
それ聞いちゃいます?
すっげぇ下らない事だから恥ずかしいんだけど。
「うん。まぁ色々と思う事があってな。恋愛を諦めたら解決したって感じだ。」
「は? 彼女欲しいって気持ちが、何で諦めたら解決すんの?」
「諦めたら彼女いらなくなった。」
嘘だろコイツ……って顔するのやめてくれない?
「いやいやいや! そうはならねーって!」
「そうだよ! 女子だって大抵は彼氏欲しいって思うのに、男子が彼女いらないはあり得ないでしょ!」
智世さん? それは偏見が過ぎませんかねぇ?
「マジで?」
「マジで。」
「それは……女子への興味を取り戻した方が良いって!」
先生に続いて余計なお世話リターンズなんだけど。
「心配してくれるのはありがたいんだけど、これで俺の悩みは解決したからなぁ。皆にもコツを教えようか? もしかしたら心が楽になるかもしれない。」
「いらねーよ!」
「いらない!」
「やだ!」
「イヤよ!」
何でだよ。こんなにも心が解放されるってのに。
後でやっぱり教えてって言っても、教えてやらんからな。
「良いから言えって。本当は何かあるんだろ?」
「わかったわかった。話すよ。」
結局根掘り葉掘り聞かれ事情を話してしまった。
零子ちゃんと右京さんが協力を申し出てくれたけど、しっかり断りを入れる。そうしないと先生との事がバレちゃいそうだし。
楽しいカラオケから一変して、俺のしょうもない恋愛話にシフトしてしまったのは失敗。
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俺と零子ちゃんは家も近い。という事で、カラオケの後一緒に帰っている。
「実はね、彼氏と付き合い始めて最初は良かったの。でも、付き合っていくうちに何かが違うって思った。」
何かってなんだよ。あやふや過ぎて分からん。
「武太君ならこんな事しない、とか武太君はこんな事言わないのに、とか事あるごとに思ったり……なんならそれを口に出した事まであるの。」
恋人に言われて傷つくセリフ集に載ってそうだね。
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「そうして別れちゃったんだけど、気付けば武太君との距離が出来ちゃって自分からは話しかけ辛くなってさ。」
零子ちゃんは別の男と付き合ってから幼馴染の良さに気付いたらしい。
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しかしそんな事言われてもなぁ……当時は俺も幼馴染としか思ってなかった上に、零子ちゃんに彼氏が出来たから遠慮したのだ。
もっと早く言ってくれたら喜んで付き合ったかもしれんが、今の俺は恋愛に興味ないしなぁ。
「あんまり興味がないって顔してるね。」
何故バレた?
流石は幼馴染といったところか。
「どうしてそんな風になったの?」
「さっき説明した通りなんだけど。」
「異性への興味ってそんな簡単に無くなるものじゃないじゃん。」
「俺に悟りを得る才能があったんじゃない?」
悟りともちょっと違う気はするが。
「でも、そういう欲求はあるんでしょ?」
「そうだね。元々体に備わっている機能だからこればっかりは無くならない。まぁお金で解決出来るんだから良い世の中だよね。」
俺が笑ってそう言うと彼女は呆れていた。
「笑いごとじゃないよ……。結婚とかどうするの?」
「結婚はしなくて良いんじゃない? 未婚の人だって今の世の中たくさんいるよ。」
「どうしてもダメなら私が結婚してあげる。」
お気持ちは嬉しいけど、上から目線な発言はいただけない。
照れ隠しみたいなものだって分かるけどさ。
「15年後とかにお願いしようかな。」
「長過ぎっ! 絶対恋愛に興味を持たせてみせるから!」
零子ちゃんって、昔は別に俺の事好きって感じはなかったんだけどな……なんならあの人が格好良いとか、○○先輩素敵、とか頻繁に言ってたし。
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