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最終章 幸せな日々
番外編 第31話 ペットの恋愛事情
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「先程は失礼しました。お二人の魔力値が少し……かなり異常だったもので。」
「誤解がとけたなら良いわよ。」
人間は話が出来る相手を食べたりしないと説明し、やっと分かってもらえた。
私と碧ママが人間である事から説明する羽目になったけど。
「ドゥエナリルはメメちゃんに会いに来たんでしょ? そろそろ餌やりの時間だから一緒に来る?」
「メメちゃん? ですか?」
そうか。メメちゃんってお母さんが勝手に名付けただけだから、この子には通じないのね。
にしてもこの子、碧ママに怯えすぎでしょ。私の後ろに隠れて碧ママの様子を伺いながら話しかけてるわ。
まぁ、あんな事言われた後じゃ無理もないか。
「ドゥエナリルの想い人の事よ。うちのお母さんが勝手に名前付けちゃってそれが定着したの。」
「碧さんが考えたんですか? 可愛いあだ名ですね。是非ご一緒したいです。」
「じゃ、歩きながら話そうか。」
「はい!」
ドゥエナリルは私の後ろに隠れながら歩きだした。元気に返事はするけど、碧ママをまだ恐れているみたい。
というか、この子もシューメルと一緒でメメちゃんがペットでも違和感持たないのね。
もしかすると向こうの世界では同族がペット扱いでも忌避感はないのかもしれない。
「ナガツキ家は母が二人いて、碧ママじゃない方のお母さんが名付けたの。」
「お母さんが二人ということは一夫多妻だったんですね。」
「そう言う事。」
「エイミーって言うんだけどね。これがまた可愛い子なんだよ。」
碧ママはお母さんの事となると、まるで好きな子を紹介するかのように自慢げになる。
お父さんにしろ碧ママにしろ、レイアやアーリィもだけど、皆お母さんの事好き過ぎでしょ。
お母さんが言うには「オタサーの姫みたいで少し抵抗あるけど、幸せだからいっか。」と言っていた。
オタサーの姫って何だろう?
「可愛いお母さんって良いですね。私もエイミーさんのようになりたいです。」
多分なれないと思う。
お母さんは最強の生物だから。
「うんうん。ドゥエナリルは分かってるじゃん。君だって可愛いんだから、きっとなれるよ。」
「はい!」
笑顔が眩しいわ。
この子、素直に碧ママの話を聞いているけど実際のお母さんを見たら卒倒するんじゃないかしら?
魔力量が極大過ぎて。
「さ、着いたよ。メメちゃんいるー?」
碧ママが部屋の扉をノックした。
部屋には【メメちゃんのお部屋】と書かれたプレートが張り付けてある。
『おお、碧殿か。入ってくれ。』
「お邪魔しまーす。」
私達は三人で連れ立ってメメちゃんの部屋にお邪魔した。
「今日はメメちゃんのお友達を連れて来たよ。」
『お友達? 我の友人とくれば……洞穴に住んでいるズンダラドッコイ君だろうか?』
誰よそのふざけた名前。
親の顔が見てみたいわ。
「違うって。そんな可笑しな名前の奴じゃなくてさ。」
「そうそう。」
『親からもらった名前を馬鹿にしてはいけない。』
「「す、すみません。」」
『うむ。ズンダラドッコイ君は畑仕事が得意でな。良く農作物をダメにしていた。』
それ、全然得意じゃないわね。
「全然得意じゃないじゃん。」
やっぱり碧ママも同じ事を思ったみたい。
『いや? 得意だぞ。他の事は何をやらせても壊滅的に上手く出来ないが、唯一畑仕事だけはそこそこダメな程度で済んでいる奴なのだ。当然弱いから神でもない。』
なんかこう……知的生命体を食べない繋がりの友達って感じかしら?
「ズンタカドッコイ君の話はもう良いから。」
『ズンダラドッコイ君だ。』
「はいはい。それよりもほら。お客さんだよ。」
碧ママが後ろに隠れているドゥエナリルをメメちゃんの前に立たせた。
「お、お久しぶりです! 私、貴方がずっと好きだったんです! よろしくお願いします!」
え? いきなり告白するの?
『おお、ドゥえnAmリyる。久しいな。』
「はい。ヴィrmえなゲ様もお変わりないようで。」
嘘でしょ。
告白したのに流されてあっさり会話が続いちゃってる。
『ところで、告白の返事は少し考えさせてもらいたい。』
「は、はい。お待ちしております。」
い、一応流してはなかったのね。
良かったわ。
『うむ。じっくりと考えた結果。お付き合いをよろしく頼む。』
早っ!?
どこがじっくりなのよ!
いつ考えたのよ!?
「メメちゃん、本当に考えたの?」
『うむ。勿論だぞ碧殿。真剣に考えた結果ドゥえnAmリyると付き合う事にした。』
「そ、そうなんだ。ところで二人共。聞き取りにくいからこっちの言葉で名前を呼び合ってくれない?」
『おお。人間には聞き取りにくいのだった。ならば我の事はメメちゃんと呼んでもらいたい。』
「は、はいメメちゃん様。では私の事はドゥエナリルとお呼び下さい。」
『うむ。ズンダラドッコイ君に彼女が出来たと教えてやろう。』
へぇ。
「メメちゃんにもそういう感情ってあるのね。」
『勿論あるぞサクラ殿。昔は我もモテモテだったのだ。』
い、意外だわ。
目のくせに。
『二万年程前はまだ目が二つしかなくてな。その時はモテていた。目が増えてからは「たくさんの目で見られているようで嫌よ。」と断られる事が多くてな。すっぱり恋愛は諦めていたのだ。』
「見た目で判断するなんて結構酷いね。」
『うむ。だが見た目というのは重要だ。碧殿とて尻に口が付いている奴とは結婚出来ないだろう。』
「うっ……それはちょっと。」
キス出来ないわね。
「私はメメちゃん様の目が増えても気にしません!」
普通気にするわよ。
まぁ、個人の恋愛に口は出さないけどね。
『有難い。ちなみに碧殿にサクラ殿、ドゥエナリルは美少女ランキング一位だぞ。更に見た目で相手を判断しないという凄く出来た娘だ。』
「唐突に自慢を始めたわね。」
『彼女を自慢するのは必要な事だ。「いやぁ俺の彼女なんて大した事ないっすよー。」なんて言ってみろ。間違いなく傷つける。ならばいっそ自慢してやった方が気持ち良いというものだ。』
「男友達からは良く思われないんじゃない?」
『男には仄めかす程度に自慢しておく。いらぬ嫉妬を買う必要もないからな。』
相変わらず人間よりも人間らしいペットだわ。
婚約出来たのはメメちゃんのお蔭なんだから大事にしよう。
「ちょっと待った!」
『碧殿、どうしかしたのか?』
「エイミーは? エイミーは美少女ランキング入ってないの? 絶対に入ってるはずだよね?」
『エイミー殿は入っていない。』
「何で!?」
碧ママはお母さんの事になると突然元気になる。
『エイミー殿は人妻ランキング一位になっている。人妻は美少女とは判断されないようだ。』
「だったら良いよ。」
良いんだぁ……。
「誤解がとけたなら良いわよ。」
人間は話が出来る相手を食べたりしないと説明し、やっと分かってもらえた。
私と碧ママが人間である事から説明する羽目になったけど。
「ドゥエナリルはメメちゃんに会いに来たんでしょ? そろそろ餌やりの時間だから一緒に来る?」
「メメちゃん? ですか?」
そうか。メメちゃんってお母さんが勝手に名付けただけだから、この子には通じないのね。
にしてもこの子、碧ママに怯えすぎでしょ。私の後ろに隠れて碧ママの様子を伺いながら話しかけてるわ。
まぁ、あんな事言われた後じゃ無理もないか。
「ドゥエナリルの想い人の事よ。うちのお母さんが勝手に名前付けちゃってそれが定着したの。」
「碧さんが考えたんですか? 可愛いあだ名ですね。是非ご一緒したいです。」
「じゃ、歩きながら話そうか。」
「はい!」
ドゥエナリルは私の後ろに隠れながら歩きだした。元気に返事はするけど、碧ママをまだ恐れているみたい。
というか、この子もシューメルと一緒でメメちゃんがペットでも違和感持たないのね。
もしかすると向こうの世界では同族がペット扱いでも忌避感はないのかもしれない。
「ナガツキ家は母が二人いて、碧ママじゃない方のお母さんが名付けたの。」
「お母さんが二人ということは一夫多妻だったんですね。」
「そう言う事。」
「エイミーって言うんだけどね。これがまた可愛い子なんだよ。」
碧ママはお母さんの事となると、まるで好きな子を紹介するかのように自慢げになる。
お父さんにしろ碧ママにしろ、レイアやアーリィもだけど、皆お母さんの事好き過ぎでしょ。
お母さんが言うには「オタサーの姫みたいで少し抵抗あるけど、幸せだからいっか。」と言っていた。
オタサーの姫って何だろう?
「可愛いお母さんって良いですね。私もエイミーさんのようになりたいです。」
多分なれないと思う。
お母さんは最強の生物だから。
「うんうん。ドゥエナリルは分かってるじゃん。君だって可愛いんだから、きっとなれるよ。」
「はい!」
笑顔が眩しいわ。
この子、素直に碧ママの話を聞いているけど実際のお母さんを見たら卒倒するんじゃないかしら?
魔力量が極大過ぎて。
「さ、着いたよ。メメちゃんいるー?」
碧ママが部屋の扉をノックした。
部屋には【メメちゃんのお部屋】と書かれたプレートが張り付けてある。
『おお、碧殿か。入ってくれ。』
「お邪魔しまーす。」
私達は三人で連れ立ってメメちゃんの部屋にお邪魔した。
「今日はメメちゃんのお友達を連れて来たよ。」
『お友達? 我の友人とくれば……洞穴に住んでいるズンダラドッコイ君だろうか?』
誰よそのふざけた名前。
親の顔が見てみたいわ。
「違うって。そんな可笑しな名前の奴じゃなくてさ。」
「そうそう。」
『親からもらった名前を馬鹿にしてはいけない。』
「「す、すみません。」」
『うむ。ズンダラドッコイ君は畑仕事が得意でな。良く農作物をダメにしていた。』
それ、全然得意じゃないわね。
「全然得意じゃないじゃん。」
やっぱり碧ママも同じ事を思ったみたい。
『いや? 得意だぞ。他の事は何をやらせても壊滅的に上手く出来ないが、唯一畑仕事だけはそこそこダメな程度で済んでいる奴なのだ。当然弱いから神でもない。』
なんかこう……知的生命体を食べない繋がりの友達って感じかしら?
「ズンタカドッコイ君の話はもう良いから。」
『ズンダラドッコイ君だ。』
「はいはい。それよりもほら。お客さんだよ。」
碧ママが後ろに隠れているドゥエナリルをメメちゃんの前に立たせた。
「お、お久しぶりです! 私、貴方がずっと好きだったんです! よろしくお願いします!」
え? いきなり告白するの?
『おお、ドゥえnAmリyる。久しいな。』
「はい。ヴィrmえなゲ様もお変わりないようで。」
嘘でしょ。
告白したのに流されてあっさり会話が続いちゃってる。
『ところで、告白の返事は少し考えさせてもらいたい。』
「は、はい。お待ちしております。」
い、一応流してはなかったのね。
良かったわ。
『うむ。じっくりと考えた結果。お付き合いをよろしく頼む。』
早っ!?
どこがじっくりなのよ!
いつ考えたのよ!?
「メメちゃん、本当に考えたの?」
『うむ。勿論だぞ碧殿。真剣に考えた結果ドゥえnAmリyると付き合う事にした。』
「そ、そうなんだ。ところで二人共。聞き取りにくいからこっちの言葉で名前を呼び合ってくれない?」
『おお。人間には聞き取りにくいのだった。ならば我の事はメメちゃんと呼んでもらいたい。』
「は、はいメメちゃん様。では私の事はドゥエナリルとお呼び下さい。」
『うむ。ズンダラドッコイ君に彼女が出来たと教えてやろう。』
へぇ。
「メメちゃんにもそういう感情ってあるのね。」
『勿論あるぞサクラ殿。昔は我もモテモテだったのだ。』
い、意外だわ。
目のくせに。
『二万年程前はまだ目が二つしかなくてな。その時はモテていた。目が増えてからは「たくさんの目で見られているようで嫌よ。」と断られる事が多くてな。すっぱり恋愛は諦めていたのだ。』
「見た目で判断するなんて結構酷いね。」
『うむ。だが見た目というのは重要だ。碧殿とて尻に口が付いている奴とは結婚出来ないだろう。』
「うっ……それはちょっと。」
キス出来ないわね。
「私はメメちゃん様の目が増えても気にしません!」
普通気にするわよ。
まぁ、個人の恋愛に口は出さないけどね。
『有難い。ちなみに碧殿にサクラ殿、ドゥエナリルは美少女ランキング一位だぞ。更に見た目で相手を判断しないという凄く出来た娘だ。』
「唐突に自慢を始めたわね。」
『彼女を自慢するのは必要な事だ。「いやぁ俺の彼女なんて大した事ないっすよー。」なんて言ってみろ。間違いなく傷つける。ならばいっそ自慢してやった方が気持ち良いというものだ。』
「男友達からは良く思われないんじゃない?」
『男には仄めかす程度に自慢しておく。いらぬ嫉妬を買う必要もないからな。』
相変わらず人間よりも人間らしいペットだわ。
婚約出来たのはメメちゃんのお蔭なんだから大事にしよう。
「ちょっと待った!」
『碧殿、どうしかしたのか?』
「エイミーは? エイミーは美少女ランキング入ってないの? 絶対に入ってるはずだよね?」
『エイミー殿は入っていない。』
「何で!?」
碧ママはお母さんの事になると突然元気になる。
『エイミー殿は人妻ランキング一位になっている。人妻は美少女とは判断されないようだ。』
「だったら良いよ。」
良いんだぁ……。
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