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第二章 ルートⅢ
第27話 開戦
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臨時会議から一週間後、イットリウム王国はストレッチ王国へ宣戦布告をした。
イットリウム王国側は防衛の為に兵を集めはしたものの、攻め入るのはナガツキ伯爵家のみ。
貴族達の中にも参加を表明した奴はいたが、はっきり言って邪魔だ。
兵の実力がまるで違うのだから参加させても盾くらいにしかならんだろうし、盾として使い潰すのも忍びない。
そして、ストレッチ王国兵七万五千人に対し、イットリウム王国兵百七人の戦いが始まった。
先ず、結果から言えば敵との第一戦目はこちらの勝利。
ストレッチ王国の先遣部隊五千とぶつかったのだが、エイミー親衛隊二十名が「奴らを生かして帰すなーー!!」と言って合図も無しに突撃してしまい、思い思いに暴れて蹴散らし始めてしまった。
はっきり言って陣形も何もあったものじゃない。エイミー親衛隊なんだからエイミーを守れよ。
確かに奴らを鍛えたのは俺達で、実力とて申し分ない事は理解していた。
だが、圧倒的に多い筈の敵が二十しかいない親衛隊に追い回され、次々と撃破される光景には何の冗談かと目を疑ってしまう。
恐らく、俺は勘違いしていたのだろう。
エイミー親衛隊とはエイミーの敵を地獄の果てまで追い詰める部隊の名前だったのだ。
そして二戦目…………
敵もこちらの兵の質がおかしい事に気付いたのか、全軍で突撃を仕掛けてきた。
「じゃあ、私からいくね?」
エイミーは手を上に掲げ、空中に数えきれない程の握りこぶし大の火の玉を浮かべる。
その数は千どころか万はあるかもしれない。
玉の一つ一つに十分な魔力が込められており、とてもじゃないが俺には真似出来そうにない魔法の使い方だった。
彼女がバッと勢いよく手を下げると、空中に待機していた火の玉が一斉に敵の方向へと飛んでいき、あっという間に敵兵をバタバタと倒していく。
「なぁ。俺達……必要ないんじゃないか?」
「そ、そうかもね。これじゃマシンガンだ……」
ドドドドドド、と小刻みに爆発するような音を連続で出し続ける様は、それこそ新種の地獄でも現れたんじゃないか? と思う程。
「エイミー? 魔力は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。なんかね、さっきから魔力が減らないの。」
魔力が減らない?
「どういう事だ?」
「えっと、何て言えばいいんだろ。魔力を使っても次々と回復されていくような……変な感じがして、少しづつ減ってはいるけど尽きるのはまだまだ先というか……。」
エイミーは魔法で敵を屠りながらとんでもない事を言ってのける。
なんだそれは。
魔法を使用してすぐさま魔力が回復するなどあり得ない。
「元からそのくらいの魔力があったんじゃないか?」
「それはないよ。私も今の発言が不思議だったからエイミーの魔力を注意して見てみたけど、本当に魔力が増えていってる。」
は?
「まさかレベルアップ? いや、そんなはずは……だったら私だってもっと魔力が上っていてもおかしくない。なら…………。」
アオイは考え事をしながら独り言を呟いている。
「なぁ、アオイみたいに能力を持っている、とかはあり得るんじゃないか? エイミーは勇者の先祖返りなんだからな。」
「成る程。敵を倒すと敵の魔力を奪う能力って事ね。でも……ここまで強力な力がデメリット無しって事はないと思う。」
確かにアオイの言う通りだ。
アオイの戦闘思考傍受だって長時間使用する事で頭に痛みを覚え、更に使い続けると頭痛が酷くなる一方だという話だった。
「エイミー。魔法はもう良い。」
「え? うん。でも、まだ半分くらい残ってるよ?」
半分だと?
半分って三万以上も倒したのか!?
信じられん。仮に倒したのだとして……どうやって敵兵の数を把握している。
魔法のせいで敵側は火と煙に覆われ、正確な数なんて目測では分からないというのに。
「半分を倒したにしても早過ぎる。そもそも、何故敵兵の数が分かるんだ?」
「えっとね。魔法を後ろの敵にも当たるように貫通させてみたの。数の把握は生命探知で分かるよ。」
貫通? 生命探知?
そんな事が出来るのか? 聞いた事もないぞ。
「待って! 私、そんなやり方は教えてないよね? エイミーはどこで覚えたの?」
「うん。それは『さぐぬtヴぃらヴんみr』の知識が流れ込んできたから。あっ……でも大丈夫だよ? 前みたいに暴走とかはしないから。」
前みたいに?
訓練中に魔法を暴走させた事でもあるのか?
「ねえ。魔法を暴走させた事なんてないよね? それはいつの話?」
アオイも知らない……?
「あれ? 何で? そうだよね。私、暴走させた事……ない。でも、前に暴走させた事があるような気がして……。」
気のせいという事か?
いや、気のせいなんかでは絶対にない。
エイミーは聞いた事もないような不気味な言葉をはっきりと口にした。
「エイミーは初めて戦争に参加したんだから、自分で思ってる以上に疲れていても不思議じゃないよ。だから後は私達に任せて。」
「う、うん。」
「アオ……」
「じゃ、ちょっと行って来るね!」
アオイは俺の言葉を遮り、無理矢理俺の手を引いてその場を後にする。
「レイベルト、エイミーは何か良くないモノの影響を受けている。」
「良くないモノだと?」
「うん。私はこの戦いが始まる前、王宮にある伝説の勇者桜の日記を見たんだ。そこに書いてあったんだけど……」
アオイの話では、伝説の勇者サクラは超常の存在を召喚した事があり、わけのわからない世界と繋がってしまったのだそうだ。
その副産物として人を殺せば魔力を吸収出来るとの事。
どうも召喚したモノの影響であるらしい。
そして魔力吸収能力とは別に、勇者サクラは死んでもやり直しが出来る固有能力を持っていたのだとか。
「さっきのエイミーの言葉。あれは伝説の勇者桜の日記に書いてあった不気味な言葉そのものだったよ。」
「なんだと!?」
「だから、エイミーに魔法を使わせない方が良い。ここからは私達だけで敵軍に対処しよう。」
「分かった。俺もその案に賛成だ。」
「後多分だけど、エイミーはやり直しも経験していると思う。時々やってもない事をやった気がすると言ったり、知りもしないはずの事を知っていたりと、やり直しの能力と符合する。上手く記憶は引き継げてないみたいだけど……。」
「もしかすると、半端に能力を覚醒しているという事か?」
「十分あり得るね。今は先に敵を倒してしまおうか。この話は戦争が終わってからじっくり話し合えば良いんだから。」
「そうだな。先ずは敵を倒してからだ。」
エイミーを親衛隊に任せ、今度は俺とアオイを筆頭にナガツキ伯爵家の兵で敵を蹴散らしていった。
特に誰かが負傷するという事もなく、あっさりと敵を倒す事が出来たのは僥倖。
しかしエイミーの言う通り、さっきの魔法で敵戦力は半分程削れていた。
彼女が何かの影響を受けているという話は本当かもしれない。
あんなわけのわからない魔法を使えるだなんて聞いた事もない。
生命探知魔法など聞いた事もないのに、確かにエイミーは使えていたのだ。
何かの間違いであって欲しい……そう思っていたアオイの話が…………信憑性を帯びて来た。
イットリウム王国側は防衛の為に兵を集めはしたものの、攻め入るのはナガツキ伯爵家のみ。
貴族達の中にも参加を表明した奴はいたが、はっきり言って邪魔だ。
兵の実力がまるで違うのだから参加させても盾くらいにしかならんだろうし、盾として使い潰すのも忍びない。
そして、ストレッチ王国兵七万五千人に対し、イットリウム王国兵百七人の戦いが始まった。
先ず、結果から言えば敵との第一戦目はこちらの勝利。
ストレッチ王国の先遣部隊五千とぶつかったのだが、エイミー親衛隊二十名が「奴らを生かして帰すなーー!!」と言って合図も無しに突撃してしまい、思い思いに暴れて蹴散らし始めてしまった。
はっきり言って陣形も何もあったものじゃない。エイミー親衛隊なんだからエイミーを守れよ。
確かに奴らを鍛えたのは俺達で、実力とて申し分ない事は理解していた。
だが、圧倒的に多い筈の敵が二十しかいない親衛隊に追い回され、次々と撃破される光景には何の冗談かと目を疑ってしまう。
恐らく、俺は勘違いしていたのだろう。
エイミー親衛隊とはエイミーの敵を地獄の果てまで追い詰める部隊の名前だったのだ。
そして二戦目…………
敵もこちらの兵の質がおかしい事に気付いたのか、全軍で突撃を仕掛けてきた。
「じゃあ、私からいくね?」
エイミーは手を上に掲げ、空中に数えきれない程の握りこぶし大の火の玉を浮かべる。
その数は千どころか万はあるかもしれない。
玉の一つ一つに十分な魔力が込められており、とてもじゃないが俺には真似出来そうにない魔法の使い方だった。
彼女がバッと勢いよく手を下げると、空中に待機していた火の玉が一斉に敵の方向へと飛んでいき、あっという間に敵兵をバタバタと倒していく。
「なぁ。俺達……必要ないんじゃないか?」
「そ、そうかもね。これじゃマシンガンだ……」
ドドドドドド、と小刻みに爆発するような音を連続で出し続ける様は、それこそ新種の地獄でも現れたんじゃないか? と思う程。
「エイミー? 魔力は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。なんかね、さっきから魔力が減らないの。」
魔力が減らない?
「どういう事だ?」
「えっと、何て言えばいいんだろ。魔力を使っても次々と回復されていくような……変な感じがして、少しづつ減ってはいるけど尽きるのはまだまだ先というか……。」
エイミーは魔法で敵を屠りながらとんでもない事を言ってのける。
なんだそれは。
魔法を使用してすぐさま魔力が回復するなどあり得ない。
「元からそのくらいの魔力があったんじゃないか?」
「それはないよ。私も今の発言が不思議だったからエイミーの魔力を注意して見てみたけど、本当に魔力が増えていってる。」
は?
「まさかレベルアップ? いや、そんなはずは……だったら私だってもっと魔力が上っていてもおかしくない。なら…………。」
アオイは考え事をしながら独り言を呟いている。
「なぁ、アオイみたいに能力を持っている、とかはあり得るんじゃないか? エイミーは勇者の先祖返りなんだからな。」
「成る程。敵を倒すと敵の魔力を奪う能力って事ね。でも……ここまで強力な力がデメリット無しって事はないと思う。」
確かにアオイの言う通りだ。
アオイの戦闘思考傍受だって長時間使用する事で頭に痛みを覚え、更に使い続けると頭痛が酷くなる一方だという話だった。
「エイミー。魔法はもう良い。」
「え? うん。でも、まだ半分くらい残ってるよ?」
半分だと?
半分って三万以上も倒したのか!?
信じられん。仮に倒したのだとして……どうやって敵兵の数を把握している。
魔法のせいで敵側は火と煙に覆われ、正確な数なんて目測では分からないというのに。
「半分を倒したにしても早過ぎる。そもそも、何故敵兵の数が分かるんだ?」
「えっとね。魔法を後ろの敵にも当たるように貫通させてみたの。数の把握は生命探知で分かるよ。」
貫通? 生命探知?
そんな事が出来るのか? 聞いた事もないぞ。
「待って! 私、そんなやり方は教えてないよね? エイミーはどこで覚えたの?」
「うん。それは『さぐぬtヴぃらヴんみr』の知識が流れ込んできたから。あっ……でも大丈夫だよ? 前みたいに暴走とかはしないから。」
前みたいに?
訓練中に魔法を暴走させた事でもあるのか?
「ねえ。魔法を暴走させた事なんてないよね? それはいつの話?」
アオイも知らない……?
「あれ? 何で? そうだよね。私、暴走させた事……ない。でも、前に暴走させた事があるような気がして……。」
気のせいという事か?
いや、気のせいなんかでは絶対にない。
エイミーは聞いた事もないような不気味な言葉をはっきりと口にした。
「エイミーは初めて戦争に参加したんだから、自分で思ってる以上に疲れていても不思議じゃないよ。だから後は私達に任せて。」
「う、うん。」
「アオ……」
「じゃ、ちょっと行って来るね!」
アオイは俺の言葉を遮り、無理矢理俺の手を引いてその場を後にする。
「レイベルト、エイミーは何か良くないモノの影響を受けている。」
「良くないモノだと?」
「うん。私はこの戦いが始まる前、王宮にある伝説の勇者桜の日記を見たんだ。そこに書いてあったんだけど……」
アオイの話では、伝説の勇者サクラは超常の存在を召喚した事があり、わけのわからない世界と繋がってしまったのだそうだ。
その副産物として人を殺せば魔力を吸収出来るとの事。
どうも召喚したモノの影響であるらしい。
そして魔力吸収能力とは別に、勇者サクラは死んでもやり直しが出来る固有能力を持っていたのだとか。
「さっきのエイミーの言葉。あれは伝説の勇者桜の日記に書いてあった不気味な言葉そのものだったよ。」
「なんだと!?」
「だから、エイミーに魔法を使わせない方が良い。ここからは私達だけで敵軍に対処しよう。」
「分かった。俺もその案に賛成だ。」
「後多分だけど、エイミーはやり直しも経験していると思う。時々やってもない事をやった気がすると言ったり、知りもしないはずの事を知っていたりと、やり直しの能力と符合する。上手く記憶は引き継げてないみたいだけど……。」
「もしかすると、半端に能力を覚醒しているという事か?」
「十分あり得るね。今は先に敵を倒してしまおうか。この話は戦争が終わってからじっくり話し合えば良いんだから。」
「そうだな。先ずは敵を倒してからだ。」
エイミーを親衛隊に任せ、今度は俺とアオイを筆頭にナガツキ伯爵家の兵で敵を蹴散らしていった。
特に誰かが負傷するという事もなく、あっさりと敵を倒す事が出来たのは僥倖。
しかしエイミーの言う通り、さっきの魔法で敵戦力は半分程削れていた。
彼女が何かの影響を受けているという話は本当かもしれない。
あんなわけのわからない魔法を使えるだなんて聞いた事もない。
生命探知魔法など聞いた事もないのに、確かにエイミーは使えていたのだ。
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