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聖女の暴力編
第47話 聖女の母は笑い過ぎ
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魔神ベーゼブがアンリさんの配下兼友達になった。
正確には元々友達だったそうなので、仲直りしたという表現が適切ね。
「これからどうすれば良いのか相談しよう。」
「そうね。」
私とお母さんは魔界の情勢を知らないので聞くだけに徹する。
「現在争っているのはベーゼブとアドン、それからルシーフとバルバスも戦争中だと聞いてるわ。」
「そうだ。ルシーフとバルバスが争っているのは俺も聞いていた。」
「アドンとは何が原因で戦争になってるの?」
「魔界統一を成し遂げたいのだそうだ。」
世界征服みたいな感じって事かな。
「何それ。馬鹿なんじゃないの?」
「俺もそう思った。魔神同士は相性こそあれど、強さが拮抗しているからそんな事は不可能だと言ってやったさ。」
「でしょうね。どこかしらの勢力が同盟を組むだけでアドンの野望は潰えるわよね。」
成る程。アドンは馬鹿魔神なのね。
「奴には何かしらの策があるのかもな。」
「考えられる事と言えば……他の魔神が持つ魔神核を配下に吸収させようって事かしら? 元が2級とか3級の悪魔なら、今の魔神程には強くならないから、制御出来ると思っているのかも。」
「確かに……それなら強い配下も手に入り、対抗勢力も潰しやすい。その可能性は高いな。」
「ルシーフとバルバスの方は分かる?」
「いや。近年ずっと一触即発状態だった事しか知らん。」
「私と同じか……。」
「俺の希望としては、先に魔神アドンとの戦争を終わらせたい。」
「そうね。丁度戦争中なら、この圧倒的な戦力で潰してやりましょう。」
え? もしかして魔神とまた戦える?
「母さん。アドンと戦うの?」
「そうなるわね。」
「なら、今度こそ私とアリエンナで倒してみたいわ。」
流石お母さん。娘の願いを叶えてくれるのね。
「私も戦いたいです。」
「私は魔力をさほど消費していないし、アリエーンもアリエンナちゃんもさっきの戦いで減るどころか増えてるしね。アドンと戦うのは許可するけど、ヤバそうだったら止めるから。」
仕方ないか。
ベーゼブの配下はアドンの配下を抑える為に各戦場へと散っているそうで、今ならアドンの守りは殆どいないだろうとの事。
「それなら直接アドンの城へと転移するわよ。」
私達はアンリさんの魔法で転移した。
「これがアドンの城……。」
なんかダサい。
城はキノコのような見た目をしていて、ポコポコとあちこちに生えているかのようなデザインだった。
「キノコですね。」
「えぇ。」
「キノコが好きらしい。」
「馬鹿じゃないの?」
お母さん。アドンだって好きなものくらいあるんだから、馬鹿にしちゃダメだと思う。
「それじゃあ行くわよ!」
今回は通常形態のアンリさんとベーゼブが道中の雑魚を蹴散らしてくれた。
そしてアドンのいる部屋へと辿り着く。
「良く来たね。ベーゼブが単騎で来るかと思ったんだけど、まさかアンリまでとは……。もしかして本当に結婚したの?」
「あぁ、実はそう……」
「違うわよ。」
アンリさんが即座に否定した。
ベーゼブは悲しそうに下を向いている。
「だと思った。」
「じゃあ聞くなよ!」
魔神アドンはファッションセンスが壊滅的で、キノコの帽子を被りキノコの肩パットを付けていた。
顔はイケメンなのに……。
ダサい。
「ダッさ。」
「え? ベーゼブが? 確かに彼はダサいけど、そんな事言ったら可哀想だよ。」
アドンは勘違いしているみたい。
「違うわよ。あなたがダサいって言ったの。」
お母さん。そんなハッキリと……。
「えぇ? なかなかイケてると思うんだけどな。強そうじゃない?」
おかしいなぁと頭を掻きながら困った顔を見せるアドン。
「ごめんなさい。あまり強そうには見えません。」
私も柔らかめに素直な気持ちを伝えた。
「うーん。多分君たちはキノコの強さが分からないんだね。ところで……ベーゼブとアンリは分かるけど、この2人は誰だい?」
「私の娘と孫よ。」
「娘のアリエーンよ。」
「孫のアリエンナです。」
私達もしっかり自己紹介をする。礼儀は大事よね。
「そうか、アンリの……。僕は魔神アドン。魔界で一番キノコが好きだから魔神になれたんだ。」
それは流石に変だと思う。
「それにしても……2人ともアンリより美人じゃないか。アンリどんまい。」
「うるさいわよ!」
アンリさんが怒っている。
「アンリ、魔神同士の戦いに娘と孫を連れて来るのは感心しないね。君たち大丈夫かい? もしかしてアンリに虐待されてるなら力になるよ?」
魔神アドンはお母さんと私を心配そうに見つめて来る。
意外と良い人なのかな? 虐待はされてないけど。
「人聞きの悪い事言わないでよ。むしろ私が娘に虐待されたんだから!」
「えぇ!? 何てことだ……アリエーンちゃん。君のお母さんは7万歳の超おばあちゃんだから労わってあげないとダメだよ?」
お母さんが腹を抱えて笑っている。
「失礼ね! これでもまだまだ若いって言われるんだからっ!」
「そりゃぁ悪魔なんだから見た目が若いのは当り前さ。僕が言ってるのは中身の話。最近尿洩れが酷かったりしないかい?」
「ないわよそんなもの!」
お母さんが笑い過ぎて倒れてしまった。
「アリエーン! あんた笑い過ぎっ!」
正確には元々友達だったそうなので、仲直りしたという表現が適切ね。
「これからどうすれば良いのか相談しよう。」
「そうね。」
私とお母さんは魔界の情勢を知らないので聞くだけに徹する。
「現在争っているのはベーゼブとアドン、それからルシーフとバルバスも戦争中だと聞いてるわ。」
「そうだ。ルシーフとバルバスが争っているのは俺も聞いていた。」
「アドンとは何が原因で戦争になってるの?」
「魔界統一を成し遂げたいのだそうだ。」
世界征服みたいな感じって事かな。
「何それ。馬鹿なんじゃないの?」
「俺もそう思った。魔神同士は相性こそあれど、強さが拮抗しているからそんな事は不可能だと言ってやったさ。」
「でしょうね。どこかしらの勢力が同盟を組むだけでアドンの野望は潰えるわよね。」
成る程。アドンは馬鹿魔神なのね。
「奴には何かしらの策があるのかもな。」
「考えられる事と言えば……他の魔神が持つ魔神核を配下に吸収させようって事かしら? 元が2級とか3級の悪魔なら、今の魔神程には強くならないから、制御出来ると思っているのかも。」
「確かに……それなら強い配下も手に入り、対抗勢力も潰しやすい。その可能性は高いな。」
「ルシーフとバルバスの方は分かる?」
「いや。近年ずっと一触即発状態だった事しか知らん。」
「私と同じか……。」
「俺の希望としては、先に魔神アドンとの戦争を終わらせたい。」
「そうね。丁度戦争中なら、この圧倒的な戦力で潰してやりましょう。」
え? もしかして魔神とまた戦える?
「母さん。アドンと戦うの?」
「そうなるわね。」
「なら、今度こそ私とアリエンナで倒してみたいわ。」
流石お母さん。娘の願いを叶えてくれるのね。
「私も戦いたいです。」
「私は魔力をさほど消費していないし、アリエーンもアリエンナちゃんもさっきの戦いで減るどころか増えてるしね。アドンと戦うのは許可するけど、ヤバそうだったら止めるから。」
仕方ないか。
ベーゼブの配下はアドンの配下を抑える為に各戦場へと散っているそうで、今ならアドンの守りは殆どいないだろうとの事。
「それなら直接アドンの城へと転移するわよ。」
私達はアンリさんの魔法で転移した。
「これがアドンの城……。」
なんかダサい。
城はキノコのような見た目をしていて、ポコポコとあちこちに生えているかのようなデザインだった。
「キノコですね。」
「えぇ。」
「キノコが好きらしい。」
「馬鹿じゃないの?」
お母さん。アドンだって好きなものくらいあるんだから、馬鹿にしちゃダメだと思う。
「それじゃあ行くわよ!」
今回は通常形態のアンリさんとベーゼブが道中の雑魚を蹴散らしてくれた。
そしてアドンのいる部屋へと辿り着く。
「良く来たね。ベーゼブが単騎で来るかと思ったんだけど、まさかアンリまでとは……。もしかして本当に結婚したの?」
「あぁ、実はそう……」
「違うわよ。」
アンリさんが即座に否定した。
ベーゼブは悲しそうに下を向いている。
「だと思った。」
「じゃあ聞くなよ!」
魔神アドンはファッションセンスが壊滅的で、キノコの帽子を被りキノコの肩パットを付けていた。
顔はイケメンなのに……。
ダサい。
「ダッさ。」
「え? ベーゼブが? 確かに彼はダサいけど、そんな事言ったら可哀想だよ。」
アドンは勘違いしているみたい。
「違うわよ。あなたがダサいって言ったの。」
お母さん。そんなハッキリと……。
「えぇ? なかなかイケてると思うんだけどな。強そうじゃない?」
おかしいなぁと頭を掻きながら困った顔を見せるアドン。
「ごめんなさい。あまり強そうには見えません。」
私も柔らかめに素直な気持ちを伝えた。
「うーん。多分君たちはキノコの強さが分からないんだね。ところで……ベーゼブとアンリは分かるけど、この2人は誰だい?」
「私の娘と孫よ。」
「娘のアリエーンよ。」
「孫のアリエンナです。」
私達もしっかり自己紹介をする。礼儀は大事よね。
「そうか、アンリの……。僕は魔神アドン。魔界で一番キノコが好きだから魔神になれたんだ。」
それは流石に変だと思う。
「それにしても……2人ともアンリより美人じゃないか。アンリどんまい。」
「うるさいわよ!」
アンリさんが怒っている。
「アンリ、魔神同士の戦いに娘と孫を連れて来るのは感心しないね。君たち大丈夫かい? もしかしてアンリに虐待されてるなら力になるよ?」
魔神アドンはお母さんと私を心配そうに見つめて来る。
意外と良い人なのかな? 虐待はされてないけど。
「人聞きの悪い事言わないでよ。むしろ私が娘に虐待されたんだから!」
「えぇ!? 何てことだ……アリエーンちゃん。君のお母さんは7万歳の超おばあちゃんだから労わってあげないとダメだよ?」
お母さんが腹を抱えて笑っている。
「失礼ね! これでもまだまだ若いって言われるんだからっ!」
「そりゃぁ悪魔なんだから見た目が若いのは当り前さ。僕が言ってるのは中身の話。最近尿洩れが酷かったりしないかい?」
「ないわよそんなもの!」
お母さんが笑い過ぎて倒れてしまった。
「アリエーン! あんた笑い過ぎっ!」
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