63 / 87
古代の聖女編
63 ゴロツキに絡まれる、ですわ 前編
しおりを挟む
セリア、キャロル、ドゥルジナスの3人は絡まれる為だけに街へと繰り出す。
ケイスは仕事があるので、公爵邸で留守番だ。
「絡まれた際、聖なる暗黒魔法は使用しない方が良いのでしょうか?」
ドゥルジナスは絡まれる事が少し不安なようで、魔法の使用に関して尋ねた。
「やめておいた方が良いよ。前はそれで死んじゃったんだから。」
「あの時は加減出来なくてですね……。」
「だとしても、生命力を消費する魔法は危険なので使用しない事をオススメ致しますわ。」
「仕方ありません。大人しく普通の女性のように絡まれる事にします。」
渋々と返事をする彼女。
「最初はどういう絡まれ方をするつもりだったのさ……。」
「聖なる暗黒魔法で醜い心を浄化してあげようかと。」
「それだと男の子が助けてくれませんわ。むしろ悲鳴をあげて逃げるのでは?」
「そうでしょうか? ホーリーな感じで男の子が寄ってくると思ったのですが……」
それは絶対にナイ。そう思うセリアとキャロルであった。
「暗黒魔法だと、見た目がグロいからダメでしょ。アッポーパイ食べた時の魔法なんてヒドイものだったよ?」
「えぇ? 可愛いですよ?」
「流石にあれは私もナイと思いますわ。」
ドゥルジナスはあまり納得いっていないようだった。
「ここ一万年で美的感覚が変わってしまったのでしょうか。」
「一万年前だって、アリかナシかで言えばナシだと思うなぁ。」
何かを見つけたのか、セリアが急に立ち止まる。
「見て下さいな。あの方なんて、絡まれるのにうってつけな殿方ではございませんか?」
絡まれるのに適任な者とは果たしてどういう意味なのか。
セリアが示した方には粗野な見た目のザ・ゴロツキという風貌の男がいた。
「ほんとだ。いかにもゴロツキって感じだね。」
「では行ってきます。」
「私達は離れて様子を見る事に致しますわ。」
「行ってらっしゃーい。」
ドゥルジナスはゴロツキ風の男に近づいていていき……
横を素通りしてしまった。
「絡んでいきませんわね。」
「そうだね。見た目がゴロツキなだけで、普通の人だったのかな。」
「そんなワケありませんわ。それに、これだと助けてくれる男の子が登場しないじゃありませんか。」
セリア達の所へ戻ってくるドゥルジナス。彼女は作戦の失敗を告げる。
「あれ程接近しても絡まれませんでした。」
ケイスは仕事があるので、公爵邸で留守番だ。
「絡まれた際、聖なる暗黒魔法は使用しない方が良いのでしょうか?」
ドゥルジナスは絡まれる事が少し不安なようで、魔法の使用に関して尋ねた。
「やめておいた方が良いよ。前はそれで死んじゃったんだから。」
「あの時は加減出来なくてですね……。」
「だとしても、生命力を消費する魔法は危険なので使用しない事をオススメ致しますわ。」
「仕方ありません。大人しく普通の女性のように絡まれる事にします。」
渋々と返事をする彼女。
「最初はどういう絡まれ方をするつもりだったのさ……。」
「聖なる暗黒魔法で醜い心を浄化してあげようかと。」
「それだと男の子が助けてくれませんわ。むしろ悲鳴をあげて逃げるのでは?」
「そうでしょうか? ホーリーな感じで男の子が寄ってくると思ったのですが……」
それは絶対にナイ。そう思うセリアとキャロルであった。
「暗黒魔法だと、見た目がグロいからダメでしょ。アッポーパイ食べた時の魔法なんてヒドイものだったよ?」
「えぇ? 可愛いですよ?」
「流石にあれは私もナイと思いますわ。」
ドゥルジナスはあまり納得いっていないようだった。
「ここ一万年で美的感覚が変わってしまったのでしょうか。」
「一万年前だって、アリかナシかで言えばナシだと思うなぁ。」
何かを見つけたのか、セリアが急に立ち止まる。
「見て下さいな。あの方なんて、絡まれるのにうってつけな殿方ではございませんか?」
絡まれるのに適任な者とは果たしてどういう意味なのか。
セリアが示した方には粗野な見た目のザ・ゴロツキという風貌の男がいた。
「ほんとだ。いかにもゴロツキって感じだね。」
「では行ってきます。」
「私達は離れて様子を見る事に致しますわ。」
「行ってらっしゃーい。」
ドゥルジナスはゴロツキ風の男に近づいていていき……
横を素通りしてしまった。
「絡んでいきませんわね。」
「そうだね。見た目がゴロツキなだけで、普通の人だったのかな。」
「そんなワケありませんわ。それに、これだと助けてくれる男の子が登場しないじゃありませんか。」
セリア達の所へ戻ってくるドゥルジナス。彼女は作戦の失敗を告げる。
「あれ程接近しても絡まれませんでした。」
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません

【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
秋月一花
恋愛
公爵令嬢のカミラ・リンディ・ベネット。
彼女は階段から降ってきた誰かとぶつかってしまう。
その『誰か』とはマーセルという少女だ。
マーセルはカミラの婚約者である第一王子のマティスと、とても仲の良い男爵家の令嬢。
いつに間にか二人は入れ替わっていた!
空いている教室で互いのことを確認し合うことに。
「貴女、マーセルね?」
「はい。……では、あなたはカミラさま? これはどういうことですか? 私が憎いから……マティスさまを奪ったから、こんな嫌がらせを⁉︎」
婚約者の恋人と入れ替わった公爵令嬢、カミラの決断とは……?
そしてなぜ二人が入れ替わったのか?
公爵家の令嬢として生きていたカミラと、男爵家の令嬢として生きていたマーセルの物語。
※いじめ描写有り

二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。
当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。
しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。
最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。
それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。
婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。
だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。
これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる