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フェルミト王国編
31 聖女の邂逅 前編
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「そう言えば白鳥さんは?」
「言われてみれば……どこかへ出掛けてしまったんでしょうか?」
白鳥は最近、脚を使って扉を開ける事が出来るようになったのだ。したがって、誰かの助けを借りる事なく好きな所へ行っていたりする。
「居ないのは仕方ないから、私達も観光に出てみようか。」
「そうしましょう。」
2人は部屋の扉を開けると、誰かと一緒にいる白鳥を見つけた。
白鳥と一緒に居る人は2人の男女だった。
男はどこにでもいそうな冒険者。
しかし女は、見た事が無い程の美人。神が地上へ遣わしたのかと思う程の美しさであった。
「こんにちは。」
キャロルが声を掛ける。
「こんにちは。この白鳥さんはあなた方のペットですか?」
信じられない程の美人から問いかけられる。
(ペット? そうなのでしょうか? でも合成魔法も教わりましたし……)
「ペットであり、師匠でもありますわ。」
セリアは堂々と恥じる事もなく言ってのけた。
「エキセントリックな師匠ですね。」
「おい。流石に失礼だろ。」
2人の掛け合いを何となく見ているセリアとキャロル。
白鳥が大人しい所を見れば、悪い人間ではなさそうだと判断出来る。
「エキセントリックとは、どんな意味なんですの?」
セリアは純粋に疑問だった。
(もしかして外国語ですの?)
「一言で言えば、ブッ飛んでるという意味です。」
「こら。あーと、すみませんね。こいつは幼い頃の人付き合いが不十分で、時々変な事を言うもんでして……」
(もしや、私がブッ飛び公爵令嬢だと知っての発言でしょうか?)
「……あなたは私の事を御存じですの?」
「いえ。初対面ですので、存じ上げませんが。」
(彼女から漂う気品……どこかの貴族なのでしょうか?)
「そうですか。私セリア=ベリオーテと申しますわ。イリジウム王国の現ベリオーテ公爵夫人でございまして、結婚以前はブッ飛び公爵令嬢と呼ばれ親しまれておりました。」
「私はキャロル。セリアの友人で聖女やってます。」
「聖女様だと!?」
セリアとキャロルが自己紹介を行うと、冒険者の男が強い反応を示した。
「失礼。あー、実は俺のツレも聖女でして。」
「申し遅れました。ドゥーにて冒険者を生業としております、聖女アリエンナでございます。」
「俺は冒険者のギャモーってんだ。アリエンナとはパートナーだ。」
(まさか……3人目の聖女が見つかりましたの?)
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男はどこにでもいそうな冒険者。
しかし女は、見た事が無い程の美人。神が地上へ遣わしたのかと思う程の美しさであった。
「こんにちは。」
キャロルが声を掛ける。
「こんにちは。この白鳥さんはあなた方のペットですか?」
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「おい。流石に失礼だろ。」
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白鳥が大人しい所を見れば、悪い人間ではなさそうだと判断出来る。
「エキセントリックとは、どんな意味なんですの?」
セリアは純粋に疑問だった。
(もしかして外国語ですの?)
「一言で言えば、ブッ飛んでるという意味です。」
「こら。あーと、すみませんね。こいつは幼い頃の人付き合いが不十分で、時々変な事を言うもんでして……」
(もしや、私がブッ飛び公爵令嬢だと知っての発言でしょうか?)
「……あなたは私の事を御存じですの?」
「いえ。初対面ですので、存じ上げませんが。」
(彼女から漂う気品……どこかの貴族なのでしょうか?)
「そうですか。私セリア=ベリオーテと申しますわ。イリジウム王国の現ベリオーテ公爵夫人でございまして、結婚以前はブッ飛び公爵令嬢と呼ばれ親しまれておりました。」
「私はキャロル。セリアの友人で聖女やってます。」
「聖女様だと!?」
セリアとキャロルが自己紹介を行うと、冒険者の男が強い反応を示した。
「失礼。あー、実は俺のツレも聖女でして。」
「申し遅れました。ドゥーにて冒険者を生業としております、聖女アリエンナでございます。」
「俺は冒険者のギャモーってんだ。アリエンナとはパートナーだ。」
(まさか……3人目の聖女が見つかりましたの?)
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