【完結】ブッ飛び公爵令嬢の楽しい契約結婚講座。(今ならたったの金貨1枚ですわ。)

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夫婦円満の秘訣編

10 商売繁盛ですわ 後編

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翌朝

 旦那様は思った以上に私に夢中になって下さっているようですわ。

 ただ一つ誤算が……

 週に三回位ならアメを与えても良いと思ってしまいましたわ。

「くぅぅっ! 自身の素直な体が恨めしいですわっ!」

 それにしても、お互い初めてとは思えない程にすんなりと……。もしかしてマリアージュ様とも?

 未婚の貴族令嬢を傷物にするのは、かなりマズいのですが……


 バンっ!


「奥様、大変です!」

 一人の兵士が扉を勢い良く開け放つ。

「どうしました? 騒がしいですわね。」

「失礼しました。魔道具工房が……」

(そんなに慌てて、何かトラブルでもあったのかしら?)

「とんでもない大行列が出来ております!」

「大繁盛で良いんじゃないかしら。」

「暴動になりかけているんです!」

 あら? 



魔道具工房にて


「売ってくれー!」
「俺もだ!」
「私が先よ!」
「うるせーどっか行け!」
「今お尻触ったの誰よ!?」
「早く進め!」

「「「「「「センタックン! センタックン! センタックーーン!!!」」」」」」



(うわぁ……ですわ。)

「ゴブリンの大合唱みたいになっていますわね。」

「はい。」

「いつからベリオーテ領都は魑魅魍魎が跋扈する魔都になり果てたんですの?」

「朝からずっとこの調子でございます。」

 先程報告を持ってきた兵士が答える。

「仕方ありませんわ。」

 セリアは一人の兵士に肩車をしてもらい、メガホンを取り出し大声で叫ぶ。

『静粛に!!』

 辺りが静まり返る。

『この度はセリア魔道具工房に足を運んで頂きありがとうございます!』

(良し良し。皆さんお話を聞いてくれそうですわ。)

『商品の在庫には限りがございますので、購入出来なかった方の為に、只今から予約の受付を致します! 整理券をお配り致しますので、静かにお待ちください!』

「ありがとうございますわ。」

 セリアが肩車をしてくれた兵士にお礼を言うと……

「こちらこそありがとうございました!」

 逆に礼を言われてしまう。

 そして彼女は気付いてしまった。

(は、はずかしいですわ。この兵士さん。昨日の旦那様と同じ目をしているわ。)

「さ、さあっ! 紙に番号を書いてお配りして来て下さい!」

「は、はい!」

(ふぅ。襲われるかと思いましたわ。)



 せいりけんって何だ?
 知らん
 聞いた事無いな
 渡すって言ってるし、何かくれるんだろ
 私生理よ?
 私もー
 それならもう貰ってる事になるのか?


 一人一人の声は小さいが、それでもこの大人数だと大きなざわめきとなっている。




 そして肩車をした兵士は後にこう語る。


 奥様の太もも? ああ。最高だったよ。ここで人生終わっても良いとさえ思ったさ。

 嫁がいるだろって? バカだなぁ。奥様みたいな女なら目移りしても仕方ないって許してくれるさ。 


 その兵士は嫁に告げ口され、太ももで首を絞められ失神したのだとか……。

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