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ーー告白ーー
しおりを挟む金曜の帰り道、尚が傑のことを大切な男友達と思ってることを知って、嬉しい反面、自分が同じ気持ちではないことをはっきりと突きつけられて、傑は落ち込んでいた。
尚に対するこの気持ちは、友達とは違う。他の人に取られたくない、自分だけの尚でいて欲しいと日に日にその気持ちは増しているた。
今尚の顔を見ると、自分がどうにかなってしまいそうで、音楽準備室には行くことができずにいた。
すると、綾が話しかけてきた。
綾「今日は行かないんだ」
傑「。。。。。。」
綾「色々あるよねぇ」
傑「わかったような口聞くな」
綾「ほんと傑って素直じゃないよね。あとで後悔しても知らないよ?たまには感情のままに動いてみてもいいんじゃない?最近の傑、人間らしくて好きだったんだけどな」
傑「お見通しってわけ」
綾「当たって砕けたっていいじゃん。今まで何もしなさすぎだよ。たまには自分から頑張ってみなよ。」
傑「。。。。わかった」
綾に背中を押され、傑は音楽準備室に向かったはいいが、気持ちは整理できずにいた。とりあえず尚の誤解を解いて元の関係に戻りたい。告白はまだしたくないと思っていた。
傑「尚!遅くなった」
傑がドアを開けた。
尚はサックスを吹くのをやめ、傑を見た。
尚「もう来ないかと思った」
尚は嬉しそうな、泣きそうな顔で傑を見た。
傑は思わず尚に駆け寄り、強く抱き寄せた。
尚「傑。。。。?」
傑「昨日はごめん。ずっとこの気持ちは隠しとくつもりだったけどやっぱり無理だ。尚のこと、大切な友達だけど。。。。友達として見れない」
尚「どういうこと?」
傑は、尚の顔に優しく触れた。
傑「尚のことが好きなんだ。どうしようもないくらいに」
尚「え。。。。。」
傑「尚のとこ、俺ははじめから友達なんて思えなかった。ここで会うようになる前からずっと気になってて、話すともっと好きになって。黙っとくつもりだったけど、今伝えたいって思ったんだ」
傑は尚から少し距離をとった。
傑「ごめんな。困らせて。尚は友達として必要としてくれてるって分かってる。これからも今まで通り友達でいたい」
傑は尚の頭をポンポンと撫でて、また来るねと言ってそのまま部屋を後にした。
突然の傑の告白に驚いた尚は、しばらくそこから動くことができなかった。
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