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どうも乙女ゲームの悪役令嬢です

どうやら何事もなく家の帰るのは難しい様です…。

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  「セインド公。突然の呼び出し、誠に申し訳なく思っている。」

「はっ。陛下もお変わりなく。」

私の斜め前で国王陛下と言葉を交わしているお父様は、いつもの数百倍かっこいい。

「実は今回の呼び出しはセインド公爵令嬢に用があってな。だが一人では心細いかと思ってセインド公、そなたも呼び出したのだ。」

脳内がパニック状態に陥る。
えっ?私!?

「セインド公と令嬢以外の皆は下がってくれ。」

はっ、と今まで周りにいた大臣であろう方たちが頭を下げどんどん退室していく。
正直めちゃめちゃ心細い。

「本題に入るが、前からセインド公は令嬢に魔法などの色々な講師を付けることを検討していたと思うのだが、少し前から私も第二王子に講師を、と考え出したのだ。だが、第二王子はものすごい臆病者でな。だからセインド公の令嬢も一緒に、と思ったのだ。」

なるほど、とお父様は頷く。

「もしそうなるのなら令嬢の費用もこちらが支払おう。もちろん、講師も一流ぞろいだ。この条件でどうだろうか。」

再びお父様はなるほどと言ったっきり何も言わない。悩んでいるのだろう。その前に私はこの世界に魔法がある事すら知らなかったが。魔法ってどんなものなのだろうか。属性とかあったりするのかな。楽しいのかな。それともしんどい?魔法に対する興味がどんどん押し寄せてくる。

「お父様!魔法、やってみたいです!」

気付けばお父様にそう言い放っていた。
お父様は分かった、と頷き、国王陛下を見る。

「承知いたしました。よろしくお願いします。ただ、費用はこちらで支払いますがよろしいでしょうか。」

国王陛下はうむ、とあっさり承諾して下さる。

「という訳で、令嬢は少し借りるが、いいかな?」

「はっ!」

…本当に何事もなく変える事が出来るのだろうか。
今になって不安になってきたリズリであった。
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