美形しかいない乙女ゲームの中の悪役令嬢に転生してしまったのですが誰か助けてください…。

桜叶

文字の大きさ
上 下
13 / 23
どうも乙女ゲームの悪役令嬢です

どうやら国王陛下に呼び出しをくらった様です…。

しおりを挟む
 バンッ!!!

部屋が勢いよく開いた。ルナだ。

「リズリ様!今すぐドレスを着替えますよ!」

「えっどうしたの!?」

「国王陛下がセインド公爵殿下とリズリ様を王宮にとのことです!」

聞きたいことは色々あるが国王陛下ともなればもたもたしては居られない。
早急に余所行きのドレスに着替えなければ。

「ルナさん!このドレスで良いかしら?」

ええ、とルナは召使いから水色のドレスを受け取る。
袖が特徴的で、落ち着いた色なので、個人的には気に入っているドレスだ。
きっとルナが私がカチンコチンになるのが分かっているからわざわざ私のお気に入りを頼んでくれたのだろう。

「出来ましたよリズリ様!頑張ってきてくださいね!」

そう言ってルナはガッツポーズをする。ええ!と私もルナにガッツポーズを返した。

☆彡★彡

「久しぶり、リズ。」

お父様がニコッと笑う。同じ屋敷に居る筈なのに、お父様と話すのは本当に久しぶりだ。

「お久しぶりです、お父様。」

ドレスの裾を持ち上げて礼をしながら挨拶をする。

「私が知らない間にまた大きくなったなぁ。」

お父様は少し切なそうな笑顔を見せた。これはお父様と会うたびに言われる事だ。
お父様は公爵なこともあってとても忙しい。自分が知らない間にどんどん成長して行く私を見て少し寂しいのだろう。

「ルナも元気にしているか?」

「はい。とても。」

馬車の中で繰り広げられるのは本当に何気ない親子の会話だ。
ただ、そんな何気ない時間の大切さも、公爵令嬢になって記憶を取り戻して学んだことでもある。

「そろそろ着くよ。」

お父様がふいに窓の外を見て言う。
私も窓の外を見る。

「わあ、久しぶりにみたらやっぱり綺麗だわ。」

思わずそう呟いてしまう。
馬車が止まり、降りる。

「いいかい、リズリ。お前なら大丈夫だと思うが、絶対に無礼の無いようにな。」

お父様の言葉にはい、と答え、門をくぐると、待っていた召使いがこちらです、と案内してくれる。
いつもはなごなごとしたオーラをまとっているお父様も、今日はキリッとしていた。
大きな両開きの扉の前で召使いは立ち止まると、取っ手を持ってお父様を見る。
お父様が頷くと、見張りの兵と召使いが扉が開いた。

「大丈夫だ。」

そうささやいて前をお父様が歩き出す。
私も後に続きながら必死に願うのは1つだ。
どうか無事に帰れますよーに!!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

イケメンに愛されてみたかったので異世界転生させてもらうことにしました

時雨 雪
恋愛
トラックにはねられてあっけなく死んでしまったくるみ、くるみの死ぬ間際の願いは「少しでもいいから、イケメンに愛されてみたかった!!」そんな彼女の、皆も一度は願っただろう乙女の願いを叶えたのは、超イケメンの猫耳神様?!超イケメン猫耳神様は、ありがたいことにくるみが前世で大好きだったゲーム「桜散るころに」という乙女ゲームの世界に転生させてくれるという。くるみの乙女な願いは果たして叶うのだろうか?!

過程をすっ飛ばすことにしました

こうやさい
ファンタジー
 ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。  どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?  そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。  深く考えないでください。

その国外追放、謹んでお受けします。悪役令嬢らしく退場して見せましょう。

ユズ
恋愛
乙女ゲームの世界に転生し、悪役令嬢になってしまったメリンダ。しかもその乙女ゲーム、少し変わっていて?断罪される運命を変えようとするも失敗。卒業パーティーで冤罪を着せられ国外追放を言い渡される。それでも、やっぱり想い人の前では美しくありたい! …確かにそうは思ったけど、こんな展開は知らないのですが!? *小説家になろう様でも投稿しています

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

執着系逆ハー乙女ゲームに転生したみたいだけど強ヒロインなら問題ない、よね?

陽海
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生したと気が付いたローズ・アメリア。 この乙女ゲームは攻略対象たちの執着がすごい逆ハーレムものの乙女ゲームだったはず。だけど肝心の執着の度合いが分からない。 執着逆ハーから身を守るために剣術や魔法を学ぶことにしたローズだったが、乙女ゲーム開始前からどんどん攻略対象たちに会ってしまう。最初こそ普通だけど少しずつ執着の兆しが見え始め...... 剣術や魔法も最強、筋トレもする、そんな強ヒロインなら逆ハーにはならないと思っているローズは自分の行動がシナリオを変えてますます執着の度合いを釣り上げていることに気がつかない。 本編完結。マルチエンディング、おまけ話更新中です。 小説家になろう様でも掲載中です。

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)

田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ? コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。 (あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw) 台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。 読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。 (カクヨムにも投稿しております)

神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか

佐藤醤油
ファンタジー
 主人公を神様が転生させたが上手くいかない。  最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。 「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」  そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。  さあ、この転生は成功するのか?  注:ギャグ小説ではありません。 最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。 なんで?  坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。

ざまぁされるのが確実なヒロインに転生したので、地味に目立たず過ごそうと思います

真理亜
恋愛
私、リリアナが転生した世界は、悪役令嬢に甘くヒロインに厳しい世界だ。その世界にヒロインとして転生したからには、全てのプラグをへし折り、地味に目立たず過ごして、ざまぁを回避する。それしかない。生き延びるために! それなのに...なぜか悪役令嬢にも攻略対象にも絡まれて...

処理中です...