美形しかいない乙女ゲームの中の悪役令嬢に転生してしまったのですが誰か助けてください…。

どうも乙女ゲームの悪役令嬢です

どうやらここは乙女ゲームの世界の様です…。

　今まで触れて来なかったが、前世の記憶がよみがえり、もう一つ思い出したことがある。
それは私が前世、乙女ゲーム好きの乙女ゲーマーだったということである。
そして今一番問題なのは…

「私が前世好きだった乙女ゲーム『光の花園』の悪役令嬢が私だということよ！」

机に向かって突っ伏す。
ヤバい、ヤバいヤバいヤバい！

「いけないわリズリ。まずは一旦落ち着いて整理してみる事からよ。」

☆彡★彡

乙女ゲーム『光の花園』
舞台は貴族・王室の通う王立学園。
この王立学園は12歳から入学となっているが、16歳からの編入も許されている。
ヒロイン令嬢　ミエラ・マーフィーもその編入生の中の一人として編入するところから、ストーリーは始まる。
４人の攻略対象たちはミエラのその美しい容姿、優しい内面に心を奪われていくのだ。
ちなみに編入試験の壁は12歳の入試よりも遥かに高く、編入生はいわば向こうの世界での特待生のようなもの。その頭脳明晰さは悪役である私も保証する。
そんなミエラの前へ立ちはだかるのがこの私。リズリ・ヘレン・セインドだ。(リズは第一王子のリオンコースで登場するよ！)
子爵令嬢である彼女が自分より低い身分であるのをいいことに、彼女をいじめ、それがリオンに見つかって身分剥奪の上国外へさよなら。そして二人はめでたく結ばれ、めでたしめでたし。

☆彡★彡

それがハッピーエンドで迎える私の結末。バッドエンドの場合は死が待っている。
明らかに悪者なリズリだが、私はリズリ推しだった。
悪役令嬢　リズリがいじめをした理由。
それは自分がどれだけ前に立っても、私を見てと言っても見てはくれないリオンが、子爵令嬢であるミエラには優しい眼差しを向けたからだ。
いじめが見つかった時、初めて彼の目線が自分に向いたと思ったら、あっけなく切り離されてしまう。そんな悲しい人なのだ。

「ねえ、私を見て。一度でいいから…一度でいいから…。」

最後までリズが口にしていたその願いを、前世の自分と重ねたのだろう。

「だけど私はそんな悲しい人生を送る気はないわ！」

私は突っ伏していた顔を上げ、天井をに向かって宣言した。