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私が…公爵令嬢ですって!?
どうやらお母様は私を溺愛している様です…。
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公爵令嬢 リズリ・ヘレン・セインドの誕生から早9年。
リズリは自室で一人読書を楽しんでいた。専属侍女 ルナは落ち着いて本を読みたいからと言って下がらせている。
バンッ!!
いきなり扉が開いた。驚いて振り返ると、母であるリリィが入ってきていた。
「お、お母様…。」
私と顔を合わせるなりお母様はにこやかに微笑み、そして言った。
「とてもかわいらしい子供用のドレスを仕立てるという仕立て屋を今日行ったお茶会で教えて頂いたの!1週間で出来あがると聞いたからリズの出生記念パーティーにぜひと思って早速オーダーしてきたわ!」
「でもお母様…この間もドレスをオーダーしたと聞きましたが…。」
「えぇ!そちらのドレスは明日届く予定よ!!」
私は思わずため息を漏らした。この通り、娘を溺愛しすぎるお母様に。
「お母様、これでドレスは何着目ですか。わたくしはまだ9歳でそんなに沢山パーティーに呼ばれることはないのですよ?」
「だぁって探そうと思ってもなかなかリズに見合うドレスが見つからないんですもの。見つけたら即買わねばチャンスは逃げて行きます。」
「だからって…んもう今さら言ってもオーダーしてしまっているものは仕方がありませんね。次からはちゃんと考えてからオーダーして下さい。いや、サイズが変わるまではドレスは買わないでください。」
え~、と明らかにしょんぼりしている様子のお母様。
「奥様!ウィリアムズ公爵夫人がいらっしゃいました!」
その瞬間、ルナが来客の報告をしに来た。
「あら、もう約束の時間かしら?」
そう言ってお母様は部屋を出ると、応接間の方へと歩いて行った。
お母様がいなくなった部屋の中はいきなり静かになる。
私はふと鏡を見た。毛先がカールしたミルキーブロンドの髪色に青みがかったグレーの瞳。そして整った顔立ち。
パーティーに出席すると必ずこの外見は夫人の中でささやかれ、あっという間に注目の的となる。
そのため、私はパーティーすら好きではないのに、社交界デビューの事を考えるとクラッとしてくるが、公爵令嬢がパーティーを拒否するなどあってはならない事態である。
私は再び重たいため息をつき、本へ目を戻した。
リズリは自室で一人読書を楽しんでいた。専属侍女 ルナは落ち着いて本を読みたいからと言って下がらせている。
バンッ!!
いきなり扉が開いた。驚いて振り返ると、母であるリリィが入ってきていた。
「お、お母様…。」
私と顔を合わせるなりお母様はにこやかに微笑み、そして言った。
「とてもかわいらしい子供用のドレスを仕立てるという仕立て屋を今日行ったお茶会で教えて頂いたの!1週間で出来あがると聞いたからリズの出生記念パーティーにぜひと思って早速オーダーしてきたわ!」
「でもお母様…この間もドレスをオーダーしたと聞きましたが…。」
「えぇ!そちらのドレスは明日届く予定よ!!」
私は思わずため息を漏らした。この通り、娘を溺愛しすぎるお母様に。
「お母様、これでドレスは何着目ですか。わたくしはまだ9歳でそんなに沢山パーティーに呼ばれることはないのですよ?」
「だぁって探そうと思ってもなかなかリズに見合うドレスが見つからないんですもの。見つけたら即買わねばチャンスは逃げて行きます。」
「だからって…んもう今さら言ってもオーダーしてしまっているものは仕方がありませんね。次からはちゃんと考えてからオーダーして下さい。いや、サイズが変わるまではドレスは買わないでください。」
え~、と明らかにしょんぼりしている様子のお母様。
「奥様!ウィリアムズ公爵夫人がいらっしゃいました!」
その瞬間、ルナが来客の報告をしに来た。
「あら、もう約束の時間かしら?」
そう言ってお母様は部屋を出ると、応接間の方へと歩いて行った。
お母様がいなくなった部屋の中はいきなり静かになる。
私はふと鏡を見た。毛先がカールしたミルキーブロンドの髪色に青みがかったグレーの瞳。そして整った顔立ち。
パーティーに出席すると必ずこの外見は夫人の中でささやかれ、あっという間に注目の的となる。
そのため、私はパーティーすら好きではないのに、社交界デビューの事を考えるとクラッとしてくるが、公爵令嬢がパーティーを拒否するなどあってはならない事態である。
私は再び重たいため息をつき、本へ目を戻した。
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