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22.男が喜ぶさしすせそ
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何と頑固な女だ。
青磁は目の前の虹子を見つめ返した。
分かっていても、そうかもと流されてくれても良かったろうに。
自分でも条件は悪くないと分かっている。
だが、虹子は違和感に常に忠実。
そう気づいたら、そう思ったら、やっぱりどうにかせねばと思ってしまう。
分かった、と青磁はソファに座り直した。
「言い分も気持ちも分かった。なあ、いつも俺ばっか喋ってた気がする。・・・あれは何で」
それに気づいたのも最近だ。
彼女はいつも、自分の話をうんうん言って聞いていた。
だから、好かれているのだと思っていた。
それを、姉の柚雁は嗤った。
「男心を掴む、つまり男を喜ばせるさしすせそってあるんだけど。さすがー、しらなかったー、すてきー、センスいいー、尊敬しまーす。・・・これがビジネス・女の、男との会話、よ。これされてるうちは逆に好かれてないと思っていい。虹子はそんなこと言わなかったじゃない?嫌われてはないでしょ。ただ、アンタの話を聞いてただけなのよ。まあ、さしすせそがキャバ嬢なら、うんうん聞いてるのは傾聴、つまり介護ね。アンタね、面倒見てるつもりで面倒見られてたのよ。バーカ」
これがまたハートを切り裂いた。
「そうそう。人生はいいものよと教えられて育った女の子が何もないうちに納得できる程の物件じゃないのよ、アンタは」
と、母も言った。
更にハートを踏みつけられたようだった。
「・・・虹子は自分の事、話さなかったもんな」
「だって。私なんて話すべき事なんかないものね。青磁に比べたら、何だって足りないもの。話したって仕方ないでしょ。会話になりようないもの。逆に言えば、何でこの人、相手のわからない話をずーっと人に聞かせてられるんだろうと不思議だった」
正直に言われて、ぶん殴られたような気分。
「・・・いや、本当、それは、すいません・・・。嫌われても仕方ないです。それは、姿を見たら逃げだされても仕方ない」
「嫌ってはないのよ。ゴキブリみたいに言わないでいいよ」
「・・・そこまでは言ってない」
あ、ごめん、と虹子がまた謝った。
「・・・まあ、何だか。ガクッと来たような、ホッとしたような気がする」
まずは、嫌われたわけではなかった。
それが一番嬉しかった。
謝罪されに来たわけじゃなくて。怒りに来たわけでもなくて。連れ戻しに来たわけでもない。
じゃあ、何しに来たのかと思えば。
捨てないで欲しいと縋りに来たのだ、と気付いた。
情けないが、それは確信。
青磁が揚げ餃子のようなものをかじっている虹子を眺めた。
この状況で餃子なんか食ってんなよ、と思ったが、よく見てみれば、ああ、ちっこいクロワッサンか、と気付いた。
じっと見られていて、食べたいのだろうと思ったらしい。
虹子が青磁にも差し出した。
「これね、飴がけしてあって。私考えて作ったの。結構人気あるのよ。パイナップル味」
嬉しそうに言う。
店を手伝っていて、最近では厨房も手伝っている。
他にも、虹子考案で商品となっているパンやお菓子があるのだと言った。
「桜ちゃんと旦那さんが夜に付き合ってくれて、試食してくれるの。で、二人からOKが出たらお店に並べてもいいって」
桜は基本的に日本風の菓子パンは大好きだし、航空会社勤務のアメリカ人の夫は甘ければ何でもうまいうまいと言うので、それはそれでまた難しいのだが。
「・・・飴と、パン・・・???」
チョコとパンとか、ジャムとパンならわかるが、飴とパンとは。
トリッキーなもん考え出したな、と思って食べてみたが、飴は薄くかけられていて、カリカリして美味しい。
「クィニーアマンってあるじゃない?あれ、焼けたお砂糖がカリカリして美味しいじゃない?私、飴とパン一緒に食べるの好きだったから。だったら、作っちゃえと思って」
なるほど、と青磁は思った。
虹子の口数が多い。
これがつまり、語るべきことが増えたと言う事か。
だから、話しているわけだろう。
「・・・正直、変わらなくていいと思ってた。むしろ変なオプションなんか付けてくれるなと思ってた。でもいい。・・・分かった。虹子が嫌になるまででいいから、俺を選択肢の中に含めていて欲しい」
2個目のクロワッサンをかじりながら、虹子が、じっと青磁を見た。
「・・・いつ嫌になるかわからないじゃない。青磁の時間が勿体ないよ!」
「いや、確かに。俺は先に爺さんになって死ぬ可能性は高いですけど・・・。俺、蝉とか蛍じゃないからさあ、そんなに命惜しんでくれなくていいけど」
「そうじゃなくて。・・・ママに言われたの。私が自分に不満だろうが、世間に不満だろうが、そんなの自分の問題。だから、青磁の幸せの邪魔はしないで、自分が青磁の世界から退場しなさいって・・・」
「・・・ああ・・・」
カラッとドライな厳しさと優しさの母に比べて、華子の情の深い厳しさと言うのは、ウェットと言うか、厳しいと言うより、ちょっと怖いものがある。
それもまた優しさなのだけど。
「・・・華子も困ったもんだ。どういう思想だ・・・お前の父親も大変だよな、うん。・・・でもそうだな、なら、ここから、ちゃんと始めるのはどう?」
陳腐な言い回しかもしれないけれど、もう誤魔化しとか不誠実では、彼女を釣るのは無理だ。
誠実であろう、お互いに。
何らかの責任を感じたのか、希望を持ったのか。
虹子が頷いた。
「・・・分かった。・・・ありがとう。たまにお手紙を書くね!」
「いや、あのさ。孫がジジババに年賀状って話じゃないんだから。ラインとかメールでいいだろ。毎日よこせ」
うん、頑張る、と虹子が頷いた。
「よし。・・・なあ、男が喜ぶさしすせそって知ってるか?頭文字につくんだけど」
これをすらすら言われたら、こんな人口が多く、人口密度の高い、つまり男の頭数も多い街で一人にするのは心配だ。
「・・・え?喜ぶ?さ?さ・・・刺身?砂糖?とか?」
「・・・いや、そういうんじゃなくて。なんでも良いから何か言ってみてみ?」
虹子は、「なんだ、クイズか!」とちょっと嬉しそうだ。
「さ、さ・・・さようなら?」
「・・・うーん・・・うん?」
「し、し、しぃ??・・・死んじまえとか?」
「・・・え? ・・・それは、喜ぶか?」
「え?うーん、喜びませんよね。・・・あ、じゃ・・・す、すは、すみません???」
「・・・ああ、もういいわ。うん、分かった。・・・よし、大丈夫だな!」
訳がわからず、虹子は首を傾げた。
「まあ、それに。飛行機で往路が5時間程度、復路が4時間程度。行き来できない距離ではないだろう。今から遠距離恋愛というのも悪くない・・・いや、むしろ良いかも・・・虹子もちょくちょく帰って来てね」
「・・・え、遠距離恋愛・・・?聞いたことはあるけど・・・それは、ちょっと自信ない・・・」
「あー!もー!じゃ、そこに至るところからやろう!まず、とにかく自信を持て!」
そして、青磁は待つことにしたのだ。
まさかそれから10年近く待たされる事になるとは思わなかったけれど。
青磁は目の前の虹子を見つめ返した。
分かっていても、そうかもと流されてくれても良かったろうに。
自分でも条件は悪くないと分かっている。
だが、虹子は違和感に常に忠実。
そう気づいたら、そう思ったら、やっぱりどうにかせねばと思ってしまう。
分かった、と青磁はソファに座り直した。
「言い分も気持ちも分かった。なあ、いつも俺ばっか喋ってた気がする。・・・あれは何で」
それに気づいたのも最近だ。
彼女はいつも、自分の話をうんうん言って聞いていた。
だから、好かれているのだと思っていた。
それを、姉の柚雁は嗤った。
「男心を掴む、つまり男を喜ばせるさしすせそってあるんだけど。さすがー、しらなかったー、すてきー、センスいいー、尊敬しまーす。・・・これがビジネス・女の、男との会話、よ。これされてるうちは逆に好かれてないと思っていい。虹子はそんなこと言わなかったじゃない?嫌われてはないでしょ。ただ、アンタの話を聞いてただけなのよ。まあ、さしすせそがキャバ嬢なら、うんうん聞いてるのは傾聴、つまり介護ね。アンタね、面倒見てるつもりで面倒見られてたのよ。バーカ」
これがまたハートを切り裂いた。
「そうそう。人生はいいものよと教えられて育った女の子が何もないうちに納得できる程の物件じゃないのよ、アンタは」
と、母も言った。
更にハートを踏みつけられたようだった。
「・・・虹子は自分の事、話さなかったもんな」
「だって。私なんて話すべき事なんかないものね。青磁に比べたら、何だって足りないもの。話したって仕方ないでしょ。会話になりようないもの。逆に言えば、何でこの人、相手のわからない話をずーっと人に聞かせてられるんだろうと不思議だった」
正直に言われて、ぶん殴られたような気分。
「・・・いや、本当、それは、すいません・・・。嫌われても仕方ないです。それは、姿を見たら逃げだされても仕方ない」
「嫌ってはないのよ。ゴキブリみたいに言わないでいいよ」
「・・・そこまでは言ってない」
あ、ごめん、と虹子がまた謝った。
「・・・まあ、何だか。ガクッと来たような、ホッとしたような気がする」
まずは、嫌われたわけではなかった。
それが一番嬉しかった。
謝罪されに来たわけじゃなくて。怒りに来たわけでもなくて。連れ戻しに来たわけでもない。
じゃあ、何しに来たのかと思えば。
捨てないで欲しいと縋りに来たのだ、と気付いた。
情けないが、それは確信。
青磁が揚げ餃子のようなものをかじっている虹子を眺めた。
この状況で餃子なんか食ってんなよ、と思ったが、よく見てみれば、ああ、ちっこいクロワッサンか、と気付いた。
じっと見られていて、食べたいのだろうと思ったらしい。
虹子が青磁にも差し出した。
「これね、飴がけしてあって。私考えて作ったの。結構人気あるのよ。パイナップル味」
嬉しそうに言う。
店を手伝っていて、最近では厨房も手伝っている。
他にも、虹子考案で商品となっているパンやお菓子があるのだと言った。
「桜ちゃんと旦那さんが夜に付き合ってくれて、試食してくれるの。で、二人からOKが出たらお店に並べてもいいって」
桜は基本的に日本風の菓子パンは大好きだし、航空会社勤務のアメリカ人の夫は甘ければ何でもうまいうまいと言うので、それはそれでまた難しいのだが。
「・・・飴と、パン・・・???」
チョコとパンとか、ジャムとパンならわかるが、飴とパンとは。
トリッキーなもん考え出したな、と思って食べてみたが、飴は薄くかけられていて、カリカリして美味しい。
「クィニーアマンってあるじゃない?あれ、焼けたお砂糖がカリカリして美味しいじゃない?私、飴とパン一緒に食べるの好きだったから。だったら、作っちゃえと思って」
なるほど、と青磁は思った。
虹子の口数が多い。
これがつまり、語るべきことが増えたと言う事か。
だから、話しているわけだろう。
「・・・正直、変わらなくていいと思ってた。むしろ変なオプションなんか付けてくれるなと思ってた。でもいい。・・・分かった。虹子が嫌になるまででいいから、俺を選択肢の中に含めていて欲しい」
2個目のクロワッサンをかじりながら、虹子が、じっと青磁を見た。
「・・・いつ嫌になるかわからないじゃない。青磁の時間が勿体ないよ!」
「いや、確かに。俺は先に爺さんになって死ぬ可能性は高いですけど・・・。俺、蝉とか蛍じゃないからさあ、そんなに命惜しんでくれなくていいけど」
「そうじゃなくて。・・・ママに言われたの。私が自分に不満だろうが、世間に不満だろうが、そんなの自分の問題。だから、青磁の幸せの邪魔はしないで、自分が青磁の世界から退場しなさいって・・・」
「・・・ああ・・・」
カラッとドライな厳しさと優しさの母に比べて、華子の情の深い厳しさと言うのは、ウェットと言うか、厳しいと言うより、ちょっと怖いものがある。
それもまた優しさなのだけど。
「・・・華子も困ったもんだ。どういう思想だ・・・お前の父親も大変だよな、うん。・・・でもそうだな、なら、ここから、ちゃんと始めるのはどう?」
陳腐な言い回しかもしれないけれど、もう誤魔化しとか不誠実では、彼女を釣るのは無理だ。
誠実であろう、お互いに。
何らかの責任を感じたのか、希望を持ったのか。
虹子が頷いた。
「・・・分かった。・・・ありがとう。たまにお手紙を書くね!」
「いや、あのさ。孫がジジババに年賀状って話じゃないんだから。ラインとかメールでいいだろ。毎日よこせ」
うん、頑張る、と虹子が頷いた。
「よし。・・・なあ、男が喜ぶさしすせそって知ってるか?頭文字につくんだけど」
これをすらすら言われたら、こんな人口が多く、人口密度の高い、つまり男の頭数も多い街で一人にするのは心配だ。
「・・・え?喜ぶ?さ?さ・・・刺身?砂糖?とか?」
「・・・いや、そういうんじゃなくて。なんでも良いから何か言ってみてみ?」
虹子は、「なんだ、クイズか!」とちょっと嬉しそうだ。
「さ、さ・・・さようなら?」
「・・・うーん・・・うん?」
「し、し、しぃ??・・・死んじまえとか?」
「・・・え? ・・・それは、喜ぶか?」
「え?うーん、喜びませんよね。・・・あ、じゃ・・・す、すは、すみません???」
「・・・ああ、もういいわ。うん、分かった。・・・よし、大丈夫だな!」
訳がわからず、虹子は首を傾げた。
「まあ、それに。飛行機で往路が5時間程度、復路が4時間程度。行き来できない距離ではないだろう。今から遠距離恋愛というのも悪くない・・・いや、むしろ良いかも・・・虹子もちょくちょく帰って来てね」
「・・・え、遠距離恋愛・・・?聞いたことはあるけど・・・それは、ちょっと自信ない・・・」
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