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6.看板猫
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高階湊人はほぼ2ヶ月ぶりに金蘭軒を訪れる事にした。
シフト制の夜勤から一時開放されて、後2ヶ月は日勤が続く予定になっていた。
夜は酒も出していると言う情報をネットで得て、それでは一度夕食時に行ってみようと思っていたのだ。
気付けばそろそろ晩秋で、あの仔猫達はどうしているかと気になっていたのだ。
食い物屋に貰われたのだから、食うには困らないだろうけれど。
藍染の暖簾をくぐり、ドアを開けると、ドアベルの快い音がした。
店内はうまそうな匂いに満ちていた。
若い女性連れや、会社帰りのサラリーマン、近所の知人が連れ立って来ていると言うような客層だった。
「いらっしゃいませ」
気づいた様子の店主が一瞬目を丸くした。
「・・・随分時間が経ってしまってすみません。なんやかんやとバタバタして・・・。あの、猫は・・」
「元気ですよ。ちゃんと大きくなって。・・・ありがとうございます。カウンターが開いてるからどうぞ。・・・前より顔色がいいみたい。良かったですね」
「・・・ちょっと食生活気をつけるようにしてみたんです。もともとがひどいから、少しでだいぶ違ったみたいで」
湊人が苦笑した。
スーパーやコンビニで買うものを少しだけ健康的なものにしてみたのだ。
そうしたら健康診断の数値がだいぶ下がっていて驚いたものだ。
それで痩せも太りもしないのも不思議だが、毎日食べていたコンビニチキン2個とチューハイと菓子パンを、惣菜とおにぎりと低糖発泡酒にしただけなのだが、自分の体はだいぶ作り変わったようだった。
カウンターの目の前に、色々な果物が漬けてある変わった形の瓶がズラリと並んでいた。
レモン、りんご、プラム、ブルーベリー、梅、金柑、桃、石榴、棗、山楂、龍眼、火龍果(紅)、スパイス、薔薇、菊花とそれぞれ書かれた瓶。
レモンや桃やりんごはわかるが、恐ろしげな名前のものが混じっている。
「・・・ああ、龍の目玉じゃなくて、ロンガンって言うライチみたいなものがあって。貧血とか、気力体力の回復にいいの。火龍果は、ドラゴンフルーツね。鉄分もマグネシウムも多い、イライラする時とか不眠とかによくて、目にも老化にもいいし」
「じゃあ、そのドラゴンフルーツで」
世の中にそんな都合の良い酒があるのかと半信半疑ではあるが、それをソーダ割りにしてもらう事にした。
虹子が、食べ物は適当に見繕ってくると言った時、客席で歓声が上がった
「・・・あー、またー・・・」
客達が群がって何か言い合ってるところへ虹子が向かった。
「・・・もう。どうやっても突破して来るんだから・・・」
「あら良いじゃ無い。おもてなししてるつもりなのよー」
「可愛いー。また大きくなったんじゃない?」
「・・・虹子ちゃん、スープちゃんになんか美味しいもの出して上げてよ。ほら、刺身とかさ・・・」
彼らの真ん中にいるのが毛玉である事に気づいて、湊人はハッとした。
虹子が毛玉を抱いて来た。
「・・・命の恩人なんだものね。はい、ご挨拶」
ほぼ黒の体に、腹側が少し白い毛の混じった猫だった。
「・・・こんな大きくなったんだ・・・」
毛並みが美しく、首に水色の細い首輪が付いている。
可愛がられているのがよく分かる。
仔猫は緑色のビー玉のような目で周囲を見上げていた。
「何の話?」
女性が話しかけた。
「羊子さん、このお客様がね、外にいたこの子達見つけてくれたの」
女性が、驚いた顔をしてから湊人の手を取った。
「まあ、そうなの!・・・私、この子達の母猫を見つけてね・・・。うちの庭に埋めたんだけどね・・・。そうなの・・・。良かったわ。よく見つけてくれて・・・」
彼女は、近くの薬局の経営者なのだと言った。
「会えて、良かったわねえ・・・嬉しくてお礼言いに来たのよねえ」と何度も猫に言っている。
猫は、頭を湊人の手にすり付けた。
そうなのかな、と湊人も柄にもなく感激していた。
あのままだったら死んでいただろう小さな命に、こうしてまた会えたのは正直に嬉しい。
「もう1匹は?」
「あー、あのですねえ・・・。私の力不足で・・・」
まさか、と湊人は息を呑んだ。
死んでしまったのだろうか・・・。
「里子に出まして、って言うか。戻って来なくなっちゃって・・・」
「・・・はあ・・・?」
何にしても、無事ならそれで良い。
その時、扉が開いた事を知らせるベルの音がした。
「・・・あら、虹子ちゃん、育てのパパが来たわよ」
「・・・虹子、エビ!」
青磁が店に入って来た。
「また?あんまりエビばっかりどうかと思うけど」
「しょうがないだろう。他のたいして食わないんだから・・・。お前はまた客に愛想振りまいてたのか。働き者だなあ・・・」
と、黒猫を撫でてやる。
「・・・保健所来ちゃうから上にいて欲しいんですけどね。猫カフェで許可取ってるわけじゃないんだから」
飲食店に生き物がいると言うのは、本来、第一種動物取扱業という特別な許可が必要となる。
「なのに、すぐ出て来ちゃうのよねえ・・・」
姿を現せば可愛がって貰えるのと、たまに美味しいものを貰えるのを覚えてしまったようなのだ。今では、看板猫としてバイトくらいの気持ちでいるのかもしれない。
「青磁ちゃん、こちらの方が猫ちゃん達を見つけてくれたんですってよ。産みのパパさん。ん?パパは産まないか?」
「・・・ああ、そうでしたか。それはどうも」
青磁は不機嫌そうに言った。
看板猫の名前は、スープと言うのだと虹子は笑った。
湊人は、一瞬ドキッとした。
勿論、湊人に、ラーメンのスープにするのかと思われたから、と言うのが理由。
悪趣味越えて、ケロリとしたものだ。
「で、もう1匹はね、背中が茶色っぽくてお腹が白いの。そっちは湯々。それもスープって意味ね」
言いながら、厨房でエビを茹でている。
そのタンタンは、青磁のところにいるのであるが。
「エビだのヒラメだの美味しいものばっかり食べさせられて、すっかり帰って来なくなっちゃったの」
スープなんか、パンでもりんごでも何でも食べるのにと、虹子はむくれた。
スープが看板猫なら、タンタンは温室猫だ。
「・・・君、こいつらでダシ取ると思ったらしいね。残酷な事考えつくもんですなあ」
「・・・いや、あの・・・。早とちりでして・・・。すみません・・・」
近所の小児科医だと名乗った彼の当たりが存外きつく、湊人は戸惑っていた。
「・・・いやあ、育児と言うのは、哺乳類は大変なんだけど。特に、ウマだのシカだのキリンだのみたいに産まれてすぐに歩き出すのとは違ってね。勝手に子供が親にくっついてられない系の、ヒトだのネコだのイヌは、当然大変なんですよねぇ」
梅酒を飲みながら、つまりは青磁は絡み酒だ。
離乳するまでの数時間置きの授乳と世話で、寝不足と疲労で虹子は度々体調を崩し、風邪をもらって青磁も久々に寝込んだ。
そうこうするうちに仔猫達も風邪をひき、二度、動物病院に駆け込んだ事もあった。
「・・・それは・・・、た、大変に、お手数をおかけしまして・・・」
ひたすら恐縮するしかない湊人に、羊子が声をかけた。
「まあ、わかってやってね。それだけ大事にしてるのよ。この首輪、ティファニーよ?可愛がりようが分かるってものよね」
「えぇ?!そ、そんなのあるんですか?」
「青磁が買って来たのよ。私、猫に首輪なんかしなくても良いと思うんだけど。リードつけて散歩したりもしないじゃない?」
「何が悪い。そのタグに、名前、住所、連絡先、ワクチン情報まで入ってる優れものだ」
ほらここ、と首輪に付いている小さなチャームを見せる。
「タンタンは外になんか出さないけど、スープは勝手にどこにでも行っちまうから、特に必要だろ」
「本当にねえ・・・。鍵も戸も開けるわ、網戸は打ち抜くわ、どうなってんの、この猫」
スープは、勝手に鍵を開けてベランダ伝いに外出してしまうのだ。
まだ仔猫の範疇なのだから、家で大人しくしていて欲しい。
虹子が包みをテーブルに置いた。
エビをチキンスープで茹でたものと、猫用に砂糖や塩を入れないで作った蒸しパンで、湯々の好物。
日常的にこういうものを与えられていたら、そりゃウチには戻ってこないよな、と虹子は呆れた。
「それとなんか包んでくれ」
「はいはい。・・・蓮の葉っぱで包んだおこわと、スープで良いでしょ?・・・あ、おこわに、エビと蓮の実入ってるんだけど。こっちのエビはしょっぱいし生姜入ってるからタンタンにあげないでね」
「やんないよ。・・・・あー、君、高階君」
「は?はい・・・?」
「うちは、木曜と土曜の夕方以降と、日曜は休診だから。責任を感じるならば一度会いに来なさい」
そう言うと、自分と猫の分の弁当を受け取って青磁は帰って行った。
シフト制の夜勤から一時開放されて、後2ヶ月は日勤が続く予定になっていた。
夜は酒も出していると言う情報をネットで得て、それでは一度夕食時に行ってみようと思っていたのだ。
気付けばそろそろ晩秋で、あの仔猫達はどうしているかと気になっていたのだ。
食い物屋に貰われたのだから、食うには困らないだろうけれど。
藍染の暖簾をくぐり、ドアを開けると、ドアベルの快い音がした。
店内はうまそうな匂いに満ちていた。
若い女性連れや、会社帰りのサラリーマン、近所の知人が連れ立って来ていると言うような客層だった。
「いらっしゃいませ」
気づいた様子の店主が一瞬目を丸くした。
「・・・随分時間が経ってしまってすみません。なんやかんやとバタバタして・・・。あの、猫は・・」
「元気ですよ。ちゃんと大きくなって。・・・ありがとうございます。カウンターが開いてるからどうぞ。・・・前より顔色がいいみたい。良かったですね」
「・・・ちょっと食生活気をつけるようにしてみたんです。もともとがひどいから、少しでだいぶ違ったみたいで」
湊人が苦笑した。
スーパーやコンビニで買うものを少しだけ健康的なものにしてみたのだ。
そうしたら健康診断の数値がだいぶ下がっていて驚いたものだ。
それで痩せも太りもしないのも不思議だが、毎日食べていたコンビニチキン2個とチューハイと菓子パンを、惣菜とおにぎりと低糖発泡酒にしただけなのだが、自分の体はだいぶ作り変わったようだった。
カウンターの目の前に、色々な果物が漬けてある変わった形の瓶がズラリと並んでいた。
レモン、りんご、プラム、ブルーベリー、梅、金柑、桃、石榴、棗、山楂、龍眼、火龍果(紅)、スパイス、薔薇、菊花とそれぞれ書かれた瓶。
レモンや桃やりんごはわかるが、恐ろしげな名前のものが混じっている。
「・・・ああ、龍の目玉じゃなくて、ロンガンって言うライチみたいなものがあって。貧血とか、気力体力の回復にいいの。火龍果は、ドラゴンフルーツね。鉄分もマグネシウムも多い、イライラする時とか不眠とかによくて、目にも老化にもいいし」
「じゃあ、そのドラゴンフルーツで」
世の中にそんな都合の良い酒があるのかと半信半疑ではあるが、それをソーダ割りにしてもらう事にした。
虹子が、食べ物は適当に見繕ってくると言った時、客席で歓声が上がった
「・・・あー、またー・・・」
客達が群がって何か言い合ってるところへ虹子が向かった。
「・・・もう。どうやっても突破して来るんだから・・・」
「あら良いじゃ無い。おもてなししてるつもりなのよー」
「可愛いー。また大きくなったんじゃない?」
「・・・虹子ちゃん、スープちゃんになんか美味しいもの出して上げてよ。ほら、刺身とかさ・・・」
彼らの真ん中にいるのが毛玉である事に気づいて、湊人はハッとした。
虹子が毛玉を抱いて来た。
「・・・命の恩人なんだものね。はい、ご挨拶」
ほぼ黒の体に、腹側が少し白い毛の混じった猫だった。
「・・・こんな大きくなったんだ・・・」
毛並みが美しく、首に水色の細い首輪が付いている。
可愛がられているのがよく分かる。
仔猫は緑色のビー玉のような目で周囲を見上げていた。
「何の話?」
女性が話しかけた。
「羊子さん、このお客様がね、外にいたこの子達見つけてくれたの」
女性が、驚いた顔をしてから湊人の手を取った。
「まあ、そうなの!・・・私、この子達の母猫を見つけてね・・・。うちの庭に埋めたんだけどね・・・。そうなの・・・。良かったわ。よく見つけてくれて・・・」
彼女は、近くの薬局の経営者なのだと言った。
「会えて、良かったわねえ・・・嬉しくてお礼言いに来たのよねえ」と何度も猫に言っている。
猫は、頭を湊人の手にすり付けた。
そうなのかな、と湊人も柄にもなく感激していた。
あのままだったら死んでいただろう小さな命に、こうしてまた会えたのは正直に嬉しい。
「もう1匹は?」
「あー、あのですねえ・・・。私の力不足で・・・」
まさか、と湊人は息を呑んだ。
死んでしまったのだろうか・・・。
「里子に出まして、って言うか。戻って来なくなっちゃって・・・」
「・・・はあ・・・?」
何にしても、無事ならそれで良い。
その時、扉が開いた事を知らせるベルの音がした。
「・・・あら、虹子ちゃん、育てのパパが来たわよ」
「・・・虹子、エビ!」
青磁が店に入って来た。
「また?あんまりエビばっかりどうかと思うけど」
「しょうがないだろう。他のたいして食わないんだから・・・。お前はまた客に愛想振りまいてたのか。働き者だなあ・・・」
と、黒猫を撫でてやる。
「・・・保健所来ちゃうから上にいて欲しいんですけどね。猫カフェで許可取ってるわけじゃないんだから」
飲食店に生き物がいると言うのは、本来、第一種動物取扱業という特別な許可が必要となる。
「なのに、すぐ出て来ちゃうのよねえ・・・」
姿を現せば可愛がって貰えるのと、たまに美味しいものを貰えるのを覚えてしまったようなのだ。今では、看板猫としてバイトくらいの気持ちでいるのかもしれない。
「青磁ちゃん、こちらの方が猫ちゃん達を見つけてくれたんですってよ。産みのパパさん。ん?パパは産まないか?」
「・・・ああ、そうでしたか。それはどうも」
青磁は不機嫌そうに言った。
看板猫の名前は、スープと言うのだと虹子は笑った。
湊人は、一瞬ドキッとした。
勿論、湊人に、ラーメンのスープにするのかと思われたから、と言うのが理由。
悪趣味越えて、ケロリとしたものだ。
「で、もう1匹はね、背中が茶色っぽくてお腹が白いの。そっちは湯々。それもスープって意味ね」
言いながら、厨房でエビを茹でている。
そのタンタンは、青磁のところにいるのであるが。
「エビだのヒラメだの美味しいものばっかり食べさせられて、すっかり帰って来なくなっちゃったの」
スープなんか、パンでもりんごでも何でも食べるのにと、虹子はむくれた。
スープが看板猫なら、タンタンは温室猫だ。
「・・・君、こいつらでダシ取ると思ったらしいね。残酷な事考えつくもんですなあ」
「・・・いや、あの・・・。早とちりでして・・・。すみません・・・」
近所の小児科医だと名乗った彼の当たりが存外きつく、湊人は戸惑っていた。
「・・・いやあ、育児と言うのは、哺乳類は大変なんだけど。特に、ウマだのシカだのキリンだのみたいに産まれてすぐに歩き出すのとは違ってね。勝手に子供が親にくっついてられない系の、ヒトだのネコだのイヌは、当然大変なんですよねぇ」
梅酒を飲みながら、つまりは青磁は絡み酒だ。
離乳するまでの数時間置きの授乳と世話で、寝不足と疲労で虹子は度々体調を崩し、風邪をもらって青磁も久々に寝込んだ。
そうこうするうちに仔猫達も風邪をひき、二度、動物病院に駆け込んだ事もあった。
「・・・それは・・・、た、大変に、お手数をおかけしまして・・・」
ひたすら恐縮するしかない湊人に、羊子が声をかけた。
「まあ、わかってやってね。それだけ大事にしてるのよ。この首輪、ティファニーよ?可愛がりようが分かるってものよね」
「えぇ?!そ、そんなのあるんですか?」
「青磁が買って来たのよ。私、猫に首輪なんかしなくても良いと思うんだけど。リードつけて散歩したりもしないじゃない?」
「何が悪い。そのタグに、名前、住所、連絡先、ワクチン情報まで入ってる優れものだ」
ほらここ、と首輪に付いている小さなチャームを見せる。
「タンタンは外になんか出さないけど、スープは勝手にどこにでも行っちまうから、特に必要だろ」
「本当にねえ・・・。鍵も戸も開けるわ、網戸は打ち抜くわ、どうなってんの、この猫」
スープは、勝手に鍵を開けてベランダ伝いに外出してしまうのだ。
まだ仔猫の範疇なのだから、家で大人しくしていて欲しい。
虹子が包みをテーブルに置いた。
エビをチキンスープで茹でたものと、猫用に砂糖や塩を入れないで作った蒸しパンで、湯々の好物。
日常的にこういうものを与えられていたら、そりゃウチには戻ってこないよな、と虹子は呆れた。
「それとなんか包んでくれ」
「はいはい。・・・蓮の葉っぱで包んだおこわと、スープで良いでしょ?・・・あ、おこわに、エビと蓮の実入ってるんだけど。こっちのエビはしょっぱいし生姜入ってるからタンタンにあげないでね」
「やんないよ。・・・・あー、君、高階君」
「は?はい・・・?」
「うちは、木曜と土曜の夕方以降と、日曜は休診だから。責任を感じるならば一度会いに来なさい」
そう言うと、自分と猫の分の弁当を受け取って青磁は帰って行った。
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