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150.六次の隔たり
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金糸雀は首を振った。
「アンタは極北に行く暇はないでしょ」
現在、来年に控えた三妃の娘のQ国への輿入れに少しでも瑕疵があってはいけないと、孔雀があれこれ気をまわしていた。
それは三妃もそれ以上で、皇太子の正妃としてという話を取り付けてきた孔雀に対して珍しく、総家令はご苦労でしたと労ったほどなのだ。
内密で、彼女と先方の皇太子との顔合わせも済ませている。
皇太子である藍晶の社交性が役立った。
「芋ずる式というか。六次の隔たりってやつよね」
「スモール・ワールド現象ね。六人を介せば大統領にたどり着くというやつね。快挙よ。藍晶様の元カノの元カレの今カノの従兄弟があちらの皇太子っていう」
「・・・・そこはまあ、アレですけど・・・」
その辺りは三妃と皇女にはぜひ伏せておきたい。
藍晶主催のパーティーで、たまたまを装った形で彼らは出会ったわけだ。
「あちらの皇太子様、子犬をくださって。子犬は姉妹だからそれを理由にまたお会いしましょうって」
「まあお上手。さすが藍晶様の世界の住人だわ。いまからそんなんで大丈夫なの?」
Q国で見た後宮の華やかな女性達を思い出し、金糸雀は笑った。
彼女達は全て、皇帝の持ち物なのだ。
こちらの宮廷の女官や官吏が、臣下であっても官僚という身分であるのとは違う。
「その事実を三妃様、ご存知なの?」
愛娘の輝かしいが前途多難であろう状態を心安く思うわけがない。
孔雀は頷いた。
「全て織り込み済みですよ。その上で、紅水晶様に正室の地位をお望みです」
金糸雀はならいいと手を振った。
「そんなにいいものかしらね。あの国の宮廷の過酷さは我が国の比較にはならないとあんたが言ったのに」
次の皇帝の正式な妻と認めましょうとの確約。だが、つまりそれだけだ。
この度、正室というものを初めから迎える。
そしてその正室は夫たる皇帝と、あの後宮の女達の全てを受け入れよという事だ。
あの可憐な皇女をそんな雌狼共の群れにくれてやるのか。
金糸雀は妹弟子に非難の目を向けた。
孔雀は優雅に、手を閃かせた。
「金糸雀お姉様。私が、三妃様にこの度のお輿入れのお話を申し上げた時に、紅水晶様は初めから同席されていたのよ」
だから、と孔雀が笑う。
「紅水晶様もさすが王族。皇女様だわ。それでもいいと仰ったのは、紅水晶様。頼もしいことです」
金糸雀は呆れてため息をついた。
「お前、火をつけたの?」
「やっぱり燃えるご気性なんでしょうね。あちらの皇太子様とお会いになってから、私があちらの宮廷の様々、特に戦わねばならない事を申し上げてから、気合いが違う」
孔雀は嬉しそうに言った。
今思い出すのは、別れたあの姉弟子の、皇女である真鶴の事。
紅水晶にあの姉弟子に通じる情熱を見た気がして、孔雀は嬉しかった。
あの華麗で豪華絢爛な後宮の熱帯魚、いや、雌狼の群れに、紅水晶が切り込んで行くのを見てみたい、と孔雀は言うわけだ。
「お輿入れには誰がお供する?緋連雀お姉様と猩々朱鷺お姉様が行ったら面白いかも」
珍しく浮かれている。
緋連雀が、猩々朱鷺とあちらの皇帝との間の子だという事実、そしてその母娘が全く以って女家令の気質であるという事実がおかしくて仕方なくなったらしい。
「それを知ったら、真鶴お姉様もきっと大笑いね」
金糸雀が笑い転げる孔雀の頬を突っついた。
「・・・真鶴お姉様じゃないわよ、紅水晶《べにすいしょう》様は」
この妹弟子の危うさが少々心配になった。
昔、白鷹が真鶴と孔雀に、己と愛しい琥珀を投影したように。
やっぱり孔雀はあの姉弟子を忘れられない、諦められない。
それは、自分も同じ事だけれど。
白鷹と梟に、真鶴にまた会いたきゃ、一分でも一秒でも早く特急仕上げで一丁前の家令になれと言われたのは、金糸雀もだ。
そもそも両親ともに家令であり、かつ母親が女家令である以上、家令になるというう事は逃れられないのだろうという仕方なさもあった。
更に、兄弟子と姉弟子にそう言われて自分は意地になったのだ。
短期間で軍事法廷の一級弁護士の資格を取得し、報道官としての職務も果たしてきた。
そもそも報道官になれば人々の目に付く。
だから、あの姉弟子の目に留まるのではないかとも思った。
その為にちょっと無茶した自覚はある。
それは我々の世代の誰もがそうだろうが、自分と孔雀は尚だろう。
真鶴は、それだけ魅力的な人物だった。
誰もが、心を奪われるほど。
孔雀は紅茶を飲み干した。
「私がお姫様のハートに火をつけた以上。無事前線の停戦話をまとめてこなくちゃ」
極北総督府長官として鸚鵡を推薦する案は、彼が辞退した事で立ち消えとなった。
そればかりか、正式に家令では無いと知った兄弟子はショックを受けて白鷹に談判し、改めて家令になってしまったのだから。
五百旗頭翁の落胆いかばかりかと思ったが、彼なりに気持ちに整理がついたとかで家督を正式に次男に継がせて責任を取って隠居という形を取ってしまった。
家令は基本的に何がしかの長になるのを嫌われる存在だ。
知性を最も重要視するアカデミー以外では。
だからこそ鸚鵡の立場が丁度良かっのだが。
北に総督府長官が正式に置かれるのは、六十年振りになる。
もとは壮麗であったという北の離宮は、総督府という名称になり長年前線基地になっていた。
かつて美しかった離宮は、大戦で無骨な要塞に変わった。
小規模な戦闘が起きるたびにその役割は大きくなり、王族やそれに近しい者が総督府長官の肩書きを与えられて任務にあたってきた。
「総家令がその任につくとしたら、あんたとんでもないバッシング食らうわよ」
「そうね、極北総督府長官代理、で行けるかな。・・・総家令なら押出しも利くし、バッシングされても肩書が耐えられなくはないもの」
妹弟子が、頑張る、という顔をしているのに、金糸雀は苦笑した。
「・・・いいわ。じゃあ大嘴と。私も一緒に行く」
孔雀がぱっと顔を輝かせた。
一緒ならば心強い。
大嘴は今、金糸雀が率いる陸軍の精鋭チームである十二羽の五色鶸隊の出向メンバーだ。
「お姉様の隊《ディヴィジョン》が来てくれるなら嬉しいわ」
「正式文書は雉鳩に出させて。・・・でもね、陛下がハンコつくかどうかは、また別問題よ」
そこが一番問題なんだからね、と金糸雀は念を押した。
「アンタは極北に行く暇はないでしょ」
現在、来年に控えた三妃の娘のQ国への輿入れに少しでも瑕疵があってはいけないと、孔雀があれこれ気をまわしていた。
それは三妃もそれ以上で、皇太子の正妃としてという話を取り付けてきた孔雀に対して珍しく、総家令はご苦労でしたと労ったほどなのだ。
内密で、彼女と先方の皇太子との顔合わせも済ませている。
皇太子である藍晶の社交性が役立った。
「芋ずる式というか。六次の隔たりってやつよね」
「スモール・ワールド現象ね。六人を介せば大統領にたどり着くというやつね。快挙よ。藍晶様の元カノの元カレの今カノの従兄弟があちらの皇太子っていう」
「・・・・そこはまあ、アレですけど・・・」
その辺りは三妃と皇女にはぜひ伏せておきたい。
藍晶主催のパーティーで、たまたまを装った形で彼らは出会ったわけだ。
「あちらの皇太子様、子犬をくださって。子犬は姉妹だからそれを理由にまたお会いしましょうって」
「まあお上手。さすが藍晶様の世界の住人だわ。いまからそんなんで大丈夫なの?」
Q国で見た後宮の華やかな女性達を思い出し、金糸雀は笑った。
彼女達は全て、皇帝の持ち物なのだ。
こちらの宮廷の女官や官吏が、臣下であっても官僚という身分であるのとは違う。
「その事実を三妃様、ご存知なの?」
愛娘の輝かしいが前途多難であろう状態を心安く思うわけがない。
孔雀は頷いた。
「全て織り込み済みですよ。その上で、紅水晶様に正室の地位をお望みです」
金糸雀はならいいと手を振った。
「そんなにいいものかしらね。あの国の宮廷の過酷さは我が国の比較にはならないとあんたが言ったのに」
次の皇帝の正式な妻と認めましょうとの確約。だが、つまりそれだけだ。
この度、正室というものを初めから迎える。
そしてその正室は夫たる皇帝と、あの後宮の女達の全てを受け入れよという事だ。
あの可憐な皇女をそんな雌狼共の群れにくれてやるのか。
金糸雀は妹弟子に非難の目を向けた。
孔雀は優雅に、手を閃かせた。
「金糸雀お姉様。私が、三妃様にこの度のお輿入れのお話を申し上げた時に、紅水晶様は初めから同席されていたのよ」
だから、と孔雀が笑う。
「紅水晶様もさすが王族。皇女様だわ。それでもいいと仰ったのは、紅水晶様。頼もしいことです」
金糸雀は呆れてため息をついた。
「お前、火をつけたの?」
「やっぱり燃えるご気性なんでしょうね。あちらの皇太子様とお会いになってから、私があちらの宮廷の様々、特に戦わねばならない事を申し上げてから、気合いが違う」
孔雀は嬉しそうに言った。
今思い出すのは、別れたあの姉弟子の、皇女である真鶴の事。
紅水晶にあの姉弟子に通じる情熱を見た気がして、孔雀は嬉しかった。
あの華麗で豪華絢爛な後宮の熱帯魚、いや、雌狼の群れに、紅水晶が切り込んで行くのを見てみたい、と孔雀は言うわけだ。
「お輿入れには誰がお供する?緋連雀お姉様と猩々朱鷺お姉様が行ったら面白いかも」
珍しく浮かれている。
緋連雀が、猩々朱鷺とあちらの皇帝との間の子だという事実、そしてその母娘が全く以って女家令の気質であるという事実がおかしくて仕方なくなったらしい。
「それを知ったら、真鶴お姉様もきっと大笑いね」
金糸雀が笑い転げる孔雀の頬を突っついた。
「・・・真鶴お姉様じゃないわよ、紅水晶《べにすいしょう》様は」
この妹弟子の危うさが少々心配になった。
昔、白鷹が真鶴と孔雀に、己と愛しい琥珀を投影したように。
やっぱり孔雀はあの姉弟子を忘れられない、諦められない。
それは、自分も同じ事だけれど。
白鷹と梟に、真鶴にまた会いたきゃ、一分でも一秒でも早く特急仕上げで一丁前の家令になれと言われたのは、金糸雀もだ。
そもそも両親ともに家令であり、かつ母親が女家令である以上、家令になるというう事は逃れられないのだろうという仕方なさもあった。
更に、兄弟子と姉弟子にそう言われて自分は意地になったのだ。
短期間で軍事法廷の一級弁護士の資格を取得し、報道官としての職務も果たしてきた。
そもそも報道官になれば人々の目に付く。
だから、あの姉弟子の目に留まるのではないかとも思った。
その為にちょっと無茶した自覚はある。
それは我々の世代の誰もがそうだろうが、自分と孔雀は尚だろう。
真鶴は、それだけ魅力的な人物だった。
誰もが、心を奪われるほど。
孔雀は紅茶を飲み干した。
「私がお姫様のハートに火をつけた以上。無事前線の停戦話をまとめてこなくちゃ」
極北総督府長官として鸚鵡を推薦する案は、彼が辞退した事で立ち消えとなった。
そればかりか、正式に家令では無いと知った兄弟子はショックを受けて白鷹に談判し、改めて家令になってしまったのだから。
五百旗頭翁の落胆いかばかりかと思ったが、彼なりに気持ちに整理がついたとかで家督を正式に次男に継がせて責任を取って隠居という形を取ってしまった。
家令は基本的に何がしかの長になるのを嫌われる存在だ。
知性を最も重要視するアカデミー以外では。
だからこそ鸚鵡の立場が丁度良かっのだが。
北に総督府長官が正式に置かれるのは、六十年振りになる。
もとは壮麗であったという北の離宮は、総督府という名称になり長年前線基地になっていた。
かつて美しかった離宮は、大戦で無骨な要塞に変わった。
小規模な戦闘が起きるたびにその役割は大きくなり、王族やそれに近しい者が総督府長官の肩書きを与えられて任務にあたってきた。
「総家令がその任につくとしたら、あんたとんでもないバッシング食らうわよ」
「そうね、極北総督府長官代理、で行けるかな。・・・総家令なら押出しも利くし、バッシングされても肩書が耐えられなくはないもの」
妹弟子が、頑張る、という顔をしているのに、金糸雀は苦笑した。
「・・・いいわ。じゃあ大嘴と。私も一緒に行く」
孔雀がぱっと顔を輝かせた。
一緒ならば心強い。
大嘴は今、金糸雀が率いる陸軍の精鋭チームである十二羽の五色鶸隊の出向メンバーだ。
「お姉様の隊《ディヴィジョン》が来てくれるなら嬉しいわ」
「正式文書は雉鳩に出させて。・・・でもね、陛下がハンコつくかどうかは、また別問題よ」
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