10 / 211
1.
10. お妃候補脱落者
しおりを挟む
二階の窓から、妹弟子達がままごとをしているのを梟が見ていた。
緋連雀と孔雀が並んで遊んでいる様は、外目には実に微笑ましい。
「白鷹お姉様もひどいわよねえ。継室候補群の子なんて継室に上がれなかったとしても、結婚市場では引く手数多なのにさ。一回家令になっちまったらもう事故物件。嫁かず後家決定だね」
鷂が兄弟子にそう不服をぶつけた。
この女家令は現在札付き。
家令など素行が悪くて有名だが、去年、聖堂の司祭長をたぶらかして還俗させた毒婦、というのが世間の評価だ。
前司祭長の長い就任をそろそろ止めさせたかった梟が、次期司祭長の予定を前倒しさせる為に鷂を差し向けた事が事の発端。
「事故物件はお前だ。坊主の退職前倒しさせて、新しい人間就任させたまではいい。なのに半年で辞めさせてどうすんだよ・・・」
ため息をついて梟は妹弟子を見た。
「梟お兄様にとったら同じ事でしょ。またその弟がなっただけの話よ」
「どんだけ大嘴の家から恨み言言われたと思ってんだ。女家令など悪魔が取り憑いているに違いないだのなんだの。・・・お前、なんか取り憑いてんなら祓って貰え」
「あたしゃ巫女だよ。厄落としなんかあたしがしてやるよ。・・・大体。食い詰めて見栄張るためにその三男坊を家令に堕とすような家の人間が何言ってんのよ。ほらごらんよ、今回だって金で手を打ったじゃないの」
大嘴は、司祭長の家の出だ。
世襲でもない役職に半世紀近く同じ家の人間が就任しているのが異例でもあった。
大嘴の実家の伴家は昔から確かに何人も聖職者を出した名門であるが、そのトップに就任したのは大嘴の叔父の代からである。
その前には、家令がその地位に就いていた。
梟もよく覚えているが、抜群に優秀な兄弟子であった。
「長男は後継、次男はそのスペア、まだ赤ん坊の末っ子は可愛くて手放せない。それで三男坊を差し出したわけよ。しかも何?大嘴が家令になったおかげで大聖堂の改修の予算が付いたって話じゃないのよ。身売りよね」
それは間違いない。梟がその案件を議会に通したのだから。
「控えの選手がいて良かったじゃないか。・・・そもそもその長男坊はお前のせいで堕落しちまったわけだ」
梟が舌打ちした。
鷂は神殿の神官職でもある。
事件はすわ宗教戦争とまで言われ、またはロミオとジュリエットだの、魔性の女だの、女家令と結婚する為に新任の司祭長が辞任して還俗するというマスコミの騒ぎに激怒すると思われた白鷹《はくたか》がなぜか怒りもせずに自ら聖堂と司祭長の実家と話をまとめて来てしまったのだ。
鷂に高額な持参金を持たせる事、伴家から新任の司祭長を出す事を条件に。
白鷹は憮然として「全く。お前に新品の戦車ひとつ分くらいかかったよ」と、そう言うと、しばらく海外に居なと鷂を国際機関での仕事に就かせ、国を出してやってしまった。
梟自身も呆れはしたが仕方ないと言っただけ。
昔は、巫女姿で聖堂に道場破りしたとんでもない姉弟子がいたくらいだ。
あれよりはマシだ、と総家令はため息をついた。
「・・・意外ね。あの宮廷育ちの根性曲がりが気に入ってるみたいじゃない」
鷂《はいたか》が自分も窓辺に寄って、庭で遊んでいる緋連雀と孔雀を眺めた。
「あの子、ままごとなんかするのね。遊びって言ったら、男騙して金目のもの巻き上げるくらいしかしないと思ってたのに」
「・・・緋連雀にも困ったもんだ」
容貌がいいのと宮廷で身につけた教養を嵩に女官達を牽制しさらに城に出入りする男を手玉にとって一財産築きつつある。
「女家令としてはなかなか見所があるわよ。・・・さてさて。あの子はどうなのかしらね。棕櫚家のやる気の無さは年季入ってるものね」
長い歴史の中でたった一人の継室しか出して居ない。
しかも、もともとアカデミーの学生だったその継室の彼女は、皇帝が退位後は、アカデミーに戻って研究を続けた。
城にも、皇帝の住む離宮にも戻る事は無かった。
その前に乳母として一人、城に上がったが、乳母なんて子供が成長すれば用済みだ。
「あのドベの家め。実績もないくせに恩恵の公共料金免除など、片腹痛いわ」
「あそこんち自宅も会社も工場も井戸水とソーラーと地熱とプロパンなんでしょ。関係無いじゃない」
継室候補群の家には公共料金が免除されるという特典があるのだが、棕櫚家にはあまり意味が無いようだ。
「大体、継室候補群の家って税金高いじゃない。実際、後宮に入宮するとなったら支度金や恩給出るけどさ、実績ゼロでは恩賜もないし、あそこんち何百年も大損よ」
「・・・まあそうだけどな。情けない話だ。そもそも名誉な事だぞ。継室候補群だぞ。自覚がないからやる気も出ないしズレてんだよ。あの子狸はな、母親に梟《ふくろう》が来ると言われて本当に鳥のフクロウが来るんだと思い込んでいて楽しみにしていたのにいざ来たのがおじさんだったとがっかりして庭から戻ってこなくなったんだぞ」
鷂が手を叩いて笑った。
孔雀は、庭でずっと飼い猫に砂や葉っぱをまぶしていじけていたのだ。
仮にも宮廷の総家令である自分に対してそんな不敬な態度の娘に、母親は手と猫をよく洗ってからお菓子を食べるのよ、とだけ言って好きにさせている始末。
母親の青嵐を知る鷂はまた大笑いした。
「ああ、そう、そんな感じで変わってるのよ、あそこんちの人間て」
梟は舌打ちした。
「大体な、訪問した際もな。テーブルいっぱいにサンドイッチだの焼きそばだの煮物だの寿司だのカステラだの羊羹だの、なんだか知らねえけどローソク立ってる丸いケーキまで上がってたんだ」
「・・・親戚の法事みたいね」
法事で親戚集まったから、ついでに近日中の誰かの誕生日も忘れてた入学祝いも一緒にやっちゃおうと言うあのアナーキーさ。
「一宮家に行った時には、どうやって調べたんだか、皇后宮で出てくるのと同じ茶と饅頭が出てきたというのに」
「ああ、あそこ、確かに太子様にちょうどいい年齢の娘いるわねえ」
継室候補群でも上位の家だ。
貴族院である元老院籍であり、今まで十人以上継室を出している。
「一宮家は頑張れば正室になれなくもないお家柄だもんねえ」
ちょうどいい年齢の子女がいない場合、継室候補群の家から正室が出る場合もある。
「あのカステラ屋と比べるのが気の毒ってものよ。一宮家からしたら名誉毀損ものだわ。でもあれ可愛かったじゃない。気に入ってらしたくせに。ミミズク」
棕櫚家から梟がお土産に持たされたという、ミミズクのケーキ。
孔雀はフクロウのケーキなんだと言い張ったらしいが、アーモンドの耳がくっついているからあれは間違いなくミミズク。
この兄弟子が、棕櫚家から帰宅した後、厨房にコーヒーを入れさせ、二つ平らげていたのを知っている。
ふん、と梟は誤魔化した。
この兄弟子も、ええカッコしいだからな、と鷂は苦笑した。
「・・・あら、おいしい」
紅茶を飲んで、顔を上げた。
茶だのコーヒーなんかより、蒸溜酒が飲みたい派だが、これはうまい。
「そうなんだよ。さっき孔雀に用意させた」
「まあ、すごいじゃない。家令は政治も戦争もやるけれど、まともにお茶を入れられるのはそういないじゃない。ギルド派って使い勝手がいいわね」
以前、鷂が仕方なく自分で入れてみたコーヒーは泥水のようで、この兄弟子が試しにいれた緑茶は青汁のようだった。
「真鶴が気に入ってな。一緒に菓子を焼いてたりしてる。これもそうだ」
鷂が食べていたマドレーヌを指差す。
「ふうん。真鶴が気に入って、ねえ・・・」
含みのある言い方に、梟が舌打ちした。
「白鷹姉上には余計な事言うなよ」
現在の皇帝である瑪瑙の総家令である梟は、主が揉め事を嫌う事を熟知している。
だからこそ梟は、特に背信に関わるようなことがわずかでも耳に入るなら火消しに走るし、そのような芽をさっさと摘む。
そもそも鷂を使って長期任期の長い司祭長を退けたのもその為。
「だってのに、女家令共ときたら・・・」
また説教がぶり返したか、と鷂はさりげない様子でまた窓の外を眺めた。
小さな女家令が二人、ままごとを続けているのが見えた。
「いいじゃない。家令はそもそもが争いと血を好む存在。猛禽だ蛇蝎だと言われてるんだもの。お妃候補脱落者にはお似合いかも。・・・あら、あの子、本当にタンポポだのシロツメクサ食わされてるけど。やだ、なにあの青い色水」
「・・・緋連雀め。また騙くらかしてんな。腹壊す前に止めてこい」
孔雀が醤油をかけたタンポポやドレッシングをかけたシロツメクサをむしゃむしゃ食べていた。
はいはい、と鷂は美しい女家令の礼をして退出した。
緋連雀と孔雀が並んで遊んでいる様は、外目には実に微笑ましい。
「白鷹お姉様もひどいわよねえ。継室候補群の子なんて継室に上がれなかったとしても、結婚市場では引く手数多なのにさ。一回家令になっちまったらもう事故物件。嫁かず後家決定だね」
鷂が兄弟子にそう不服をぶつけた。
この女家令は現在札付き。
家令など素行が悪くて有名だが、去年、聖堂の司祭長をたぶらかして還俗させた毒婦、というのが世間の評価だ。
前司祭長の長い就任をそろそろ止めさせたかった梟が、次期司祭長の予定を前倒しさせる為に鷂を差し向けた事が事の発端。
「事故物件はお前だ。坊主の退職前倒しさせて、新しい人間就任させたまではいい。なのに半年で辞めさせてどうすんだよ・・・」
ため息をついて梟は妹弟子を見た。
「梟お兄様にとったら同じ事でしょ。またその弟がなっただけの話よ」
「どんだけ大嘴の家から恨み言言われたと思ってんだ。女家令など悪魔が取り憑いているに違いないだのなんだの。・・・お前、なんか取り憑いてんなら祓って貰え」
「あたしゃ巫女だよ。厄落としなんかあたしがしてやるよ。・・・大体。食い詰めて見栄張るためにその三男坊を家令に堕とすような家の人間が何言ってんのよ。ほらごらんよ、今回だって金で手を打ったじゃないの」
大嘴は、司祭長の家の出だ。
世襲でもない役職に半世紀近く同じ家の人間が就任しているのが異例でもあった。
大嘴の実家の伴家は昔から確かに何人も聖職者を出した名門であるが、そのトップに就任したのは大嘴の叔父の代からである。
その前には、家令がその地位に就いていた。
梟もよく覚えているが、抜群に優秀な兄弟子であった。
「長男は後継、次男はそのスペア、まだ赤ん坊の末っ子は可愛くて手放せない。それで三男坊を差し出したわけよ。しかも何?大嘴が家令になったおかげで大聖堂の改修の予算が付いたって話じゃないのよ。身売りよね」
それは間違いない。梟がその案件を議会に通したのだから。
「控えの選手がいて良かったじゃないか。・・・そもそもその長男坊はお前のせいで堕落しちまったわけだ」
梟が舌打ちした。
鷂は神殿の神官職でもある。
事件はすわ宗教戦争とまで言われ、またはロミオとジュリエットだの、魔性の女だの、女家令と結婚する為に新任の司祭長が辞任して還俗するというマスコミの騒ぎに激怒すると思われた白鷹《はくたか》がなぜか怒りもせずに自ら聖堂と司祭長の実家と話をまとめて来てしまったのだ。
鷂に高額な持参金を持たせる事、伴家から新任の司祭長を出す事を条件に。
白鷹は憮然として「全く。お前に新品の戦車ひとつ分くらいかかったよ」と、そう言うと、しばらく海外に居なと鷂を国際機関での仕事に就かせ、国を出してやってしまった。
梟自身も呆れはしたが仕方ないと言っただけ。
昔は、巫女姿で聖堂に道場破りしたとんでもない姉弟子がいたくらいだ。
あれよりはマシだ、と総家令はため息をついた。
「・・・意外ね。あの宮廷育ちの根性曲がりが気に入ってるみたいじゃない」
鷂《はいたか》が自分も窓辺に寄って、庭で遊んでいる緋連雀と孔雀を眺めた。
「あの子、ままごとなんかするのね。遊びって言ったら、男騙して金目のもの巻き上げるくらいしかしないと思ってたのに」
「・・・緋連雀にも困ったもんだ」
容貌がいいのと宮廷で身につけた教養を嵩に女官達を牽制しさらに城に出入りする男を手玉にとって一財産築きつつある。
「女家令としてはなかなか見所があるわよ。・・・さてさて。あの子はどうなのかしらね。棕櫚家のやる気の無さは年季入ってるものね」
長い歴史の中でたった一人の継室しか出して居ない。
しかも、もともとアカデミーの学生だったその継室の彼女は、皇帝が退位後は、アカデミーに戻って研究を続けた。
城にも、皇帝の住む離宮にも戻る事は無かった。
その前に乳母として一人、城に上がったが、乳母なんて子供が成長すれば用済みだ。
「あのドベの家め。実績もないくせに恩恵の公共料金免除など、片腹痛いわ」
「あそこんち自宅も会社も工場も井戸水とソーラーと地熱とプロパンなんでしょ。関係無いじゃない」
継室候補群の家には公共料金が免除されるという特典があるのだが、棕櫚家にはあまり意味が無いようだ。
「大体、継室候補群の家って税金高いじゃない。実際、後宮に入宮するとなったら支度金や恩給出るけどさ、実績ゼロでは恩賜もないし、あそこんち何百年も大損よ」
「・・・まあそうだけどな。情けない話だ。そもそも名誉な事だぞ。継室候補群だぞ。自覚がないからやる気も出ないしズレてんだよ。あの子狸はな、母親に梟《ふくろう》が来ると言われて本当に鳥のフクロウが来るんだと思い込んでいて楽しみにしていたのにいざ来たのがおじさんだったとがっかりして庭から戻ってこなくなったんだぞ」
鷂が手を叩いて笑った。
孔雀は、庭でずっと飼い猫に砂や葉っぱをまぶしていじけていたのだ。
仮にも宮廷の総家令である自分に対してそんな不敬な態度の娘に、母親は手と猫をよく洗ってからお菓子を食べるのよ、とだけ言って好きにさせている始末。
母親の青嵐を知る鷂はまた大笑いした。
「ああ、そう、そんな感じで変わってるのよ、あそこんちの人間て」
梟は舌打ちした。
「大体な、訪問した際もな。テーブルいっぱいにサンドイッチだの焼きそばだの煮物だの寿司だのカステラだの羊羹だの、なんだか知らねえけどローソク立ってる丸いケーキまで上がってたんだ」
「・・・親戚の法事みたいね」
法事で親戚集まったから、ついでに近日中の誰かの誕生日も忘れてた入学祝いも一緒にやっちゃおうと言うあのアナーキーさ。
「一宮家に行った時には、どうやって調べたんだか、皇后宮で出てくるのと同じ茶と饅頭が出てきたというのに」
「ああ、あそこ、確かに太子様にちょうどいい年齢の娘いるわねえ」
継室候補群でも上位の家だ。
貴族院である元老院籍であり、今まで十人以上継室を出している。
「一宮家は頑張れば正室になれなくもないお家柄だもんねえ」
ちょうどいい年齢の子女がいない場合、継室候補群の家から正室が出る場合もある。
「あのカステラ屋と比べるのが気の毒ってものよ。一宮家からしたら名誉毀損ものだわ。でもあれ可愛かったじゃない。気に入ってらしたくせに。ミミズク」
棕櫚家から梟がお土産に持たされたという、ミミズクのケーキ。
孔雀はフクロウのケーキなんだと言い張ったらしいが、アーモンドの耳がくっついているからあれは間違いなくミミズク。
この兄弟子が、棕櫚家から帰宅した後、厨房にコーヒーを入れさせ、二つ平らげていたのを知っている。
ふん、と梟は誤魔化した。
この兄弟子も、ええカッコしいだからな、と鷂は苦笑した。
「・・・あら、おいしい」
紅茶を飲んで、顔を上げた。
茶だのコーヒーなんかより、蒸溜酒が飲みたい派だが、これはうまい。
「そうなんだよ。さっき孔雀に用意させた」
「まあ、すごいじゃない。家令は政治も戦争もやるけれど、まともにお茶を入れられるのはそういないじゃない。ギルド派って使い勝手がいいわね」
以前、鷂が仕方なく自分で入れてみたコーヒーは泥水のようで、この兄弟子が試しにいれた緑茶は青汁のようだった。
「真鶴が気に入ってな。一緒に菓子を焼いてたりしてる。これもそうだ」
鷂が食べていたマドレーヌを指差す。
「ふうん。真鶴が気に入って、ねえ・・・」
含みのある言い方に、梟が舌打ちした。
「白鷹姉上には余計な事言うなよ」
現在の皇帝である瑪瑙の総家令である梟は、主が揉め事を嫌う事を熟知している。
だからこそ梟は、特に背信に関わるようなことがわずかでも耳に入るなら火消しに走るし、そのような芽をさっさと摘む。
そもそも鷂を使って長期任期の長い司祭長を退けたのもその為。
「だってのに、女家令共ときたら・・・」
また説教がぶり返したか、と鷂はさりげない様子でまた窓の外を眺めた。
小さな女家令が二人、ままごとを続けているのが見えた。
「いいじゃない。家令はそもそもが争いと血を好む存在。猛禽だ蛇蝎だと言われてるんだもの。お妃候補脱落者にはお似合いかも。・・・あら、あの子、本当にタンポポだのシロツメクサ食わされてるけど。やだ、なにあの青い色水」
「・・・緋連雀め。また騙くらかしてんな。腹壊す前に止めてこい」
孔雀が醤油をかけたタンポポやドレッシングをかけたシロツメクサをむしゃむしゃ食べていた。
はいはい、と鷂は美しい女家令の礼をして退出した。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
神楽坂gimmick
涼寺みすゞ
恋愛
明治26年、欧州視察を終え帰国した司法官僚 近衛惟前の耳に飛び込んできたのは、学友でもあり親戚にあたる久我侯爵家の跡取り 久我光雅負傷の連絡。
侯爵家のスキャンダルを収めるべく、奔走する羽目になり……
若者が広げた夢の大風呂敷と、初恋の行方は?
無能の少女は鬼神に愛され娶られる
遠野まさみ
キャラ文芸
人とあやかしが隣り合わせに暮らしていたいにしえの時代、人の中に、破妖の力を持つ人がいた。
その一族の娘・咲は、破妖の力を持たず、家族から無能と罵られてきた。
ある日、咲が華族の怒りを買い、あやかしの餌として差し出されたところを、美貌の青年が咲を救う。
青年はおにかみの一族の長だと言い、咲を里に連れて帰りーーーー?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる