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第1章 結成!臨時パーティ!
1-9 一行の行き先(1)
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「こ、ここここれやばいんじゃないか?」
皐月は咄嗟に倒れている人に駆け寄った。こんな時は動かしちゃいけないんだったか。そうだ救急車呼ばないと。そんな思考が頭の中を駆け巡る。
「リル、救急車呼んでくれ!」
「きゅうきゅうしゃ?」
リルは皐月の言葉に首をかしげた。この世界には救急車はないのか。ならば・・・
「・・・医者!医者は?」
「お医者さん呼ばなくても大丈夫よ。この人サツキと同じ。お腹すいて倒れてるだけよ。」
「うん。サツキもこんな感じだったよな?さっきから定期的にグーグー聞こえるしさ」
よくよく見ると静かに肩が上下していて息をしていることは確認できた。しゃがんで耳を近づけると確かにお腹の音らしきものも聞こえる。皐月はひとまず安心した。
「サツキにしてもそうだけど・・・今日会う倒れている人は見たことない格好してるわね。」
リルの言葉に皐月は倒れている人の格好を確認する。少なくとも自分のいた世界の服ではない。とりあえず自分と同じように飛ばされた大学の人ではないようだ。上は薄紅色の甚平のような服を着ていて腰には紅色の帯を締めている。下は膝上までの長さの黒のスパッツをはいていた。おかっぱに近い髪型をしている黒髪の少女だ。こちらの人達の服装は皐月の世界で言うコスプレに近い。例に漏れずこの少女も現代版忍者・・・みたいな格好をしている。
「大丈夫かー?」
メリが突然倒れている少女を激しく揺さぶる。
「・・・うぅぅぅ・・・ぁああ」
揺さぶられながら少女は呻き声をあげる。
「ちょ、メリ具合悪そうな人に何を!」
「起こして話聞きたいから起きてもらう。」
度々思うがこの姉弟は本当に常識的な行動をしない。
「・・・ぅぐう・・・」
少女は先程よりもぐったりした様子で横たわり続ける。
「悪化したじゃねーか!」
メリは一切悪びれた様子なく肩を竦めた。
ふと見るといつの間にかリルが少女の傍らにしゃがみこんでいる。その手には・・・
「パンっっっ!!!」
そう、リルの手には皐月がもらったのと同じ丸いふわふわのパンが持たれていた。・・・のだがそれは一瞬で消え去った。
「ご馳走様です~」
倒れていた少女はいつの間にか起き上がって口の横についたパンくずをパッパと払っていた。
「はぁ~生き返りました~本当に本当にお腹がすいてたんですよ、ありがとうございます~」
少女はさっきの素早さとは裏腹におっとりとした口調でお礼を述べる。
「それは良かったわ!」
リルはニコニコとして2個目のパンを取り出す。すると少女はキラキラした目でそれを見つめていた。
「もうひとつどうぞ?」
リルがそう言うと少女はまた目にも止まらぬ速さでパンを胃におさめた。
「すごい速さね!お腹すいてるならもっとあげるわ。あ、そうだその前に聞きたいことがあるんだけど」
「なんでも聞いてください~!知ってることなら答えます~」
「魔王城へ行きたいのだけど道を知ってるかしら?」
リルがそう聞くと少女はおおっと手を叩いて目を輝かせた。
「私もそこに行きたくて~。手がかりを掴むためにレブリックへ向かっていたんですよ~。」
「あら、じゃあ同じね!それなら一緒にいかないかしら?」
リルはニコッと笑って少女に手を差し出す。
「いいんですか~!?ぜひ、お願いします。1人では心細かったんです~」
少女はリルの手をとると地面から立ち上がり丁寧にお辞儀をした。流石綺麗な日本式だ。
「よし決まりね!お互い助け合いながら頑張って辿り着きましょ!」
こうしてリル達のパーティーは一気に4人に膨れ上がった。
皐月は咄嗟に倒れている人に駆け寄った。こんな時は動かしちゃいけないんだったか。そうだ救急車呼ばないと。そんな思考が頭の中を駆け巡る。
「リル、救急車呼んでくれ!」
「きゅうきゅうしゃ?」
リルは皐月の言葉に首をかしげた。この世界には救急車はないのか。ならば・・・
「・・・医者!医者は?」
「お医者さん呼ばなくても大丈夫よ。この人サツキと同じ。お腹すいて倒れてるだけよ。」
「うん。サツキもこんな感じだったよな?さっきから定期的にグーグー聞こえるしさ」
よくよく見ると静かに肩が上下していて息をしていることは確認できた。しゃがんで耳を近づけると確かにお腹の音らしきものも聞こえる。皐月はひとまず安心した。
「サツキにしてもそうだけど・・・今日会う倒れている人は見たことない格好してるわね。」
リルの言葉に皐月は倒れている人の格好を確認する。少なくとも自分のいた世界の服ではない。とりあえず自分と同じように飛ばされた大学の人ではないようだ。上は薄紅色の甚平のような服を着ていて腰には紅色の帯を締めている。下は膝上までの長さの黒のスパッツをはいていた。おかっぱに近い髪型をしている黒髪の少女だ。こちらの人達の服装は皐月の世界で言うコスプレに近い。例に漏れずこの少女も現代版忍者・・・みたいな格好をしている。
「大丈夫かー?」
メリが突然倒れている少女を激しく揺さぶる。
「・・・うぅぅぅ・・・ぁああ」
揺さぶられながら少女は呻き声をあげる。
「ちょ、メリ具合悪そうな人に何を!」
「起こして話聞きたいから起きてもらう。」
度々思うがこの姉弟は本当に常識的な行動をしない。
「・・・ぅぐう・・・」
少女は先程よりもぐったりした様子で横たわり続ける。
「悪化したじゃねーか!」
メリは一切悪びれた様子なく肩を竦めた。
ふと見るといつの間にかリルが少女の傍らにしゃがみこんでいる。その手には・・・
「パンっっっ!!!」
そう、リルの手には皐月がもらったのと同じ丸いふわふわのパンが持たれていた。・・・のだがそれは一瞬で消え去った。
「ご馳走様です~」
倒れていた少女はいつの間にか起き上がって口の横についたパンくずをパッパと払っていた。
「はぁ~生き返りました~本当に本当にお腹がすいてたんですよ、ありがとうございます~」
少女はさっきの素早さとは裏腹におっとりとした口調でお礼を述べる。
「それは良かったわ!」
リルはニコニコとして2個目のパンを取り出す。すると少女はキラキラした目でそれを見つめていた。
「もうひとつどうぞ?」
リルがそう言うと少女はまた目にも止まらぬ速さでパンを胃におさめた。
「すごい速さね!お腹すいてるならもっとあげるわ。あ、そうだその前に聞きたいことがあるんだけど」
「なんでも聞いてください~!知ってることなら答えます~」
「魔王城へ行きたいのだけど道を知ってるかしら?」
リルがそう聞くと少女はおおっと手を叩いて目を輝かせた。
「私もそこに行きたくて~。手がかりを掴むためにレブリックへ向かっていたんですよ~。」
「あら、じゃあ同じね!それなら一緒にいかないかしら?」
リルはニコッと笑って少女に手を差し出す。
「いいんですか~!?ぜひ、お願いします。1人では心細かったんです~」
少女はリルの手をとると地面から立ち上がり丁寧にお辞儀をした。流石綺麗な日本式だ。
「よし決まりね!お互い助け合いながら頑張って辿り着きましょ!」
こうしてリル達のパーティーは一気に4人に膨れ上がった。
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