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2 新しい朝に
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ーー次の日、朝起きると香ばしい匂いが鼻をついた 。寝ぼけ眼を擦りながらリビングへ行ってみるとトーストと様々なジャムが用意されていた。
「いい匂い・・・」
「あ、おはよう。ツォーレンさん朝ごはんどうぞ。寮でも朝夜食べる予定だっただろう?さあ、席へ。」
キッチンからティーポットを持ったリオが出てくる。
「まってて今紅茶もいれるから。」
言われるままに席につくと目の前のティーカップにオレンジの香りが心地いい紅茶が注がれた。
「あ、ありがとうございます」
「いいえー。あ、好きなジャム使って、バターはその容器ね」
朝から至れり尽くせりだ、毎日これなのなら寮よりいいかも・・・
ベルは少し気持ちが揺らぐ。いやいや寮でも出るって言ったって毎回ご飯をお世話になるわけにはいかないだろう。女子としても負けた気持ちになりそうだ。でも、晩御飯は何かな・・・
しばらく一人の葛藤を続けているとリオが口を開く。
「ツォーレンさん、今日から授業だからね、これ持って行きなよ。」
リオからピンクの巾着を手渡された。
「これは?」
「お弁当だよ。あ、学食で食べてみたかったかな・・」
「いえ!うれしいです。ここまでしてくれるなんて申し訳なくて・・・。ただでさえ迷惑かけてるのに。」
「そんなことないよ。食事作るのは好きだし1人分作るより実は安上がりなんだ。毎日ちゃんと作るからツォーレンさんはちゃーんと学業に勤しんでね。」
「わたしもたまには・・・あ」
「これから住んでくれるのかい?」
「寮のことはどうしようもないですし。迷惑かけたくないけど・・・」
「迷惑だなんて、思わないよ。一人じゃこの家はさみしい、丁度良かったのさ。」
「ありがとうございます。あ、それじゃあそろそろ学校に」
「いってらっしゃいツォーレンさん」
「はい、いってまいります。それと名前!私も言われたように呼びますからベルでいいです!」
「そう。じゃあいってらっしゃいベル。気をつけてね。」
外に出ると女子寮の前へ急ぐ、ラルクが迎えに来ると言っていた。
着くとラルクがもう待っていた。女子寮の入り口から出て来なかった私を不思議そうにながめている。言うべきだろうか?
「ベル、先に外に出てたのかあ、びっくりしちゃったよ。」
「う、うんそうなんだ。」
なんとなく言うのをやめてしまった。やましいことじゃないのに。後で詳しく話すからごめん!そう思いながら学校へと歩き始めた。
「今日は授業のガイダンスがあってから自由に校内をみてまわっていいんだって。」
「楽しみよね、ラルクは何の授業とりたいの?」
「僕はね~魔方陣と治癒魔法かな、あとねあとね練成魔法の授業も!ベルは?」
「そうね私は魔法理論学と合成生体学かしら。」
「うえーそんな難しいものばかりとるの?一緒のもとりたい。
」
「じゃあ魔法理論学とりましょうよ。」
「魔法理論・・・か。う、うぅーがんばってみるかな。」
そんな事を話しているうちに教室の中に着いた。
「え」
「どうしたの?ベル。」
中に入ると教壇の上に理事長が立っている。私より後に家を出たはずなのにもういる。少し驚いた。すると理事長がこちらに気づいたようだ。
「二人ともはやいね。気合い十分で結構だよ。」
はやいね、は私のセリフだ。
「ガイダンスは30分後だから少しそこらへんを見て来てはどうだい。」
「「はーい」」
理事長の提案にベルとラルクは声を揃えて返事をし荷物で席取りをすると外に出た。
「いい匂い・・・」
「あ、おはよう。ツォーレンさん朝ごはんどうぞ。寮でも朝夜食べる予定だっただろう?さあ、席へ。」
キッチンからティーポットを持ったリオが出てくる。
「まってて今紅茶もいれるから。」
言われるままに席につくと目の前のティーカップにオレンジの香りが心地いい紅茶が注がれた。
「あ、ありがとうございます」
「いいえー。あ、好きなジャム使って、バターはその容器ね」
朝から至れり尽くせりだ、毎日これなのなら寮よりいいかも・・・
ベルは少し気持ちが揺らぐ。いやいや寮でも出るって言ったって毎回ご飯をお世話になるわけにはいかないだろう。女子としても負けた気持ちになりそうだ。でも、晩御飯は何かな・・・
しばらく一人の葛藤を続けているとリオが口を開く。
「ツォーレンさん、今日から授業だからね、これ持って行きなよ。」
リオからピンクの巾着を手渡された。
「これは?」
「お弁当だよ。あ、学食で食べてみたかったかな・・」
「いえ!うれしいです。ここまでしてくれるなんて申し訳なくて・・・。ただでさえ迷惑かけてるのに。」
「そんなことないよ。食事作るのは好きだし1人分作るより実は安上がりなんだ。毎日ちゃんと作るからツォーレンさんはちゃーんと学業に勤しんでね。」
「わたしもたまには・・・あ」
「これから住んでくれるのかい?」
「寮のことはどうしようもないですし。迷惑かけたくないけど・・・」
「迷惑だなんて、思わないよ。一人じゃこの家はさみしい、丁度良かったのさ。」
「ありがとうございます。あ、それじゃあそろそろ学校に」
「いってらっしゃいツォーレンさん」
「はい、いってまいります。それと名前!私も言われたように呼びますからベルでいいです!」
「そう。じゃあいってらっしゃいベル。気をつけてね。」
外に出ると女子寮の前へ急ぐ、ラルクが迎えに来ると言っていた。
着くとラルクがもう待っていた。女子寮の入り口から出て来なかった私を不思議そうにながめている。言うべきだろうか?
「ベル、先に外に出てたのかあ、びっくりしちゃったよ。」
「う、うんそうなんだ。」
なんとなく言うのをやめてしまった。やましいことじゃないのに。後で詳しく話すからごめん!そう思いながら学校へと歩き始めた。
「今日は授業のガイダンスがあってから自由に校内をみてまわっていいんだって。」
「楽しみよね、ラルクは何の授業とりたいの?」
「僕はね~魔方陣と治癒魔法かな、あとねあとね練成魔法の授業も!ベルは?」
「そうね私は魔法理論学と合成生体学かしら。」
「うえーそんな難しいものばかりとるの?一緒のもとりたい。
」
「じゃあ魔法理論学とりましょうよ。」
「魔法理論・・・か。う、うぅーがんばってみるかな。」
そんな事を話しているうちに教室の中に着いた。
「え」
「どうしたの?ベル。」
中に入ると教壇の上に理事長が立っている。私より後に家を出たはずなのにもういる。少し驚いた。すると理事長がこちらに気づいたようだ。
「二人ともはやいね。気合い十分で結構だよ。」
はやいね、は私のセリフだ。
「ガイダンスは30分後だから少しそこらへんを見て来てはどうだい。」
「「はーい」」
理事長の提案にベルとラルクは声を揃えて返事をし荷物で席取りをすると外に出た。
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