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STEP5:応援に行きましょう
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「わぁ。すごい……」
会場の広さと人の熱気に、思わず声が出てしまった。今まで運動部、ましてや大会なんかとは縁のない生活を送ってきたので、初めて見る光景にただただ驚くばかりだ。
ロビーには各校のバスケ部員や応援の生徒たちで溢れていた。貼り出されたトーナメント表を見ると、うちの学校の一回戦はBコートで9時半試合開始らしい。まだ少し時間はあるけど、私は観覧席に向かうことにした。途中、学校名が入ったお揃いのジャージを着た背の高い集団を見かけたので、少し遠回りをして会場に入った。個人ならまだしも、男子の集団はやっぱり苦手だ。
うちの学校の応援席を見つけて、適当な場所に静かに座る。コートの中では各チームがウォーミングアップを行っていた。……あ、居た。こんなにたくさん人がいるのに、鳴海くんの姿はすぐに見つけられた。たぶん、仲良くなったから視界に入りやすくなっているのだろう。それからすぐ、監督の横に座って何かを書いている皐月ちゃんの姿も見つけた。今日も高い位置で結ばれたポニーテールがよく似合っている。
「あっ、鳴海先輩いたよ!」
「どこどこ?」
「ほら、あのゴールの近く!」
斜め前に座っていた女の子二人の会話が耳に入る。鳴海くんの名前が聞こえて、何も悪いことをしてないのにドキッとした。
「みんなお揃いのミサンガしてるんだねぇ、かわいい!」
「あれ? でも鳴海先輩だけ2本つけてない?」
「嘘っ!? うわ、ほんとだぁ! あれって彼女から貰ったのかな~? ショック~!」
か、かかか彼女!? 思わず顔が赤くなる。お、おおお落ち着け私。実際は彼女じゃないんだから気にしなくて全然いい。それに、私があのミサンガをあげたことは本人と皐月ちゃん以外は誰も知らないんだから大丈夫。彼女が私だって誤解されるはずがない。うん、落ち着いてきた。ふぅ、と小さく息を吐く。……でも、そっか。事情を知らない人から見るとそんな風に誤解しちゃうのか。
「鳴海先輩の彼女ってあのマネージャーさんかなぁ?」
「えー! やだぁ!! うう……でも悔しいけどお似合いなんだよねぇ」
「マネージャーさん明るくて美人だしなぁ」
「鳴海先輩も気を許してる感じするし。あーあ。あたしもマネージャーやれば良かった!」
皐月ちゃんが鳴海くんの彼女……? 確かにあの二人は仲が良いけど……付き合ってはいないはずだ。……よね? それに、皐月ちゃんはそんな不純な動機でマネージャーやってるわけじゃないし。う~ん、なんだか胸がモヤモヤするのは気のせいだろうか。
「あっ、鳴海先輩シュートする!」
「ほんとだ! やばい! かっこいい!」
女の子たちはキャーキャーと黄色い声を上げる。たった数秒前まで彼女がどーのとか言ってたのに……切り替えが早い。見たことない子たちだけど同じ学校の子だろうか。さっき先輩って呼んでたから、たぶん後輩なんだろう。鳴海くんは人気があるって聞いてたけど本当だったんだなぁ。彼女たちの姿を見ていると、胸のモヤモヤがさっきより濃くなった気がした。
気付くと試合開始時間が迫っていたようで、両チームとも整列して挨拶を交わしていた。おっといけない。せっかく応援に来たんだから、今は余計なことは考えず試合に集中しないと。
ええと、白地に紺色の文字が書かれたユニフォームがうちの学校で、派手なオレンジ色のユニフォームが相手の学校か。よし、覚えた。
ピー! という一際高い笛の音を合図に、試合が始まった。
会場の広さと人の熱気に、思わず声が出てしまった。今まで運動部、ましてや大会なんかとは縁のない生活を送ってきたので、初めて見る光景にただただ驚くばかりだ。
ロビーには各校のバスケ部員や応援の生徒たちで溢れていた。貼り出されたトーナメント表を見ると、うちの学校の一回戦はBコートで9時半試合開始らしい。まだ少し時間はあるけど、私は観覧席に向かうことにした。途中、学校名が入ったお揃いのジャージを着た背の高い集団を見かけたので、少し遠回りをして会場に入った。個人ならまだしも、男子の集団はやっぱり苦手だ。
うちの学校の応援席を見つけて、適当な場所に静かに座る。コートの中では各チームがウォーミングアップを行っていた。……あ、居た。こんなにたくさん人がいるのに、鳴海くんの姿はすぐに見つけられた。たぶん、仲良くなったから視界に入りやすくなっているのだろう。それからすぐ、監督の横に座って何かを書いている皐月ちゃんの姿も見つけた。今日も高い位置で結ばれたポニーテールがよく似合っている。
「あっ、鳴海先輩いたよ!」
「どこどこ?」
「ほら、あのゴールの近く!」
斜め前に座っていた女の子二人の会話が耳に入る。鳴海くんの名前が聞こえて、何も悪いことをしてないのにドキッとした。
「みんなお揃いのミサンガしてるんだねぇ、かわいい!」
「あれ? でも鳴海先輩だけ2本つけてない?」
「嘘っ!? うわ、ほんとだぁ! あれって彼女から貰ったのかな~? ショック~!」
か、かかか彼女!? 思わず顔が赤くなる。お、おおお落ち着け私。実際は彼女じゃないんだから気にしなくて全然いい。それに、私があのミサンガをあげたことは本人と皐月ちゃん以外は誰も知らないんだから大丈夫。彼女が私だって誤解されるはずがない。うん、落ち着いてきた。ふぅ、と小さく息を吐く。……でも、そっか。事情を知らない人から見るとそんな風に誤解しちゃうのか。
「鳴海先輩の彼女ってあのマネージャーさんかなぁ?」
「えー! やだぁ!! うう……でも悔しいけどお似合いなんだよねぇ」
「マネージャーさん明るくて美人だしなぁ」
「鳴海先輩も気を許してる感じするし。あーあ。あたしもマネージャーやれば良かった!」
皐月ちゃんが鳴海くんの彼女……? 確かにあの二人は仲が良いけど……付き合ってはいないはずだ。……よね? それに、皐月ちゃんはそんな不純な動機でマネージャーやってるわけじゃないし。う~ん、なんだか胸がモヤモヤするのは気のせいだろうか。
「あっ、鳴海先輩シュートする!」
「ほんとだ! やばい! かっこいい!」
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気付くと試合開始時間が迫っていたようで、両チームとも整列して挨拶を交わしていた。おっといけない。せっかく応援に来たんだから、今は余計なことは考えず試合に集中しないと。
ええと、白地に紺色の文字が書かれたユニフォームがうちの学校で、派手なオレンジ色のユニフォームが相手の学校か。よし、覚えた。
ピー! という一際高い笛の音を合図に、試合が始まった。
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