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70話 9日目 意外に痛いらしい
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置手紙をカニャンの眼の付く所へおいて宿を後にした俊達は東口に来ていた。
門番の獣人に聞いた所、ここからの距離はそこそこあるらしく、昼はすぎるだろうと予測した。
距離がある為、ノベールから馬を借りるのはどうかと提案があった。
「すいません。 僕、馬に乗った事がないので・・・。」
「あら、移動手段はどうしてましたの?」
「車・・・と言うと伝わりませんね。 馬のいらない鉄の馬車と言えば良いですかね。」
「便利そうですわね。 でもそうすると馬の必要性が無くなるのではなくて?」
「僕のいた世界でも馬は今ももちろんいます。 ただ、食用や競争などに使われる為、一般的には見る機会はないと思いますよ。」
「そうなんですのね。 って、馬を食べますの!?」
「はい。 ただ僕は苦手ですけど。」
食の文化は多少の違いがあるようだ。
ただ、まだ魔人、獣人領しかしらない俊にとってはほかの領には馬肉もあるのかもしれないなと思うのだった。
話を区切、ドラゴンのもとへ向かった。
「話通りならもう少し先に噂のドラゴンがいる。 みたいですね。」
「そうですわね。」
「ドラゴンさん昔見た事あるの。 羽がおっきいの。」
「チィナ、オ主ガ見タノハドラゴンデハナイゾ。 ワイバーンダ。」
「そうなの? 違いが分からないの。」
ドラゴンとワイバーンの違い・・・。 イラストなどのイメージからすると腕があるかないか、ですが翼の先に手が付いてるタイプもあるのを見たことがある。
他にも由来はあるらしいけど、あまり地球では調べた事が無かった。
「違いですの? ドラゴンは話をする事が出来ますわ。 ですが、ワイバーンは話は出来ませんわね。 見た目でも腕があるか、ないか くらいでしか私もわかりませんわ。」
俊とあまり変わらない違いの認識だった。
話をしていると地響きがあった。
「近づいてるみたいですね。 みなさん、気を付けてくださいね。」
慎重に進むと噂のドラゴンがいた。
翼は大きく、肌の色は濃い緑のようだ。
「む?何者だ?」
「様子を見に来た者です。」
「何?様子だと?あれほど獣人族にも近づくなと言っておいたと言うのに・・・。」
「いえ、貴方の状況を解決出来るかもと思って来たんですよ。」
「ほう。 この状況ヲオォォォ!?」
ドラゴンの挙動がおかしくなった。
上半身が地面から見えてるのだが、下半身は地面の中なのだろう。
その下半身が地上に飛び出たり、沈んだりを繰り返してる。
「おぉおぉぉおぉぉ」
ドラゴンの声が振動のように震えている。
ドラゴンの体全体が地面に沈んだり、一部はみ出たりと、ゲームで見るスタックバグのように見える俊はバグと結論付ける事にした。
「会話が難しい状態と思いますが、念のため確認させてください。」
ドラゴンは首を縦に振っているのだろうが、すごい勢いでカクンカクンしている。
「まず、今の状況を改善できた場合は、僕達を襲わないと誓えますか?」
カクン、カクンと動きが激しいが、多分大丈夫だろう。
「わかりました。 あとは開放されてから話をします。」
俊はノベール達に様子見を任せて人目に付かない場所へ移動し、ハンディーへと連絡を行った。
「あら、ドラゴンの件で良いのよね?」
「そうですね。 今、近くにいますが、スタック関係だと思います。 ぶれたり、カクンカクンと挙動がおかしいですね。」
「なら、こっちで引き継ぐわね。 大体1時間くらいで治るとは思うわ。」
「わかりました。 それまでは様子見しておきますね。」
「お願いするわ。」
ハンディーとのやり取りが終わり、ノベール達の元へ戻った。
「お待たせしました。」
「あら、もう済みましたの?」
「えぇ、あとは待つだけですね。」
しかし、不思議な事もある。
生身のドラゴンがスタッグして挙動がおかしくなっている。
痛みなどがあるのか、どんな感じなのか。
気になり、俊はドラゴンへと話を振った。
「すいません。ドラゴンさん。 少し良いですか?」
「む?少し動きが落ち着いてるから構わんぞ。」
「ありがとうございます。 気になったんですが、その今の状況というのは体への痛みなんかは無いんですか?」
「ある・・・が、少しだな。 我は体が頑丈だからな。 それより動きが激しい時の方が酷いぞ?」
ノベールも気になるのか一緒に話を聞いていた。
「どんな具合ですの?」
「うむ、そうだな。 激しい時は首も振られてるのは見ただろう? その時、地面に叩きつけられてるような感じなのだ。 人族で言うならぶん殴られているような感じかもしれぬ。」
思ったより痛みがありそうだな。と思った。
挙動としては、巻き込まれてみたいですけど、痛いのは勘弁ですね。
ゲームキャラクターもそんな気持ちを抱いたのかもしれませんね。
ドラゴンと話をしているとドラゴンの体が地面から生えるように出てきたのだった。
----現在のバグ一覧-----
東の街道に地から生えるウィンドドラゴンがいる。
-----バグ?不明-----
-----調査-----
魔法の威力について
門番の獣人に聞いた所、ここからの距離はそこそこあるらしく、昼はすぎるだろうと予測した。
距離がある為、ノベールから馬を借りるのはどうかと提案があった。
「すいません。 僕、馬に乗った事がないので・・・。」
「あら、移動手段はどうしてましたの?」
「車・・・と言うと伝わりませんね。 馬のいらない鉄の馬車と言えば良いですかね。」
「便利そうですわね。 でもそうすると馬の必要性が無くなるのではなくて?」
「僕のいた世界でも馬は今ももちろんいます。 ただ、食用や競争などに使われる為、一般的には見る機会はないと思いますよ。」
「そうなんですのね。 って、馬を食べますの!?」
「はい。 ただ僕は苦手ですけど。」
食の文化は多少の違いがあるようだ。
ただ、まだ魔人、獣人領しかしらない俊にとってはほかの領には馬肉もあるのかもしれないなと思うのだった。
話を区切、ドラゴンのもとへ向かった。
「話通りならもう少し先に噂のドラゴンがいる。 みたいですね。」
「そうですわね。」
「ドラゴンさん昔見た事あるの。 羽がおっきいの。」
「チィナ、オ主ガ見タノハドラゴンデハナイゾ。 ワイバーンダ。」
「そうなの? 違いが分からないの。」
ドラゴンとワイバーンの違い・・・。 イラストなどのイメージからすると腕があるかないか、ですが翼の先に手が付いてるタイプもあるのを見たことがある。
他にも由来はあるらしいけど、あまり地球では調べた事が無かった。
「違いですの? ドラゴンは話をする事が出来ますわ。 ですが、ワイバーンは話は出来ませんわね。 見た目でも腕があるか、ないか くらいでしか私もわかりませんわ。」
俊とあまり変わらない違いの認識だった。
話をしていると地響きがあった。
「近づいてるみたいですね。 みなさん、気を付けてくださいね。」
慎重に進むと噂のドラゴンがいた。
翼は大きく、肌の色は濃い緑のようだ。
「む?何者だ?」
「様子を見に来た者です。」
「何?様子だと?あれほど獣人族にも近づくなと言っておいたと言うのに・・・。」
「いえ、貴方の状況を解決出来るかもと思って来たんですよ。」
「ほう。 この状況ヲオォォォ!?」
ドラゴンの挙動がおかしくなった。
上半身が地面から見えてるのだが、下半身は地面の中なのだろう。
その下半身が地上に飛び出たり、沈んだりを繰り返してる。
「おぉおぉぉおぉぉ」
ドラゴンの声が振動のように震えている。
ドラゴンの体全体が地面に沈んだり、一部はみ出たりと、ゲームで見るスタックバグのように見える俊はバグと結論付ける事にした。
「会話が難しい状態と思いますが、念のため確認させてください。」
ドラゴンは首を縦に振っているのだろうが、すごい勢いでカクンカクンしている。
「まず、今の状況を改善できた場合は、僕達を襲わないと誓えますか?」
カクン、カクンと動きが激しいが、多分大丈夫だろう。
「わかりました。 あとは開放されてから話をします。」
俊はノベール達に様子見を任せて人目に付かない場所へ移動し、ハンディーへと連絡を行った。
「あら、ドラゴンの件で良いのよね?」
「そうですね。 今、近くにいますが、スタック関係だと思います。 ぶれたり、カクンカクンと挙動がおかしいですね。」
「なら、こっちで引き継ぐわね。 大体1時間くらいで治るとは思うわ。」
「わかりました。 それまでは様子見しておきますね。」
「お願いするわ。」
ハンディーとのやり取りが終わり、ノベール達の元へ戻った。
「お待たせしました。」
「あら、もう済みましたの?」
「えぇ、あとは待つだけですね。」
しかし、不思議な事もある。
生身のドラゴンがスタッグして挙動がおかしくなっている。
痛みなどがあるのか、どんな感じなのか。
気になり、俊はドラゴンへと話を振った。
「すいません。ドラゴンさん。 少し良いですか?」
「む?少し動きが落ち着いてるから構わんぞ。」
「ありがとうございます。 気になったんですが、その今の状況というのは体への痛みなんかは無いんですか?」
「ある・・・が、少しだな。 我は体が頑丈だからな。 それより動きが激しい時の方が酷いぞ?」
ノベールも気になるのか一緒に話を聞いていた。
「どんな具合ですの?」
「うむ、そうだな。 激しい時は首も振られてるのは見ただろう? その時、地面に叩きつけられてるような感じなのだ。 人族で言うならぶん殴られているような感じかもしれぬ。」
思ったより痛みがありそうだな。と思った。
挙動としては、巻き込まれてみたいですけど、痛いのは勘弁ですね。
ゲームキャラクターもそんな気持ちを抱いたのかもしれませんね。
ドラゴンと話をしているとドラゴンの体が地面から生えるように出てきたのだった。
----現在のバグ一覧-----
東の街道に地から生えるウィンドドラゴンがいる。
-----バグ?不明-----
-----調査-----
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