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65話 8日目 参上
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「おや・・・?誰だろう? あ、切れたね。」
「どうしたんじゃ?兄さま。」
イシディウスは突然の連絡に、通話履歴を見る。
「げっ・・・。」
「なんじゃ? 誰からだったんじゃ?」
イシディウスは通話履歴をクロクに見せた。
「あぁ~・・・。 珍しい人からじゃの。」
「折り返しはいるだろうね。」
そうじゃな。と首を縦に振ったクロクを余所に連絡をした。
「や、やぁ。 久しぶりですね。」
何やら通話の相手と話をしているようだ。
「え?ちょっと待ってよ! 聞いてないですよ!? あ、切れた・・・。」
あまり良い内容に見えなかったクロクはうろたえて居る
「な、なんじゃったんじゃ・・・?」
「それが、ここに来るらしい・・・。」
バンと扉を強く開けて一人の女性が入ってきた。
「来たわよ! お手伝いのエリートがね!」
「「げっ」」
「げっ。 とは何よ。 げっ。 とは!」
「気のせいなのじゃ。」
「そうですよ。 気のせいです。 それでお手伝いとはどういう事なんです?」
「そ、そうじゃよ? 兄さまもいるし、問題もないと思うのじゃが?」
「それが大ありなのよ。 今、パパがしてる地球での事は知ってるわね?」
「大変な事。しかしらないのじゃ。」
どうやら、地球では何か大きな事が起きているらしい。
「はぁ~・・・。 細かくは説明できないんだけど、ここと関係があるのよ。 それで修正作業に私が来たって訳。」
「関係も何も、ここはまだ出来て短いじゃろ? 何か起きるとは思えぬのじゃが?」
「それは何時かわかるわよ。 さて、修正手伝うから今の状況教えてくれる?」
この自称エリートを語る茶髪の女性は、イシディウスとクロクの姉である。
名前はハンディーと言う。
地球では事象の修正作業を担当している。
「わ、わかったのじゃ。」
クロクは現在起きている不具合の修正状況を伝えた。
「貴女ね、それで宿屋の女将さんとやらが納得する訳ないでしょ? 壁抜けが出来る壁は他社にはない真似ができない唯一の物なのよ? それを回転扉で手を打ってください。 じゃ他のお店も真似て終わりじゃない? そこはちゃんと理解して修正してるの?」
「いや、そこまで言わんでも良いと思うのじゃが!?」
「それにクロク、アンタね。 喋りが爺臭い。 いつ直すの?」
「うっ、それは癖じゃからな? 今なら治す気もないのじゃ!」
「はぁ・・・じゃ、修正してる内容をブラッシュアップするわよ?」
ハンディーはクロクの修正案を大幅に変更していった。
「のじゃ? これ解決になるのじゃ? 初期と同じに見えるのじゃが。」
「そりゃそうでしょ。 同じに見えるようにしてるんだから。」
「どういう事じゃろ?」
「まず、壁抜けだけど修正はするわ。 そして同じ場所に幻術魔法と痛覚魔法を使って同じ物を設置するの。」
「何か起きるんじゃろか・・・?」
「まだ、分かんないの・・・。 はぁ・・・、良いわ。 説明してあげる。」
説明としてはこうだった。
まず、バグが起きてる壁は取り払う。 取り払った後に幻術で同じ壁を見えるように配置する。 そして、伝心魔法を使い、触っている、壁がある。と錯覚させる。 という事だった。
「これなら気づかないでしょ? 変わってるか。 なんて。」
「たしかに、気づかないのじゃ!」
「そもそも、アンタ創造神になったんだからシステム的な修正だけじゃなく折角、剣や魔法のある世界にしたんだから根本的な、魔法の力も使うべきなのよ。」
眉間に手を当てて溜息を吐いたハンディーだった。
「いや、そうは言っても想像の違いじゃろ・・・? これからはそこも考えていくのじゃけど・・・。」
「そんな相手が納得するかしないか分からないような修正案を出すのだけは、やめなさい。 良いわね? 信仰もないらしいじゃない? そんなので本当に創造神なんてやってけるの?」
「ね、姐さん。 そこらへんで・・・」
クロクは床に両手を当てうなだれている。
「あぁ、ダウンしてる・・・。」
「この子はこれくらい言わないと、今後の修正について来れないのよ。 あんたは聞いてんでしょ? 地球の13年前の事。」
「それは聞いたけど・・・。 修正は出来るの? 無理やり軸合わせするしかないと考えてるけど・・・。」
「それがね。 すぐには出来ない事態に急変したのよ。 なんの因果か分かんないけど、俊の関係者みたいだからね。」
俊の名前が出た所でクロクは顔を上げた。
「なんじゃ? 俊に何かあるのじゃ?」
「何かあるって訳じゃないわ。 俊本人には多分、何も起きないわよ。」
「良かったのじゃ! 何かあったら、わし!また怒られるのじゃ!」
「アンタ神ぃ? 本当に神様してるのよね? 眷属というか・・・怒られるって何してんの?」
イシディウスがハンディーに俊をデフォルトニアに送ってからの事を説明していく。
話を聞くにつれ、青筋を浮かべていく。
「クロク? そこ。」
ニコニコ顔で床を指指しているハンディーだ。
「せ・い・ざ。」
「のじゃ!?」
「ほら、正座しなさい?」
「な、な、なんじゃ!? ちゃんと修正してるのじゃ!」
「何処がちゃんと修正してんのよ! アンタ、自分の信者に痛み与えて気絶させるわ。素っ裸にするわとろくでもないわ!」
「のじゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ハンディーにクロクは拳骨を落とされた。
「どうしたんじゃ?兄さま。」
イシディウスは突然の連絡に、通話履歴を見る。
「げっ・・・。」
「なんじゃ? 誰からだったんじゃ?」
イシディウスは通話履歴をクロクに見せた。
「あぁ~・・・。 珍しい人からじゃの。」
「折り返しはいるだろうね。」
そうじゃな。と首を縦に振ったクロクを余所に連絡をした。
「や、やぁ。 久しぶりですね。」
何やら通話の相手と話をしているようだ。
「え?ちょっと待ってよ! 聞いてないですよ!? あ、切れた・・・。」
あまり良い内容に見えなかったクロクはうろたえて居る
「な、なんじゃったんじゃ・・・?」
「それが、ここに来るらしい・・・。」
バンと扉を強く開けて一人の女性が入ってきた。
「来たわよ! お手伝いのエリートがね!」
「「げっ」」
「げっ。 とは何よ。 げっ。 とは!」
「気のせいなのじゃ。」
「そうですよ。 気のせいです。 それでお手伝いとはどういう事なんです?」
「そ、そうじゃよ? 兄さまもいるし、問題もないと思うのじゃが?」
「それが大ありなのよ。 今、パパがしてる地球での事は知ってるわね?」
「大変な事。しかしらないのじゃ。」
どうやら、地球では何か大きな事が起きているらしい。
「はぁ~・・・。 細かくは説明できないんだけど、ここと関係があるのよ。 それで修正作業に私が来たって訳。」
「関係も何も、ここはまだ出来て短いじゃろ? 何か起きるとは思えぬのじゃが?」
「それは何時かわかるわよ。 さて、修正手伝うから今の状況教えてくれる?」
この自称エリートを語る茶髪の女性は、イシディウスとクロクの姉である。
名前はハンディーと言う。
地球では事象の修正作業を担当している。
「わ、わかったのじゃ。」
クロクは現在起きている不具合の修正状況を伝えた。
「貴女ね、それで宿屋の女将さんとやらが納得する訳ないでしょ? 壁抜けが出来る壁は他社にはない真似ができない唯一の物なのよ? それを回転扉で手を打ってください。 じゃ他のお店も真似て終わりじゃない? そこはちゃんと理解して修正してるの?」
「いや、そこまで言わんでも良いと思うのじゃが!?」
「それにクロク、アンタね。 喋りが爺臭い。 いつ直すの?」
「うっ、それは癖じゃからな? 今なら治す気もないのじゃ!」
「はぁ・・・じゃ、修正してる内容をブラッシュアップするわよ?」
ハンディーはクロクの修正案を大幅に変更していった。
「のじゃ? これ解決になるのじゃ? 初期と同じに見えるのじゃが。」
「そりゃそうでしょ。 同じに見えるようにしてるんだから。」
「どういう事じゃろ?」
「まず、壁抜けだけど修正はするわ。 そして同じ場所に幻術魔法と痛覚魔法を使って同じ物を設置するの。」
「何か起きるんじゃろか・・・?」
「まだ、分かんないの・・・。 はぁ・・・、良いわ。 説明してあげる。」
説明としてはこうだった。
まず、バグが起きてる壁は取り払う。 取り払った後に幻術で同じ壁を見えるように配置する。 そして、伝心魔法を使い、触っている、壁がある。と錯覚させる。 という事だった。
「これなら気づかないでしょ? 変わってるか。 なんて。」
「たしかに、気づかないのじゃ!」
「そもそも、アンタ創造神になったんだからシステム的な修正だけじゃなく折角、剣や魔法のある世界にしたんだから根本的な、魔法の力も使うべきなのよ。」
眉間に手を当てて溜息を吐いたハンディーだった。
「いや、そうは言っても想像の違いじゃろ・・・? これからはそこも考えていくのじゃけど・・・。」
「そんな相手が納得するかしないか分からないような修正案を出すのだけは、やめなさい。 良いわね? 信仰もないらしいじゃない? そんなので本当に創造神なんてやってけるの?」
「ね、姐さん。 そこらへんで・・・」
クロクは床に両手を当てうなだれている。
「あぁ、ダウンしてる・・・。」
「この子はこれくらい言わないと、今後の修正について来れないのよ。 あんたは聞いてんでしょ? 地球の13年前の事。」
「それは聞いたけど・・・。 修正は出来るの? 無理やり軸合わせするしかないと考えてるけど・・・。」
「それがね。 すぐには出来ない事態に急変したのよ。 なんの因果か分かんないけど、俊の関係者みたいだからね。」
俊の名前が出た所でクロクは顔を上げた。
「なんじゃ? 俊に何かあるのじゃ?」
「何かあるって訳じゃないわ。 俊本人には多分、何も起きないわよ。」
「良かったのじゃ! 何かあったら、わし!また怒られるのじゃ!」
「アンタ神ぃ? 本当に神様してるのよね? 眷属というか・・・怒られるって何してんの?」
イシディウスがハンディーに俊をデフォルトニアに送ってからの事を説明していく。
話を聞くにつれ、青筋を浮かべていく。
「クロク? そこ。」
ニコニコ顔で床を指指しているハンディーだ。
「せ・い・ざ。」
「のじゃ!?」
「ほら、正座しなさい?」
「な、な、なんじゃ!? ちゃんと修正してるのじゃ!」
「何処がちゃんと修正してんのよ! アンタ、自分の信者に痛み与えて気絶させるわ。素っ裸にするわとろくでもないわ!」
「のじゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ハンディーにクロクは拳骨を落とされた。
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